1098.2010年5月16日(日) 沖縄は天気晴朗ならず波高し

 お隣に住む西本さんが、ご家族揃ってニューヨークから帰国の挨拶に来宅された。3年半に亘ってニューヨークのJETROに勤務されていたが、転勤によりこの3月にご主人はNYからJETRO岐阜貿易情報センター所長になられたという。現在岐阜市に単身赴任されている。ご家族は近所のマンションを借りて自宅の賃貸契約が切れる8月を待っておられる。NYへ行かれる直前に生まれたお嬢ちゃんが来年小学校入学とは、実に時の流れるのは早いものだと感慨深い。上の男の子が小学2年生で、これからも転勤があるだろうし、大変だろうなぁと思う。

 さて、相も変わらず実行力の乏しい鳩山内閣が、今やぼろぼろである。平野官房長官が、今日鹿児島で徳之島の米軍基地誘致派の有力者と個別に話し合いを持った。正面突破は無理と悟ったか、政府はサイド攻撃で切り崩しにかかってきた。町長、島民が挙って反対の中で、別のルートを通して説得しようとする、住民の気持ちを逆撫でするような手法はいかがなものか。町長も住民も裏切られたような気持ちで憤懣やる方ない。

 政府が早く決着をつけたいとの気持ちも分らないわけではないが、政府のやり方がどうも拙速で泥臭い。それに鳩山首相は住民感情が一番大事で、それを尊重すると散々言っておきながら、やることはまったく逆である。

 一方日米間で実務者協議を始めたようだが、普天間移設を実現するための政府案(キャンプ・シュワーブ杭打ち桟橋方式と一部徳之島移設)をその前提として話しているなら、その前提自体が壊れかけ暗礁に乗り上げている。それを敢えて解決の見通しの立たない政府案を強引に推し進め、一方でアメリカと政府案を話し合っているようだが、皮肉にもアメリカはすでに桟橋方式に否定的な見解を示しているようだ。では一体どうすれば良いのか。はっきり言って、こういう袋小路に入った以上今のところ打つ手なしというどうにもならない状況にある。

 今日沖縄普天間基地周辺を移設反対、基地撤去を唱える人びとが雨の中で、普天間基地の周囲を1人ひとりが手をつないで「人間の鎖」デモンストレーションを行った。沖縄県民、なかんずく基地周辺住民にとっては本土返還後、失望の連続だったという。長らく旧コザ市長を務められた大山朝常氏は、著書「沖縄独立宣言」の副題に「ヤマト(日本)は帰るべき祖国ではなかった」と付けられたという。沖縄県民にとって本土復帰は喜ぶべき結果にはならなかったのか。もしそれが本音だとすると沖縄返還に多少なりともかかわった私としてもやり切れない気持ちである。いつになったらすっきりした気分になれるのだろうか。

2010年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1097.2010年5月15日(土) ホームページ開設3周年

 早いものでホームページを立ち上げ、このブログを書き始めてから今日でちょうど3年になる。何とかブログはほぼ1,100回を連続して書くことが出来た。幸いHPへのアクセス数も17,000回を数えた。大勢の人に見てもらっていると思うと責任感のようなものが湧いてくる。

 ブログはわれながらよくぞここまで書き続けてこられたものだと思う。これも偏に毎日思ったことや感じたことを書いてみたいとの気持ちが強く、疲れていてもその思いを押し通すことが出来たからに他ならない。今後いつまで書き続けることが出来るか、またこの個人的な記録をどうすべきかも考える必要があると思っている。 

 今日は沖縄返還が成って早38年である。返還闘争で2度ばかりデモに参加したことがあるが、仕事に追われて心情的な反対運動に終ってしまい、自分の行動に必ずしも納得しているわけではない。60年安保闘争と併せて考えると沖縄返還は了としても、その後安保条約が沖縄の足かせになっていることは間違いない。

 また、今日は昭和7年に海軍青年将校が時の首相・犬養毅を殺害した5.15事件が起きた日でもある。今や2.26事件同様に5.15事件もメディアで報道されることはなく、日本史で学ばなければほとんどの人が知らない時代になってしまった。日本人は少々過去の歴史を軽視し、こだわりがなさ過ぎではないだろうか。

 さて、先日惜しまれつつ亡くなったが、今もニュース性をもってしばしば取り上げられている人気作家・井上ひさしさんが、日本ペンクラブ第14代会長に推されたのは2003年5月の総会だった。その直後にペン会員に推薦されたことを、偶々スイス旅行中に妻からの電話で知った。その総会記録が掲載されている「P.E.N.」358号(2003年7月1日発行)をみてみると、井上新会長が話された就任挨拶が掲載されている。それによると会員になってから理事、常務理事、副会長と駆け上がってきたが、今まではサボっていたので、会長に選出されたのは天罰に違いなく、しばらくはよく働き、過去の埋め合わせをするようにとの天の裁きが下ったものだと「更生の弁」を述べている。相変わらず人を食ったようなスピーチで、井上流のユーモアとサビを利かせている。それでも、井上会長は連綿と受け継がれてきた反核反戦の気風を受け止め、その気風を若い人に渡すことを誓うと真面目なことも言っておられる。その時私を会員に推薦して下さった専務理事・小中陽太郎さんは、井上さんから副会長になって欲しいと誘われたようだが、2トップが揃って左翼系だと野次馬が騒ぐのではないかと、小中さんは辞退してヒラの理事に納まったと伺った。

 翌月の「P.E.N.」359号には、早速井上会長の発案により始まった月例会のショート・スピーチの内容が紹介されている。皮切りに会長自身が話された「遅筆生活40年」は、遅筆になった言い訳と時代背景を伝えていて、これが結構面白い。世間には出ていない井上ワールドの真骨頂である。

 この号には、6月理事会で承認された新会員が写真入りで紹介されている。私は名前、住所、電話、生年月日の後に、「エッセイスト。ギリシャ政府観光局長賞エッセイ部門入賞。推薦者 阿刀田高、小中陽太郎」と紹介されているが、同時に会員となった同期生には、阿木耀子、菊間千乃、小池真理子、なかにし礼、藤田宣永氏ら錚々たるメンバーがいる。これらの著名人が揃って私同様に阿刀田高氏に推薦されているのが、偶然とはいえ不思議な気がする。4年後井上会長の後任として当時専務理事だった阿刀田氏が第15代会長に選出された。

 いずれにせよ、文学界の楽屋裏や、著名作家の裏話は、含み笑いするような感じで面白い。

2010年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1096.2010年5月14日(金) ビルマの民主化運動が心配だ。

 しばらくメディアで大きなニュースとして取り扱われなかったビルマだが、民主化運動の先頭に立っていたアウン・サン・スー・チーさんが自身代表だった「国民民主連盟」(NLD)を解散させたことで、民主化運動も行き場を失ってしまった。これはもちろん彼女が意図していたわけではなく、また望んでいたことではなかった。巧妙な軍政の罠にはまってしまったのだ。軍政のしたたかな戦術的呼びかけに導かれ、辿り着いたところで受け入れられない条件を提示され、拒否した結果がこうなってしまった。今後NLDの政党活動や党員の政治活動は違法とみなされ、摘発の対象になるという。NLD関係者は解党には必ずしも賛成ではなかったが、スー・チーさんが下した決断に従った。他の民主化運動関係者にとっても大きな痛手である。

 これからスー・チーさんは、軍事政権に対してどういう方策を取って支持者に約束した民主化運動を進めていくのだろうか。果たしてビルマに民主化は訪れるのか。国際世論はスー・チーさんたちの民主化運動を強くバックアップしているが、それでも国際社会で孤立している軍事政権が、結局そのまま体制を維持して国家を統治しているという理不尽はどうにかならないものだろうか。ここでも軍政をサポートしている中国の後ろ盾が民主化の妨げとなっている。

 先日映画鑑賞会で会った映画監督の瀬川正仁さんから著作を送ってこられた。「ビルマとミャンマーのあいだ」という書名だ。副題に「微笑みの国と軍事政権」と書かれている。確かに瀬川さんがビルマを訪れたことは聞いていた。そのビルマで訪れた都市も半端ではない。われわれがビルマを度々訪れていた時代、1970年代には日本軍所縁のミートキーナやラショオは足を踏み入れることに許可が出なかった。旧日本軍航空隊の人たちからは、もう1度訪れてみたいとよく言われたものである。それにも拘わらず、瀬川さんは満遍なく各地を訪れている。許可が簡単にもらえるようになったのか、民族間の対立がなくなったのか、読むのが楽しみになってきた。お返しに、すぐ私のビルマ旅行企画体験を綴った「現代海外武者修行のすすめ」をお送りした。

2010年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1095.2010年5月13日(木) 駒沢大学公開講座始まる。

 今日から駒沢大学・マスコミ研究所の本年度公開講座が始まった。夏休みを挟んで12月中旬までのロングスパンだ。今年は木曜日2講座、水曜日1講座を受講する。水曜日の出版関係の講座は前後期で講師が交代するので、前期は受けずに後期の清田義昭講師の講義のみ受講することにした。

 今日の講座は、大泉克郎講師による「高度情報社会のメディア・リテラシー」と、室井敏男講師の「報道されないスポーツ界の光と影」である。大泉講師は、一昨年「現代メディアと報道論」を受け持った菱山郁朗講師が日本テレビ政治部長だった経歴と似ていて、同テレビ広報部長として活躍された。またその前は社会部の報道記者として現場で取材活動されていた。

 意外だったのは昨年と比べて両講座とも駒大生の受講者が多く、大泉講座では社会人を交えて全部で40人近い受講者の内30人近く学生がいた。学生にとってこの講座で単位は取得出来ないそうだが、それでも30人の学生が熱心に聴講するというのは、やはりマス・メディアを目指す学生が多いということだろう。

 偶々であるが、大泉講師はNTV「今日の出来事」などで真山勇一氏と一緒に仕事をしたことがあり、大分親しいと言っておられた。講師は夏の参院選で「みんなの党」から出馬する噂について、憲法に対する考えが「みんなの党」とは違うのではないかと真山氏と電話で話し合ったとも言っておられた。

 だが、この真山氏については偶々一昨日のブログにも書いたように、嘘つきで信用ならない。大泉講師は必ずしも早大の1年先輩でもある真山氏の性格や仕事ぶりを評価しているわけでもなさそうなので、次週の講義の際にでも真山氏について話をしてみようかと考えている。

 さて、沖縄普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げてから、政府の本音が明らかになるにつれ、基地受け入れ反対を唱える沖縄と徳之島にも、いろいろ複雑な事情が浮かび上がりつつある。同じ徳之島内の3つの町でも、飛行場のある天城町と他の2町では対応の違いがあるようだ。受け入れ容認派の人たちの間でも、表立って賛成と言うわけにいかず、とりあえず声を出さないといけないという人たちがいるようだ。政府の話は一応聞いておこうという町長もいる。本音や思惑は、微妙に違うようだ。

 すでに政府は公表した移設案をベースにワシントンで事務担当者間の交渉を始めたらしい。そこへ今日になって鳩山首相は、5月末決着先送りについて言及した。アメリカへの約束も、県外移設という国民への約束も守れなかった。心配なのは、今後話が進むにつれて、同じ地区内で賛成派と反対派の住民同士が対立することである。

 今日の朝日夕刊「素粒子」欄に、「新釈政界用語集」として「トラストミー」は「できません」「ごめんなさい」の意に変化、また「県外」は「大気圏外を指す。転じてどこでもいい」としてあった。これを皮肉と言わずして何と言う。

 朝刊各紙には大きな扱いでひとりの財界人の訃報が載っていた。住友不動産の中興の祖として33年間に亘って代表権を持ち、98歳まで取締役として君臨した安藤太郎氏が、百歳の天寿を全うして亡くなられたのである。そう言えば、古い話だが日本航空社内で「サクセッサー」と陰口を言われながらも、大きな顔をして営業を担当していた安藤氏の尖った子息には、仕事上随分手古摺らされたなぁと思うと感慨一入である。

2010年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1094.2010年5月12日(水) 2つの選挙、イギリスとフィリッピン

 6日の投票で第1党を獲得したイギリス保守党のデビッド・キャメロン党首が、自由民主党と連立政権を組んで首相に就任することに決まった。連立政権は第2次大戦中のチャーチル首相率いる挙国一致内閣以来で、もちろん戦後初めてだそうである。

 今回の政変は新しいことづくめだ。まず、何と言っても新首相43歳7ヶ月の若さと、過去200年間で最年少の首相というから驚きである。連立を組む自民党のクレッグ党首も同じ43歳である。尤も、ブレア元首相だって就任時はキャメロン氏より5ヶ月年長だっただけの43歳だったし、ロシアのメドベージェフ大統領は44歳、アメリカのオバマ大統領は48歳である。政治の世界は、若さが強力な武器になる。こうなるとわが鳩山由起夫首相の63歳はどんなものか。

 新政権は13年ぶりに政権を獲得したが、今後自民党との政策調整、実行面であつれきもあるだろうし、すべての面でスムーズにいくとは限らない。ブラウン前政権では積極財政政策を取り、市場介入が特徴だったが、今後は財政再建を積極的に推し進め、公務員給与の抑制などに着手するとみられている。破綻寸前のギリシャと同じ程度のGDPに対する財政赤字が12%台で、赤字解消にどんな手を打つのか手腕を問われるところである。

 一方、極東のフィリッピンでも大統領選挙が行われ、ベニグノ・アキノ氏が当選を確実にした。こちらの新大統領も50歳である。アキノ氏は、フィリッピンでは名門出で血筋が良い。父親の暗殺は余りにもショッキングだったが、夫の遺志を受け継いだ母親のコラソン・アキノ元大統領は、24年前に支援者が黄色いシャツを着て「ピープルパワー革命」を巻き起こした。

 この国は発展途上国にありがちの汚職、脱税、政治腐敗で国力が上がらず、内外の投資家も資金をつぎ込むのに二の足を踏んでいる。アキノ氏が思い切ってスローガンに掲げていた汚職追放が出来るだろうか。政治腐敗が蔓延る土壌だけに、アキノ氏の実行力が問われる。さもないとアキノ家に対抗するマルコス家が虎視眈々と巻き返しを狙っている。マルコス夫人も齢80歳にして、議会への復帰を狙っているというから、執念は衰えないようだ。

2010年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1093.2010年5月11日(火) お遊びムードの参院選候補者選び

 夏の参議院選挙に当たりけ、有名スポーツ選手が各党の推薦を受ずらり立候補するようだ。率直に言ってまたか、という感が拭えない。この傾向は年々強くなる一方である。推薦の経緯がはっきりしないが、各党とも努力しないで、名が通っているからと手軽に候補者選びを進めているように思えてならない。実に安易だと思う。

 どこかの政党関係者が、あらゆる階層の人びとの中から国会議員を選ぶことは、それなりに意義があると肯定的に述べていたが、少し意味が違うのではないか。これでは何でもありではないか。

 その中で民主党小沢幹事長立会いの下に記者会見した柔道の谷亮子選手のごときは、国会とともにロンドンオリンピックで金メダルを狙うという。個人的にいろいろ挑戦するのは大いに結構だが、「二兎を追うもの一兎も得ず」の類にならなければ良いがと些か気になる。

 だが、はっきり言ってこの挑戦はちょっとハードルが高くて無理ではないかと思う。今朝のテレビでも鳥越俊太郎キャスターが、参議院選挙を目指すならこの道一本に絞り、オリンピックは潔く諦めるべきだと言っていた。まあこれが常識的な意見ではないか。

 この他にも民主党では、体操の池谷幸雄、競輪の長塚智広、自民党から堀内恒夫、石井浩郎、現職ではあるがプロレスの神取忍、「たちあがれ日本」から中畑清が出馬する。本人たちはもうすっかりその気になっている。

 これからも有名人が候補者として名乗りを挙げるだろう。政治に本気になって取り組もうと普段から地道に勉強している人なら大いに結構であるが、政党の都合で立たされ、本人にそれほど勉学意欲や向上心があるわけではなく、議決の際に自党のための単なる1票になるのが仕事なら止めてもらいたい。

 こんな中でもう1人気になる人物がいる。真山勇一・調布市議会議員である。はっきりとは出馬を表明していないが、法衣の下に鎧がちょろちょろ見える。元日本テレビのキャスターとして知名度はかなり高いし、かなり能書きも言う。問題はその嘘つき体質にある。拙著「停年オヤジの海外武者修行」の中で実名は挙げなかったものの、私が非難したのは正にこの人物に対してである。2001年の9・11テロ直後、取材が難しい時期にテロ取材のために勇ましくワゴンカーでイスラマバードからペシャワールまで走り、案の定郊外の検問所で追い帰されるや、「ここはダメでした。ではもっと南方の検問所へ行って、そこからレポートします」などとぬけぬけと嘘っぱちを言い、ついにその後のレポートをしなかった。あのように視聴者が固唾を呑んで見守っているような場面で堂々とウソをつくような人物は、とても信用出来ない。

 各党ともこんな人物に引っかからないよう、選考には充分注意されたし。

2010年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1092.2010年5月10日(月) 上海万博は予定通り賑わっているか。

 ギリシャの金融不安から、世界中が2日連続して大幅に下落した株式相場を受け、各国政府や中央銀行が緊急対策に乗り出した。これには日本銀行も協調して融資することになったようである。ヨーロッパの中央銀行はユーロ加盟圏の国債を流通市場から買い入れる方針を明らかにした。これで少しは落ち着くのではないかと思う。今日の東証の日経平均株価は、前日比166円高となった。この傾向がいつまで続くのか、外科手術ではなく緊急手当てだけに、先行きは未だ不透明である。一方でアメリカの格付け会社がポルトガル国債を格下げする動きもある。

 ギリシャの危機状況が、ポルトガルとスペインの財政不安の噂を一層煽っている。両国とも噂を打ち消すのに懸命である。特にそれを打ち消す人物、ポルトガル首相の名前が、あの哲学者ソクラテスと同じというのが面白い。哲学者の母国はもっと危ないのだから。そのポルトガルの財政赤字はGDPの9.4%で、スペインは11.2%である。相当危機的状況である。加えてスペインは失業率がことのほか高く20%近い。ギリシャの財政赤字は13.6%で、同じく危機を噂されるアイルランドが14.3%と、いずれも苦しい台所事情にある。とりわけ、ポルトガルには、国内産業があまり発展せず充分整備されていないことが、余計火のないところに煙が立つ状況へ追い込んでいる。

 それにしても、日米欧は慌てふためいて、この信用不安を何とか収めるべく懸命の努力を傾けているが、伸びゆくアジアはあまり大きな影響を蒙っている様子がない。中国なぞはびくともしていない風情である。インドしかり、発展途上国のタイ辺りでもどこ吹く風というムードで、相変わらずバンコック市内で政府と反政府デモ隊が対立したままである。

 その中国であるが、一向に景気が下火に向かう様子は見えない。ところが、あれだけ大騒ぎした上海万博のニュースが、このところ大きく伝えられないのはなぜだろうか。開幕して今日は10日目であるが、これだけ関連ニュースが伝えられず鳴りを潜めているのは、入場者が予定ほど入らないからではないかとつい下衆の勘ぐりで考えてしまう。予定では毎日平均30万人の入場者を見込んでいたようだが、数日前の発表ではその半分の約15万人とのことだったので、ボルテージも下がったのだろうか。

 不思議なくらい各テレビ局で万博関連ニュースを報道しなくなったのは、他に何か原因があるのだろうか。

2010年5月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1091.2010年5月9日(日) イギリスの総選挙は日本にどんな影響を与えるか。

 6日投開票されたイギリス議会の総選挙で労働党に代わって保守党が第1党になった。

 しかし、定数議席(650)の過半数は獲得出来ず、保守党は第3党である自由民主党と連立政権へ向けて話し合いを行うことになった。2大政党制の見本と見られていたイギリスで、今回のように第1党が過半数を獲得出来ないという結果は予想外で異例と見られている。

 日本人にとって理解され易いようでいて、案外分かりにくいイギリスの選挙制度は、今回のように総選挙で単独過半数を獲得した政党がない場合は、現職首相、つまり労働党政権のブラウン首相は自ら辞任するか、下院で不信任となるまで続投出来ることである。

 選挙前まで労働党は定数(646)の過半数324議席を超える355議席を占めていたため、単独で政権を担うことができた。しかし、今回の総選挙では過半数326議席に対して、第1党の保守党はそれに満たない306議席で過半数に20議席及ばなかった。第2党に落ちた労働党の如きは、ほぼ100議席も失ってしまった。第3党の自民党が大きく進出したという結果ではない。保守党は労働党が失った97議席に対して108議席も増やしたことである。しかし、それでも過半数は取れなかった。政党同士の駆け引きにより党首同士の会談が頻繁に行われるだろう。

 200年余りに亘ってイギリスでは2大政党政治が続けられてきた。ほとんど保守党と労働党が争ってきた主導権争いが、今回また労働党から保守党の手へ移るのかどうか。最近の政権交代では、大きな節目となった1979年のサッチャー保守党政権の誕生、そして1997年のブレア労働党政権がドラスチックな印象として強く残っている。前者は「新自由主義」路線を歩み、後者は「第3の道」路線を進んだ。 

しばらくは新内閣誕生のための3党間の駆け引きが行われるだろう。

 山口二郎・北大教授は「今回のイギリス総選挙で2大政党の議席が単独過半数に達しなかったことは、2大政党の間で政権をキャッチボールするシステムが変容したことを意味する」と論評し、日本が1990年代から政治改革や政党再編のモデルとしてきたイギリス・モデルが揺らいだともコメントしている。

 昨年の総選挙で2大政党化しつつあった日本の政治も、民主党による政権交代が成った。しかも過半数に届かず連立政権を組んでいる状況は、何となく今度のイギリス新内閣を想像させて日英間の選挙結果に同じような現象が表れてきたという感じである。

 これで2大政党論が高まりつつある日本の政党政治の将来性にも、疑問符が付けられたとみるべきだろうか。

2010年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1090.2010年5月8日(土) 日系人強制収容所・記録映画鑑賞会

 小中陽太郎さんから記録映画鑑賞会があるとご案内をいただいていたので、期待して日本基督教団中目黒教会へ出かけた。映画は昨年すでに公開された「東洋宮武が覗いた時代」で、戦時中アメリカのマンザナ強制収容所に押し込められ自由を奪われた日系人の日常生活を写真家・宮武の目を通して赤裸々に描いたものである。中々の力作で随分考えさせられた。格別際立ったストーリー性があるわけではなく、宮武が撮った収容所内の写真を淡々と紹介しながら、収容所生活を送った日系人にインタビューする型式で、日系人世代間の考え方の違い、日系人2世が442部隊へ参加した経緯、アメリカ社会の日系人に対する偏見・印象等を紹介していた。その歴史的事実については、ある程度知ってはいたが、参加者からの話を通して新たに意外な事実も知らされた。 

 16歳で実際に収容所に強制収容され、戦後まで収容所生活を送った今年84歳になる武間喜美さん、ペルーで生まれ、アメリカへ連行されそのまま収容所生活を送った77歳の大阪・池田市の坪井寿美子さん、今上天皇のご学友として知られる元共同通信記者・橋本明氏ほかがショート・スピーチを行った。南米に暮らしていた日系人がアメリカ国内の強制収容所に抑留されていたとは初めて知った。

 南米から連行された2,200名のうち、ペルーからは1,700名もの日系人が連れて来られたという。橋本氏は日系人二世が率先してアメリカ軍へ従軍した理由とか、アメリカ人の人種差別観、テロ直後のイスラム系住民に対するアメリカ人の嫌悪的感情は真珠湾攻撃直後の在米日系人に対する気持ちと同じだと話された。

 それにもうひとつわれわれが誤解していることに気付かされた。これは収容所とは言え、内部で強制労働を科せられていたわけでなく3食付で働かなくてもよく、看守も厳しい人が少なかったようで割合自由が許されていたような印象だ。その点でナチスのホロコーストに象徴されるユダヤ人強制収容所とは大部違っていたようで、実際収容されていた日系人がその点について正直に告白している。

 ロスアンゼルス在住のすずきじゅんいち(鈴木潤一)監督が、奥さんで元女優の榊原るみさんと参加され、制作の意図や息子アーチー宮武を始めとする取材者について説明された。驚いたのは鈴木さんが母校湘南高の後輩だったことで、その奇遇にはお互いにびっくり。

 終了後、恵比寿ガーデンプレイスのオイスターバーで小宴となり、樋口裕一・多摩大教授、外務省密約裁判原告団のひとり・北岡和義さん、目黒区議・須藤甚一郎さんら普段から親しい人たちと、橋本明さん、鈴木さん夫妻ら15~6名くらいがワイワイ食事を楽しんだ。その後、中目黒へ戻り改めて一杯やってから帰宅した。中々有意義で楽しい1日だった。

 小中さんは奥さんともども教会でお世話役をやって、最後まで皆さんに気を遣いながらあれこれ面倒をみておられた。いつものことながら頭が下がる思いである。

2010年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1089.2010年5月7日(金) 政治も経済も大荒れ

 政治も経済もここ一両日はメタメタである。政治とは普天間米軍基地移設問題である。今日普天間基地のヘリ部隊移設候補地に予定されている徳之島の3人の町長が首相官邸で鳩山首相と会見した。首相はこの席で公式に沖縄県民の負担軽減のために、徳之島に基地機能の一部を受け入れて欲しいと要請した。

 しかし、町長側が過日の島民集会の決議である受け入れ反対の声を踏まえて、首相に強く反対の意思を伝えた。これに対して首相は何度でも話し合いをしたいと持ちかけたが、町長側は何度やっても平行線であるとして再度の会見を断った。首相は沖縄へも再訪する意欲を示しているが、これもどうなるかわからない。これで普天間基地移設問題は完全に行き詰まった。これから政府はどんな手を繰り出すのか。まったく見通しが立たない。

 他方、経済面で急に暗雲が垂れ込めたのは、ギリシャへの緊急融資の付帯条件に反対する国民のデモにより、ギリシャ経済が不安視されたことによる。その結果昨日の世界的な株価低落の影響が今日も続き、2日連続して大幅下落である。東証日経平均株価も昨日の361円安を受けて、今日も331円の下落である。専門家もこの先どうなるのか予想がつかないと論評している。

 ギリシャ経済もこれからどうなるのかまったく見当がつかない。信用不安は当分納まる気配が見られない。さてさて難しい局面に立ち至ったものである。

 ところで、先月辺りから両眼ともしょぼつくことが多く、気になっていた。疲れやすいのと見にくいので、一度眼科に相談してみようと思っていたが、今日名医としてテレビにも出演した近くの高瀬眼科で診てもらった。結局眼鏡が両眼とも合っていなくて白内障が始まっているという。そしてドライアイでもあるということだった。パソコンをやり過ぎることも警戒した方がいいとアドバイスをいただきPC用の眼鏡処方箋を作成してもらった。白内障の兆候が現れてきたのは、やはり年齢的な影響が表れてきたのではないかと考えている。近日日常生活用とPC用の2つの眼鏡を作ってもらおうと思っている。取り敢えず名医の診断を受けて、PC使用禁止の厳命はなく、気持ちは幾分落ち着いた。

2010年5月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com