2393.2013年12月1日(日) クラシックと食事を楽しむ。

 浅草雷門周辺の散策を兼ねて早めに浅草へ出かけた。地下鉄浅草駅から雷門へ出て仲見世へ来ると大勢の観光客で一杯である。先般新調し取り替えたばかりの大提灯周辺は記念写真を撮る人が溢れている。人力車の呼び込みも威勢がいい。外国人観光客の姿が沢山見られるようになった。人ごみの中を縫うように浅草寺でお参りする。これだけの人混みであるが、スリなんかいないところが日本の良いところだ。

 さて、今日は上野浅草フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会が恒例通り浅草公会堂で開かれたので、いつも通り飯田ゼミの仲間と奥さん方とともに鑑賞した。毎年6月と12月に開催される定期演奏会に毎回参加している。いつも割合難しく、聴き慣れない曲が多い。今日はフランス人作曲家の作品ばかりで、ラヴェルの組曲「クープランの墓」、ビゼーの「アルルの女」、そしてフランクの「交響曲ニ短調」だった。アンコールはビゼーの「カルメン序曲」を演奏してくれた。ビゼーの2つの曲以外は、よく分らなかった。相変わらずチェロを演奏する赤松さんの日頃の努力には頭が下がる。

 終わって永井荷風お好みだった「アリゾナ・キッチン」で会食。初めての人もおられたが、気心を知った仲間同士で和気藹々と気軽に楽しむことができた。私は6月の場で全ゼミナリストに飯田ゼミの解散について書類で知らせると了解を得ていたが、その結果を報告した。序に現在執筆中のノン・フィクションについてちゃっかりPRした。

 私の包帯姿を心配してくれたが、島田さんは近々糖尿病の検査で入院するという。年を経るとともに体調の優れない人が増えてきた。やはり気をつけないといけない。

2013年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2392.2013年11月30日(土) 中国もひどいが、日本にも呆れる行為が・・・。

 今月23日に中国政府が東シナ海上空に防空識別圏を設定したことが、日本のみならず米韓欧、オーストラリアなど世界中から非難を浴びている。日本と中国のそれが尖閣諸島上空で重なり合っていることが日本にとっては問題とされている。アメリカは認められないとして、一昨日2機のB52爆撃機を同圏内に飛行させたが、中国側空軍機によるスクランブル発進はなかった。

 世界中の非難を浴びている中国が、いま改めて強い批判を浴びているのは、近年東アジアから太平洋への中国海軍の海洋進出が周辺国の緊張を加速させるとして警戒されているからである。

 最近の中国政府の外交姿勢は、少々常軌を逸している。自らの行為をすべて正当化し何でもかんでも反対し居丈高に食ってかかる、駄々っ子風情とあまり変わらなくなってきた。

 例えば、日本が防空識別圏の撤回を求めたことに対して、撤回の意思はまったくないと応えたが、その理由として日本も終戦時にアメリカ軍が設定していた防空識別を1969年に航空自衛隊が引き継いでそれが現在まで有効とされている。これを捉えて中国高官は、日本がいまから44年前に設定した日本独自の防空識別圏を取り止めるなら、中国もいまから44年後に取り止めると述べた。 こういう非常識で幼稚なロジックを恥ずかしげもなく対外的に発表する稚拙な発想はどこから出てくるのだろうか。

 昔の中国の人たちは大人と言われ、それなりの言動をしてきたが、いまやそんな中国人はいなくなってしまったようだ。かつて仕事上付き合っていた中国の人たちは、謙虚で人柄も良く尊敬に値する人が多かったが、いまやそういう中国人は現代共産国家にはいなくなってしまったのだろうか。寂しい限りである。まともな人たちは消されたか、追放されてしまったようだ。

 尤も他人様のことを非難ばかりしてもいられない。わが国にも非常識な輩は隣国に比べれば少ないが、それでもいるいる。

 直近では、大東京のナントカ知事さんのように、怪しげな医療法人から5千万円という大金を無利子無担保で貸し借りする感覚は普通ではないし、自分で借金の理由も説明できないお粗末ぶりである。その医療法人も公選法違反の疑いで幹部に逮捕者を出している。

 もっと許せないのは、国民がこれだけ反対している特定秘密保護法案の福島県公聴会で全員が慎重な審議を求めた、その翌日に衆議院で強行採決したことだ。これでは公聴会を開いた意味がないではないか。ただ公聴会を開催したというアリバイを作っただけである。流石に前中国大使の丹羽宇一郎氏が、民主主義国家日本で白昼夢を見ているようだと匙を投げている。

 はっきり言ってこの法律は、官僚が日本を自分たちの思い通りに牛耳りたいためだけに不遜な国会議員と結託して考えた現代の悪法である。間違いなく後世に禍根を残すものである。

2013年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2391.2013年11月29日(金) 転ばぬ先の杖

 26日駒沢大学公開講座で菱山郁朗講師から私の包帯した右手を見て「どうされたんですか?」と尋ねられ、思わず岸信介元首相が言った言葉の通り、年寄りが留意すべき「三訓」のひとつ、「転ぶな!」に逆らって転んでしまったと言い、笑いあったところである。

 ちょうど菱山講師が資料「戦後の保守リーダーの系譜」の官僚出身首相の最初に岸元首相を挙げておられた。彼が言った「三訓」とは、年を取ったら①風邪を引くな!②転ぶな!③義理を欠け!というユニークなフレーズであるが、実は亡くなった親父がよく口にしていた言葉でもある。元々は誰が言ったのかは分からないが、実に言い得て妙である。その②をやらかしてしまった。その挙句が剥離骨折というお粗末な結果となった。以前は「転ばぬ先の杖」とよく言ったものだが、いまは杖がなかったら外出するなということだろうか。

 今日も証券会社のセールスマンにどうしたのかと問われたくらい、皆さんに気遣いされている。小中陽太郎さんからも今日「お大事に」だけのメールをいただいた。全治3週間の診断をいただいているが、怪我してから今日で漸く10日目である。とにかく不自由でしようがない。

 風邪を引かぬようにしよう。今度こそ転ばぬようにしよう。ただ、③の「義理を欠け!」という気持ちは理解できるが、多少はできても、まったく義理を欠くことはこれまでの人間関係もあり容易いことではない。どうしたら義理を欠くことができるだろうか。

 昨日2年前に亡くなられたゼミ恩師のお孫さんに自由が丘で会った。慶大経済学部3年生で就職活動をしている。ジャーナリズム志望ということでもあり、新聞社の友人に紹介することを約束して、今日早速友人に宛てて就職依頼の書状を書いたところである。改めて現在の就活について聞いたが、すでに必修科目はかなり単位を取得したということである。部活としてワグネル・ソサイエティのオーケストラ・メンバーとして活躍しているようだが、部活と就活を平行して行うことの難しさを感じ取った。来年2月にウィーンへの演奏旅行は何とかして参加したいと明るく話してくれた。中々の好青年で、私のお手伝いがどの程度効果があるかは分からないが、何とか上手く行ってほしいと願っている。

2013年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2390.2013年11月28日(木) 参議院1票の格差→違憲

 元西武百貨店社長にして、セゾングループ代表だった堤清二氏が亡くなられた。消費文化と言われるパルコを中心にした流通グループを創った。それ以前に西武グループの総帥としての存在感は、異母弟の堤義明氏と並んで圧倒的だった。一方でペン・ネーム「辻井喬」として作家・詩人の顔も持ち、いくつか秀作を発表している。私もペンクラブ例会で一度お話をしたことがあるが、非常に温和な方という印象がある。これまでに室生犀星詩人賞、高見順賞、谷崎潤一郎賞、野間文藝賞ほか数々の賞を受賞している。

 いつか小中陽太郎さんから聞いた話だが、堤さんが作家として本当に欲しかったのは、どうも「直木賞」だったらしい。小中さんは堤さんに、財界活動で実績を上げたのだからもう充分ではないかと話したようだが、それでも作家としては、本音として栄誉ある大賞が欲しかったようだ。誰も欲望には限りがないものだと思う。

 さて、1票の格差の問題に関して今日広島高裁岡山支部は、7月に行われた参院選岡山選挙区の結果は憲法違反で即時無効とする判決を下した。違憲とされた参院選は、最大で4.77倍の格差だった。参院選で選挙無効の判決が出たのは戦後初めてである。昨年衆議選の無効を訴えた裁判では、違憲状態の他に広島高裁支部で違憲の判断も下されている。

 参院選については、現在他にも弁護士グループが全47選挙区を対象に選挙無効訴訟を起こしており、今後12月26日までに14高裁で判決が出される。

 衆院選でもそうだったが、裁判所の考えは国会が違憲解消に真剣に取り組もうとしない立法の怠慢を糾弾した。これで国会議員が少しは目を覚ますだろうか。あまり期待は持てないが、このまま手を拱いているようだと国の政治を運営する立場上鼎の軽重を問われることになりかねない。

2013年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2389.2013年11月27日(水) 北方4島領土問題について

 駒沢大学公開講座も今年は今日が最終回となった。3年間に亘って清田義昭講師から優秀ビデオ作品を鑑賞させてもらい解説と議論を交わすのを楽しみにしていた。清田講師が今回を最後に定年で来年は講座を持たないと聞いて大変残念に思っている。終了後清田講師ともう1人の受講者を交えて3人で、近くの飲み屋で一杯傾けることになった。

 今日の授業は北方4島を取り扱ったNHKのドキュメント鑑賞だった。鑑賞後感想を聞かれたので、個人的に次のような考えを述べた。

 要約すれば、終戦後のソ連侵略による4島占領は許しがたい暴挙であり、何と言おうとそれは詭弁であり筋は通らない。だが、4島にロシアの人々が現実に生活している現状が、仮に日本の正論を外へ向けて主張するにしても大きな障害となっている。領土問題の解決と言っても、現在住んでいるロシア人をすべて国外へ追放するということは不可能に近い。敗戦後の1945年9月の無法なソ連の侵略が今日まで延々と問題を引き摺っているが、ここは耐え難きを耐えてそろそろ頭を切り替える時期に来ているのではないかと思っている。

 そこで一例として、パレスチナの歴史とアラブ諸国との争いについて話した。イスラエルとアラブ諸国の間には、過去2千年に亘って相手国への不審感が募り争いが繰り返されてきている。とりわけ第3次中東戦争のころは、お互いに対立が激化して出入国もままならなかった。それが、昨年45年ぶりにヨルダンを訪れた時、イスラエルへの陸路出入国はほとんど問題なかった。

 いまではイスラエルが実行支配しているエルサレムがヨルダンの世界遺産として登録されたり、パレスチナ自治区内にあるベツレヘムの生誕教会が、国連が加盟国ではないパレスチナの世界遺産として登録されたり、イスラエルとアラブの間では、かつての敵対国というほどの激しい対立は見られないように思える。エルサレムがヨルダンの世界遺産であるとしても、イスラエルとしては自国の権利は保有していると大人の対応をしている。これが、北方4島の領土争いにおけるひとつのヒントになるのではないかと述べた。

 それにしても戦勝国ロシアの力まかせの略奪には腹が立つが、戦後68年も経過するとその当時の理不尽に対してクレームを申し立てても所詮諸外国からは相手にされないだろうから、悔しい限りであるが新手を打ち出す必要があると思う。現状を受け止めて上記の考え方も参考にしてほしいものである。

2013年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2388.2013年11月26日(火) ペンの日に思う。

 昭和10年の今日日本ペンクラブが創立され、初代会長に島崎藤村が就任した。爾来今日のこの日を「ペンの日」に制定して、毎年11月はいつもの例会とは違って多少大掛かりにスポンサーを付けて賑やかなパーティを開催している。

 今日駒沢大学公開講座に出席した後、「ペンの日」例会に出席した。冒頭南相馬市在住の詩人・若松丈太郎氏とアメリカ人詩人・アサー・ビナード氏の対談が行われた。対談の中で福島原発事故は「核災」であり、「核罪」というものがあって然るべきだと若松氏が被災住民の立場から述べたことと、ビナード氏が「東」「西」という感覚の違いを自分の住む都市から見た視点から語ったことが印象に残っている。いろんな見方があるものだなぁと思う。

 まあそれにしてもこの対談のテーマが「東京はいつまでつづくのか?」とされていたが、東京についてはまったく話されることがなかった。よくわからん。

 中西進副会長にはこの度文化勲章を受章されたお祝いを申し上げた。浅田次郎会長、中西副会長がいずれも特定秘密保護法案の成案について危惧していることを強調された。

 散会後はいつも通り小中陽太郎さんを中心にして10名で有楽町駅前の「ニュートーキョー」で雑談会。小中さんの力作「翔べよ 源内」の野村故堂賞受賞記念会を来年1月31日に開くことを伺った。

 今日は午後衆議院特別委員会でその法案が若干修正されたうえで強硬採決され可決された。この後法案は衆議院本会議へ回され賛成多数で可決された。いよいよ安倍政権も独裁者の顔を現しだした。第1次安倍内閣では何の仕事もできず、大丈夫かと心配もされた挙句安倍首相自ら政権を投げ出す醜態ぶりを示したが、いまではそんな過去の醜態はなんのその、自民党の数を頼りにここぞとばかり強気に転じ出した。

 うかうかしている戦前戦中の大政翼賛会になりかねない。

2013年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2387.2013年11月25日(月) 中学校の中にもう1つ別の中学校があった不思議

 東京都内で活動している湘南高OB・OGの同窓会組織「東京湘南有志会」が、六本木アークヒルズで開かれた。一昨年会の中心人物、森ビル会長・森稔氏が亡くなられてちょっと寂しくなった。お話しようと思っていた佐々木信也さんも出席されるかと思っていたが、来られなかった。

 ただ、今日は意外な収穫があった。いま執筆中のノン・フィクションの主役、トラック島大酋長の相澤進さんの出身校について、湘南か、近くの他校か、真偽取り混ぜた憶測がある。これという決定打がない。現時点で一番可能性のあるのが、相澤本家の現当主相澤重男氏の母親が生前湘南高校の隣の学校に通っていたようだとの証言である。現市立藤沢一中に該当する学校で、戦後藤沢高等小学校と見られる学校だ。

 しかし、これが相澤さんの主張する母校湘南であるとは断定しきれない。それが、今日1年先輩の天野武和さんから思いがけない話を伺った。天野さんの話だと、終戦前後に旧制湘南中(現湘南高)の校舎内に湘南中とは別に、旧制湘洋中という湘南中に入学し損なった生徒を迎え入れた学校があったということを聞いた。そして、幸いにもその頃湘南中に通学していた12年先輩に当る元三菱商事専務の堀江昭さんからお話を伺うことができた。堀江さんによれば、その当時湘南中には1学年に5組あって、全クラスはまったく同じ授業を受けていたが、そのうち1組が湘洋中の生徒だったという。つまり先生も同じ、教室も同じで学校名だけが別々だったという。従って同じ日時に卒業しても4組の生徒は湘南中卒、他の1組は湘洋中卒という話である。これも摩訶不思議な話で初めて知った情報だが、どうもすんなり受け入れることはできない。

 信じがたい話だが、現実にその渦中におられたのが堀江さんだ。同期生の中には、湘洋中の卒業生もいると言っておられたので、間違いあるまい。これらの話を総合すると、相澤大酋長が通学していたのは、湘南ではなく、いまは廃校となった湘洋(現存する新制湘洋中とは別)である可能性が少し浮かび上がってきたようだ。知る人は皆黄泉の国へ旅立たれた。

 ノン・フィクションはいま追い込みに入っているが、少し文章を変更することも考えなければならないと思っている。

2013年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2386.2013年11月24日(日) このまま特定秘密保護法案を成立させるのか。

 特定秘密保護法案成立を阻止しようと反対の声を上げるジャーナリズムを始めとする団体の動きや、法案を憂慮する声がここ数日の間にヒートアップしてきた。再来週には臨時国会が閉幕するという事情もあり、政府・自民党は明後日に法案を衆議院で通過させようと躍起になっているからである。実際今日秋田で石破茂・自民党幹事長が26日に法案を通過させると述べた。

 この特定秘密保護法案というのは国民の間でも充分理解されていない法律で、しかも危険な法律と専門家が指摘している法案をなぜ徹底的に議論を尽くさず、拙速に法案成立へ向けて突っ走るのか。今日の街頭インタビューを観ていても尋ねられた人は法案の内容についてあまり知らず、他人事のような受け取り方である。私もこの法案については分らないことが多い。だが、実はこの点が一番危険なのだ。

 20日国際ペンクラブは日本の特定秘密保護法案について、異例の反対声明を出した。国際ペンが日本の国内法について反対声明を出すのは戦後初めてのことである。ジョン・ラルストン・サウル会長は「国にとって差し迫って必要でも、公益を守るためのものでもない。政治家と官僚が秘密保全の考えに隠れて自らに権力を集中させようとしている」と法案を批判した。

 ペン会長が言うまでもなく、法律で秘密を守るということが為政者にとっては自分たちの都合で何でもでき、国民をつんぼ桟敷に置いておけると考えていることを意味している。公明党がプレーキ役を果たさず、修正後賛成に転じた他の政党も「修正ではなく偽装修正で前より悪化している」と見られている。

 そもそも秘密保護は国家公務員にとっては国家公務員法によって縛られている筈であるし、防衛に関する秘密については、自衛隊法によってすでに罰則が決められている筈である。このうえ国民を巻き込んで網をかけて言論の自由を押さえつける必要があるのだろうか。

 今日もテレビでコメンテーターが、日本に駐留する米軍兵士の費用負担を秘密にしたまま日米当事者同士で一方的に決めるのは、国民の財産を国民に知らせずに浪費することだと話していた。これをメディアにも知らされず、また国民に報道もできない。最終的に第三者機関がチェックするという、その第三者に安倍首相が考えられているという。アメリカですら、チェックは大統領はもちろん政権内部の人を排除しているという。いまの日本のこの法律からは、恣意的なものが感じられる。実際首相が関与するようでは、もうこれでは中立ではないではないか。

 昨日の朝日新聞「異議あり 特定秘密保護法案」のコラムに、内田樹・神戸女学院大名誉教授が法案は治安維持法のような凶器にもなると的を射た警告を発していた。内田教授は「安倍政権は経済成長を最優先課題に掲げ、経済発展に都合のよい形に社会制度全体を設計し直そうとしている。その流れの中に同法案を位置づける必要があり、国民が知ることのできる情報を制限すれば、それだけ議論の余地は少なくなり、政策決定はスピードアップする。役員会での議論や他社との交渉や密約を逐一全社員に開示する必要性や、従業員の合意を得なければ決められない経営方針など必要がない「株式会社」のモデルにならって政治システムを改組しようとする試みだ」。

 さらにデモクラシーは経済活動には非効率であるから制限すべきだと考える人がこの法案を支持していると決め付けている。

 いよいよ明日、明後日が勝負となった。

2013年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2385.2013年11月23日(土) 続・中島敦作品について

 一昨日の本ブログに天才作家中島敦について取り上げた。中島の作品には短編が多いが細かい点について考えさせるよう描写した作品ばかりで感心している。アマゾンを通して先に購入した書と同じジャンル書として、アマゾンがメールで中島に関連する書籍をPRしてくる。ついその手に乗ってしまい、今日も2冊購入してしまった。

 1冊は島内景二著「中島敦『山月記伝説』の真実」(文春新書)である。難しい中島の作品の中では比較的楽に読めそうだ。何が書いてあるのか、副題として「初めて明かされる悲しい秘密」と紹介されている。これから読むのが楽しみである。

 もう1冊は法政大学教授で文藝評論家・勝又浩著「中島敦の遍歴」(筑摩書房刊)である。帯文に「昭和17年、一筋の光のように登場し、またたく間に逝った中島敦-その短い生涯の奥深い遍歴を辿りながら、とりわけ『李陵』『山月記』『名人伝』そして『南洋書簡』を中心に、中島敦の文学の魅力を存分に論じる」と紹介されている。「南洋書簡」はすでに読了したが、この本も面白そうだ。

 さて、昨日突然のように猪瀬直樹・東京都知事が、公選法違反で逮捕者を出した医療法人徳州会から5千万円を受け取っていた問題が大きくクローズアップされた。朝日新聞に至っては、昨日と今日の朝刊のトップ記事に取り上げている。昨日からテレビ・ニュースでも大きな話題として報道されている。猪瀬知事も黙っているわけには行かなくなって昨日2度、3度と記者会見に応じた。

 しかし、質問に対して応答するが、どうもはぐらかすようで説得力がない。下衆の勘ぐりではないが、何か隠しているのではないかということは察しがつく。猪瀬知事は、このところ2020年の東京オリンピック招致が決定してその主役として活動してきた印象が強く、すっかり好い気になっていたようだ。つい最近苦楽をともにしてきた夫人を喪い、同情票も味方して猪瀬株は上り調子だったが、思わぬ落とし穴があった。尤も自らが失態を演じたのだ。大体曰く因縁のある徳州会から、選挙直前に無利子で現金5千万円を借りてそっくり金庫にしまったまま、徳州会の幹部が逮捕されて司直の手が及びそうだと見るや、その金をそっくり返す一連の行動は、怪しまれて当然である。説明が二転三転するから一層疑わしくなる。基本的に公選法の何たるかを知らずして選挙に臨むことが知事としては非常識だと言わざるを得ない。

 所詮猪瀬知事も金を使わず選挙を行い、公選法に触れないよう違法スレスレの選挙を行い、できれば寄付金を法に触れずに沢山いただき、当選したいとのそんじょそこ、らの低次元の泡沫候補と変わらないということである。

 それにしても特定秘密保護法案に関して、与野党が国民を完全に無視したまま法案を通すための駆け引きに暗躍しているのにはもうウンザリである。国会議員がこのていたらくで、地方首長の最高の地位にある東京都知事にしてこの有様である。政治への不信が強まるのも無理はない。

2013年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2384.2013年11月22日(金) ケネディ大統領暗殺から半世紀

 メディアでは、3日前に来日されたアメリカのキャロライン・ケネディ新駐日大使の話題で持ちきりである。確かにケネディ家のセレブとしての華やかな存在感とそのネームバリューは抜群であり、メディアが血眼になって追い回すのも無理はない。宮中で天皇に信任状を手渡したり、その際馬車に乗って皇居へ向かったり、昨日は安倍首相と会見し昼食会をともにしたり、横田米軍基地を訪れたこと等々、後から後から熱い視線が向けられている。当分ケネディ・フィーバーは止むことはなさそうだ。

 50年前の今日父親のケネディ大統領はアメリカ・ダラスで凶弾に倒れて43歳の若さで亡くなった。当時社会人1年生だったが、市内をパレード中の現職大統領を白昼銃で射殺するという荒っぽいニュースにショックを受けたことをまざまざと思い出す。

 あれから12年後の1975年6月ルイジアナ州シュリーブポートで開催された「アメリカ自然食品協会全米大会」に日本からただ1人参加した後、ダラスを訪れ大統領の暗殺現場と、犯人と見られたオズワルドが潜み銃を撃ったとされた近くの教科書販売会社倉庫の建物内のケネディ博物館を見学した。その内部に展示されている模型セットにひどく驚いたことを思い出す。模型の街、模型自動車、人形を巧みに組み合わせ、ケネディ暗殺のシーンを見せてくれたのだ。特に、オープン・カー上の大統領が撃たれてうつぶせになり、そのオープン・カーが急速にスピードを上げて走り去る動画もどきのシナリオには唖然とさせられたものだ。しかも、大統領の隣席にいたジャクリーヌ夫人が夫の上に覆いかぶさるシーンなんか少しやり過ぎではないかと、アメリカ人の感覚に違和感を感じたものである。

 とにかく事件発生から半世紀が経過し、人形芝居を見てから38年の月日があっという間に過ぎ去った。

 いまその悲劇の主人公の遺児が、よりによって日本でアメリカの国家的業務にトップとして居合わせることになろうとは思いも寄らないことだった。

 日米間の外交は緊密な中にもかつては考えられなかった複雑な問題を抱えている。TPP問題しかり、普天間基地移設問題しかりである。初めての女性大使ケネディ氏の外交、政治手腕は未知数と見られているようだが、弁護士としての実績を生かした活躍を期待したいと思っている。

2013年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com