2376.2013年11月14日(木) 経済発展は自国の論理だけでは難しい。

 他所の国のことだからあまり目くじらを立てる必要もないが、先月ドイツの経常収支の黒字幅が大きいとアメリカ財務省が、ドイツの輸出依存型経済構造を批判した。2007年以来ドイツは経常黒字が国内総生産(GDP)比で6%強で、大きなお世話だと思うが、これがヨーロッパ域内経済の不均衡を招いていると批判されている。

 これについてEU内の欧州委員会も、ドイツが通貨安と低金利の恩恵を受けて経常収支が膨らんでいる現実を指摘し、その輸出主導の経済構造について疑問を呈した。欧州委員会はドイツ企業が新興国への投資を強化しているが、経常黒字の一部を国内投資に回すべきだと指摘した。つまり内需を拡大すれば、他のEU加盟国にとってはドイツへの輸出増などを通じて不均衡の是正に効果があると言っている。

 実際IMF統計に依れば、昨年の経常収支はGDP比でドイツの黒字幅は6%を超え、アメリカの-2%強、イギリスの-4%弱の他に、EU内のフランス-2%、スペインの-1%に比較すると大分上回っていることがよく分る。因みに日本は+1%である。日本はEUに加盟していなくて良かったと言うべきだろうか。自力で成果を上げても、そのやり方次第では全体的にみて好ましくないケースもある。今度のEU欧州委員会の指摘はそれを指している。その点では、いま問題になっている中国や韓国との対立を考えると極東圏の枠組みの中で共存を図るということがなくて現状は良かったということになるのだろうか。

 今日内閣府が発表した今年7~9月期の実質GDPは公共投資と住宅投資が牽引して+1.9%となったそうである。ドイツには比ぶべくもないが、EU諸国に比べればまだ良い方だ。

 ドイツの問題は所詮対岸の火災である。

 さて、フィリピン・レイテ島の台風被害は想像を絶する様相を帯びてきた。各国からも救援隊と支援物資が寄せられているが、壊滅的な打撃を受けたタクロバン周辺では道路も寸断され、支援のトラックも思うように走行できない有様である。日本人でこの台風に遭遇した人が意外に多いのに驚いている。いつかタクロバンからオルモックへ行った時、静かな丘の上を通ったことを思い出す。いまは道路もすんなりとは通れないようだ。実際どのくらいの被害が出るのか、分らない。今日現在すでに2500人が亡くなっている。日本人の不明者もかなり多い。

 地球温暖化の影響のせいか、最近強力な突風や大型台風が増えてきた。温暖化に影響を与えないのが、原子力エネルギーだと言われて、これが原発稼動賛成者に力を与えるようなことがなければ良いが・・・。

2013年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com