583.2008年12月17日(水) ついにアメリカもゼロ金利へ

 今日の赤羽紀元講師の授業をもって駒沢大の1年間の公開講座は一応幕引きである。1週間に3時限マス・メディア関係の講座に出席して、自分としても慌しかったが講義は中々面白かったし、アカデミックな雰囲気にも触れて良い経験になった。内容的にも興味のある講座を選択したし、講師もその分野の専門家だったので、あらゆる面で勉強になった。家から近く僅か5千円の受講料でこれだけリターンがあれば御の字である。

 それにしても、経済界の不況は止まるところを知らず、最近はメーカーの人員整理、それも期間労働者や、非正規社員に対する突然の首切り宣告は彼らに恐怖感を与えている。最近は国会質問でも雇用の問題が大きく取り上げられている。しかし、政府が対策を取るといっても限られた資金の支援を行う程度で、根本的な救済対策は出さず仕舞いである。肝心なのは産業界自体の逞しい自立であり、大きな雇用先である自動車産業、カメラメーカー、電気メーカー等が雇用を拡大しなければ所詮コップの中の嵐である。

 そこへアメリカの政策金利の利下げが発表された。「ビッグ」救済が議会で喧々諤々の議論の末ににっちもさっちも行かなくなった。その挙句、ついに連邦準備制度理事会(FRB)が利下げへ踏み切った。これまで日本のゼロ金利が長らく続き、低金利が当然のように思っていたが、アメリカは終始大体高利率を維持していた。1年半前には、日本の1%以下の金利に比べてアメリカの政策金利は5%台だった。梃子でも動かなかったアメリカの低金利への流れが、ついに堰を切って走り出した。こうなると心配なのは「円高=ドル安」の傾向に拍車がかかることだ。今日の東京外為市場はすぐ反応した。早くも1$=88円台にまで円高が亢進し、ニューヨーク外為市場では87円にまで高騰した。益々輸出関連企業は苦しくなり、株価は下がり、あっという間に不景気が蔓延する。まったく嫌になる。しかも、先行き明るい展望がまったく開けない。

 日経夕刊のコラム「あすへの話題」に作家・長部日出雄が鋭いことを書いている。「わが国の政治家の大半が、すっかり小粒になって、とても安心して国を任せられない状況になったのは、戦後のある時期からアメリカの属国の地位に甘んじて、自国を独立国として統治する経綸も矜持も必要とせずにやって来られたからである。国家の主権の正当な認識がなく、従ってそれを的確に行使する術に熟練する筈もなかった」とある。私も安保以降の日米関係を見ていてそう思う。イラクとアフガニスタンへの支援や、カンボジアのPKO派遣だって、それらの国家のためではなく、時の日本の政治家がアメリカに良く思われたいだけなのだ。コラムはけだし名言である。

 さて、昨日購入したプリンターだが、早速起動させてプリントすべく故障したデスクトップのPCを除いて、2つのノートパソコンにプリンターをつなげCDでインストールしようとしたが、ひとつはうまくインストールできたが、もう1つにはインストールできなかった。なぜだろう。これでは困るので何とかしないといけない。

2008年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com