550.2008年11月14日(金) 迷走する定額給付金の取り扱い

 一応政府は全国民に対して定額給付金を支払うことに決めた。これで2兆円という大金を支出するのだ。2兆円という金額は生活保護者への補助金予算と同額だという。にもかかわらず、この大金支出を担保する法案が、細かいところまできちんと決められていない。手取り収入が1,800万円を超える人は辞退して欲しいというのが政府の希望である。実に好い加減なのである。法律であるにも拘らず、きちんとルールを決めずに現場に丸投げして曖昧さを残したままだ。そもそもこれが混乱の素である。取扱方を各市町村に任せたために、そうでなくてもこれから多忙な年末に向かう矢先に多くの事務作業を負わされた地方自治体の反発は烈しい。

 言い出しっぺの麻生首相は、緊急金融サミットに出席するため訪米してしまった。20カ国首脳が出席するサミットで、日本はIMFに資金を投入する。お金だけでインパクトを与えるような主張は期待されていないらしい。毎度のことに好い加減うんざりする。20カ国の首脳なら、世界のリーダーではないか。少しは自国の意見を主張したらどうか。尤も、麻生首相には日本語も満足に読めないらしいから期待することが無理かも知れない。「踏襲」を「ふしゅう」と読んだり、「未曾有」を「みぞうゆう」とか、「頻繁」を「はんざつ」と読み違えたり、まともな高校生なら苦もなく読める漢字を満足に読めない。これが経済大国日本の総理大臣の国語力なのである。国語力も充分ではない首相が、国際舞台の場でどれだけ自分の考えていることを相手に伝えることが出来るか。

 また、役人天国を象徴する嫌なニュースが公にされた。団塊の世代が定年退職期を迎え、退職金を支払いきれなくなった自治体が、地方債を発行してその原資を賄おうとしている。つまり、将来の世代にこれから辞める公務員の退職金を負担してもらおうというわけである。全国47都道府県のうち、起債しないのは東京都、島根県、鳥取県の3自治体だけである。専門家も予測されていた事態に何の対策も対応も取らなかった自治体にきついお灸をすえている。今年だけなら、まだ何とかなるかも知れないが、将来もこんな杜撰な長期計画を練っているとしたら、毎年赤字が累積していくばかりだ。せこい役人根性はどこへ行っても、いつまで経っても直らないのだろうか。

2008年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com