世界の舞台へ出ると、どうしてこうも日本のトップの存在感は薄くなるのだろうか。昨日閉幕したG20サミットについても「歴史的な会合だったと後世言われる」と大見得を切り、①金融危機をかつて乗り越えた経験を述べ、②不良債権の迅速な処理の重要性を指摘し、③IMFへ最大1,000億$(約10兆円)を融資することを訴え、「ドル機軸の通貨体制を支える努力を払うべき」と主張した、首相自身の一連の言動を自画自賛した。
しかし、残念ながら麻生首相のパフォーマンスは、必ずしもそれほど高い評価を得られたわけではなかった。相も変わらずである。フランスのサルコジ大統領がドルの機軸通貨の時代は終ったとまで述べて欧州圏の立場を浮きぼらせたり、ブラウン英首相がアジア、アフリカの首脳に電話をかけまくって自分の考えで説得していたのに比べて、麻生首相は対米追従スタンスを変えることなく、「機軸通貨国には赤字の体質を改めてもらう。必要以上に外需に依存している国には内需拡大に努めてもらう」と役人が書いたペーパーを読んだだけだった。閉会後の集合写真では、目立ちたがりやのシン・インド首相やサウジ・アラビア首脳らに圧倒され、後列の端の方にやっと顔を出す有様である。確かに外国から評価された事案はある。しかし、アメリカが地盤沈下してアメリカべったりの日本が浮き上がって目立っただけだ。はっきり言って目だったのはIMFへの資金融資だけだった。
結局全体会議としては大山鳴動して3匹のネズミが現れた。各国が自国の経済の動きを監視すること、IMFを強化すること、そして各国が景気対策を行うことが3匹のネズミである。
麻生首相の自慢は「私がいろいろ指摘したものは共有された」だった。漢字もまともに読めないオッサンが何を言うか。
今日早稲田出版の大塚編集長から、「停年オヤジの海外武者修行」が印刷会社から手元に入ったと連絡があった。そこそこ問い合わせがあるというから、これから販促をうまくやりたいと思う。懸案となっていた拙著の出版記念会について、先日来ホテルから情報を収集していたが、2月でないと会場が抑えられない。やるなら何とか2月に行おうと思う。前回の例を参考に、平日の比較的早い時間に開催した方が参加予定者には都合がよいのではないかと思っている。これから段取りを考えなければいけない。