26日駒沢大学公開講座で菱山郁朗講師から私の包帯した右手を見て「どうされたんですか?」と尋ねられ、思わず岸信介元首相が言った言葉の通り、年寄りが留意すべき「三訓」のひとつ、「転ぶな!」に逆らって転んでしまったと言い、笑いあったところである。
ちょうど菱山講師が資料「戦後の保守リーダーの系譜」の官僚出身首相の最初に岸元首相を挙げておられた。彼が言った「三訓」とは、年を取ったら①風邪を引くな!②転ぶな!③義理を欠け!というユニークなフレーズであるが、実は亡くなった親父がよく口にしていた言葉でもある。元々は誰が言ったのかは分からないが、実に言い得て妙である。その②をやらかしてしまった。その挙句が剥離骨折というお粗末な結果となった。以前は「転ばぬ先の杖」とよく言ったものだが、いまは杖がなかったら外出するなということだろうか。
今日も証券会社のセールスマンにどうしたのかと問われたくらい、皆さんに気遣いされている。小中陽太郎さんからも今日「お大事に」だけのメールをいただいた。全治3週間の診断をいただいているが、怪我してから今日で漸く10日目である。とにかく不自由でしようがない。
風邪を引かぬようにしよう。今度こそ転ばぬようにしよう。ただ、③の「義理を欠け!」という気持ちは理解できるが、多少はできても、まったく義理を欠くことはこれまでの人間関係もあり容易いことではない。どうしたら義理を欠くことができるだろうか。
昨日2年前に亡くなられたゼミ恩師のお孫さんに自由が丘で会った。慶大経済学部3年生で就職活動をしている。ジャーナリズム志望ということでもあり、新聞社の友人に紹介することを約束して、今日早速友人に宛てて就職依頼の書状を書いたところである。改めて現在の就活について聞いたが、すでに必修科目はかなり単位を取得したということである。部活としてワグネル・ソサイエティのオーケストラ・メンバーとして活躍しているようだが、部活と就活を平行して行うことの難しさを感じ取った。来年2月にウィーンへの演奏旅行は何とかして参加したいと明るく話してくれた。中々の好青年で、私のお手伝いがどの程度効果があるかは分からないが、何とか上手く行ってほしいと願っている。