1250.2010年10月15日(金) 何もやらない自分勝手な政治家

 経済低迷、株安基調につれ、このところ円高が大きく注目されている。政府は円高進行に対しては断固たる措置を取るといいながら、先日のG7以来打つべき手がなく「慎重に推移を見守っていく」とのスタンスのままである。連休の11日にはオーストラリア相場で円高が進み、一時1$=81円台に突入した。すぐに82円台まで戻したが、昨日もロンドンでは一時的に80円台を記録した。15年ぶりの最高値79円台は目の前だ。

 ミスター円、こと榊原英資・青山学院大教授によると、大きな円高の流れの中で市場介入を行っても限定的な効果しかないそうだ。浜矩子・同志社大教授の如きは、このまま推移するなら、場合によっては1$=50円も想像出来なくはないとドキッとするような発言をしている。そうなったら、日本政府の市場介入より国民の市場介入により国民が挙ってドルを買いドル高相場へ誘導して、輸出に拍車をかけ、ドルが上がったところで国民は売って一儲けするシナリオはどうだろうか?

 いま開かれている国会では、円高に関する議論はほとんどなされていない。決まりきったように菅首相、野田財務相、大畠経産相、仙石官房長官らが個々に必要なら断固たる措置をとると語ったに過ぎない。これがノー天気な政治家の現実の姿である。こんな調子では、当分円高傾向に歯止めはかからないだろう。

 一方で、今日もうひとつ政治家の驚くべき動きがあった。先日東京第5検察審査会の起訴議決を受けた小沢一郎・民主党前幹事長が、「議決は違法で無効」として国を相手どり、起訴議決取り消しと検査官役となる指定弁護士の選任手続きの差し止めを求める行政訴訟を東京地裁に起こした。まさかここまで強引な行動に出るとは思わなかった。

 起訴議決を巡る提訴は初めてである。小沢氏の弁護団は「起訴議決は検察審議会の権限を逸脱しており、全体として違法で、裁判所の判断を仰ぐのは当然の権利だ。小沢氏の政治活動への制約は深刻で、起訴を待たねばならないとしたら、そのこと事態が憲法違反だ」と会見で述べた。どうしてこういう論理になるのだろうか。憲法違反になるルールを国会で通したのは、政治家自身ではないのか。その政治家の中でも最も力を持って行動したのは小沢氏本人ではなかったか。明らかに論理のすり替えである。1度自分が不利な立場に追い込まれるとなりふり構わず、自分たちで作った法律の不備をあげつらう。こういう自分本位の人間が政治家づらしているようでは、日本の政治が良くなるはずがない。

2010年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com