不景気の波は日本の大手企業にも厳しく押し寄せている。金融不安の源流、アメリカではアメリカを代表する自動車産業のビッグ3が政府に公的支援を陳情する異常事態である。日本企業もご他聞に洩れず、中間決算で軒並み下方修正を公表する状態である。これを受けてニューヨーク・ダウ平均はこのところ大きく値を下げている。日経平均も昨日再び8,000円を割ってしまった。
今夕六本木のアークヒルズ・クラブで恒例の湘南東京有志会(湘南高校OB会東京支部?)が開かれ、スピーカーのひとり、森稔・森ビル社長が景気に関する話をされた。上海に建設した国際金融センタービルの入居者が予定より少なかったことが、身に沁みているからだろう。東京の都市計画プロジェクトで計画中のマッカーサー道路を造成する際に、道路の上にビルを建て、その上を緑で覆うというアイディアを話された。国家的なプロジェクトだが、民間でも出来ることを試してみたい。同時に、国がやることを民間が出来るということは上海のビルで実現出来たとも話された。
作曲家の湯山昭さんと初めてお話した。76歳なのに黒々とした髪で若々しく、締めに校歌合唱の指揮をされた。北原白秋作詩、山田耕筰作曲の素晴らしい校歌であるが、歌詞が堅すぎ、大時代的で、良い詩ではあるが、表現上いかがかと思うことがところどころに見られる。特に3番の「~剛健、ここに勢ふ我等、膽大に、意図は壮なり。立身報告期せよ友よ~」の箇所が在校時からどうも素直に馴染めなかった。この点について湯山さんに話すと、古い歌詞は現代風に変えることがあると仰った。しかし、森進一の「おふくろさん」歌詞変更問題、それ以上に何と言っても天下の北原白秋の詩に手をつけることはあまりにも恐れ多いということだろう。後輩たちは綿々と歌い続けている。
川井校長が湘南再建のためにご苦労されていることがよく分る。慶応アルペンクラブの後輩、淀くんの山形・興譲館高校山岳部の後輩であることも奇遇である。ひところの勢いがなくなった湘南再建のために、大分頑張っておられる様子が話の中に窺えた。やっと高校日本一が出たと嬉しそうに報告していた。慶応高、法政二高、湘南高の生徒3人でチームを組んだ神奈川県国体代表少年フェンシング・チームの一員として今年の国体に優勝したそうである。少しずつでもよいから、ひとつ起爆剤としてどんな形であれ、実績を残すことである。
竹内謙・前鎌倉市長も今経営しているインターネット新聞の経験上から、アメリカ大統領選挙に触れ、新聞販売が伸びず、テレビは大丈夫と思っていたが、今の様子だといずれそれもインターネットに追い込まれていくと言っていた。
今年は30名少々の出席者で、やや寂しい感じもしたが、皆さんからユニークな話を聞いて気分はワクワクだった。