2383.2013年11月21日(木) 夭折の天才作家・中島敦

 昨日は右手首から腕へかけて添木を付けて包帯で固めたので、入浴しなかったが、2日間も風呂を浴びないのも気持ちが悪いので整形外科へその後の様子を診てもらいに出かけて尋ねたところ、さらっとシャワーを浴びるとか、腕の包帯箇所にレジ袋を被せてはどうかとアドバイスをいただいた。レジ袋を被せてどうにか風呂へ入ることができた。

 今日午後もお歳暮品を買いにデパートへ出かけたが、右腕の添木もどきのせいでハンドルが握れないので、運転は妻に任せっぱなしだ。随分窮屈になったものだ。一日も早く解放されたいものである。

 さて、いま取り掛かっている旧トラック島大酋長のノン・フィクションも大詰めで、推敲している最中である。あまり情報のない国のせいで中々欲しい情報が得られない。そんな情報不足の中で出会ったのが中島敦の作品である。作家「中島敦」の名はこれまで寡聞にして知らなかったが、これだけの名文家の作品を知らず、読まずにいたことは恥ずかしいし、惜しいことだった。できることなら遺骨収集に携わり、彼が勤務していたパラオを初めて訪れた頃に読んでおくべきだった。

 「南洋通信」(中公文庫)はミクロネシアの島々を中島が巡った観察記録と、戦前彼が日本に残した妻らに宛てて書き送った手紙を紹介している。いま執筆中のノン・フィクションには随分参考になる。ついこの1ヶ月間に2度通読した。ミクロネシアの一般の女性や子どもの性格、当時の日本の統治の在り方などがよく描かれている。中島敦生誕100年記念として2009年に河出書房新社から出版された、もう一冊の「中島敦」も好い。この中に採用されている名作「山月記」が評判通り特に素晴らしい。日野啓三や福永武彦、川村湊らもべた褒めである。

 彼を知るのが、あまりにも遅すぎた。でも何とかノン・フィクションの執筆では参考にさせてもらった。中島は明治42年生まれだから私の父より1年若い。昭和16年6月に文部省職員としてパラオへ赴任し、太平洋戦争開戦まもなく昭和17年3月帰国し、同年12月喘息をこじらせて亡くなった。健康に恵まれず、あっという間に駆け抜けた短い生涯だった。享年33歳だった。惜しみてもあまりある天才作家の夭折だった。

 中島の短編作品は少々難しいが、読み応えがある。もう少し落ち着いたらじっくり読んでみたい。

 ミクロネシアに関心を持ったおかげで、とにかく素晴らしい作家を知ることができて幸いだったと思っている。

2013年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2382.2013年11月20日(水) ショック! 右手首剥離骨折とは!

 昨日転んで痛めた傷跡、特に右手に昨晩辺りから痺れを感じていたが、今朝になって大分痛むので松本整形医院で診てもらった。怪我をした時の様子と症状を話した結果レントゲンを撮りましょうということになり、両手の上と横から2枚撮ってもらった。その結果、診断は骨折だった。右手首の剝離骨折である。ショックである。75年の人生で初めての骨折だ。先生の診断では全治約3週間ということだった。先日受けた骨粗しょう症の検査結果は、同年齢者の平均と比べてもかなり骨はしっかりしているとの診察結果をいただいたばかりであるが、やはり年齢とともに身体全体が確実に弱くなっているのだと実感せざるを得ない。

 文字は書きにくいし、PCの使い勝手も良くない。これでは当分の間不便を強いられる。だが、これも不注意の為せる技だ。ノン・フィクションも追い込みに入っているが、これを乗り切って行くよりしょうがない。早い回復を願うばかりである。

 さて、衆議院選挙の1票格差是正問題で、2つの弁護士団が最高裁に昨年まで2件の憲法違反、14件の憲法違反状態との高裁、地裁判決を踏まえて、今日最高裁上告審で1票の格差が2.43倍だった昨年12月の衆院選は憲法違反の状態との判断が下された。これだけ司法で同じように違憲状態との判断を下されたにも拘わらず、立法がこれをまったく解決できない。解決しようとの声すら国会内から上がってこないから不思議である。憲法違反状態にある国会議員が自らの立場を切り開けない。こういう人たちが、国民の強い反対の下に特定秘密保護法案の成立に躍起になっている。しかも、違憲状態にある国会議員が憲法改正を企んでいる。こんなおかしな話があるだろうか。どうもどこかおかしい。

2013年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2381.2013年11月19日(火) 特定秘密保護法案はどうなるのか。 

 いま国会では政府・自民党が特定秘密保護法の成立を視野に委員会で審議を行っているが、政府としては早く成案にこぎつけたいと考えている。法案自体に反対の共産、生活の党、社民党を除いて「本論賛成、各論反対」の野党から意見を聞きながら若干修正した妥協案で成案したい考えのようだ。

 しかし、現時点では問題点が多すぎる。それを22日に衆議院を通過させようとしているから賛成派、反対派ともに焦っている。実際法案提出、裁決まであまり時間を置くと、反って成案が難しくなる傾向があるので、ここは一気に法案を通過させようとしている。言論の自由を束縛しかねない法律であるため良識あるジャーナリストが揃って反対声明を出したり、集会を開いて反対行動を起こそうとしている。

 すでに9月に日本ペンクラブでも同法案に5つの観点から反対の意見書を提出している。反対の根拠とは次の5つである。①「特定秘密」に指定できる情報の範囲が過度に広範である。②市民の知る権利、取材・報道の自由が侵害される。③行政情報の情報公開の流れに逆行する。④「適性評価制度」はプライバシー侵害である。⑤このような法律を新たに作る理由(立法事実)がない。以上をペンクラブの考え方として反対を表明し、それ以外に各会員は個人的に行動する。

 政府は今週中に成案させたいようだが、野党は各党それぞれの思惑があり調整できずまとまらない。急ぐ割に作業はもたもたしている。いっそのこと法案提出こそもたもたしてもらいたいものである。

 さて、今日駒沢大学公開講座でも菱山郁朗講師が同法案の現状を世論調査との関連で解説された。ところで、大学から歩いて帰ったが、不注意にも駒沢公園内でうっかり転倒し、しばらく立ち上がれず、近くにいた作業員や警備員に心配される情けないザマだった。所々手足に痛みが走り、こんなことは何年ぶりだ。帰宅してもやはり痛みが退かない。年は取りたくないものだが、その年齢を考えてもう少し注意する必要があると痛感した次第である。お粗末の一席にござ~い。

2013年11月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2380.2013年11月18日(月) 「核のゴミ」処分場未だ決まらず。

 昨日行われた福島市長選で4選を目指した現職の瀬戸孝則市長が無所属新人の小林香氏に大差で敗れた。今年に入ってから行われた福島県内の首長選では、郡山市長選、富岡町長選、いわき市長選と相次いで現職が敗退している。その敗因は、福島原発事故後の除染や復興の遅れに対する住民の不満が挙げられている。実際福島市内では除染対象の住宅のうち、市の除染が行われたのは僅か18%で、原子力規制委員会によると福島市内の空間放射線量は東京新宿区の4.5倍で、通学路における除染が手つかずの場所もあるという。しかも約6千人が県内外で自主避難を続けている。こういう状況に市民がやりきれなくなって現職市長にレッドカードを突きつけたのだろう。

 ところで原発から排出される核のゴミ処分問題に答は出たのだろうか。日本原電東海原発では、来年度から予定している原子炉の解体作業を先送りするという。それは廃炉のゴミを埋める処分場が未だに決まっていないからである。

 今朝の朝日はタイミング良く「原発迷走」というテーマに取り上げている。問題として「原発ごみ行き場なし」「使用済み核燃料、満杯状態」を挙げている。原発の出口を整えないまま安倍政権は「原発の活用」を謳い、原子力規制委員会が認めた原発を再稼動しようとしている。

 当初政府は日本原燃が再処理工場を造って国内の原発で使い終えた核燃料はすべてプルトニウムを取り出す再処理をして再び燃料として使う予定だった。しかし、その予定も青森県六ヶ所村の再処理工場のトラブル続きで未だに核のゴミを埋める最終処分場はない。

 政府・自民党はこのままじっと黙って原発再稼動へ舵を切るつもりのようだが、どうして小泉元首相の発言を非難するだけでなく、小泉氏が主張するように、原発ゼロ政策へ目を向ける気にならないのだろうか。

 原発運転は原則として40年と定められているが、いま各地の原発はその40年に近づいている。運転歴30年以上の原発が15基もある。いまのまま黙っていたのでは、すぐに廃炉の時期がやってくる。いま真剣にゴミの処分場を造らないままで原発を開発・稼動するのか、或いはこの際一気に原発ゼロへ持っていくのか、真剣に検討すべき時はまさに「今でしょう」。

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2379.2013年11月17日(日) 天皇の葬儀・御陵の簡素化

 14日に宮内庁が天皇・皇后両陛下の葬儀や御陵のあり方についてその方針を公表した。天皇のご意向を汲み取って国民の負担にならないよう必要な規模にすることが検討されることになった。これまで慣例だった土葬ではなく火葬にして、両陛下の御陵を隣に並べることなどはかつてとても考えられなかった。葬儀会場も参列者を気候の変化から守れるよう考えるそうである。

 過去に天皇の死後について公に語られることなんてなかった。時代が変わったというべきであろう。昭和天皇の葬儀は仰々しく行われたことだけは憶えているが、どういう形式だったか詳しくはあまり記憶にはない。ただ、いかにも畏れ多いとの意識から、普通一般の葬儀とはまったくかけ離れたものだった。喪に服すということもあまりにも長い期間では、国民生活に支障を来すとの観点からこれからは少し短くすることも検討されるようだ。

 今朝の朝日、日経両紙の社説は申し合わせたようにこの葬儀の問題を取り上げている。とにかく生前天皇の死後の行事を国民の前に明らかにすること自体異例である。国民に知ってもらうことは場合によっては必要であろうが、弔事を何でもかんでも公にすることはいかがなものかとも思っている。例え天皇が国民の負担軽減のために簡略化とか、土葬或いは火葬についての議論を国民に対して詳らかにすることは天皇の気持ちからすれば、果たして本音はどうだろうか。普通の人間でも死後自らの遺体を土葬にすべきか、火葬にすべきか、結論として火葬に決まったなどという話は当事者本人としてはあまり感じの良いものではないのではないか。

 いずれにせよ今上天皇のお気持ちにより、大分簡素化され少しは一般の国民に近づいてきたような印象を受ける。しかし、問題なのは、むしろそういう両陛下のお気持ちに沿って行事なりを公表する宮内庁の役人たちこそ、国民から離れた距離にある皇室をもっと国民に寄り添った形にするよう頭を切り替えた方が良いのではないだろうか。

 皇室の方々よりそれを取り巻くお役人こそが、天皇のお気持ちを斟酌してもっと国民との壁を取り払うよう努めるべきであると思う。

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2378.2013年11月16日(土) セルビア詩人との懇談会出席

 アメリカの新駐日大使に着任されたキャサリーン・ケネディ氏が昨日来日された。父親のジョン・F・ケネディ元大統領が亡くなってから今年はちょうど50年になる。しかも暗殺された今月22日の命日を前に、新しい職務に就かれる点からも話題性が豊富でメディアからの注目度も抜群である。

 誰しもダラスのあの衝撃的な暗殺シーンはショックだった。社会人1年生として夢中になって駅の現場で働いていた時だっただけに、その死は余計に強烈なイメージを与えた。ケネディ氏は日本が大好きな明るい人柄のようで、アメリカでも人気は高いようだ。これまで弁護士兼作家として活動してきたが、昨年のオバマ大統領再選に貢献したとして女性初の駐日大使に抜擢された。

 今年MLBワールド・シリーズを制してワールド・チャンピョンとなったボストン・レッドソックスの応援愛唱歌で、8回裏の攻撃前にスタンド中で唄われる♪スィート・キャサリン♪のキャサリンとはこのケネディ氏を指しているのだという。

 政治と外交は未経験で普天間基地移設問題や尖閣諸島など問題山積みの日本の外交問題にどう成果を上げることができるか、不安と期待半々である。

 さて、ベオグラードの友人山崎洋さんから、今日日本ペンクラブで佳代子夫人が出席する「セルビア詩人との懇談会」があるので、時間があれば参加してほしいと案内をもらったので、出席を申し込んだ。夫人は詩人でもありベオグラード大学教授でもある。2人のセルビアの詩人を伴ってセルビア現代詩について説明と朗読をされた。夫人は3年前東京で開催された国際ペン大会でも詩人としてトークを行って、いまでは洋さんより忙がしそうだ。以前に一度会ってはいるが、ほとんど憶えていないと思ったので簡単に挨拶した。出席されたセルビア人詩人はいずれも男性で、52歳のヴォイスラヴ・カラノヴィッチ氏と65歳のドウシコ・ノヴァコヴィッチ氏である。現代セルビア文学界で活躍されている詩人である。

 こういう現代詩に関する解説は聞くのも、理解するのも中々難しい。耳が聞き取り難いせいもあったが、残念ながらあまりよく理解できなかった。浅田次郎ペン会長が冒頭歓迎の挨拶をされた。私の正面で退屈そうに座っていたが、案の定途中で座を立たれた。尤も自作品がミュージカル上演され、初日が今日ということで舞台へ出かけると言っておられた。

 話が終わってから質問を求めたが、誰も手を挙げないので6月のビルマ反体制活動家の時と同じく、最初に質問者となりお願いをした。現代詩以外に可能なら抒情詩人ニェゴシュの詩をひとつ朗読してほしいと無理な注文をした。ノヴァコヴィッチ氏がニェゴシュについて解説らしいことを話したが、流石にニェゴシュの詩を準備していないので、やはり山崎夫人にもっと易しい質問にして下さいと言われてしまった。

 山崎洋さんから先月いただいたニェゴシュの「山の花環」はまだ読みきっていない。同書を山崎さんと共訳された田中一生氏未亡人とこの場で初めて話をすることができたことは良かった。

2013年11月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2377.2013年11月15日(金) レイテ島の被災者に対して非情で残酷な中国ネットの声

 随分残酷なことを知った。中国からのインターネット情報である。台風被害に喘いで世界の各国から支援を仰いでいるフィリピンのレイテ島には、壊滅的な惨状であるにも拘わらず、輸送手段がズタズタで充分な物資も届けられず、遺体ですら道路傍にシーツを被せられたまま放置されている惨憺たる有様で、何とか助けたいとの支援者側の好意も手が及ばない状態にある。日本からも国際医療班や、自衛隊も1000名単位で支援に向かった。

 あの台風30号はフィリピンを襲った後ベトナム、中国方面へ向かった。両国においても相当の被害があったものと予想されるが、あまり関連の情報が伝えられない。ところが、中国ではネット上にフィリピン台風被害に対する市民の反応として、援助の必要はないという声が何と8割を占めたという。いくらなんでもこれは酷すぎる。これはどういうことかと目を疑った。他人の不幸を目の前にして彼らを助けず目をつぶるということだ。自然災害によってあれだけの災害を蒙り、財産を失い多数の犠牲者を出したフィリピン国民に対して、知らぬ顔をせよとの中国国民の非情で残酷な声は、あまりにも人道から外れているのではないだろうか。

 その原因は南シナ海スカボロー礁における中国とフィリピンの領海紛争にある。しかし、これとそれとでは話が違うのではないかと、中国人を除く普通の人間なら考える。このスカボロー礁だってスペイン支配下にあった時代から明らかにフィリピン領だと思われていたものだが、軍事力に物を言わせた中国が強引に自国領だと主張して海洋に石油掘削施設を設営し紛争が続いている。この領海問題に納得できないのか、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と思い込んでいる中国は、フィリピンの不幸につけ込んでこの際とばかり苛め抜こうとしている。

 天災による災難を自国の権益拡大に絡ませて弱りきっている相手国を徹底的に苛めようとする中国人の情け容赦のない心情には、恐ろしささえ感じる。中国は同じように尖閣諸島がらみで日本にも牽制球を送っているが、戦後の徹底した反日教育によって刷り込まれた「憎っくき日本打倒!」の攻勢を仕掛けてくる可能性もある。無人機を尖閣諸島周辺にも飛ばして、万一日本領域に突入した場合、これを日本が攻撃すれば宣戦布告と見做すと脅したり、世の常識では計り知れない行動を起こす最近の中国のパフォーマンスから一時も目を放せない。

 2020年東京オリンピック開催が決定したことに対しても、中国には日本に対して祝意を表すとか、好意的な意見は少なく、東京開催をどうしたら中止に持ち込めるかと議論があるほどである。こういう常識がまったく通じない隣国とはどういう付き合いをすべきか、前例のないお隣さんの傍若無人ぶりには手を拱いて傍観しているより打つ手はないものだろうか。

2013年11月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2376.2013年11月14日(木) 経済発展は自国の論理だけでは難しい。

 他所の国のことだからあまり目くじらを立てる必要もないが、先月ドイツの経常収支の黒字幅が大きいとアメリカ財務省が、ドイツの輸出依存型経済構造を批判した。2007年以来ドイツは経常黒字が国内総生産(GDP)比で6%強で、大きなお世話だと思うが、これがヨーロッパ域内経済の不均衡を招いていると批判されている。

 これについてEU内の欧州委員会も、ドイツが通貨安と低金利の恩恵を受けて経常収支が膨らんでいる現実を指摘し、その輸出主導の経済構造について疑問を呈した。欧州委員会はドイツ企業が新興国への投資を強化しているが、経常黒字の一部を国内投資に回すべきだと指摘した。つまり内需を拡大すれば、他のEU加盟国にとってはドイツへの輸出増などを通じて不均衡の是正に効果があると言っている。

 実際IMF統計に依れば、昨年の経常収支はGDP比でドイツの黒字幅は6%を超え、アメリカの-2%強、イギリスの-4%弱の他に、EU内のフランス-2%、スペインの-1%に比較すると大分上回っていることがよく分る。因みに日本は+1%である。日本はEUに加盟していなくて良かったと言うべきだろうか。自力で成果を上げても、そのやり方次第では全体的にみて好ましくないケースもある。今度のEU欧州委員会の指摘はそれを指している。その点では、いま問題になっている中国や韓国との対立を考えると極東圏の枠組みの中で共存を図るということがなくて現状は良かったということになるのだろうか。

 今日内閣府が発表した今年7~9月期の実質GDPは公共投資と住宅投資が牽引して+1.9%となったそうである。ドイツには比ぶべくもないが、EU諸国に比べればまだ良い方だ。

 ドイツの問題は所詮対岸の火災である。

 さて、フィリピン・レイテ島の台風被害は想像を絶する様相を帯びてきた。各国からも救援隊と支援物資が寄せられているが、壊滅的な打撃を受けたタクロバン周辺では道路も寸断され、支援のトラックも思うように走行できない有様である。日本人でこの台風に遭遇した人が意外に多いのに驚いている。いつかタクロバンからオルモックへ行った時、静かな丘の上を通ったことを思い出す。いまは道路もすんなりとは通れないようだ。実際どのくらいの被害が出るのか、分らない。今日現在すでに2500人が亡くなっている。日本人の不明者もかなり多い。

 地球温暖化の影響のせいか、最近強力な突風や大型台風が増えてきた。温暖化に影響を与えないのが、原子力エネルギーだと言われて、これが原発稼動賛成者に力を与えるようなことがなければ良いが・・・。

2013年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2375.2013年11月13日(水) 賛成できること、分らないこと、そして話にもならないこと

 昨日は国内で4つの大きなニュースがあった。第1に小泉純一郎元首相が日本記者クラブで「原発即ゼロ」を安倍首相に迫ったことである。第2は長崎県諫早湾干拓事業の堤防排水門の開門について長崎地裁が指し止めを命じる決定を下した。第3は悪評高いJR北海道が国交省の特別監査前に数値を改ざんしたことについて、国は同社に対し刑事告発を検討すると発表した。第4は昨年の衆議院選で鹿児島2区から立候補し、当選した自民党徳田毅代議士の姉2人と4人の徳州会幹部4人計6人が公職選挙法違反の疑いで逮捕されたことである。

 良くも悪くもまあよくもこれだけ世間を騒がせてくれるものである。この4つの事案の中で、まともで賛成できるのは小泉元首相の「原発即ゼロ」だけである。小泉氏は「首相が決断すればできる権力、それが原発ゼロの決断だ」と威勢よく安倍首相に原発即ゼロを迫った。小泉氏は核のゴミ最終処理場が見つからないことに原発開発の危険と限界を知ったという。原発推進派はこれに回答を出すべきだとも述べた。これに対して小泉氏に痛いところを突かれた首相ら賛成派は多少不安を感じたようだが、敢えて取り合わないスタンスを示しそうだ。いまのところ自民党政権の原発再稼動に変更の兆しは見られないようだ。

 驚いたのは、第2の諫早湾堤防排水門に関する長崎地裁の決定である。この決定によりややこしい問題が生じて政府も対応に頭を痛めそうだ。問題は堤防排水門について、2011年福岡高裁は今年12月までに開門を命じた確定判決を出した。それが、昨日長崎地裁では福岡高裁による開門判決に対して差し止めを命じる決定を下したのである。高裁と地裁で相反する判断が下されたことになる。これで国は矛盾する2つの義務を背負うことになった。どうも良く分らないのは、高裁で確定した判決に対して地裁で新たな裁判を起こすことができるということであり、更にそれを覆す判決を得られるということである。実際よく分らない。結論はどうなるのか、この先を注視したいと思う。

 3番目のJR北海道の安全無視を反省しない呆れた体質と、4番目の選挙民に金をばらまく徳田一族のわが者顔のやりたい放題には同情の余地はまったくない。

2013年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2374.2013年11月12日(火) 中韓両国の対応も不遜だが、日本のメディアもやり過ぎ

 日中、及び日韓間の外交関係が悪化してから1年以上経つが、一向に改善される見通しが立たない。中国との対立は昨年9月日本の尖閣諸島国有化宣言以来悪化するばかりである。一方韓国との外交関係が怪しくなったのは、今年1月朴槿恵氏が大統領に就任して以来、大統領の従軍慰安婦問題と歴史認識問題に対する日本の対応は認められないとの頑なな考えがヒートアップしてからである。日本政府としてはいつでも話合いに応じると門戸を開いていると言っているが、韓国は2つの懸案に対して日本が譲歩しない以上話し合いは意味がないとしてまったく取り合おうとしない。これでは問題は解決しない。国家同士の外交をどう考えているのか尋ねてみたいものである。

 お互いに隣国でありながらそれぞれの外交関係が膠着状態に入ったまま首脳同士の交流、会談も実現しない変則的な事態になっている。

 李韓国大統領は日本を除くほとんどの首脳外交を済ませ、それぞれの場でもくどいくらい日本を非難する発言に会談に応じた各国からも、対日批判も好い加減にして欲しいとの皮肉も出たり、流石に国内からも強烈な反日主義者は別にして、もう少し冷静になって歩み寄るべきだとの声も出ている。

 そんな最中に国際情報誌で月3度発行の旬刊誌「SAPIO」が21頁の総力特集を組んだ。「韓国が背負う『嘘の大小』」と題して、「慰安婦、竹島、パクリ産業の虚飾を暴く!」を副題として韓国の恥部を徹底して暴露しているようだ。小学館がここまでやるかという印象である。ベトナム戦争中のレイプ、有毒食品、ノーベル賞ゼロ、モノマネ文化とここまで相手国の弱点を暴くと売り言葉に買い言葉になるのではないかと心配になる。

 一方、中国に対しても「サンデー毎日」11月24日号が手厳しい。最近の中国国内のテロ事件発生を好機と捉えたか、特集は「ぶっ壊れた『中国』の暴走」である。「尖閣は通過点!沖縄、北海道占領の謀略」とか、「弱体化した米国をナメきった宣戦布告」、或いは「軍産複合体を持て余す習近平の罪状」と手厳しく取り上げている。

 中韓両国が煽った国家間の対立がエスカレートするようだと困るが、そうかと言ってここまで無節操に相手国を攻撃して少しは気持ちが休まるとでもいうのだろうか。ジャーナリズムをリードする立場にある毎日新聞社や小学館としては、広告見出しだけを見る限り少し非常識が過ぎるのではないかと思う。

 確かに現在の中国や韓国の日本に対する対応は、日本人としてあまり気分の好いものではない。しかし、このままこの状態が続くわけはないし、国際社会が全面的に中韓両国を支持するわけでもないし、彼らの対応は自国民を黙らせるためのひとつの対策であることからすれば、悪化した外交関係がこのままで良い筈はない。アメリカも少し両国の日本に対する対応にイェローカードを出しているくらいである。

 ここはもう少し我慢して安倍首相が言うように、話し合いの扉は開けて待っているというスタンスが良いのではないだろうか。その意味ではメディア2社の取り上げ方がやや勇み足のような気がする。

 それにしても子どもじみたパフォーマンスには少々うんざりである。これでは彼らがすぐ口に出す「言論の自由」もぼやけて見えてくる。

2013年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com