2614.2014年7月10日(木) 近刊拙著のタイトルを変更

 修正した再校のゲラを持って飯田橋にある㈱現代書館へ出かけた。同社編集部の福田慶太氏と文章の修正と写真の挿入について細かく話し合った。難題はタイトルだった。一番肝心なタイトル決定が今日まで長引いてしまった。サブ・タイトルはやや長過ぎるので、最初から出版社から思い切って短縮するか、変更するよう求められていた。メディアに広告提出の期限から考えてもリミットが迫っていると、菊地社長が乗り出して来られた。一応これまでタイトルとして考えていたのは「南の国の日系人大酋長の波乱万丈」というもので、先日の座談会でもこれで行くことになっていた。それをズバリ「野球大酋長」に変更してはどうかとにじり寄られてしまった。

 現代書館の主張は、読者がタイトルを一見しただけで何となく内容のイメージが湧くようなタイトルより、何が書かれているか、タイトルから読者にあれこれ想像させるなり、妄想させるタイトルの方が販売政策上売れるという。そんな出版社営業サイドの意見が強く、このように簡潔なズバリのタイトルがアイディアとして生まれてきたようだ。「野球大酋長」とは一体何者か、という最初の疑問が販促に繋がるという。作者としての思いこみや拘りもあり、必ずしも納得できたわけではなかったが、時間が迫られていることもあり、あまり結論を先へ延ばすこともできない。出版社の言い分もある程度理解できたので、苦し紛れに「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」出版社の申し出を受け入れたというところである。早速友人らにはその旨メールで知らせた。

 サブ・タイトルは、まったく変わってしまった。従来は「元プロ野球投手ススム・アイザワが森喜朗元首相・元チームメート佐々木信也と結んだ友情の絆」だった。確かにこれは長い。当初からネーミングの短縮は考えていた。今日出版社側から提示された副題は「日系ミクロネシア人投手、二つの祖国と友情の架け橋」だった。ほぼ半分の長さにカットされた。これは素直に受け入れることにした。ただ、表紙帯文に近藤誠一・前文化庁長官の推薦文が掲載されるが、その近くにサブ・タイトルで削除された森元首相と佐々木信也氏の名前を書いてもらって大酋長と森元首相、佐々木さんとの友人関係を分かるようにした。

 他の文字や表現の修正などはあまり議論にはならなかった。それでも近頃の原稿では数字を算用数字で書く機会が多いが、現代書館は漢数字で表現する。漢数字にも書き方が複数通りあるので、しばしばトラブルがある。一番悩まされるのは対象によって漢数字の表現方が異なることだ。加えて野球のスコアの表現に漢数字を使用されることで、こればかりは一般的に馴染まない。そこでスコアはすべて算用数字にしてもらった。

 やはり数字だけは算用数字で表現できる方がどれだけ書きやすく、すっきりするかということを改めて再認識した。

2014年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com