2379.2013年11月17日(日) 天皇の葬儀・御陵の簡素化

 14日に宮内庁が天皇・皇后両陛下の葬儀や御陵のあり方についてその方針を公表した。天皇のご意向を汲み取って国民の負担にならないよう必要な規模にすることが検討されることになった。これまで慣例だった土葬ではなく火葬にして、両陛下の御陵を隣に並べることなどはかつてとても考えられなかった。葬儀会場も参列者を気候の変化から守れるよう考えるそうである。

 過去に天皇の死後について公に語られることなんてなかった。時代が変わったというべきであろう。昭和天皇の葬儀は仰々しく行われたことだけは憶えているが、どういう形式だったか詳しくはあまり記憶にはない。ただ、いかにも畏れ多いとの意識から、普通一般の葬儀とはまったくかけ離れたものだった。喪に服すということもあまりにも長い期間では、国民生活に支障を来すとの観点からこれからは少し短くすることも検討されるようだ。

 今朝の朝日、日経両紙の社説は申し合わせたようにこの葬儀の問題を取り上げている。とにかく生前天皇の死後の行事を国民の前に明らかにすること自体異例である。国民に知ってもらうことは場合によっては必要であろうが、弔事を何でもかんでも公にすることはいかがなものかとも思っている。例え天皇が国民の負担軽減のために簡略化とか、土葬或いは火葬についての議論を国民に対して詳らかにすることは天皇の気持ちからすれば、果たして本音はどうだろうか。普通の人間でも死後自らの遺体を土葬にすべきか、火葬にすべきか、結論として火葬に決まったなどという話は当事者本人としてはあまり感じの良いものではないのではないか。

 いずれにせよ今上天皇のお気持ちにより、大分簡素化され少しは一般の国民に近づいてきたような印象を受ける。しかし、問題なのは、むしろそういう両陛下のお気持ちに沿って行事なりを公表する宮内庁の役人たちこそ、国民から離れた距離にある皇室をもっと国民に寄り添った形にするよう頭を切り替えた方が良いのではないだろうか。

 皇室の方々よりそれを取り巻くお役人こそが、天皇のお気持ちを斟酌してもっと国民との壁を取り払うよう努めるべきであると思う。

2013年11月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com