駒澤大学のマス・コミ公開講座でNHK出身の須磨章講師が「ドキュメンタリーはこうして生まれる」という講座を持ったので、興味を持ち受講することにした。前2回は都合がつかず、今日初めて出席したが、須磨講師はNHKで「新日本紀行」など歴史に残る番組のディレクターを務められたということで、今日はそのシリーズのひとつ「蔵ずまいの町」をビデオで観せてくれた。これは今ではラーメンで有名になった喜多方の、昔ながらの蔵とともに生きる地元の人々の生活と蔵の保存について描いたドキュメントである。「新日本紀行」は、20年間に亘って毎週月曜日午後7時半から30分間放映されたモノクロ紀行番組で、当時としては富田勲のテーマ音楽も耳触り良く、印象に残る良い番組だった。
画像を観ながら作成当時の思い出を話された。それ以外にも須磨講師はNHKで世界遺産番組を手掛けておられ、NHKの世界番組制作の中心となっておられるようだ。ペンクラブにもNHK出身の知り合いが何人かいるので、共通の話題もあり、いずれお話しすることになると思う。
いずれにしても来週以降須磨講師の話を聴くのが楽しみになってきた。
さて、政府が現在の原子力規制委員2人を再任しないことを決めた。そのひとりは、島崎邦彦・委員長代理であるが、政府や財界の意向に合わないとして再任を求めないようである。島崎氏はこれまで原発再稼働について厳しい考えを示していたため、はっきり言って政財界から嫌われていたのだ。島崎氏は東大地震研究所教授、日本地震学会会長、地震予知連絡会会長などを歴任し、日本では地震学のエキスパートであり、大飯原発稼働についても専門的な見地から、地震の危険性を指摘しており、関西電力にとっては獅子身中の虫のようなものだった。言葉は悪いが、端的に言えば島崎氏は原発賛成派から総スカンを食っていたのだ。これにより、原発の安全性を議論する規制委員が皆原発賛成派になってしまったということである。
この政府の動きは自らの考えに反する者は極力排除する行動と言える。これと似た動きは憲法改正問題においても見られる。反対の多い憲法改正については、正面突破を避けて姑息な憲法解釈の変更のような手段によって自分たちの考えを強引に押し通そうとする。安倍政権の極右的動きには危険の匂いがしてならない。