2688.2014年9月22日(月) 治安不安なアフガニスタンで新大統領選出

 9.11同時多発テロ事件後、アメリカがアフガニスタンでアルカイダ掃討作戦を行った2004年に、アフガニスタンの初代大統領に就任したカルザイ大統領が2期10年の任期を終えて辞任することになった。2期目はアルカイダを壊滅させる手法でアメリカ政府と関係が悪化していた。カルザイ大統領の後任選出で大統領選が行われ、決着がつかずの決選投票が実施されたのは今から3か月も前の今年6月である。そして漸く昨日になって今一つすっきりしない方法で新大統領にアシュラフ・ガニ元財務相が決定した。とにかく政治情勢が複雑で大統領選出も中々一筋縄では行かなかった。

 投票に不正があったとしてガニ氏の対抗馬だったアブドラ・アブドラ元外相が独自政府の樹立に向けた動きを見せるなど国家分裂の危機も高まっていた。結局1回目の投票で2位だったガニ氏が決選投票の結果大統領に決まったが、両者の獲得票数は公表されないという奇妙で謎の残る選出となった。両者の間には妥協の産物が盛り沢山である。

 ガニ氏は大統領に就任するが、敗れたアブドラ氏は行政長官に就任する。大統領は毎月1回閣議を主宰し、一方の行政長官は毎週閣僚評議会を主宰して、閣僚や治安機関の主要ポストを2人が均等に分配されるというまさに妥協が成せる結果である。

 まるで二頭政治である。こんなことでこの複雑な事情を抱える国家をリードし統率して行けるのだろうか、首を傾げるところだが、ともかく新大統領はガニ氏に決まった。

 アフガニスタンには内外に難題が山積している。アメリカは駐留米軍を2016年中に完全撤退させる。自前の治安部隊だけで国内にいる「イスラム国」やタリバーンと連携する組織をどう抑え込んで行くのか。ガニ氏が大統領になってアブドラ・アブドラ氏との間で挙国一致政権を樹立することでは合意したが、挙国一致と言えば言葉上はまとまっているように見えてもこれで難局に対して迅速に対応していけるだろうか。心配の種は尽きない。

 こんな時でも大統領選出の混乱に際してタリバーンが政府側に対して攻撃を激化させている。周辺諸国との治安も安定せず、国内政局も盤石ではなく、今なお内憂外患のアフガニスタンである。

2014年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2687.2014年9月21日(日) 日本相撲協会にまたぞろ怪しげな噂

 大相撲秋場所は今日中日を迎えて両国国技館でたけなわであるが、どうも芳しからぬ噂がまた漏れてくる。相撲協会らしいと言えばその通りだ。自浄力のないこの組織・公益財団法人日本相撲協会は、4年前に八百長問題で世間の散々厳しい審判に晒された。その辛辣な批判に懲りて、反省を込めて相撲TV中継を止め、観客を入場させない異常な場所も興業した。協会幹部は理事長が交代して八百長相撲に関与した力士・大関琴光喜らを解雇して出直した筈であった。

 今囁かれているのは、決して反社会的な行為と言われるほどのことではないが、性懲りもなくまたかという国技大相撲を管理運営する公益法人としての姿勢を問われるものだ。

 その噂とは、協会役員だけの考えで協会役員の定年延長を早ければ今年九州場所までに決めようとしていることである。現在65歳の理事の定年を5年延ばして70歳にしようというのである。そこには何やら曰くありげな理由があるようである。現在61歳の北の湖理事長の延命を視野に入れた思惑があるとされている。5年後には定年を迎える現理事長が、定年延長により更に5年協会役員の地位に留まることができる。大体北の湖理事長は現在八百長事件で瀬戸際の協会を放駒親方が理事長となってしのぎ、何とか立て直すことができた。その放駒理事長は一期でさっさと辞め、北の湖はその後を継いで理事長へカムバックしたのである。定年を延長するというと高齢理事を救済することになると聞こえは良いが、その反面若手や中堅の出世の道を狭めることであり、若手の批判は強い。強い権力志向を感じる理事長の手腕だが、この強引で功利的な「改革」が果たして世間の人々を納得させてくれるだろうか。真実は分からないが、誤解されること自体北の湖理事長には妙に腹を探られたくないだろうし、不本意だろう。

 二度と八百長事件のような問題を起こしたら、今度こそ北の湖理事長の命運のみならず、相撲協会の運命も尽きるだろう。よくよく熟慮して欲しいものである。

2014年9月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2686.2014年9月20日(土) 新たな心配がぶり返している。

 スコットランドがイギリスから独立しないことになり世界中がホッとしているようだ。一般的に国が独立するということは、とかくの抗争や困難な問題がつきまとうものだ。だが、スコットランドとイングランドの間には民族的にも、宗教的にも、或いは文化的にも多少の独自性があるとは言え基本的に大きな相違はない。破れたりとは言ってもスコットランドが失うものはほとんどない。キャメロン首相は自治権拡大を約束したし、ポンド通貨不使用の心配はなくなったし、独立してもEU加盟の難題が残されたので、却って当面独立問題を後世へ先送りして現時点で抱える課題解決へ向かって邁進できるのではないか。

 そこで新たな国際問題として改めて急速に問題視されているのは、「イスラム国」の存在とその過激で好戦的なアピールである。国連安保理事会では、アメリカが「イスラム国」が支配するイラク北西部とシリア北東部に対して空爆を行う了解を得るための提案をしたが、ヨーロッパ、日本などは同意したが、アメリカからウクライナ問題で制裁を受けているロシアと元々対立していたイランがシリア政府の了解を得なければ、侵略行為に当たるとして反対して、埒が明かない。

 さらに、もうひとつ厄介な問題は、未だに西アフリカのエボラ出血熱が2600人以上の死者を出していながら、解決どころか今の医療技術では打つ手がないとWHOが匙を投げていることである。シェラレオネでは、市民が8人もの医療従事者を殺す事態まで起きている。3日間外出禁止令などあまりに厳しい感染防止統制を誤解した市民が彼らを襲撃したようだ。こういう間接的なトラブルも心配の種である。

 さて、今日嬉しい情報を得た。拙著「南太平洋の剛腕投手」が「日刊ゲンダイ」紙に書評を載せてくれたことである。すでに1週間も前の9月13日号に「日系ミクロネシア投手の波乱の人生」との見出しで、「~実業家としても大成したそのエネルギッシュで不屈の人生の軌跡を描く」と結んでくれている。このように書評で世間にPRしてくれると販促には効果的だ。早速2匹目のドジョウを狙って「秋田魁新報」論説委員・編集委員を務めているゼミの後輩に厚かましいお願いのメールを送ったところである。

2014年9月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2685.2014年9月19日(金) スコットランド、イギリスに留まる。

 スコットランドの独立は成就ならなかった。昨日住民投票が実施され夜通しの開票作業の結果、   今日賛成派の44.65%に対して独立反対派が55.25%で上回り、スコットランドがこれまで同様に大英帝国に留まることになった。NHK・BSの生中継でBBCは反対派が過半数を獲得することがほぼ確実になったと放送した時点までライブで見ていた。

 開票当初は独立賛成派、反対派が僅差の勝負だったが、時間の経過とともに反対派が優勢となり、そのまま振りきった。32州の内賛成派が抑えたのはグラスゴーを含むたったの4州だった。投票率は実に84.6%という高投票率だった。16歳以上の住民が与えられた権利を精一杯主張したのだ。

 これで選挙直前になって2度もスコットランド入りをして独立派に対して説得工作をしていたキャメロン英首相もほっとしたことだろう。今後の問題としては、キャメロン首相が約束したスコットランドの自治権拡大をどの程度認めるかということである。

 今度の独立問題は、外で見て長いイギリスの歴史上なぜ独立しなければならないのかという点で、ややアピールが足りなかったと思う。独立派に対しては北海油田の収入がスコットランドに入るので経済的に潤うというだけでは、独立を正当化するための論理としてはやや弱い。一方、反対派にとってもユニオン・ジャックが変わる恐れがあり馴染みのないデザインになる心配があるとセンチメンタルなことを言う人もいる。

 実益から言って、スコットランドが独立しても双方にとってメリットはあまり考えられず、ポンドの価値下落とか、国連常任理事国としての立場、安全保障上の原子力潜水艦基地の移設問題などマイナス面の方が大きい。

 この結果を受けてスペイン・カタルーニャ地方の独立問題はどうなるだろうか。同じスペインのバスク地方の独立は?と関心は高まる。ややケースは違うが、長年漢民族により抑圧されているチベットやウィグルなど少数民族の漢民族国家・中国からの分離独立はどうなるのかという点も関心を呼ぶ。

 さて、今日は「出版ニュース」社の清田義昭社長と夕食をともにした。清田社長には、現代書館を紹介していただき、何くれとなく気を遣っていただいた。特に「出版ニュース」最近号に小中陽太郎氏に書評を書いていただいたことは、販促上大変有り難いと思っている。

 清田社長とは「勘太郎月夜唄」と故筑紫徹也氏、佐高信氏の話で盛り上がったが、愉快なディナーとなった。今拙著はいずこの書店にも並び、もう一息で重版というところまで来ている。帰路立ち寄った新宿西口のモード学園書店にも確かに拙著が置かれていた。有り難いことである。

 今朝菊地現代書館社長に聞いてみたところ初版2200部発行の内、在庫が600部ということだった。

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2684.2014年9月18日(木) 急激な円安、経済に波乱に波乱を呼ぶか。

 円安傾向に歯止めがかからない。このところ日に日に円価格が下がっている。今日は何と1$=106円台にまで進んだ。実に6年ぶりのことである。その大きな原因は、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)がゼロ金利政策を当面継続すると発表したことにある。このうえスコットランドがイギリスから独立したとなると、ポンドの価値が下落しドル高円安傾向も一層加速すると見られている。

 このせいかどうか、わが国の8月の貿易収支は何と1兆円近い9485億円の赤字となった。貿易赤字は26カ月連続である。輸入量も若干減ったが、原油価格が上がったことが大きく影響している。つい最近も車にガソリンを補給したところ1リットル当たり165円だったので、驚いた。

 今日日経平均株価は大きく上がったが、経済界全体としては必ずしも景気が順調であるわけではない。昨日ソニーが2015年3月期決算では2300億円の最終赤字を計上すると発表した。かつては斬新な新商品を次々と市場に出してはマーケットを席巻していたあのソニーが、スマホ、パソコン市場で苦戦を強いられ昔の栄光の影は見られない。そして、無配に転落、更に1000人の人員削減を追加で行うとも述べた。その影響でソニーの今日の株価は一時13%安まで落ち込んだ。かつては、友人の故曽田さんがニューヨークの公認会計士の資格を持ってソニーに誘われ入社したが、あの栄光はどうなってしまったのだろうか。一抹の寂しさを禁じえない。

 それにしてもこれまで日本経済の一翼を担ってきた弱電気業界は、パナソニックにしても東芝にしてもあまりぱっとしない。東芝もソニーと同様国内外の工場で900人の人員削減を行うと発表した。

 一般的には円安で輸出産業が伸びるとされているが、実際には自動車や電機産業を中心に輸出はそれほどの伸びが期待できない。経済は生き物とよく言われるが、シナリオに従えば、「円安=輸出伸長」と言われたが、実際にはあらゆる要因が混じり合い、6年ぶりの円安が現実には輸出効果を高めていない。

 これについては、今日までのところどの経済学者もはっきりとした原因と解説をしていない。

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2683.2014年9月17日(水) スコットランドは独立するだろうか。

 明日スコットランドがイギリスから独立するかどうか、スコットランド住民による歴史的な投票が行われる。メディアでは昨日辺りからしきりにその可能性について侃侃諤諤の論評が行われている。独立の可能性はまだ五分五分で、独立反対派にとって独立派に彼らの独立を思いとどまらせられるかどうかは予断を許さないようだ。一時独立派が優位に立ったことからイギリス政府は、急遽キャメロン首相自らがスコットランドを訪れ、独立することのメリットよりもデメリットが勝るとしきりに思いとどまるよう住民を説得している。栄光の大英帝国も今や風前の灯となり、流石に政治的な発言がご法度なエリザベス女王ですら、スコットランド住民に対して良く考えるよう訴えている。

 イングランドとスコットランドが連合国となってすでに300年が経過した。その結果としてイギリスの国旗ユニオン・ジャックは、2つの連邦とウェールズ、北アイルランド旗が重なってでき上がった。それが仮にスコットランドの独立となったら、ユニオン・ジャックはどうなるのだろう。そんな形式的なことより2つの連邦にとって、独立は経済面と安全保障面で決してプラスとはならない。この空気を懸念してイギリスの通貨、ポンドの価値が今日大きく下落している。それは独立となれば、イギリス政府はスコットランドのポンドを認めず、結果的にポンドの構成要因であるスコットランド離脱により、その分ポンド価値が下落するからである。早くも独立期待含みのポンド下落が先行しているようだ。

 今イギリスにとって後悔を持って言われているのは、2012年イギリス政府とスコットランド連邦が独立の話が具体化した際、明日の住民投票を決定したことが、イギリス政府にとってはやや早計だったことである。その時自治権の拡大も課題として上がったが、イギリス政府は選挙で勝てると踏んで自治権について議論しなかったことが今になって悔やまれているのである。いずれにせよすでに賽は投げられた。明日の結果を待って、その後の対策を考える以外にイギリスにとってもスコットランドにとっても術はない。

 過去に2度スコットランドの首都エディンバラを訪れ、いかにも歴史のある首都の落ち着きというものに感銘を受けたものである。あの小高い崖の上に聳えるように見えたエジンバラ城が懐かしい。外国人が他国の決定に口を挟むのは遠慮しなければいけないが、人権抑圧とか国民弾圧などがなければ、現状が壊れるのは何となく寂しい気がするものだ。

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2682.2014年9月16日(火) いたるところ危険だらけ

 米軍はバグダッド南西部で「イスラム国」に対する空爆を実施した。アメリカはアフガニスタン、イラクから部隊を撤退させ彼らの自治管理維持の見込みが立ったところで、米軍部隊を撤退させ自治管理に委ねる方針だった。ところが、アメリカの意に反して自治管理どころか、外部勢力、とりわけイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」の進出に危機感を感じたのか、ついに空爆を開始した。この得体の知れない「イスラム国」なるものが、イラクとシリア国内に勢力を拡大し、政府機関を攻撃して、場所によっては政府軍を追い払う勢いを得てきたことが、暫し静観の姿勢を取っていたアメリカを攻撃に踏み切らせた。

 これまでアメリカの介入は、一気に解決という形にはならず、意に反して泥沼化したケースが多い。そのせいもあってある程度戦争も落ち着いたところで、戦線を縮小させて離脱を考えた。だが、最近のイラクや、シリアの情勢を考えると現地政府が反対勢力を抑えきれず、事態は悪化するケースが多い。

 そこで、アメリカは傷を負わない程度に反対勢力を抑止するために地上戦を避け、空爆に踏み切った。

 実は、今日日本ペンクラブ9月例会が開催されたが、西木正明常務理事が挨拶で、このイスラム国の存在のような過去にない強大な組織が蔓延る時代になり、国際社会は危険が高まったと話された。こういう時代に我々はどうすべきか考えさせられる。

 国内では午後0時半ごろ関東を中心に大きな地震があった。パソコンを操作中だったが、久しぶりに大きな揺れだった。都内千代田区では震度4、その他の都内は震度3だった。東日本大震災以来の激震だったが、よく考えてみると近年になって地震が増えてきたと思っている。間違いなく近い将来大きな地震に見舞われる可能性は高いと思う。そうなると今原発再稼働へ少しずつ前進しているエネルギー政策は、このままで良いのだろうか。

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2681.2014年9月15日(月) 山口淑子(李香蘭)さん亡くなる。

 戦前戦後を通じて一世を風靡したひとりの女性が亡くなられた。戦前は女優として、戦後は参議院議員となった山口淑子さんである。享年94歳である。子どもの頃からその名前、出演映画、課題曲だけは聞いて知っていた。映画と歌のひとつひとつが余りにも有名で、子どもながらに歌詞とメロディは憶えてしまい頭の中にこびりついていた。映画なら「支那の夜」、歌なら「蘇州夜曲」や「夜来香」は私にとっても懐かしく印象深い。

 1991年大連、瀋陽(旧奉天)、長春(旧新京)、ハルビンなど旧満州の都市と北京を旅行した時、長春で旧満州の満州映画の記念館のような建物を訪れた時、往年そこで李香蘭(山口淑子)が演技していたとガイドから説明を受けた。中国人を装っていた山口が戦中戦後どれほど苦労したかは計り知れない。日本人でありながら満州で生まれて、その美貌を買われて中国人女優としてデビューして戦前は「東洋のマタハリ」と呼ばれた川島芳子とも交流があった。その川島はスパイとして処刑された。

 高峰三枝子と並んで、いかに山口が戦前の若い男性らから好かれていたかは、ビルマ慰霊団に参加した戦友会の人たちから散々言い聞かされた。演技することを強いられたとは言え、自分の行為が中国人にとってはスパイ的行為であり、戦後日本人であることから解放されたが、自分でも罪悪感をいつまでも捨てきれなかったようだ。それが、従軍慰安婦のための基金創設に貢献したことに繋がっている。

 さて、今日は「敬老の日」である。今や高齢化社会が進んで65歳以上の高齢者人口が総人口の25.9%、75歳以上は12.5%で、4人に1人が高齢者、8人に1人が75歳以上である。ついに私もその8人の1人になった。これからは健康と生きがいの追及が大切であると思っている。健康に支障なく好きなことを思い切りやってみるということだ。まだまだ行けると思っている。

 46年前の今日は偶々妻とお見合いをした日でもある。妻と初めて会って早くも46年が経過したことになる。とっくに人生の半分以上をともに過ごしていることになる。これからもともに健康でありたい。

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2680.2014年9月14日(日) 朝日体質へのしっぺ返し

 11日に朝日新聞社木村社長が自社の誤報について謝罪記者会見をした翌日から今日まで、連日大きなスペースを割いて朝日はひたすら懺悔と恭順の気持ちを表している。その一方で他社はこの機会に、日ごろから抑えていた不遜な朝日に対する反発と鬱憤晴らしで辛辣な記事を書いている。とにかくこれら2つの重大な誤報に関係していた記者以外の記者にとっては気の毒というしかないが、これも朝日の体質ではないかと思える節が随所にある。実際思いあがるのも程度問題ではないかと不愉快に思ったこともある。自分たちが世論を形成しているのだと言わんばかりの言質は、朝日ならではのものだろう。

 例えば、私にもこんな経験がある。今年5月「記者有論」に北埼玉支局のある記者が、鉄道路線の愛称についてコラム記事を書いていたが、間違いを発見しメールで朝日に指摘した。ところが、ウンでもスンでもなく、時間だけが過ぎた。担当者に指摘したことに対して回答ぐらい寄こすべきではないかとクレームをつけた。担当者は私からの指摘は支局へ送ったと自分は責任を果たしていると言わんばかりでカチンときたので、返事を寄こして初めて責任を全うするのではないかと言ってやった。その翌日のことである。件の記事を書いた記者から居丈高に私には事実誤認があると一方的に言ってきた。結論から言えば、お互いに認識が違っていたのだが、その時記者は自分は間違っていないと偉そうに話したので、これが朝日記者のエリート意識の顕れだと知った。

 記者の顔写真を見れば、まだ若くあまり世間を知らずに今日までひたすら自分が正しいと信じて記事を書き続けてきたのだろう。

 ジャーナリストにとって大事なことは、事実を正確に伝えることは当然であるが、人の意見に謙虚に耳を傾ける誠実さこそ必要であるとつくづく思った次第である。そうすれば、不遜な態度で顰蹙を買うこともないだろう。今度の事件は朝日を四面楚歌に陥れ、結果的に徹底してジャーナリズムの世界から叩かれているのは、これまで自分たちこそ正しく、世論をリードしているとの傲慢さが鼻持ちならなくて、この際とばかりしっぺ返しを食らったのではないかと思っている。

 それでなければ、記者会見の前日発行の「週刊文春」に「朝日が死んだ日」とか、「週刊新潮」に90「特集-続・おごる朝日は久しからず」、或いは「文藝春秋」10月号に「慰安婦大誤報-朝日の正義はなぜいつも軽薄なのか(平川祐弘東大名誉教授)」などと大々的に特集を組まれることもない筈だ。

2014年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2679.2014年9月13日(土) iPS細胞移植手術、世界で初めて成功

 一昨日出版記念会の案内状を200余通郵送した。直接手渡したのは、森喜朗事務所とミクロネシア大使館で森さんからはご出席の返事をいただいている。早くも今日は10通近い返信を受け取った。ほとんどの方がご出席という嬉しいスタートとなった。

 さて、昨日医科学の分野で嬉しいニュースがあった。ノーベル賞受賞者の山中伸弥・京大教授が発見したiPS細胞が、まだ試験的な段階ではあるが、目の難病である加齢黄斑変性手術に使われ成功したという話である。しかし、執刀医師らは慎重で移植した細胞ががん化しないかなどを検証する。

 最近STAP細胞に関する不祥事が表面化して些か国民としてはがっかりさせられ、理化学の分野への信頼が損なわれていた矢先に、医学の明るい可能性を示したことは大いに喜ばしいことである。実際に現場に立ち会った医師らは慎重で、直ちに広い分野で手術が可能で完治の期待を担えるというわけではない。まだ、実験段階とも言えるもので富士山登山に例えれば2合目か3合目の段階だという。現状では手術にかかる費用が高額であることや、なお試行錯誤を続けるので、安全な眼科手術として定着するのは、今後まだ10年以上かかるとされている。

 いま国際的に注目されている話題は、スコットランドのイングランドからの独立問題である。その行方は18日に行われる住民投票に委ねられる。このところ独立派の方が多数派のようだが、独立すれば独立したでスコットランドにとっても課題が残る。独立すれば、北海油田の収入が懐に入るが、イングランドは通貨ポンドを使用させないようあの手この手の防衛策を考えている。現状は独立派の方が多いと言われている。

 ところが、この独立問題は他国にも波及している。カタルーニャ地方のスペインからの独立、ケベック州のカナダからの独立、さらに中国国内のチベット族やウィグル族少数民族抑圧問題などにも飛び火しかねない。

 当面18日に行われるスコットランドの住民投票の結果を注目したい。

2014年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com