2618.2014年7月14日(月) ワールドカップ優勝はドイツに、滋賀県知事選は反自民に

 世界中で大騒ぎをしていたワールドカップは、今朝のドイツ対アルゼンチンの決勝戦で幕を下ろした。試合は延長戦の末、ドイツが1-0で勝ち、4回目の優勝を飾った。統一ドイツとなって初めての優勝である。

 今大会は、前回優勝のスペインが早々に予選リーグで敗退し、優勝候補に挙げられていたヨーロッパの強豪チーム、イングランド、イタリア、ポルトガルなども早々に予選で姿を消した。決勝トーナメント準決勝では開催国にして優勝候補の筆頭だったブラジルが、1-7の大差で敗退して衝撃的な話題を提供した。場外でもいくつかの関連施設の工事が間に合わなかったり、ストやデモ騒ぎがあったり、高架橋脚が落下して死者が出たり、とにかく想定外の話題の多い大会だった。

 いま終わったばかりのワールドカップを振り返ってみると、サッカーの盛んな国々とまだ発展途上のわが国の間には、サッカー・プレイヤー並びにファン層、それぞれに大きな差があると感じた。実力は別にしても、サッカー文化がまるで違うと感じた。そのほんの印象については、「ワールドカップ余聞」と題するコラムを書いてJAPAN NOW観光情報協会へ送った。

 さて、いま世界各国で国のトップを選ぶ選挙が行われている。先般エジプトではモルシ前大統領を軍事クーデターとも思える手荒な方法で追い出して行われた大統領選でシーシ軍司令官の選出、アフガニスタンとインドネシアで行われた大統領選、そして現職エルドアン首相が憲法を改正までして延命と独裁支配を強化しようとするトルコ、それぞれ政治の流動化含みの動きに世界の注目が集まっている。

 その一方で、わが国では国会で自民党が圧倒的多数を占めたことから、一昨年の総選挙以来やりたい放題の安倍独断専行政権は、国民の声を無視するどころか、このところ集団的自衛権の閣議決定を受け入れようとしない地方議会の空気を軽視した結果、昨日滋賀県知事選で苦杯を舐めた。有利とされていた自公推薦の官僚出身候補者が前知事の支援を得た前民主党議員、三日月大造氏に僅差で敗れた。国民の反発を甘く見て行け行けドンドンと勝手放題を繰り返した揚句、今日NHKが行った世論調査では、政権発足後初めて支持率が50%を割って、対前月-5%の47%だった。溢れんばかりの自信と他人の意見を聞こうとしない傲慢さは、留まるところを知らない。テレビでのインタビューでも、厳しく批判されるとそれはあなたが間違っていると言い返すなど、もう少し謙虚にならないといずれ足元を救われる。

 今夕の朝日「素粒子」にこう書いてあった。「安倍政権の独走極まる。ついていけぬ人は置き去りで。滋賀県知事選は卒原発派に。自民は集団で自衛もできず」。

 わが国にとって厳しいのは外交とばかり思わせられていたが、安倍首相のパフォーマンスを見ていると、実は首相自身こそが危うく、自民党は内部崩壊の根を抱え込んでいるように思ったが、どうだろうか。

2014年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2617.2014年7月13日(日) 過去のでき事を現在の視点で判断する難しさ 

 昨日の「岬」の人気ランキングに続いて、今日は今年創立140周年を迎えた警視庁が「印象に残る事件やでき事」について募集したアンケートを取り上げてみたい。「警視庁140年の10大事件」について、本日付の「広報けいしちょう」が140年前どころか、そのほとんどが戦前の世情さえ知らないだろう現代人の印象だけでランク付けした結果を報告しているので、少し考えてみたい。

 警視庁の創立が1874(明治7)年と聞けば、「降る雪や明治は遠くなりにけり」と俳人・中村草田男が詠んだのが満州事変が勃発した1931年だったから、それより半世紀以上も遥か昔のことである。明治は確実に遠くなったその時点で、明治時代に起きたでき事なんてほとんど現代の人は意識していない。更にその前の事件とでき事については言うまでもない。1世紀以上も昔の事件について現代人が正しく判断できるとはとても思えない。況や現代人が時系列的に起きた事件発生は数知れず、それを実際に知らない現代人が過去、現在を一緒くたにして選ぶことに理不尽さと不公平感があるのはある面で無理もないことである。

 しかし、それら不条理な点を割り引いたにしても、明治以降日本国民に散々目くらましをかませ、辛苦の体験を強いた戦争が見事見落とされているのは少し問題である。自分たちは戦争の被害に遭わずに、他人事のように感じている一面があるからである。太平洋戦争などは、少なくとも上位3番以内に入るべき大事件だった。このアンケートに応募した現代人は、一体戦争を何だと思っているのだろうか。日清、日露戦争はともかくとしても、あの全国民を地獄の底へ突き落した悲惨な太平洋戦争ですら、何とアンケートの30位以内にも入っていない。日本が徹底的に破壊され、世界で初めて原爆の惨禍を被った、あの「大東亜戦争」が現代人の脳裏の片隅にも残っていないということはどういうことだろうか。これでは安倍政権が戦争に無関心な国民感情を巧妙に利用し、世論の反対を無視して「集団的自衛権」や「特定秘密保護法」を強引に閣議決定したり、法案通過させてしまうのもむべなるかなと考えざるを得ない。警視庁によるアンケートであるため、そこには恣意的な配慮があったのではないかと穿った見方さえしてしまう。

 因みに上位10位まで挙げてみよう。①オウム真理教事件、②東日本大震災、③あさま山荘事件、④三億円事件、⑤世田谷一家殺害事件、⑥日航機御巣鷹山墜落事件、⑦女子高生コンクリート詰め殺人事件(1989年)、⑧グリコ・森永事件、⑨秋葉原無差別殺傷事件、⑩吉展ちゃん誘拐殺人事件、などの10例は一通り世間を騒がせた事件である。

 あれほどのむごい犠牲者を生んだ戦争体験をともすれば忘れがちで、考えようともしない風潮の現代日本人が微かに戦争を事件として挙げたのは、何と警視庁が発足して3年後の明治10年の「西南戦争」である。明治政府が不満分子を抑え政治と治安安定のきっかけとなった内戦である。その他に多少戦争の匂いが感じられるのは、僅かに13位の2.26事件である。

 東日本大震災が2位に入った一方で、10万人の犠牲者を生んだ関東大震災が30位にも入っていない。どうも判断の基準がおかしいと考えざるを得ない。我々が学生時代に国家の死命を制するとまで思い込み、必死に反対運動を行った60年安保闘争にしてもやっと28位である。その60年安保に比べると期待されながら、今ひとつ盛り上がらなかった70年安保闘争を含めた東大安田講堂事件が25位で上位にランクされている点などを考え合わせると、その判断の根拠の軽重度合に違和感を覚える。どだい過去140年間のでき事を、2014年に生きる人々の目線で振り返ることに無理があると言わなければならない。

 結論から言えば、実際に140年間に起きた事象を充分知らず、自分たちが最近知ったことだけで判断することの根拠のずれや、臨場感を感じることなく判断することに、充分な史料や材料を準備されずにすべてを判断する不公平感と同じような不審感を感じる。つまり1年間の10大ニュースを選別するのとは違い、140年間の事件を今年になって、ある年代層が不十分な材料の下で空気感なしに判断することに無理さ加減を感じるのである。

 結局この種のアンケートはあまり意味がないということになるのではないだろうか。

2014年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2616.2014年7月12日(土) 日本の岬、人気ランキング

 まもなく上梓する拙著のタイトルを当初の「南の島の日系人大酋長の波瀾万丈」から、「野球大酋長」へ変更したことを友人らにメールで知らせたところ、信頼する高校の先輩と現代書館を紹介してくれた清田義昭・出版ニュース社社長が新タイトルはとても良いと力強く言ってくれたので、こういう人たちから推薦されるなら販促上効果が上がるかなと思っている。これで旧タイトルへのこだわりと若干のわだかまりが吹っ切れた。タイトルには簡潔な言葉の中に、何を言わんとしているかということを想像させることが大切なようだ。その意味では「野球大酋長」は的確だったということだろう。

 さて、今日日本テレビで歌の長時間(11時間)番組をやっていたので、時折観るとはなしに観ていたら、歌には今日の番組に関わらず、「岬」を詠った曲が多いことに気付いた。偶々今朝の朝日新聞特集の「訪ねてみたい日本の岬」に人気ランキングが示されていた。それによると岬の人気1位は宗谷岬だった。以下②知床岬、③襟裳岬、④足摺岬、⑤東尋坊、⑥竜飛崎、⑦室戸岬、⑧犬吠埼、⑨納沙布岬、⑩潮岬だった。上位3位までが北海道にあるが、やはり岬が旅情をそそる点から北海道の岬が選ばれたのだろう。ところが、私自身すべて訪れたことがあると確信していたが、⑥竜飛崎だけはまだ行ったことがなかった。本州から北海道へはフェリーで何度か渡っているが、青森-函館、大間-函館で大間から函館へ渡った時は下北半島の大間崎から向かった。残念ながら津軽半島の竜飛崎からではなかった。それでも大間崎だって人気は19位である。大間崎には取り立てて旅情の魅力は感じなかったが、大間崎へ向かう途中立ち寄る恐山の奇々怪々な霊山のおどろおどろしい人気におんぶしているからだろう。蛇足ながら「竜飛崎」と「犬吠埼」の岬の文字が違うことも初めて知った。

 日本の風景は世界でも風光が素晴らしい場所が多い。これは狭い国土の70%が山間部であることが大きいと思う。まだまだ私だって日本の素晴らしい観光地を充分見たわけではない。都合をつけて海外はもちろん、国内ももっともっと隅から隅まで訪れてみたいものである。

2014年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2615.2014年7月11日(金) ベネッセの顧客情報大量に漏えい

 通信教育大手のベネッセの顧客情報が大量に流出して大騒ぎになっている。これまでにも似たような漏洩や、流出は度々あった。だが、今度ばかりはスケールが違うようだ。顧客情報の漏えいは、760万件、個人情報としては2070万人分というから相当な数になる。特に、今回は子どもの情報まで外部へ漏らされ、それが二次、三次漏洩となってかなり広い分野に流れ出たようだ。ベネッセは通信教育分野市場をかなり占有している。今後の通信教育界に大きなマイナス影響を与えるのではないだろうか。

 警察も何者かが顧客情報を外部に持ち出した不正競争防止法違反の疑いで捜査に乗り出した。経産省もベネッセに対して個人情報保護法に触れると報告を求めた。

 だが、現実に情報管理も当てにできなくなった。うっかり個人情報を他人に教えることには注意を払う必要がありそうだ。仮に金融機関情報が漏れたとして銀行口座から知らないうちに現金が引き出されるということにでもなったら、大パニックになるのではないか。利便性の反面、対価として危険性を被るようでは堪ったものではない。

 何とかこういう実生活における不安を取り除いてもらいたいものである。

 さて、今日奈良にいる長男から暗いニュースを受けて妻ともどもがっくりしているところである。先日社内の健康チェックで腎臓に問題ありと聞き心配していたところ、このほど受診した精密検査の結果、来月手術をすることになったと知らされた。癌とか、心臓病のようにすぐ生命に直結するような内臓疾患ではないが、手術が成功するにしても今後はよほど健康に注意しないといけない。これまで健康上の問題はまったくなく、高校でもラグビー部員として部活に励み、その後大学生、社会人となってからもあまり休むことなくジョギングを続け、マラソンにもトライしてホノルル・マラソン、東京国際マラソン、湘南国際マラソンなど各地のマラソンにも挑戦して、タイムも4時間を切っていたくらい健康だったのにどうしてこういう不運なことになってしまったのか。

 幸い長男はオリンパスの医療内視鏡の販売部門に勤めていて、普段から病院回りをやっているので、良いドクターとも顔なじみのようだ。それらの先生方の適切な処方をいただきながら、当分は無理しないよう健康に留意して欲しいものである。長男には妻と、中3の男児の下にまだ幼い2人の女子小学生がいる。当分の間気が重い。

2014年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2614.2014年7月10日(木) 近刊拙著のタイトルを変更

 修正した再校のゲラを持って飯田橋にある㈱現代書館へ出かけた。同社編集部の福田慶太氏と文章の修正と写真の挿入について細かく話し合った。難題はタイトルだった。一番肝心なタイトル決定が今日まで長引いてしまった。サブ・タイトルはやや長過ぎるので、最初から出版社から思い切って短縮するか、変更するよう求められていた。メディアに広告提出の期限から考えてもリミットが迫っていると、菊地社長が乗り出して来られた。一応これまでタイトルとして考えていたのは「南の国の日系人大酋長の波乱万丈」というもので、先日の座談会でもこれで行くことになっていた。それをズバリ「野球大酋長」に変更してはどうかとにじり寄られてしまった。

 現代書館の主張は、読者がタイトルを一見しただけで何となく内容のイメージが湧くようなタイトルより、何が書かれているか、タイトルから読者にあれこれ想像させるなり、妄想させるタイトルの方が販売政策上売れるという。そんな出版社営業サイドの意見が強く、このように簡潔なズバリのタイトルがアイディアとして生まれてきたようだ。「野球大酋長」とは一体何者か、という最初の疑問が販促に繋がるという。作者としての思いこみや拘りもあり、必ずしも納得できたわけではなかったが、時間が迫られていることもあり、あまり結論を先へ延ばすこともできない。出版社の言い分もある程度理解できたので、苦し紛れに「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」出版社の申し出を受け入れたというところである。早速友人らにはその旨メールで知らせた。

 サブ・タイトルは、まったく変わってしまった。従来は「元プロ野球投手ススム・アイザワが森喜朗元首相・元チームメート佐々木信也と結んだ友情の絆」だった。確かにこれは長い。当初からネーミングの短縮は考えていた。今日出版社側から提示された副題は「日系ミクロネシア人投手、二つの祖国と友情の架け橋」だった。ほぼ半分の長さにカットされた。これは素直に受け入れることにした。ただ、表紙帯文に近藤誠一・前文化庁長官の推薦文が掲載されるが、その近くにサブ・タイトルで削除された森元首相と佐々木信也氏の名前を書いてもらって大酋長と森元首相、佐々木さんとの友人関係を分かるようにした。

 他の文字や表現の修正などはあまり議論にはならなかった。それでも近頃の原稿では数字を算用数字で書く機会が多いが、現代書館は漢数字で表現する。漢数字にも書き方が複数通りあるので、しばしばトラブルがある。一番悩まされるのは対象によって漢数字の表現方が異なることだ。加えて野球のスコアの表現に漢数字を使用されることで、こればかりは一般的に馴染まない。そこでスコアはすべて算用数字にしてもらった。

 やはり数字だけは算用数字で表現できる方がどれだけ書きやすく、すっきりするかということを改めて再認識した。

2014年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2613.2014年7月9日(水) 駒澤大講座で観せてもらったドキュメント

 昨日拙著の再校ゲラを現代書館より送って来た。初校の付き合せをやってから丁度1カ月かかっている。初校の修正の他に、写真も組み込まれているので、大分体裁が整ってきた。すぐ見直して連絡し明日修正したゲラを持参することになった。

 さて、日本が予選リーグで敗れて国内では熱気が収まったかの感があるワールドカップだが、いよいよ今日から準決勝戦が始まった。その第1戦で6度目の優勝を狙う地元ブラジルとドイツの対戦で、何とそのブラジルが予想外の大敗を喫したのである。いかにエースのネイマールとキャプテンのチアゴ・シウバを欠いたとは言え、1-7のスコアである。これまでブラジルのワールドカップにおける最多失点は、私が生まれた1938年のポーランド戦で失った5点だった。それでもその試合で6点を奪い勝利した。今日の大敗はサッカー王国のブラジルにとって屈辱的な敗戦である。

 世界最強とも目されたブラジルも、前半だけで5点を失い、試合終了直前になってやっと1点を還すという無様な試合をやることが分かった。主役ネイマールの突然の負傷欠場がよほどチームの士気に影響したのだろうか。それにしても最後はヤケクソのような、選手と応援団だったが、ここにもラテン気質が表れたのだろうか。

 ついては、今週は駒澤大学春季講座の最終週である。今日は須磨章講師の講座の最終回で、講師の声かけにより終了後有志が集まって懇親会を催した。須磨講師はこの近くの出身らしく、食事処も友人の経営する店で、10余名の参加者全員が和気藹藹とした雰囲気の中で楽しい交歓の場となった。

 今日の講座で、観せてもらったのは75分物長編ドキュメント「二本のオリーブの木」だった。地味な作品であるが、全員が感動していた。ともに癌に見舞われた元NHK職員夫妻の愛情物語で、現実にこれほど相思相愛の夫婦がいるだろうか思えるほどお互いに相手に愛する心情をぶつける信じがたい話であるが、実に心打たれる物語でもある。結局夫婦とも半年のタイムラグで亡くなる。夫役の片岡仁左衛門と妻役の竹下景子が涙を流しながらナレーターを務めていた。それにしてもこんな家庭内の夫婦の愛情を拾い上げ、長編ドキュメントに仕上げる発想と演出は、普通では中々理解しがたく、流石に専門家は違うなぁと思った。

 やはり報道の現場で長年に亘りドキュメント作品を制作してきた講師の感性は、我々とは多くの点で異なる。聞けば、一般にはあまり魅力的でないと考えられそうな作品をゴールデンアワーに放映したという。秋にはまた新たな番組を観せてもらえるので、どんな作品に出会えるか、楽しみである。

2014年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2612.2014年7月8日(火) 台風8号沖縄を直撃

 日本列島を襲いつつある台風8号が沖縄に上陸して、沖縄本島17都市で50万人以上の人々が避難勧告を受けている。今度の台風では初めて特別警報が出され、今後日本列島を北上し、11日、12日には関東も暴風圏に入ってしまうようだ。

 台風に初めて特別警報が出されたのは、数十年に一度の災害が予想されるからで、直ちに命を守る行動が必要と気象庁が判断した時に発令される。台風8号は、1934年に3千名の犠牲者を出した室戸台風、5千名の犠牲者を生んだ59年の伊勢湾台風クラスだと予想されているほど強大なものである。

 テレビの各気象予報では、細かい解説に努めているが、今日は朝から上空が真っ青で蒸し暑さを別にすれば、台風がやってくるなどとはとても思えない。だが、これから東日本へ襲ってくる台風は、7月としては過去最強クラスの台風で最大級の警戒が必要とされるほど激しいそうで、天気予報図を見ても充分警戒しなければならないと思う。

 さて、うっかりしていたが、昨日は盧溝橋事件発生77周年記念日であったと同時に、日本にとって辛い戦史となったサイパン島玉砕70年の節目の日でもあった。日本軍の戦没者は4万1千人から3千人、在留邦人は1万数千人が亡くなったと推定されている。この他にも現地島民1千人近くが犠牲になった。私自身もう30年もサイパンを訪れてはいないが、今朝の新聞でバンザイ岬周辺の写真を見るといくつもの慰霊碑が建っている。ここは、防空壕内の司令部跡、ラストコマンド・ポストと自殺者を生んだ断崖バンザイ・クリフの近くにあって、現在では最も慰霊の場としては相応しいかも知れないが、我々が戦没者遺骨収集事業で出かけたころは記念すべき碑のようなものは何もなかった。それが73年初めて慰霊碑と石灯が建てられた。この近くで行われた慰霊祭や焼骨式の光景が瞼に浮かんでくるほど懐かしいところで、近著でもこれらについて触れている。各地の反戦運動と同時に、業務として長年戦没者遺骨収集に関わってきたサイパンも幾分懐かしい気持ちが湧いてくるのは、時間が経過したからだろうか。決して忘れてはならない悲劇である。

2014年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2611.2014年7月7日(月) 羨ましい高校生の海外大学視察旅行

 先月母校湘南高校の同窓会「湘友会」総会に初めて出席した。その折4月に着任された時乗校長が、来春計画している在校生のアメリカ西海岸視察旅行でUCLA、スタンフォード大訪問などを予定に組み込んでいるが、スタンフォード大が外部からの見学者を制限しようとしていると仄聞したと心配しておられた。

 そこで、慶應義塾がかねがねスタンフォード大と留学生交換プログラムを実施しているのを在学中から承知していたので、湘南ラグビー部の後輩で慶大商学部長の金子隆教授に手紙で何か伝手がないだろうか、またアドバイスをいただけないかと尋ねてみたところ、意外なことに大学同士は交流に太いパイプがあるわけではなく、金子教授にも個人的に強いコネはないと少々がっかりさせられる回答をもらった。ただ、交流計画についてはこうあるべきだとのアドバイスをもらったので、直ぐ時乗校長に連絡し、併せて今日湘友会事務局に参考に供せられるようコレポンのやり取りコピーを送ったところである。

 それにしても今の高校生が羨ましい。今年3月にはオックスフォード大、ケンブリッジ大を視察し、来年は米西海岸の大学を訪問する計画を立てている。我々の学生時代には海外渡航が認められておらず、海外留学は夢のまた夢だった。戦前伯父のひとりがドイツへ留学したことは大きな憧れだった。機会を捉えて私も何とか大学在学中にアメリカの大学へ留学したいと夢みていた。大学4年時にせっかく得たウェスタン・ミシガン大短期私費留学のチャンスをつかみながら、費用を工面できず計画は水泡に帰した。

 あの時ウェスタン・ミシガン大に短期ではあるが、留学していればわが人生は別のものになっていただろうか。1968年にはプラハのカレル大留学がらみでチェコに渡る計画を立てたが、その直前になって衝撃的な「プラハの春」事件が勃発してこの計画もうたかたの如く潰えてしまった。

 海外留学を望みながら、ついにわが身に「輝かしい海外留学」のチャンスはやって来なかった。その後文部省の教員海外派遣団の添乗員として、度々海外の名門大学を訪れたが、ついにわが学生時代にそれらの大学で学ぶ機会はなかった。それだけに余計に今の高校生が羨ましい。校長の話によると、今では高校在校中に海外の大学を視察して夢が膨らむと日本の大学ではなく、外国の大学へ入学したいと希望する生徒も現れてきているという。

 時代も変わったなぁとつくづく思う。もう一度生まれ変わることができたら若いうちにぜひとも欧米の大学へ留学してみたいものである。

 さて、今日は盧溝橋事件が発生して77年目である。盧溝橋に近い北京の中国人民抗日戦争記念館で行われた式典に初めて出席した習近平国家主席が、またも対日非難のスピーチを行った。気持ちは分からないわけでもないが、あまりにも後ろ向きではないだろうか。日中対立の現状は認めざるを得ないとしても、お互いに問題を緊張させるのではなく、両国の首脳が少しでも融和の方向へ向かって努力しなければ、先の展望が開けないのではないだろうか。双方で非難合戦を繰り返し、歩み寄ろうとしないのでは、お互いの存在自体が意味のないものとなる。もう好い加減にして欲しいものである。

2014年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2610.2014年7月6日(日) 電柱の地下埋設化計画について

 吉祥寺の建築家・山本富士雄さんから毎週不動産や住宅に関する情報をメルマガで送っていただいている。今日送っていただいた情報は「電柱の新設禁止」についてだった。山本さんは「蜘蛛の巣のような電線の張り巡らされた町を含恥都市」と呼んで早くから電線地中化を主張してこられた。

 私も海外へ出かけて古く伝統的な街造りを見るたびに、日本の市街地の道路上にぶら下がる電線を煩わしく思い、かねがねもう少しすっきりできないものかと気にはなっていた。わが自宅周辺も道路両側に電気と電話用の電柱が等間隔で立ち並び、景観上あまり好ましくない。しかし、生活上電気と電話線はなくてはならないものであり、ガスや上下水道のように地下へ埋設することが理想ではあるが、今設備された電柱は最早止むを得ないと半分諦めの境地だった。費用も嵩み過ぎるとしてこれまでは議論にもならなかった。

 それが、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控えて事態が急転回した。海外からやって来る観光客に景観上良い印象を持ってもらうための第一歩として、取り敢えず議員立法として法案化を目指して問題解決に取り組もうということになった。法案成立後は新たに電柱を建てることは禁止される。将来的には地上から電柱が一切取り払われるという。

 情報によると自民党が無電柱化を促進するため、珍しく本気になって法案の検討を始めたようだ。国土交通省の調べによるとロンドン、パリ、香港の無電柱化は100%だという。それに引き比べて日本の市街地の幹線の無電柱化率は僅か15%である。東京23区にしても48%だというからこれを地中に埋設するのは時間的にも、作業的、経費的にも大仕事である。実際ヨーロッパの市街地を歩いていてほとんど電柱を見ることはない。電柱がないことこそが景観をすっきりさせ街を美しくさせる最大のキーポイントである。

 チェコの首都プラハの王宮近くの道路には傘を被った街燈がいくつも等間隔に建ち並んでいるが、電線はまったく見られない。これは幻想的なガス灯で、その優しい光は中々情緒がある。この点滅のためには前時代的に担当の見回り人が毎朝、毎晩ガスの点火棒を持って点滅を行っている。こういう伝統的な電柱らしきものは邪魔どころか、街の情景に個性的な風情と夢想的な潤いを与えてくれるものだ。

 だが、日本の場合問題は山積している。まず費用がかかり過ぎるということと、地中化するにしても道路が狭いので、すべてを地中化するのは場所によっては技術的に難しいところが多いと懸念されている。新法制定と同時に、現在毎年7万本ずつ増えている電柱を地下へ埋設する工事と並行して、すでに全国に3500万本ある地上の電柱を少しずつ地下へ埋設していくわけである。気の遠くなるような話だが、わが国が観光立国を目指していくからには、その志は大いに結構だと思う。

 ニューヨークでは地中化率は83%だが、市内の高層ビル街にはほとんど電柱を見ない。それが、一旦フェリーでマンハッタン南端のバッテリー・パークからスタテン島へ渡った途端、景色は一変する。高層ビルは姿を隠し、ごく普通の住宅が建ち並んでいるが、軒並み電柱が地上に建ち並んでいる。ニューヨークらしからぬ光景を目にしたように感じ、少々異な風景に出会ったような気がしたものである。

 日本の街々から電柱がなくなれば、日本の景色は一層美しくなることは間違いない。普段はあまり役に立たない自民党議員も、せめてこれなら法案成立に協力できるだろうから、この際ぜひとも実現させて、偶には街を歩く国民をすっきりとした気持ちにさせて欲しいものである。

 山本さんもそれを望んでいる筈である。

2014年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2609.2014年7月5日(土) 骨抜きにされる原子力規制委員会

 先日政府は原子力規制委員会の委員長以下一部の委員を交代させることを発表した。田中俊一委員長以下僅か5人の組織である。その中で田中委員長と島崎邦彦委員長代理を交代させるという。同委員会委員は環境省の外局で、各委員はそれぞれに人格、識見、実績ともに優れた人物で衆参両院の同意を得て首相が任命する権威ある職責である。

 なぜこの時期に重要な原子力規制委員会の人事をいじるのか? 答は明白である。田中氏と島崎氏はともに原発再稼働について慎重派だからである。特に島崎氏は地震学が専門で断層調査や地震対策の審査を通して、早期の再稼働を求める電力会社と激しくやりあってきた。関西電力大飯原発3、4号機の審査では断層の深さなどを見直すよう強く求めた。こうした慎重な意見が再稼働を推進しようとするグループから快く思われていなかった。

 その一方で、後釜に座る委員の一人である田中知東大教授は、原発慎重派ではなく原発推進派である。日本原子力学会元会長であり、これまでにも原発推進の日本原子力産業協会理事の立場にあった。これで、原発がどんなに安全であるとの理由をつけるにせよ、再稼働へスィッチが切り替わったことがはっきりした。更にばつの悪いことに、今朝の朝日一面トップに中立ポストに就く田中知氏が、推進派の原子力事業者や団体から巨額の報酬を受け取っていたことが暴露された。しかもこれについて説明を求められた田中氏は、その立場にないと質問をはぐらかせて答えるべきことに答えていない。こういう不誠実な原子力規制委員が、原発再稼働かどうかを決めるのだから、我々は安心して眠ることができない。

 この原子力規制委員会の人事を見ているだけで、中立であるべき諸々の組織への安倍政権の介入、つまり中立性が求められるポストに次々と息のかかった人物を据える強引なやり方は目に余る。日銀総裁、NHK経営委員、内閣法制局長官などの人事についてもこれほど露骨な介入をした政権はいままでにない。

 いかに総選挙で大勝したとは言え、これほど好き勝手な人事をやられてはそこに働く人々のやる気を失わせるばかりでなく、まともに職務が行われず事業が停滞し、実力よりごますりや賄賂が蔓延るのではないかと心配である。これも安倍首相自身にさほど優れた能力がなく、コネや血筋で現在の地位まで駆け上ってきたトレースのせいだろう。

 公私混同が一体となった現在の安倍政権のやり方が、日本の全般にやる気を失わせるようなことがなければ良いがと願う。

2014年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com