554.2008年11月18日(火) 殺伐とした最近の世相

 駒沢大学で受講している3科目がすべて、マス・メディア論なのでどうしても毎日報道されるニュース性を追ったテーマと内容になる。今日の2科目でも、悪評サクサクの定額給付金が話題になった。

 小泉前首相がかつて国会で「米百俵」を紹介して話題になった。米百俵とは、戊辰の役で窮乏の極みにあった長岡藩を見かねて、三根藩より届けられた百俵の支援米を、時の大参事・小林虎三郎は「当座をしのぐために配給しても数日ももたぬ」として、国漢学校設立資金等として人材育成に充てた。後に国漢学校からは多くの人材が輩出し、将来を見据えた大参事の英断として高く評価されたストーリーである。定額給付金はこの百俵の米がばらまかれてしまうのではないか、もう少し国民にとって有意義な使い道がないのかとの不安が野火の如く広がっている。

 ところでこの米百俵にあやかった日本酒「米百俵」を飲む機会があった。今月の酒のペンクラブ例会で喉を潤した時のことである。新潟産の銘酒だが、佐賀の日本酒「東長」、熊本の米焼酎「水鏡無私」、鹿児島の芋焼酎「なかまた」と同様、都内北区の水塚高野というお酒店さんが蔵元の酒ということで商いを続けているものである。蔵元は、明治37年創立の長岡市の栃倉酒造㈱で、現当主は3代目だという。あまり酒の味が分らないので、コメントをうまく言えないが、吟醸酒「米百俵」は飲んでも米はばらまくなと言いたい。

 いずれにせよ、近年定額給付金ほど評判の悪いものはない。しかもまだ細かい取り決めがなされていない。どうしようもない。

 嫌な事件が続く。酔っ払い運転の末に人を轢いて、そのまま引きずって被害者が亡くなるという残酷な事件が連続して起きている。更に、今朝さいたま市内の住宅では、元厚生省事務次官夫妻が玄関で殺害されているのが発見された。夕方になって、中野区の元厚生省事務次官宅でも夫人が玄関で宅急便を襲おう男に刺され怪我をした。ふたりの元厚生事務次官は、年齢は離れているが、経歴がほとんど同じで、しかもいずれも年金局長を経験している。警視庁では断定していないが、まず2つの事件に相関性がありそうだ。どういう理由でこうなったかはまだ不明だが、このところ年金関係で厚労省、社会保険庁の杜撰な業務が糾弾されていただけに、年金に関する不満が犯人をしてこのようなテロ的凶行に走らせた可能性はある。それにしても、最近殺伐とした薄ら寒い事件が多すぎる。嫌な世の中になったものである。

2008年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com