2572.2014年5月29日(木) 東京オリンピック会場の建設について

 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を目指して、競技会場・施設の新築や改造が企画されている。今最も注目されているのは、開会式、閉会式が行われる主要陸上競技場の国立競技場を建て替える計画である。

 昨日も日本スポーツセンターの将来構想有識者会議が開かれ新競技場の基本設計案が承認された。一昨年総工費1300億円で国際コンペ案が決定された。その後昨年9月にオリンピック開催が決定されるや総工費が大幅にアップされ3000億円と明らかにされ、その2カ月後に財務省と文科省の間で総工費1699億円を上限に合意した。どうしてこう簡単に金額が変更され、決定されるのかその経緯もよく分からない。

 競技場建て替えが問題となったのは、主に環境との調和だったが、それ以外にも施設の全体計画を見ると選手村を中心とする多くの施設はお台場、晴海地区に新設される。陸上競技のメイン会場となる国立競技場には、付属施設としてサブトラックが求められるという。こんな点を考えると敢えて現在の国立跡地にサブトラック造成のスペースがない新国立を作る必要があるのかと思える。どうせ新設するなら多くの施設の近くの晴海に作り、国立競技場は従来通りサッカーやラグビー球技として陸上競技とともに使用する方が無駄が省けたのではないだろうか。

 1964年東京オリンピックで国立競技場の他に駒澤競技場を第2会場として造成した。陸上競技場、サッカー場、2つの補助グランド、野球場、2つの屋内球技場が補完施設として機能した。老朽化したとしてその内1つの屋内施設は改修されるが、他の施設は多少手を加えれば充分使用できると思う。にも拘わらず駒澤は使用しないという。これも大きな無駄である。駒澤の正式名称は「駒澤オリンピック公園」という。

 関係者は本当にポスト・オリンピックや、無駄な投資を避けることを考えた末に議論を行っているのか首を傾げざるを得ない。

 メンバーはそれぞれオリンピック推進派の集まりだ。メンバーのひとり、小倉純二・日本サッカー協会名誉会長は、「日本でもう一度ワールドカップを開催するためには、FIFAが基準とする8万人の競技場が欲しい」とか、横川浩・日本陸上競技連盟会長のように「五輪後もトラックは残して欲しいし、常設のサブトラックも要望したい」とその欲望は留まるところを知らない。

 更に、費用の算出も杜撰なようで、東日本大震災後高騰した建設工事費や消費税の計算も好い加減だったことが分かる。

 皆自分の手柄にしたいために、勝手な要求をしているようで、これで国家行事が計画できるのか不思議な気持ちすらする。自分たちの懐から出資するのではないとすると、金が有効な投資かどうかを考えることもなくジャブジャブ使おうとしているように見えて仕方がないが、競技会場について考えるより前にもう少しオリンピックを国民が歓迎し後々まで良いオリンピックだったと思ってもらえるような制度設計を考えてもらいたいものである。

 午後長年付き合いのある証券会社より、わが家に来て株式投資の相談に乗ってもらっていたセールスマンが一昨日急逝されたと電話で知らせてくれた。20年以上も前に先代のセールスマンが健康を害して件の方が来られるようになったが、爾来何かと相談に乗っていただいていた。65歳ということだからまだまだお若いが、何とも寂しい限りである。お世話になった御礼とお悔やみを申し上げたい。      合掌

2014年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com