2685.2014年9月19日(金) スコットランド、イギリスに留まる。

 スコットランドの独立は成就ならなかった。昨日住民投票が実施され夜通しの開票作業の結果、   今日賛成派の44.65%に対して独立反対派が55.25%で上回り、スコットランドがこれまで同様に大英帝国に留まることになった。NHK・BSの生中継でBBCは反対派が過半数を獲得することがほぼ確実になったと放送した時点までライブで見ていた。

 開票当初は独立賛成派、反対派が僅差の勝負だったが、時間の経過とともに反対派が優勢となり、そのまま振りきった。32州の内賛成派が抑えたのはグラスゴーを含むたったの4州だった。投票率は実に84.6%という高投票率だった。16歳以上の住民が与えられた権利を精一杯主張したのだ。

 これで選挙直前になって2度もスコットランド入りをして独立派に対して説得工作をしていたキャメロン英首相もほっとしたことだろう。今後の問題としては、キャメロン首相が約束したスコットランドの自治権拡大をどの程度認めるかということである。

 今度の独立問題は、外で見て長いイギリスの歴史上なぜ独立しなければならないのかという点で、ややアピールが足りなかったと思う。独立派に対しては北海油田の収入がスコットランドに入るので経済的に潤うというだけでは、独立を正当化するための論理としてはやや弱い。一方、反対派にとってもユニオン・ジャックが変わる恐れがあり馴染みのないデザインになる心配があるとセンチメンタルなことを言う人もいる。

 実益から言って、スコットランドが独立しても双方にとってメリットはあまり考えられず、ポンドの価値下落とか、国連常任理事国としての立場、安全保障上の原子力潜水艦基地の移設問題などマイナス面の方が大きい。

 この結果を受けてスペイン・カタルーニャ地方の独立問題はどうなるだろうか。同じスペインのバスク地方の独立は?と関心は高まる。ややケースは違うが、長年漢民族により抑圧されているチベットやウィグルなど少数民族の漢民族国家・中国からの分離独立はどうなるのかという点も関心を呼ぶ。

 さて、今日は「出版ニュース」社の清田義昭社長と夕食をともにした。清田社長には、現代書館を紹介していただき、何くれとなく気を遣っていただいた。特に「出版ニュース」最近号に小中陽太郎氏に書評を書いていただいたことは、販促上大変有り難いと思っている。

 清田社長とは「勘太郎月夜唄」と故筑紫徹也氏、佐高信氏の話で盛り上がったが、愉快なディナーとなった。今拙著はいずこの書店にも並び、もう一息で重版というところまで来ている。帰路立ち寄った新宿西口のモード学園書店にも確かに拙著が置かれていた。有り難いことである。

 今朝菊地現代書館社長に聞いてみたところ初版2200部発行の内、在庫が600部ということだった。

2014年9月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com