587.2008年12月21日(日) 王鐵鉄城先生逝く。

 今日は冬至である。今年の神奈川県高校ラグビー新人戦2回戦が行われたので、近所の和田正温先輩を誘って母校グランドへ出かけた。対戦校は私立湘南学園高で、これまであまりラグビーでは活動していなかった。しかし、試合では終始押されっぱなしで、何とか5-5の引き分けに持ち込まれ抽選勝ちとなって何とかベスト16に進出したが、次の3回戦が厄介だ。セットスクラムが押され、ラインアウトはボールが獲れず、ハンドリングが悪くて相手ペースのまま終ったが、次のゲームではこんな調子ではとても勝負になるまい。ただ、3週間の間隔があるので、これからどの程度修正出来るか。

 ところで朝刊を見てびっくりした。ソフトバンク・ホークス王貞治・前監督の兄上で、医師の王鐵城先生が亡くなられたとのニュースである。来年2月に予定している拙著の出版記念会にもご案内状を差し上げてご返事を待っていたところである。4年前の出版記念会にもご夫妻でご出席いただいた。律儀で礼儀正しい方だったので、まだ期限前とはいえご返事をいただいておらず、気になっていたところだが、入院されていたようだ。

 まだ会社勤めの頃王鐵城先生を始め、王家の皆さんには随分お世話になった。王先生には長年に亘りご信頼いただき、王家の旅行はすべて手配させていただいたことが良い思い出となっている。

 1995年5月に王先生ご夫妻と妻と一緒にヨーロッパを旅行したことがある。その折現地での行動は別々になったがパリで同じホテルに泊まり、1度食事をご一緒しましょうということになり私の行きつけのレストランへご案内したことがあった。楽しいディナーも終わりに近づいたころ、顔馴染みのギャルソンが、食事を楽しんでいるお連れの女性(正美夫人)が顔から出血して倒れているとの話に慌てて現場へ行ってみると、夫人が口を押さえて倒れていた。聞けば階段で転んだ拍子に顔面を階段に強打して前歯を折ってしまったとのことだった。心配顔のレストラン従業員に対して王先生は、軽く顔を打撲した程度だから心配しないようにとレストランとわれわれ夫婦にそれとなく気遣ってくれた。そのうえ、自分らだけでホテルまでタクシーで帰ることが出来るので、お先にお帰りくださいと私たち夫婦にも気を遣っていただいた。そして帰国してからすぐご連絡をいただいた。折角パリでご馳走になりながら、反って迷惑と心配をかけて申し訳なかった。その償いをさせて欲しいと言われ、その数日後新宿御苑近くの割烹料理店で妻ともども豪華なご馳走に与ったことを鮮明に覚えている。そのくらい他人に気を遣われる方だった。王先生とのお付き合いを思い返すと、いろんなことが脳裏に浮かんでくる。

 毎年正月になるとご家族、ご親戚の方々で揃って箱根に滞在された。王貞治氏夫人がご存命のころ、王家ご一行さまが揃ってハワイに行かれたこともある。その時ご夫妻だけでアメリカの野球の殿堂へも行かれた。父上の何回忌だったかに一族でバスをチャーターして東京霊園に墓参されたこともある。印象的なことは、母上の百賀のお祝いをお世話した時、王監督とその年のドラフトについて話し合ったことだ。

 思い出せば限りがない。78歳でまだまだお元気そうだったのに、痛恨の極みである。王鐵城先生、長い間お世話になりました。ありがとうございます。どうぞ安らかにお眠りください。  合掌  

2008年12月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

586.2008年12月20日(土) 懐かしい「ビルマの竪琴」

 今朝新聞を見て驚いたが、「ビルマの竪琴」の主役・水島上等兵のモデルとされていた群馬県昭和村雲昌寺の住職で中村一雄さんという方が亡くなられた。92歳だった。しかし、在職中随分長い間ビルマ関係者、特にビルマ戦線へ従軍した多くの兵隊さんにお付き合いいただいたが、モデルと称せられた人が現実に生存されていたとは寡聞にして知らなかった。戦友会の方々はどなたも水島上等兵らしき日本兵の話をされなかった。作者の元一高教授・竹山道雄氏自身ビルマへは一度も訪れたことがなかったくらいだから、当然元ビルマ従軍兵から、モデルらしい話を実際に聞かされて書いたものと思う。また、断片的な話を継ぎ合わせてひとつのストーリーに仕立て上げたとも考えられる。だが、ひとりの日本兵の実在の人物が小説の主人公・水島上等兵と同じようなことをやって同じ経緯を辿ったとはとても信じられない。事実、小説では水島上等兵はビルマで亡き戦友の霊を慰めるために、故国日本へ帰らずそのままビルマへ残ったということになっている。一方中村さんは終戦の翌年に復員している。その辺りの整合性も問題である。しかし、小説は小説として、中村さんはずっとビルマのことを思い続けてビルマで亡くなった戦友の慰霊のために、1998年にはビルマの地に慰霊塔まで建てたそうであるし、ビルマのために小学校を寄贈するような支援活動も行っていた。

 何度も「ビルマの竪琴」は読んだし、映画も安井昌二主演ものと中井貴一主演ものを観た。あの時代だから小説も映画も当ったと言えるだろうが、今日では小説は現代っ子にはぴんとこないだろうし、映画もスローテンポであまり受けるとは思えない。しかし、数少ないビルマ関連物としては優れものだと思う。ビルマの空は突き抜けるように青く、人々は純朴で穢れない。軍事政権になってビルマは世界中から誤解され、ビルマの良さもどこかへ行ってしまった。ひとりのビルマファンとしては、残念なことである。それにしても時が経っても懐かしい国である。

 今日来年度の国の予算原案が出てきた。案の定一般会計は88兆5千億円まで膨らんでいる。本年度の当初予算に比べても6.6%アップで過去最大である。景気低迷で税収は減るにも拘わらず、社会保障費が増加するので、ある程度赤字予算の傾向は止むを得まい。だが、国の借金はどんどん膨らみ、新規国債発行額は4年ぶりに30兆円を突破するという。そんな非常事態に対しても何の手も打てないのが現今の政治家である。どうも無能な政治家たちは、簡単に国債を発行したがる。小泉改革で借金を少しずつ減らしつつあったが、今の政府は財政改革なんて一顧だにせず、簡単にパンドラの蓋を開けてしまう。これから社会保障費は益々増え続けるだろう。それに合わせるように、簡単に国債を発行し続けて良いのだろうか。

 ホームページに拙著を紹介するページを追加しようと先日来格闘してきたが、今日一気に公開してみた。内容的には未熟であるが、一応自分の作品を紹介する手段として有効に使いたいと考えている。アクセス数も開設以来今日「10,000」の節目を超えた。やったぁ!

2008年12月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

585.2008年12月19日 不況になると変なことばかり起きる。

 ソニーのサービスセンターとVAIOデスクトップの不具合について話し合ったが、VAIOのPCはスイッチを入れても起動せず、結局修理のために今日引き取りに来てもらった。幸い他の2つのノートパソコンが使えるので活動に支障はないが、PCというのは周辺機材を含めてよほど故障の際の対応を普段からしっかり考えておかないととんでもないことになる。

 昨日の続きで今日も新聞紙上はすべて不況にからむ異変や事故のオンパレードである。日銀が昨日アメリカのFRBがゼロ金利政策を採ったことに倣い、金利を0.3%から0.1%に下げることを決めた。同時にコマーシャルペーパー(CP)の買い取りも行うという。一種の禁じ手である。CPを買い取った企業が倒産でもしたら、日銀が責任を負うことになる。中央銀行がそこまでやってもよいのだろうか。中央銀行とは、政府と市中銀行の間にあって金融政策を指導するもので、一般の商業活動に類するものには関与すべきではないと思っていたが、そこまで市場に介入してくるようになると商業活動に携わっているような印象を与える。まあそのくらい今の経済情勢が霧の中にあるということだろうか。

 他方で、企業スポーツの撤退が国内外を問わず注目を浴びているが、日本でもアイスホッケーの西武、アメリカン・フットボールのオンワード等の一世を風靡した企業チームが撤退するのは哀れな気がする。特にアイスホッケー界に対する国土計画から西武へ引き継がれた西武グループの貢献は計り知れない。海外でも大リーグやヨーロッパのサッカーチームに対する企業の支援が厳しくなっているらしい。

 一方で奇妙というか摩訶不思議な出来事もある。先日駒沢大学で資産運用資金が金融危機により、デリバティブ取引で約154億円の巨額損失を出したとの報道があった。気の遠くなるような金額である。今朝の朝日のトップ記事は、その責任を追及された大学理事長以下理事が解任されたというものだ。かつて資金潤沢な組織はその運用により、かなり純利益を生み出していたという噂はかねがね耳にしていた。今回の金融不安さえなければ、引き続き安定した利益を得ていたことだと思う。ただ、資金運用により損失を出した以上管理責任者は、その責任を追及されても致し方あるまい。駒沢大学以外にも愛知県の南山大学で約34億円、愛知大学で約28億円の損失が明るみに出た。げに恐ろしきは資金運用という実体経済とかけ離れた形のないものに頼ることである。

2008年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

584.2008年12月18日(木) 周りは不況、不況のオンパレード

 現在世界中を襲っている経済不況は、100年に一度の世界不況ともいわれているが、新聞、テレビとも今の経済状況を金融危機と雇用問題の両面から捉え、これでもか、これでもかという具合に報じている。今夜もNHKはニュースの中で伝える以外にも、「クローズアップ現代」を75分に拡大して、雇用問題について地方工場の最前線の希望のない解雇、雇用の実態をルポしていた。

 「日産、派遣社員ゼロに」「ホンダ、下期営業赤字」「新車販売500万台割れ」「クライスラー全工場1ヶ月停止、GMと合併交渉再開」「OPEC日量220万バレル追加減産」「来年度税収7.4兆円減へ」等々、世界中がこの不況の中でこのような見出しのように喘いでいる。

 多摩大の寺島実郎氏監修・現代世界潮流講座も今日の寺島氏の講演が最終回であり、是が非でも出席したかったが、生憎玉川青色申告会の複式簿記記帳講座とバッティングしてしまい、これも自分にとっては現実に大切なことであり、多摩大講座はゼミの後輩である遠藤靖子さんに譲り、複式簿記講習会に出席した。

 複式簿記が難しいということではないが、まったく初めてのことで戸惑いもあり、ルールや記帳の方式がすんなり頭に入らない。結構税理士さんの手を借りている人も多いようだが、会社の経理の先輩からは、自分でできるから自分で申告した方がよいとも言われたので、専門家の手を煩わすことなくやってみようと思っている。何でも新しいことに挑戦することは、脳軟化症になりがちな頭脳に刺激を与える意味でもムダではないと思っている。常に前向きに、いつもポジティブに、そして極め付きは上杉鷹山の「成せばなる。成さねばならぬ何事も、成らぬは人の成さぬなりけり」だろう。

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583.2008年12月17日(水) ついにアメリカもゼロ金利へ

 今日の赤羽紀元講師の授業をもって駒沢大の1年間の公開講座は一応幕引きである。1週間に3時限マス・メディア関係の講座に出席して、自分としても慌しかったが講義は中々面白かったし、アカデミックな雰囲気にも触れて良い経験になった。内容的にも興味のある講座を選択したし、講師もその分野の専門家だったので、あらゆる面で勉強になった。家から近く僅か5千円の受講料でこれだけリターンがあれば御の字である。

 それにしても、経済界の不況は止まるところを知らず、最近はメーカーの人員整理、それも期間労働者や、非正規社員に対する突然の首切り宣告は彼らに恐怖感を与えている。最近は国会質問でも雇用の問題が大きく取り上げられている。しかし、政府が対策を取るといっても限られた資金の支援を行う程度で、根本的な救済対策は出さず仕舞いである。肝心なのは産業界自体の逞しい自立であり、大きな雇用先である自動車産業、カメラメーカー、電気メーカー等が雇用を拡大しなければ所詮コップの中の嵐である。

 そこへアメリカの政策金利の利下げが発表された。「ビッグ」救済が議会で喧々諤々の議論の末ににっちもさっちも行かなくなった。その挙句、ついに連邦準備制度理事会(FRB)が利下げへ踏み切った。これまで日本のゼロ金利が長らく続き、低金利が当然のように思っていたが、アメリカは終始大体高利率を維持していた。1年半前には、日本の1%以下の金利に比べてアメリカの政策金利は5%台だった。梃子でも動かなかったアメリカの低金利への流れが、ついに堰を切って走り出した。こうなると心配なのは「円高=ドル安」の傾向に拍車がかかることだ。今日の東京外為市場はすぐ反応した。早くも1$=88円台にまで円高が亢進し、ニューヨーク外為市場では87円にまで高騰した。益々輸出関連企業は苦しくなり、株価は下がり、あっという間に不景気が蔓延する。まったく嫌になる。しかも、先行き明るい展望がまったく開けない。

 日経夕刊のコラム「あすへの話題」に作家・長部日出雄が鋭いことを書いている。「わが国の政治家の大半が、すっかり小粒になって、とても安心して国を任せられない状況になったのは、戦後のある時期からアメリカの属国の地位に甘んじて、自国を独立国として統治する経綸も矜持も必要とせずにやって来られたからである。国家の主権の正当な認識がなく、従ってそれを的確に行使する術に熟練する筈もなかった」とある。私も安保以降の日米関係を見ていてそう思う。イラクとアフガニスタンへの支援や、カンボジアのPKO派遣だって、それらの国家のためではなく、時の日本の政治家がアメリカに良く思われたいだけなのだ。コラムはけだし名言である。

 さて、昨日購入したプリンターだが、早速起動させてプリントすべく故障したデスクトップのPCを除いて、2つのノートパソコンにプリンターをつなげCDでインストールしようとしたが、ひとつはうまくインストールできたが、もう1つにはインストールできなかった。なぜだろう。これでは困るので何とかしないといけない。

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582.2008年12月16日(火) 共同通信本社見学と拙著重版

 昨日の原寿雄講師のセミナーを紹介してくれた片山正彦講師による駒沢大の公開講座も今日が最終回。講師がご出身の共同通信本社ビルを見学させていただけることになった。前もって見学させていただけることが分って楽しみにしていたところである。汐留サイトを訪れるのは、実は初めてであり、周辺環境がまったく分らない。しかし、随分想像したいたものとは変わっていた。かつての国鉄操車場跡の広い敷地に、大企業のテクノビルが集中して建ち並んでいる。外資系ホテル、日本テレビ、住友、資生堂等の近代的ビルが立ち並ぶ中にご自慢の共同通信ビルがある。小学生の頃に朝日新聞社を見学したことがあるが、報道の現場を見るのはそれ以来である。

 一口に言って新聞社の職場環境は大きく変わったと思う。埃、汚れ、煙、雑音らしきものが入り混じっていた仕事場は、1人ひとりが黙々と仕事をする場へ変わって行った。明るく清潔な感じである。少なくとも各家庭へニュースを配信する震源地なので、こういう清潔感のある場から送り出して欲しいものである。その点では、昔のマス・メディアに比較してすっきり気持ちの晴れる仕事の場である。建物内部の構造といい、照明効果といい、斬新である。この建物を地下から地上23階まで共同通信が使用している。建物内部の中央部が吹き抜けとなって階段があり上下フロアの仕切りがないのもよい。

 途中いわゆる社員食堂の個室で片山講師を交え9人で懇親食事会。「汽笛一声新橋を~」にあやかってレストランの名も「KITEKI」というが、中々気の利いたご接待に与ってしまった。セキュリティ上の配慮から社員の食事は「KITEKI」で食べるか、外出先、或いはここの出前に依頼しているという。時間的にも外信部のように24時間スタッフが業務を続けるために、個室の宿泊施設も完備されている。片山講師には施設の案内から、この食事のお世話まで随分甘えてしまった。完全に理解出来たわけではないが、現代のマス・メディアの司令塔の姿として、ある程度のイメージは想像することができた有意義な見学会だった。

 今日早稲田出版・大塚編集長から拙著「停年オヤジの海外武者修行」が在庫不足になったので、増刷することにしたと連絡があった。先月23日に初版発行以来まだ1ヶ月も経過していない段階で、この重版は嬉しい限りである。増刷に当って2,3の注文事項を伝えた。

2008年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

581.2008年12月15日(月) パソコンと周辺器材に翻弄される。

 今日はちぐはぐと感じ入った講義が入り混じった1日だった。

 とにかくプリンターが故障してしまったので、修理に出すつもりで自由が丘のヤマダ電機へ行ったが、年末でもあり修理期間が1ヶ月近くかかり、修理代も7,000円から9,000円もかかると言われ、それほど金と時間を使うならと買い換えた方がムダがないと考え、14,100円で新しいプリンターを買ってしまった。帰宅してデスクトップのPCに電源を入れると瞬間的に画像が映ったがすぐ消えてしまい、これも故障してしまったようだ。明日ソニーの案内センターへ電話で聞いてみるが、これも故障だとすると修理に若干かかり、心配なのは記憶装置にあるメモリーが消滅していないかということである。

 午後定期受講でPCを習いに行き、現在のHPを1頁分追加して「著書」欄を設けるつもりで忘れかけた画面の作り方を教えてもらう。HPを使ってもっともっと拙著をPRしていきたい。

 その後3回目となる「岩波市民セミナー」受講のため神保町の岩波アネックスビルへ向かう。この講座は、講師の原寿雄氏が素晴らしい。今日も2時間半に亘って83歳の原講師が自分の職業上の経験と考え方を熱心に話された。60年のジャーナリスト人生だが、順風満帆でもなかったようだ。しかし、ジャーナリストとして1本筋が通っておられるし、精神的に随分タフな方でもある。失敗談も語られた。靖国神社A級戦犯合祀問題で朝日新聞に出し抜かれたことが忘れられないと仰った。

 今日の講義の中で、特に印象に残っていることは、ジャーナリズムの内部的自由という点で日本はヨーロッパに比べて本当の自由は遅れているということと、毎日新聞は経営不振に陥ったが、自由な報道という点では、一番しっかりしていると述べられたことである。更にジャーナリズムは常に政治より上位にいなければいけないと仰ったことである。調査報道ということについても持論を述べられた。受講者は20名程度であるが、ほとんどがジャーナリストのようであり、原講師の話に熱心に耳を傾けていた。ジャーナリズムの真髄に触れるような講義だった。

 来週は最終回であり、質問を事前に提出して欲しいとの事務局の話だったので、イの一番に今年1月死者40名を出した韓国利川市内の冷凍倉庫爆発事件に対する日本側マス・メディアの対応と不審な隠蔽的取材について疑問を提出しておいた。原講師は何と答えられるだろうか。

 その席上駒沢大の同じ受講生仲間の方から、拙著を見せられ近くの書店で購入したと言っていたが、有難いことである。

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580.2008年12月14日(日) ソ連軍の占領と樺太の悲劇

 朝日新聞の毎月1回の特集「写真が語る戦争」シリーズで、昨日「樺太の戦争」を取り上げていた。1992年10月に旧厚生省の依頼を受けてシベリアとサハリンを訪れたが、その時滞在した州都ユジノサハリンスク(旧豊原)と、コルサコフ(旧大泊)、ホルムスク(旧真岡)の写真が懐かしさを呼び起こした。特に、大正14年に撮られた真岡市街の写真は実際に私が登った丘の上から撮影されたもので、途中の坂道や民家の集落を思い出す。ここから間宮海峡を越えて遥かにロシア大陸を眺めることができる。

 記事によれば、終戦の直前昭和20年8月8日に日本に対して参戦した当時のソ連は、日本がポツダム宣言受諾を内外に表明した15日以降に樺太へ上陸し、島内を悲惨な戦場と化した。特に真岡郵便局の9人の女性電話交換手が「ソ連軍が攻めて来ました。日本の皆さん、さようなら」と言い残して自決した悲劇は、後々まで言い伝えられ、その声を受信した稚内でも戦後大きな話題となり、今その記念碑が宗谷岬に建立されている。

 大泊では、市場で露天商を開いていたおばあさんに声をかけられ、「私は終戦直前に広島から家族とともにここへやって来た。終戦後日本人はみんな故国へ帰って行ったが、私たち朝鮮人は取り残された。日本人名は福原です。今まで働きづめで年をとり夫も仕事を辞めたが年金も充分ではない。だから、生活のためにこうして行商をしている」と日本語で語ってくれた疲れた表情を思い出す。ちょうどペレストロイカで旧社会主義の崩壊が始まり、それまでの社会保障制度が危うくなっていたころのことだ。記事を読むと同じように運命を翻弄されたか弱い朝鮮系日本人老人の話が紹介されている。

 それにしても終戦前後のソ連政府の強引で非情な占領政策、引き続くソ連軍の犯した日本人住民に対する残虐行為は卑劣極まるもので、その非人道的にして反社会的な行為は、いかに戦争とは言え、とても許しがたい。戦後の日本人殺害事件にソ連軍が国際法を無視してまでも加担していたことは国際的にも証明されている。ロシアだけを責めるつもりはないが、日露戦争から終戦後に至るソ連軍の犯した虐殺行為は到底許容できるものではない。今日でも北方四島返還が膠着状態なのは、ロシア人の覇権主義がもたらす拡大主義と、残虐なスラブ人気質がその大きな要因である。未だにロシアの勝利者意識と占領者意識は消えていない。はっきり言ってロシアと日本の信頼関係を構築するのは、至難の業である。せめてもの救いはロシアと陸路で国境が接していなくて良かったと思うことぐらいである。

2008年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

579.2008年12月13日(土) 経済はどん底か。

 景気の悪化は数字上に確実に表われている。朝日朝刊のトップ記事が「トヨタ、下期は赤字」である。円高は益々亢進して昨日ついに1$=88円にまで上がってしまった。日経平均株価は対前日で484円も下がった。実に13年ぶりのドル安円高である。こうなると輸出関連の企業は益々苦しくなる。海の向こうのアメリカ自動車産業大手3社の救済が米議会の反対で白紙に戻ってしまった。ビッグ3だけで実に54万人もの従業員を抱えている。景気減退に雇用不安が拍車をかける。この先景気と雇用はどうなるのだろう。

 わが国の経済も一向に先行きが見通せない。政府が政策を発表しても実現性に不信感があり、実体経済面の効果が疑問視されている。昨晩発表した麻生首相の景気対策も新聞報道等を見ると、あまり効果に期待感がないようである。与党税制改正大綱の中で11年度から消費税率引き上げを改めて表明しているが、この11年度内ということは、3年後ということで待ったなしである。あの決断がくるくる変わる麻生首相に断固として決断し、実行することができるだろうか。与党内では期限を決めることには異論があるようで、強情っぱりの首相は3年に拘っているが、さてどうなるか。

 今日で3日連続の忘年会にいささかバテ気味である。今日の飯田ゼミでは12名の有志が集まった。下北沢の生牡蠣レストランで、満員状況だった。世間では不景気風が吹いているが、繁華街のドンちゃん騒ぎはまったく別世界のような感じである。結局こういうレストランでは、生活苦に怯える人は寄ってこないのだろう。

 やや疲労が溜ったのだろうか、今朝トイレで用便中に突然鼻血がこぼれた。少し経ってから止血したが、夜再び用便中に出血した。最近血圧が上がり気味で森内科医の指示に従い、毎朝血圧を測り血圧降下剤を服用しているが、あまり効果がない。それには整形外科でいただいている薬の影響がある。この状態を続けるとなると、あまり疲労を重ねないよう気をつけなければいけない。

 新宿の小田急百貨店内の三省堂書店では先日山田相談役を通して御願いしていた拙著の販売が、文芸社の「新・現代海外武者修行のすすめ」と最近刊の早稲田出版「停年オヤジの海外武者修行」2冊がそれぞれ平積みとなって販売されていた。有難いことである。早く第2刷が出るよう祈りたい。

2008年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

578.2008年12月12日(金) 政府の景気対策は大丈夫か?

 景気対策という美名の下に政府は23兆円の資金供給を行うと発表した。生活防衛のための財政対策として10兆円、金融対策として13兆円である。このほかに韓国のウォン低下に対する支援もあり、相当な出費が予定されている。国民生活防衛と名がつけば、何でも許されると思っている麻生政権は、国家の金庫が空っぽになるのも意に介さず、大盤振る舞いを続けている。勘ぐれば、自分の余命も早や尽きたと悟って、この際とばかり自分の手柄を立て、国民が喜びそうなことばかり考え出した。

 このブログでも何度か指摘したが、1兆円という金は大金である。全国民が一人当たり1万円を拠出して初めて1兆円になる。23兆円というのはとても右から左へ移し変えられる金額ではない。しかし、1万円を稼ぎ出すことが大変な労苦であるということが実感として分らない政治家たちは、簡単に打ち出の小槌で現金を作り出せると思っている。平行して財政支出を抑えることも考えなければいけないのにこちらの方には手を打たない。その一つの方法として政治家の数や手当てを減らすこともそうだし、官僚の恵まれた待遇を下げることも選択肢として考える必要がある。

 先日公務員ボーナスの支給があったが、公務員ボーナスは必要ないとの持論を提唱する私からすれば、甘いと言わざるを得ない。一般の企業人がボーナスを受けられるのに反して、公務員だけにボーナスを支給しないのは気の毒、可哀相との情緒的な同情論があるが、それこそとんでもない考え違いである。公務員は国民の負託に応えて一年間堅実に責務を全うして、その報酬として毎月きちんと給料、手当てをもらっているではないか。それが不満なら公務員にならなければよい。盆暮れのボーナスは民間企業が予定外の営業利益を生んだ時に、企業が従業員にご褒美として臨時的に支払うものである。だから利益を生まなければ当然ボーナスは支給されない。公務員の働き方とは根本的に異なる。公務員は役人になる前から、その当然の約束ごとについては承知している筈である。つべこべ言わずに真面目に正確な仕事をして、国民の負託に応えて欲しい。社会保険庁職員の仕事ぶりや居酒屋タクシーを開業した財務省職員を見る限りでは、国民の期待を大きく裏切るばかりではないく国民を騙して自分たちだけが甘い汁を吸おうとしているとしか思えない。この際、役人数も大幅に削減して足りない職員を長期派遣職員で賄った方が財政面でも、モラル面でもずっと効率的であると思うがどうだろうか。

 脱線したが、国家の財政を考える際に短絡的にイージーな財政出動を考えがちであるが、政府の一方的な考えだけでやるのではなく、国会審議を尽くして、必ず財源の補填についてもしっかり裏づけを証明して欲しいものである。

2008年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com