2380.2013年11月18日(月) 「核のゴミ」処分場未だ決まらず。

 昨日行われた福島市長選で4選を目指した現職の瀬戸孝則市長が無所属新人の小林香氏に大差で敗れた。今年に入ってから行われた福島県内の首長選では、郡山市長選、富岡町長選、いわき市長選と相次いで現職が敗退している。その敗因は、福島原発事故後の除染や復興の遅れに対する住民の不満が挙げられている。実際福島市内では除染対象の住宅のうち、市の除染が行われたのは僅か18%で、原子力規制委員会によると福島市内の空間放射線量は東京新宿区の4.5倍で、通学路における除染が手つかずの場所もあるという。しかも約6千人が県内外で自主避難を続けている。こういう状況に市民がやりきれなくなって現職市長にレッドカードを突きつけたのだろう。

 ところで原発から排出される核のゴミ処分問題に答は出たのだろうか。日本原電東海原発では、来年度から予定している原子炉の解体作業を先送りするという。それは廃炉のゴミを埋める処分場が未だに決まっていないからである。

 今朝の朝日はタイミング良く「原発迷走」というテーマに取り上げている。問題として「原発ごみ行き場なし」「使用済み核燃料、満杯状態」を挙げている。原発の出口を整えないまま安倍政権は「原発の活用」を謳い、原子力規制委員会が認めた原発を再稼動しようとしている。

 当初政府は日本原燃が再処理工場を造って国内の原発で使い終えた核燃料はすべてプルトニウムを取り出す再処理をして再び燃料として使う予定だった。しかし、その予定も青森県六ヶ所村の再処理工場のトラブル続きで未だに核のゴミを埋める最終処分場はない。

 政府・自民党はこのままじっと黙って原発再稼動へ舵を切るつもりのようだが、どうして小泉元首相の発言を非難するだけでなく、小泉氏が主張するように、原発ゼロ政策へ目を向ける気にならないのだろうか。

 原発運転は原則として40年と定められているが、いま各地の原発はその40年に近づいている。運転歴30年以上の原発が15基もある。いまのまま黙っていたのでは、すぐに廃炉の時期がやってくる。いま真剣にゴミの処分場を造らないままで原発を開発・稼動するのか、或いはこの際一気に原発ゼロへ持っていくのか、真剣に検討すべき時はまさに「今でしょう」。

2013年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com