昨日拙著の再校ゲラを現代書館より送って来た。初校の付き合せをやってから丁度1カ月かかっている。初校の修正の他に、写真も組み込まれているので、大分体裁が整ってきた。すぐ見直して連絡し明日修正したゲラを持参することになった。
さて、日本が予選リーグで敗れて国内では熱気が収まったかの感があるワールドカップだが、いよいよ今日から準決勝戦が始まった。その第1戦で6度目の優勝を狙う地元ブラジルとドイツの対戦で、何とそのブラジルが予想外の大敗を喫したのである。いかにエースのネイマールとキャプテンのチアゴ・シウバを欠いたとは言え、1-7のスコアである。これまでブラジルのワールドカップにおける最多失点は、私が生まれた1938年のポーランド戦で失った5点だった。それでもその試合で6点を奪い勝利した。今日の大敗はサッカー王国のブラジルにとって屈辱的な敗戦である。
世界最強とも目されたブラジルも、前半だけで5点を失い、試合終了直前になってやっと1点を還すという無様な試合をやることが分かった。主役ネイマールの突然の負傷欠場がよほどチームの士気に影響したのだろうか。それにしても最後はヤケクソのような、選手と応援団だったが、ここにもラテン気質が表れたのだろうか。
ついては、今週は駒澤大学春季講座の最終週である。今日は須磨章講師の講座の最終回で、講師の声かけにより終了後有志が集まって懇親会を催した。須磨講師はこの近くの出身らしく、食事処も友人の経営する店で、10余名の参加者全員が和気藹藹とした雰囲気の中で楽しい交歓の場となった。
今日の講座で、観せてもらったのは75分物長編ドキュメント「二本のオリーブの木」だった。地味な作品であるが、全員が感動していた。ともに癌に見舞われた元NHK職員夫妻の愛情物語で、現実にこれほど相思相愛の夫婦がいるだろうか思えるほどお互いに相手に愛する心情をぶつける信じがたい話であるが、実に心打たれる物語でもある。結局夫婦とも半年のタイムラグで亡くなる。夫役の片岡仁左衛門と妻役の竹下景子が涙を流しながらナレーターを務めていた。それにしてもこんな家庭内の夫婦の愛情を拾い上げ、長編ドキュメントに仕上げる発想と演出は、普通では中々理解しがたく、流石に専門家は違うなぁと思った。
やはり報道の現場で長年に亘りドキュメント作品を制作してきた講師の感性は、我々とは多くの点で異なる。聞けば、一般にはあまり魅力的でないと考えられそうな作品をゴールデンアワーに放映したという。秋にはまた新たな番組を観せてもらえるので、どんな作品に出会えるか、楽しみである。