世界中で大騒ぎをしていたワールドカップは、今朝のドイツ対アルゼンチンの決勝戦で幕を下ろした。試合は延長戦の末、ドイツが1-0で勝ち、4回目の優勝を飾った。統一ドイツとなって初めての優勝である。
今大会は、前回優勝のスペインが早々に予選リーグで敗退し、優勝候補に挙げられていたヨーロッパの強豪チーム、イングランド、イタリア、ポルトガルなども早々に予選で姿を消した。決勝トーナメント準決勝では開催国にして優勝候補の筆頭だったブラジルが、1-7の大差で敗退して衝撃的な話題を提供した。場外でもいくつかの関連施設の工事が間に合わなかったり、ストやデモ騒ぎがあったり、高架橋脚が落下して死者が出たり、とにかく想定外の話題の多い大会だった。
いま終わったばかりのワールドカップを振り返ってみると、サッカーの盛んな国々とまだ発展途上のわが国の間には、サッカー・プレイヤー並びにファン層、それぞれに大きな差があると感じた。実力は別にしても、サッカー文化がまるで違うと感じた。そのほんの印象については、「ワールドカップ余聞」と題するコラムを書いてJAPAN NOW観光情報協会へ送った。
さて、いま世界各国で国のトップを選ぶ選挙が行われている。先般エジプトではモルシ前大統領を軍事クーデターとも思える手荒な方法で追い出して行われた大統領選でシーシ軍司令官の選出、アフガニスタンとインドネシアで行われた大統領選、そして現職エルドアン首相が憲法を改正までして延命と独裁支配を強化しようとするトルコ、それぞれ政治の流動化含みの動きに世界の注目が集まっている。
その一方で、わが国では国会で自民党が圧倒的多数を占めたことから、一昨年の総選挙以来やりたい放題の安倍独断専行政権は、国民の声を無視するどころか、このところ集団的自衛権の閣議決定を受け入れようとしない地方議会の空気を軽視した結果、昨日滋賀県知事選で苦杯を舐めた。有利とされていた自公推薦の官僚出身候補者が前知事の支援を得た前民主党議員、三日月大造氏に僅差で敗れた。国民の反発を甘く見て行け行けドンドンと勝手放題を繰り返した揚句、今日NHKが行った世論調査では、政権発足後初めて支持率が50%を割って、対前月-5%の47%だった。溢れんばかりの自信と他人の意見を聞こうとしない傲慢さは、留まるところを知らない。テレビでのインタビューでも、厳しく批判されるとそれはあなたが間違っていると言い返すなど、もう少し謙虚にならないといずれ足元を救われる。
今夕の朝日「素粒子」にこう書いてあった。「安倍政権の独走極まる。ついていけぬ人は置き去りで。滋賀県知事選は卒原発派に。自民は集団で自衛もできず」。
わが国にとって厳しいのは外交とばかり思わせられていたが、安倍首相のパフォーマンスを見ていると、実は首相自身こそが危うく、自民党は内部崩壊の根を抱え込んでいるように思ったが、どうだろうか。