一昨日の本ブログに天才作家中島敦について取り上げた。中島の作品には短編が多いが細かい点について考えさせるよう描写した作品ばかりで感心している。アマゾンを通して先に購入した書と同じジャンル書として、アマゾンがメールで中島に関連する書籍をPRしてくる。ついその手に乗ってしまい、今日も2冊購入してしまった。
1冊は島内景二著「中島敦『山月記伝説』の真実」(文春新書)である。難しい中島の作品の中では比較的楽に読めそうだ。何が書いてあるのか、副題として「初めて明かされる悲しい秘密」と紹介されている。これから読むのが楽しみである。
もう1冊は法政大学教授で文藝評論家・勝又浩著「中島敦の遍歴」(筑摩書房刊)である。帯文に「昭和17年、一筋の光のように登場し、またたく間に逝った中島敦-その短い生涯の奥深い遍歴を辿りながら、とりわけ『李陵』『山月記』『名人伝』そして『南洋書簡』を中心に、中島敦の文学の魅力を存分に論じる」と紹介されている。「南洋書簡」はすでに読了したが、この本も面白そうだ。
さて、昨日突然のように猪瀬直樹・東京都知事が、公選法違反で逮捕者を出した医療法人徳州会から5千万円を受け取っていた問題が大きくクローズアップされた。朝日新聞に至っては、昨日と今日の朝刊のトップ記事に取り上げている。昨日からテレビ・ニュースでも大きな話題として報道されている。猪瀬知事も黙っているわけには行かなくなって昨日2度、3度と記者会見に応じた。
しかし、質問に対して応答するが、どうもはぐらかすようで説得力がない。下衆の勘ぐりではないが、何か隠しているのではないかということは察しがつく。猪瀬知事は、このところ2020年の東京オリンピック招致が決定してその主役として活動してきた印象が強く、すっかり好い気になっていたようだ。つい最近苦楽をともにしてきた夫人を喪い、同情票も味方して猪瀬株は上り調子だったが、思わぬ落とし穴があった。尤も自らが失態を演じたのだ。大体曰く因縁のある徳州会から、選挙直前に無利子で現金5千万円を借りてそっくり金庫にしまったまま、徳州会の幹部が逮捕されて司直の手が及びそうだと見るや、その金をそっくり返す一連の行動は、怪しまれて当然である。説明が二転三転するから一層疑わしくなる。基本的に公選法の何たるかを知らずして選挙に臨むことが知事としては非常識だと言わざるを得ない。
所詮猪瀬知事も金を使わず選挙を行い、公選法に触れないよう違法スレスレの選挙を行い、できれば寄付金を法に触れずに沢山いただき、当選したいとのそんじょそこ、らの低次元の泡沫候補と変わらないということである。
それにしても特定秘密保護法案に関して、与野党が国民を完全に無視したまま法案を通すための駆け引きに暗躍しているのにはもうウンザリである。国会議員がこのていたらくで、地方首長の最高の地位にある東京都知事にしてこの有様である。政治への不信が強まるのも無理はない。