1257.2010年10月22日(金) 世界が愛想を尽かす、ならず者国家中国

 ここ数日メディアでは検察制度に関わる議論や情報が喧しい。今朝の新聞はトップ頁から社会面まで、特捜部主任検事の改ざん事件から、それに伴う主任検事の2人の元上司の起訴、同じく懲戒免職、2人の否認と最高検に対する全面対決、関係者の処分発表、そして大林宏検事総長の謝罪の記者会見と目白押しである。加えて、小沢一郎・民主党元代表の検察との対決姿勢がある。これまで検察制度に対して不審や不満はあったにせよ、これほど多く1度に国民の不信感が表沙汰になったのは珍しい。恐らく空前絶後ではないだろうか。

 いま検察制度に対する信頼は大きく揺らいでいる。冤罪問題によって、その解決のための有力な手段のひとつと考えられている可視化がここへ来て大きくクローズアップされている。これまでの取調べが検察のストーリーに乗らされた、容疑者の供述調書に基づいた自白を拠りどころにして容疑者を起訴してきたことから、真実が隠蔽されているとの反省もある。解体も視野に特捜部の存在自体にメスを入れるべきではないかとの論調も見られる。

 菅首相から、柳田法相を通して、失われた国民の信頼を一刻も早く回復することが大切とのメッセージが検事総長に伝えられた。大林検事総長は、前代未聞の事態に至ったことを深くお詫びしたいと述べ、全力で信頼回復に努める決意を示した。

 実際悪を取り締まるべき検察が信頼出来ないのでは、国民としてはあまりにも心許ない。1日も早く信頼できる道筋を示して欲しいと思う。

 さて、尖閣諸島事件以来日中間の外交関係にきしみが出ているが、それに伴い中国は経済、及び社会関係においても日本に対して極めて厳しく、場合に応じて意地の悪い対応を突きつけている。日本に対してばかりでなく、このところ中国は経済力を背景に世界へ向けてもやりたい放題の所業に及んでいる。日本政府首脳は、事を荒立てることは事態を悪化させる一方と、比較的冷静な発言で大人の対応をしているが、中国政府は世界的に希少価値のあるレアアース(希土類)をほぼ独占的に産出出来る有利な立場を逆手にとって、まず日本に対して全面禁輸に近い措置を取った。これに続いて欧米諸国へもレアアースの禁輸措置を取った。他国の弱みにつけこんで、ここまでやるかと思わせられるほど相手を困らせようとする経済制裁的対応である。とても余裕ある紳士の取るべき態度ではない。アメリカ政府は、中国のやり方は世界貿易機関(WTO)違反であると中国に再考を促しているが、中国は禁輸疑惑を否定している。今日になって、日米が共同歩調を取り、WTOへ提訴することを検討し出した。それにしても、‘成金’中国の傲慢不遜な行動には世界中が呆気に取られている。

 今朝の朝日新聞に著名な経済学者が書いた「ニューヨーク・タイムズ」10月18日付記事が紹介されていた。一昨年ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマン・米プリンストン大教授の中国のレアアース禁輸について書いた論稿「ならず者の新興経済大国」である。

 クルーグマン教授の論文の主旨は凡そ次のように要約されると思う。第1にレアアースについては、各国が中国以外の供給源を開拓する必要性がある。第2に世界で最も新しい経済超大国・中国がその地位に伴う責任を引き受ける準備が出来ていないことを証明しており、ルールに従って行動する意思を持たない、ならず者の経済超大国の姿であると断定していることである。

 指摘はまったくその通りであるが、では世界はならず者国家中国に対してどのように有効な手段をとろうとするのか。相変わらず確たるアイディアはなく前へ進めない。

2010年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1256.2010年10月21日(木) 羽田空港、国際空港として再スタート

 今日羽田空港・国際線旅客ターミナルビルがオープンした。新しい滑走路も使用開始された。新滑走路は海上に杭打ちして建設されたもので、昨年12月にJN協会の空港見学会で訪れたところだ。これからは本格的な国際空港として再稼動することになる。

 振り返ってみると1978年に成田空港がオープンして以来、国際線は成田、国内線が羽田に棲み分けされてチャーター機以外は一部の近距離定期便を除いて、羽田で国際便が運行されることはなかった。その国際線に乗って一昨年韓国・ソウルへ行ったが、その時利用したターミナル建物は、掘っ立て小屋と呼んでも良いような、狭くごみごみした感じだった。その建物も昨日12年の歴史に幕を閉じた。

 1978年に激しい空港闘争の中で開港した成田国際空港は、反対デモ隊によって度々空港施設を破壊され、挙句の果てに開港直前に暴徒が管制塔にまで入り込み、航空管制機器をメチャメチャに破壊した。そのため空港開設日は延期に次ぐ延期となり、いつ成田が使用可能になるのか、その当時多くの海外旅行客を抱えて随分悩まされたものである。度々変わる新空港情報に散々翻弄された経験も今や懐かしい。

 近い内にこの新滑走路からいずこかへ飛んでみたいものである。

 さて、15日に小沢一郎・民主党元代表が起訴議決の執行停止を申し立てたことに対して、18日東京地裁はその申し立てを却下した。普通ならこれを受けて腹を据え、小沢氏側は正面から堂々裁判で争うべきである。小沢氏は現在の検察制度と検察官がどうもお気に召さないらしい。力づくでも検察と対決し、自らに不正がなかったことを国民に訴えたいようだ。勘ぐるなら、出来れば圧力を加えてでも自らの正当性を証明したいらしい。

 しかし、いま行っている手法や手続きは、決して世論の支持を得られるものではあるまい。今朝の朝日新聞によれば、検察官の罷免を決める権限を持つ「検察官適格審査会」のメンバーが今月に入り一部交代し、小沢氏に近い国会議員が増えたという。これは一体どういうことだ。あまりにも恣意的ではないのか。審査会のメンバーは衆参両院議員6人を含めて11人であり、その中の9人が検察官として職務を遂行するに適しないと判断すれば、罷免される可能性がある。小沢派議員が1人だけだったのが、ここで4人に増員された。今回メンバー入りしたある民主党議員は、こういう馬鹿なことまで発言している。

 「『小沢系が多い。検察官の罷免もありうる』という話になるだけでも、政治的メッセージとしていい」だと。国会議員の仕事を何だと思っているのだろうか。検察制度をどう考えているのか。彼らは正邪の区別もつけられず、3権分立も知らないようだ。単なる小沢のお先棒担ぎではないのか。こういう議員こそ罷免させたい。

2010年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1255.2010年10月20日(水) 死刑制度は存続か、廃止か。

 駒沢大学の講座で清田義昭講師が前回に続き、死刑制度は是か非かをテーマに講義された。今日は連続殺人犯として昭和47年に4件の連続殺人事件を犯した永山則夫の経歴と獄中で移り変わる胸中を紹介したNHK・ETV特集ビデオ「死刑囚・永山則夫―獄中28年間の対話」を観せてくれた。数々の賞を獲得した骨太いドキュメントである。

 あまりにも残虐な凶悪犯罪は、当時世間を恐怖のどん底に陥れた。都内のホテルを皮切りに、京都、函館、名古屋と短期間に広い地域で犯した凶悪殺人事件は日本中を驚かせたが、まもなく逮捕された犯人の実像を見て再び衝撃を受けた。何とその時犯人永山則夫は、19歳の未成年だったのである。通勤途上山手線沿線に見える犯人逮捕の現場周辺を通るたびに、事件を思い出させられたものである。

 今日のドキュメントでは、逮捕された永山は幼児期、成長過程を通して極貧生活の中で親からも見捨てられ、どこにも居場所がなかった。犯罪の原点はこの貧困にあったと思われる。第1審死刑、第2審で無期懲役、そして最高裁で逆転死刑が確定し、1997年8月刑が執行され48年の生涯を閉じた。

 この間一時永山は、オランダの社会学者の書を引用して、罪を犯した真の原因は貧困に苛まれた社会にあると獄中から訴え続けた。獄中で文字を覚え、読書に耽溺した。マルクスやドストイェフスキーの作品も読み漁った。支援者も現れ、中でもアメリカ在住の女性と文通を通して親しくなり、彼女と獄中結婚をして作家活動をスタートさせ獄中出版までして、「無知の涙」「木橋」はベストセラーにまでなった。印税を被害者へ贈呈することを申し出て一部の貧しい被害者はそれを受け取った。

 結局紆余曲折の末、死刑確定の直後ただひとり自分を心から理解してくれた夫人とも離婚した。逆転判決の際「永山基準」と言われた判決に際して、永山事件から得たヒントを判断の参考にするため分析する法律的基準を作成させた。

 深く考えさせられたビデオである。先週清田講師は個人的な考えと断ったうえで、死刑制度には反対と仰った。昨年5月に裁判員制度が導入されて以来、一般市民が裁判に参加するケースが増えてきた。しかし、これまで死刑が予測されるケースはなかった。ところがまもなくある事件が持ち上がってくる。その殺人犯は罪のない女性を2人も殺害している。ひょっとすると死刑判決が出る可能性がある。それらを意識したうえで、清田講師は議論の材料として問題を提起された。

 しかし、あまり討論する時間がなく、踏み込んだ議論にはならなかった。講座終了後、清田講師に判断の基準として、ひとつの考えを直接尋ねてみた。複数以上の殺人を犯した極悪非道な犯人に、死刑でなく終身刑を課した場合、この犯人を一生収監しておくために係る経費は、税金で賄うことになる。住居費、食費、医療費などを終生手当てするのは、国民としての義務を果たし、真面目に働きながらも貧しい生活を余儀なくされている人々に比べて不公平ではないかという点である。清田講師も即答せず、難しい問題だと仰っていた。

 人間が人間を裁くことがいかに難しいか。そう簡単には結論は出ない。

2010年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1254.2010年10月19日(火) 民主主義を都合良く解釈する人たち

 15日小沢一郎・民主党元代表が過日下された第5検察審査会の起訴議決に対して、起訴議決の執行停止と強制起訴に向けた指定弁護士選任の仮差し止めを申し立てた問題で、東京地裁は昨日申し立てを却下する決定をした。小沢氏側はこれを不服として即時抗告するものとみられている。

 地裁は検察審査会を準司法的機関と位置づけ、「起訴議決も刑事司法手続きであり、行政処分ではない」と指摘した。更に検察審査会法上で起訴議決の不服申し立ての規定がない点などを挙げて、「起訴議決の適否は、刑事訴訟法に基づく公判手続きで争われるべきであり、行政訴訟での訴えは不適法」と結論づけた。東京地裁の決定は当然だと思う。

 これに対して小沢氏側は今後どういう対応をするのだろうか。長い闘争になるのではないだろうか。いずれにしろ小沢氏の政治的力と求心力は、衰えていくことになるだろう。

 今年7月前区長の辞職に伴う区長選で当選した東京都杉並区長が、前区長が制定した多選自粛条例を廃止する方針だという。その言い分は「立候補と投票に関する権利は民主主義の根幹にかかわるもので、条例というローカル・ルールで縛るべきではない」と話している。確かに前段の部分はご尤もである。だが、この区長は自分自身が多選を目指しているから自粛廃止を行動に移そうとしているのではないか。前任者が採用した条例をいとも簡単に捨て去ろうとする行動については、この論理だけでは納得出来ない。それなら、自分が当選した区長選はほんの4ヶ月前のことであり、これだけ重要な決定について選挙当時すでに考えていた筈である。ならば、なぜ立候補の際多選容認の考えから、条例廃止の考えがあることを堂々と区民に訴えなかったのか。

 さらに言えば、前段の話は一応筋としては通っているが、多くの選挙制度の中で多選禁止、或いは自粛が注目を集めているのは、多選で当選した人が周りを側近で固めて独断的に政治を進める傾向が強く、長い間一部の人とだけ業務を進める人間関係が、つい汚職の危険性を招来するとみられるからである。そんなことは、アメリカ大統領の立候補に2期8年の多選禁止があることでも明確ではないか。民主主義の母国であるアメリカ合衆国の大統領任期にしても、そういう弊害を勘案して最長で2期8年に、ロシア大統領も2期10年に限定している。これはむしろ真の民主主義を守るためには、その方が弊害が少なく現実的だと考えられたからではないか。実際国内でもまだ少数ではあるが、多選自粛の動きは加速している。

 杉並区長は、この際前区長の理念を放擲する前に、多選の可否を選挙民に問うべきではないか。あまりにも自己都合で勝手に決めている。こういう人には民主主義を論じる資格はないと思う。

2010年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1253.2010年10月18日(月) 中国の小児病的言動にげんなり

 共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」の最終校正原稿を出版社へ提出してきた。これでもう修正することは出来ない。自分にとってもよもやもう書き直すことはないだろう。今日の原稿は前回の校正原稿から何箇所か訂正し、編集者にも納得してもらった。これで来月初旬に新しい書籍が世に出る。今回は先月開催された国際ペン東京大会記念として、ドキュメントを書くつもりで準備を進めていたところ、今年になって偶々この共著プロジェクトが入ったので、ドキュメントを来年に譲ったものだ。これで次の作品として1年遅れてしまったが、旅行関係のドキュメントに拍車をかけて来年何とか上梓したい。

 ここ2,3日中国国内各地で反日デモが頻発して、日本商店や料理店が暴徒に襲われている。成都、西安、鄭州、綿陽に続き、今日は湖北省武漢でも反日デモが起きた。成都では一昨年大地震があり、その際日本からも救助隊が駆けつけ被災者のために支援した。そんな人道的な援助もありながら、どうも中国の若い人たちは何でもかんでも日本が悪いと言って日本に不満をぶつけている。マス・メディアの一般的な報道では、反日グループは一部の若者が暴れているのであり、デモ隊の本当の狙いは共産党の1党独裁と民主化抑圧に対する反発、そして貧富の格差に対する不満だと指摘している。

 中国国内にある二極構造は経済発展とともに進み、今や都市部の富裕層と農村部の貧しい農民との経済格差が拡大し、地方では学校は出ても就職も難しくなっている。一方、太子(プリンス)党と呼ばれる国家首脳の師弟らの成功や、官庁や会社内における出世が、貧しい階層にとって羨望の的となり、その反動が反感となっている。その過程で不満が政府へ向かう前に、江沢民・前国家主席下の愛国教育で反日的な教育を受けた若者が、反日行動へ走ったのではないかとも言われている。

 現在中国では5年に1度開かれる第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が今日閉幕となった。この時期に各地で反日デモを行っているが、その地下深くには反体制のマグマが沸々としている。中国外務省の見解も的外れで、体制安泰を願っている様子が見え隠れしてまったく誠意が見られない。若者のデモを擁護するかのように、「一部の群集が日本の誤った言動に対して義憤を表明することは理解出来る」と述べたのは、こう公表しなければ彼らの暴挙が中国政府に向かうことを懸念したからにほかならない。外国へ迷惑をかけることにかけては、国民が国民なら、国家も国家である。

 今日の5中全会で、党中央軍事委員会副主席に習近平・国家副主席が就任し、ポスト胡錦濤ということがはっきりした。習氏は父親が一時失脚したとは言え元副首相であり、いわゆる太子党である。2年後には胡錦濤路線を継承していくことになるらしい。だが、太子党の習近平と共産主義青年団(共青団)出身の胡錦濤とは出身母体が異なり、今後胡派と習派の権力闘争が激化する恐れがある。2年後の習近平体制が発足した時に一波乱あるのではないか。

 それにしても胡錦濤も、温家宝も金正日も偶然とは言え、同じ1942年生まれである。おかしなことをやる国は国家の人的骨格がおかしい。中国も最近の言動は傲慢で、不誠実だと思っていたら、何と世襲制度を敷いている北朝鮮に似てきた。やれやれである。

2010年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1252.2010年10月17日(日) 靖国神社とゼミ雑感

 うっかりして大学ゼミ例会の開始時間を間違えて、2時間も早く会場の九段会館へ着いてしまった。これは時間つぶしに困ったと思いながらも、折角だから近くの靖国神社へ久方ぶりの参拝をしようと考えた。

 九段下から九段上へ向かって歩いていると境内の辺りから威勢のいい声が聞こえたので、正面砂利道を進んでみるといなせなお兄さんたちが、お囃子に合わせて2つの大きなお飾りにまたがりご神木を引いている。「祝御柱祭」と書かれた旗や提灯があった。よく見ると「御柱三友会」とあり、米沢、北山、湖東の御柱祭の催しをやっていた。皮を剥いだ長く太い木材を引っ張っていて、そこには「神社御柱御用材」とある。ラッパを吹いていた若者にこの神木を奉納するのか聞いてみたら、これは儀式用で持ち帰ると笑っていた。境内ではお能を披露したり、古物市を開いていたり、靖国神社もいろいろ趣向を考えているようだ。一方で、参道では「国立共同墓地建設反対署名」と旗を掲げて、A級戦犯の分祀に反対する署名活動をやっていた。

 参道傍で「ルソン山中会」の青柳勝正さんと仰る世田谷区三宿にお住まいの85歳の方から、フィリピン・ルソン島の悲惨な状況や戦後の戦友会の歩みや活動について偶々お話を伺う機会があった。左手の指を2本失くしておられた。最近問題になったルソン島の遺骨収集スキャンダルについても嘆いておられた。最近戦友会の方とお話する機会がなかったが、久しぶりに戦地の苦労話をうかがって、かつて遺骨収集事業をお手伝いしていた頃を思い出し気分も爽やかだった。その後靖国神社遊就館を見学したが、興味が尽きず後ろ髪を引かれたが、ゼミ例会まで時間がなくなったので途中で退出してきた。いずれまた見学に来ようと思う。

 ゼミ例会では大体いつも同じ顔が揃うが、心配していた飯田鼎先生と奥様の健康そうなご様子を拝見してほっとした。先生は大正13(1924)年のお生まれなので、今年86歳になられる。ほかの仲間も気にしていたようだが、一様にお元気そうな姿にほっとしていた。卒業後47年が経ったが、先生の前に出るとやはり未熟な弟子であることを痛感させられる。元気なころの先生の前向きな姿を思い出すととても足元には及ばない。やはり毎日遅々としていても着々と前進するしかない。ひたむきな先生の姿に改めてまだまだ勉強が足りないと自戒した次第である。

2010年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1251.2010年10月16日(土) 母校ラグビー部1回戦で完敗

 近所にお住まいの先輩の和田正温さんをお誘いして、正月以来初めて母校・湘南高校へ出かけた。母校グランドでラグビー全国大会神奈川県予選1回戦4試合が行われた。第1試合で湘南は県立希望ヶ丘高と戦った。学校側も川井校長、ラグビー部OBの加藤教頭らのほかにも大勢のOB、保護者も来ておられ、何人かの人たちと久しぶりに話をした。

 川井校長は、偶々慶応アルペンクラブの後輩・淀勇夫くんの母校・山形興譲館高校山岳部の後輩である。その川井校長と立ち話をしていて、湘南の卒業生・根岸英一博士のノーベル化学賞受賞の効果は大きく、後輩である全校生徒に良い影響を与えていると伺った。また、先日文武両道のモデル校として韓国KBSテレビが母校を取材したが、早速校長はKBSに対して、まだ放映前なら取材番組で根岸博士のノーベル賞受賞についても若干でも触れてくれるよう連絡を取ったとも伺った。

 肝心の後輩たちの試合は、少しはノーベル賞効果があるかと思いきや、当然のことだがその期待は見事に裏切られた。50-7の完敗だった。今年は1年生が14人も入部して大いに活躍を期待していたが、チームとしてはまだまだ固まっておらず、今日は2、3年生だけのチームのようだったが、3年生にとっては悔しい最後のゲームになってしまった。前半に6トライを奪われ38-0、後半に2つのトライを奪取されて漸くノーサイド寸前に1トライを返すのがやっとの有様で後半は12-7だった。後半の最後になって多少良い形を作れるようになったが、時すでに遅しであえなく敗退した。

 主たる敗因は2つある。そのひとつはタックルが悪すぎる。中には一発で仕留めたタックルもあったが、全般的に一歩踏み込まず一瞬待ってからタックルに入るので、どうしても甘いタックルになり、相手を止められない。もうひとつの敗因は攻撃力である。特にフォワードのモール・プレイが弱すぎた。奪われた8つのトライのうち、3つはゴール前10m周辺からずるずる後ずさりしてそのままトライされた力負けのプレイに、もう少し頑張れといらいらしていた。

 ノーサイド直前になって漸くいくつか良い攻めの形を作りながら、トライに結びつけられなかったのは、チームがまだ未熟であることを感じさせた。試合前今日は勝てるのではないかと楽観視していたので、かくも簡単に敗れるとは少々がっかりである。今日敗れたので、この後の予定は12月に始まる新人戦まで待つことになるが、1年生を含めた新チームの活躍に期待したいと思っている。

 今日は最後の最後になって後輩がひとり脳震盪で倒れ、救急車が駆けつけてくれた。何とか大事に至らずほっとした。

2010年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1250.2010年10月15日(金) 何もやらない自分勝手な政治家

 経済低迷、株安基調につれ、このところ円高が大きく注目されている。政府は円高進行に対しては断固たる措置を取るといいながら、先日のG7以来打つべき手がなく「慎重に推移を見守っていく」とのスタンスのままである。連休の11日にはオーストラリア相場で円高が進み、一時1$=81円台に突入した。すぐに82円台まで戻したが、昨日もロンドンでは一時的に80円台を記録した。15年ぶりの最高値79円台は目の前だ。

 ミスター円、こと榊原英資・青山学院大教授によると、大きな円高の流れの中で市場介入を行っても限定的な効果しかないそうだ。浜矩子・同志社大教授の如きは、このまま推移するなら、場合によっては1$=50円も想像出来なくはないとドキッとするような発言をしている。そうなったら、日本政府の市場介入より国民の市場介入により国民が挙ってドルを買いドル高相場へ誘導して、輸出に拍車をかけ、ドルが上がったところで国民は売って一儲けするシナリオはどうだろうか?

 いま開かれている国会では、円高に関する議論はほとんどなされていない。決まりきったように菅首相、野田財務相、大畠経産相、仙石官房長官らが個々に必要なら断固たる措置をとると語ったに過ぎない。これがノー天気な政治家の現実の姿である。こんな調子では、当分円高傾向に歯止めはかからないだろう。

 一方で、今日もうひとつ政治家の驚くべき動きがあった。先日東京第5検察審査会の起訴議決を受けた小沢一郎・民主党前幹事長が、「議決は違法で無効」として国を相手どり、起訴議決取り消しと検査官役となる指定弁護士の選任手続きの差し止めを求める行政訴訟を東京地裁に起こした。まさかここまで強引な行動に出るとは思わなかった。

 起訴議決を巡る提訴は初めてである。小沢氏の弁護団は「起訴議決は検察審議会の権限を逸脱しており、全体として違法で、裁判所の判断を仰ぐのは当然の権利だ。小沢氏の政治活動への制約は深刻で、起訴を待たねばならないとしたら、そのこと事態が憲法違反だ」と会見で述べた。どうしてこういう論理になるのだろうか。憲法違反になるルールを国会で通したのは、政治家自身ではないのか。その政治家の中でも最も力を持って行動したのは小沢氏本人ではなかったか。明らかに論理のすり替えである。1度自分が不利な立場に追い込まれるとなりふり構わず、自分たちで作った法律の不備をあげつらう。こういう自分本位の人間が政治家づらしているようでは、日本の政治が良くなるはずがない。

2010年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1249.2010年10月14日(木) チリ落盤事故作業員救出とアメリカの核実験

 今日チリ落盤事故で地底に閉じ込められていた作業員が全員救助された。世界中から報道員が1,000人以上も押し寄せ、鉱山の事故現場では、チリ大統領を始め、政府関係者、家族、鉱山関係者を含め大勢の人が祝福ムードで生存者を迎えた。最近これほどショッキングにして祝福ムードの出来事は珍しいのではないかと思う。

 今日の報道でも、危機管理能力とリーダーシップを遺憾なく発揮したルイス・ウルスアさんの手腕をベタ誉めである。大統領自身直接ウルスアさんを高く評価し、国家の誇りに思うと述べた。ウルスアさんのバックグラウンドには経営学者でもあり、社会学者でもあったピーター・ドラッカーの強い影響があるという。ドラッカー著「マネジメント」にある「リーダーは危機に際しては先頭に立つ」が正確に実践されたのである。ウルスアさんの行動で感心するのは、事故直後に僅か数日分しかない備蓄食糧をどうやって救助までもたせるかと考え、まず最初に救助は20日後には開始されると判断して、33人が20日間耐えられる食料配分を計算して、全員に理解させ協力させたそうだ。この冷静な判断はどこで鍛えられたのだろうか。敬服するばかりである。

 さて、チリの作業員救出に目を奪われている間に、ドラ猫のようにこっそり悪事を白状した国がある。超大国アメリカ合衆国である。オバマ大統領は自身の核廃絶の動きに逆行する核実験を行ったのである。アメリカ政府は未臨界核実験と発表して、エクスキュースしているつもりかも知れないが、核爆発があったかなかったかの違いだけで核実験は確実に行われていたのだ。それをチリの落盤事故作業員救出作業で世界中が固唾を飲んで見守っている最中にこっそりやっていたのだから悪質である。不届き千万である。こういう行為を鬼の居ぬ間のなんとかと言い、古来日本ではあまり良い意味では使われない。

 オバマ大統領は、昨年4月チェコのプラハで核廃絶への覚悟を世界へ向けて颯爽とアピールし、世界中の人々の喝采を浴びた。核廃絶への動きは少しずつ動き始め、昨年のノーベル平和賞はオバマ氏へ授与された。このノーベル平和賞は、オバマ大統領の平和活動と核廃絶への努力に対する期待賞であることは本人は百も承知している筈だ。今年の広島原爆平和祈念祭に初めてルース駐日大使が出席し、確実にアメリカの核廃絶への歩みを見せてくれていた。広島市民、長崎市民はもとより全日本国民も大いに期待していた。

 それがこともあろうにオバマ大統領たるもの、核反対者の期待を傲然と裏切ったのである。これからアメリカとオバマ大統領は核廃絶に向かってどう行動しようというのか。真意を説明してもらいたい。オバマはメッキが剥げてもう信用出来ない。ノーベル平和賞は即刻返上すべきである。まったく失望した。

2010年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1248.2010年10月13日(水) チリ落盤事故の作業員救出作業始まる。

 午前中海事センターで近著「そこが知りたい 観光・都市・環境」の最終校正の打ち合わせを行った。出版社からも表紙デザインに関して5種類ほどサンプルを提示され、それぞれ特徴が表れて良いと思ったが、テーマから推してデザインに動的なイメージが表れることが重要と考え、その中の一案を推薦したところ他の執筆者も同意してくれたので、スムーズに「これにて1件落着」となった。これから拙稿の文字、表現をチェックして一両日中に出版社へ届けようと思っている。出版予定日については11月10日と印刷されているが、4日に札幌で開かれるJAPAN NOW観光情報協会主催「観光立国フォーラムin札幌」セミナーで参加者に配布する予定であり、いよいよラストスパートに入った。出来上がりを楽しみに待ちたい。

 さて、大学の後輩で息子たちの家庭教師を務めてくれた諏訪園さんから、転勤のハガキをもらった。確か一昨年だったと思うが、中央官庁課長職から、東北大学教授として転出して学生との研究活動に関わっていたが、今度は中央行政職に就任したとの連絡である。まったく慌しい異動で、これでは腰を落ち着けて仕事に専念出来ないのではないかと心配になる。ましてや大学教授と国家の役人では仕事がまったく違うと思う。もう少し準備期間なり、仕事の成果を発揮出来るような態勢考えてあげられないものだろうか。

 文面を読むと事前に異動の打診があったと添え書きされていた。「本来来夏まででしたので、学生たちへの指導や研究活動、当地での生活自体についても、大変名残惜しい気持で一杯です」とある。国家行政の要職に就いたのだから、喜ぶべきことなのかも知れないが、失礼ながら外野席から見ていると中途半端な人事に思えて仕様がない。「栄転だとは思いますが」などと余計な文言を付け加えて、二男の結婚報告と併せ激励のメールを送信した。元来優秀な人なので、これからも新しい職場で才能を発揮して実績を上げてくれることを期待したい。

 ところで、昨日からチリの炭鉱落盤事故救出作業が急に早まったと世界中の関心を呼んでいる。当初は12月中に救済できるとかなり先の長い話だったが、ここへ来て計画が急ピッチに早まり、遂に今日最初の作業員が地底700mから救い出された。

 1985年にステンレス・ミッションにお供して、ロッキー山脈山中にあるコロラド州キーストーンのアマックス社ヘンダーソン鉱山で地下600mまでエレベーターとトロッコで潜ったことがある。坑道はそんなに狭くなかったが、それでもその時随分圧迫感を感じたものである。それが事故により最初の内は地上とも連絡がつかずに、こんなに深い息苦しい地底に69日も閉じ込められたのは辛い体験だったと思う。それに耐え抜き、今日次々に救出されているのは素晴らしく、実にめでたい快事である。現時点で全員が救出されたわけではないが、それにしても33人の作業員が揃って救出されようとは、素晴らしい成果である。

 NHK「ニュースウォッチ9」の大越健介キャスターが、閉じ込められた状態で全員が示した結束力と最後に救出されるウルスアさんのリーダーシップを誉め称えていた。現場監督のウルスアさんは閉塞状態の中で冷静に①現状把握、②本質の分析、③優先順位重視、において並外れた危機管理能力を示してくれた。いざとなると世間にはこういう隠れた異才がいるものである。天晴れである。

2010年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com