427.2008年7月14日(月) 祇園山笠・博多の一日

 福岡でJAPAN NOW観光情報協会のイベント、「観光立国フォーラムin 福岡」に参加するため、今朝のフライトで福岡へやってきた。いろいろな方々のご協力で「ソラリア西鉄ホテル」の会場は200人近い参加者で一杯となった。運輸関係者や、九州支部長の長尾亜夫・西鉄会長らの動員令によって参加された方も多いのではないかと思う。

 受付の手順、責任分担がはっきりしていなくて心配だったので、受付をお手伝いすることにしたが、その結果会場内で開かれたフォーラムは、残念ながらついぞ覗くことができなかった。その後の懇親パーティでは、松尾理事長以下首脳陣も笑顔で当地の有力者と交流されていたし、私自身も西鉄の方々と久しぶりにお会いできて、有効な時間を過ごせた。

 宿泊は博多駅前の「チサンホテル博多」だが、午前中に立ち寄った折ラーメンの外食券をもらったので、フォーラムの後JN協会の杉さん、前さんと昭和通りのラーメン屋台を訪れ、「撫順」という店でとんこつラーメンとビールを腹に入れてホテルへ戻った。屋台は安くて旨い。瓶ビールが一本500円、とんこつラーメンも500円だったので、支払いの時に思わず聞き返したほどである。屋台以外のレストランでも、博多は一般的に安い。タクシーだって安い。初乗りが550円だから東京の710円に比べていかに安いか見当がつく。きょうは多少屋台の雰囲気を味わったし、博多はこれで納得。

 1日から始まった博多祇園山笠は、今日が最終日というより明朝の明け方にかけて「追い山」というクライマックスを迎える。櫛田神社から山車が出てくる。神社周辺は明日の明け方は交通規制をやり、このクライマックス目当ての人々を対象に、JRもバス会社も臨時便を繰り出す。NHKニュースでもしきりに交通規制を伝えている。せっかくの機会だから見たいのは、やまやまだが、都を離れて夜通し山笠の屋台を待つスタミナと気力はない。今年中に次作品「停年オヤジの海外武者修行」を上梓予定だが、その武者修行スピリットが持たない。今晩は、このブログを書いたら早々と眠るつもりだ。

2008年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

426.2008年7月13日(日) 不可解な北朝鮮兵士の韓国人射殺

 一昨日北朝鮮の金剛山観光団に参加した韓国人女性が、北朝鮮兵士に射殺された事件はショッキングなニュースの割りに静かな経過を辿っていたが、やはり南北間の大きな問題になってきたようだ。北朝鮮の一方的な言い分では、軍事警戒区域に入った女性に一度警告射撃をしたが、逃亡したため発砲した。ところが、韓国メディアでは、女性がホテルを出て銃撃されるまで30分で現場の警戒区域まで、4.8㎞も移動することは不可能だと主張している。韓国政府は、事件の真相解明のために調査団の訪朝受け入れを北朝鮮に打診したが、北は拒否した。そのうえ、「責任はすべて韓国側にある」との談話を発表した。これで韓国は、これまで北にとって大きな収入源となっていた金剛山観光団を当面中止することを決定した。これに対して、北は「耐え難い冒涜行為」として観光客を受け入れない方針を示した。原因の究明をしようとの韓国側の意向を、最初から拒否して一方的に相手を中傷、非難し、あまつさえ原因は相手にありとするやり口はこれまで、北の専売特許だったが、いつまで子どもじみたことを言っているのだろうか。これでは原因究明はもとより、せっかく両国間の信頼で構築した、両首脳(金大中、金正日)の友情によって始まった金剛山観光がストップされたままになってしまう。

 これではとても日本人拉致事件の解決なんて当てにはできそうもない。

 このニュースに関連して、今日のテレビで現場にいた韓国人男性は、北の兵士が撃っただけでなく、その後に射殺した女性を足蹴にしていた様子を目撃したと話していた。

 不明瞭な事件の真相はまったく不明だが、これまでの北の対応から考えると、北は自分たちの責任は認めないだろう。

 これで朝鮮半島に新しい難問が被さった。これからどういう道筋を辿っていくのか、注目してみたい。

2008年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

425.2008年7月12日(土) 世界遺産見学140箇所

 昨日CRPの数値が上がってがっくりきていたところへ、夕食時に上の歯がぽろっとこけてしまった。さらにがっくりである。あまり体裁の良い話ではないが、上の入れ歯を支えている糸切り歯で、先日磁石まで入れていただいた。これが抜け落ちると上の入れ歯全体に影響が出てくる。これでは当分固いものは食べられない。実際ゆっくり噛んで食べる状態で、つくづく年はとりたくないと思う。歯科は今日、明日の2日間は休診で、そのうえ14日(月)から3日間福岡へ出かける。5日間歯科へ行けない。福岡行をこの期に及んでキャンセルするわけにもいかず、せっかく祇園山笠の終盤に食の福岡で思い切り食を味わおうと考えていたが、残念だがそれはできそうもない。このまま17日まで恐る恐る食事を摂ることになるか。まったく冴えない話である。

 さて、昨日の朝日に「広がる世界遺産、岐路」という記事が載っていたが、今年27件が新規登録され、ついに今年で世界遺産登録総数は878件に達した。この勢いだと遠からず千台の大台に辿り着く。日本では、平泉・中尊寺が日本の推薦した世界遺産候補で初めて落選して、関係者に相当のショックを与えているようだが、宗教文化としての浄土思想の普遍的価値を外国の遺産専門家に証明して納得させ、認めさせるのは至難の技だと思う。

 その中で、スイスのレーテッシェ鉄道(ベルニナ鉄道)は「20世紀建築」と「文化的景観」いうユネスコの新しい方針に沿っているとして世界遺産として登録された。私がこれまで訪れた世界遺産は、一応139箇所であるが、労せずして140箇所ということになった。私には随分思い込みのある鉄道だ。今から30年ほど前に箱根登山鉄道とレーテッシェ鉄道が姉妹鉄道契約を締結した折、レ鉄道本社からハッツ専務が来られて、契約セレモニー後の観光ガイドで箱根一帯を案内したことがある。その1ヶ月後に、今度は添乗員として使節団とともにベルニナ線に乗ってサンモリッツを訪れ、温かく歓迎された懐かしい思い出がある。その後、ベルニナ線の素晴らしい沿線風景についてもエッセイを書き、とにかく多くの思い出がある。「棚からボタ餅」ではないが、これで世界遺産訪問も140箇所になったことは、個人的にはメデタシ、メデタシ。

2008年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

424.2008年7月11日(金) ヨーロッパの城郭成立過程

 JAPAN NOW観光情報協会の毎月恒例の観光立国セミナー(於:海事センター)は、元ドイツ観光局マーケティング部長・坂田史男講師からドイツ観光について話を伺った。ドイツ人の観光好き、ドイツ観光の恩人(ルートヴィッヒⅡ世だという)、ロマンチック街道等についてドイツに詳しい人らしい丁寧な説明だった。

 2つ質問したが、そのひとつは城作りと城郭都市の在り様に関してである。ロマンチック街道のネルトリンゲン城内の鳥瞰図を見て典型的な中世ヨーロッパ城だと思っていたところ、城内は自由都市として発展し、領主は住んでいなかったとの説明にあれっと思った。立派な城壁に囲まれた典型的な城で、2度ばかり訪れたこともあり、ヨーロッパ城の一例として挙げることもあった。しかし、こうなると今後は講義の際に、このような城をヨーロッパ城の例として説明しにくくなった。

 ギリシャ神話のトロイア城なんか典型的なヨーロッパ型で、城内に領主、武士、町人ら全住民が住み、領主が城内に居住する住民を外敵から守ってきた。だから落城すると、領主もろとも住民も虐殺されるか、捕虜となるわけで、日本の城下町の仕組みとは決定的に違う。それがネルトリンゲンのような城は、ヨーロッパに残る城の中でも少し事情が違っている。これから少し説明を変える必要があると思っている。

 帰りに松本整形外科で定期診断を受け、先日の血液検査の結果を聞いてがっくりきた。松本先生も首を傾げている。

 4年前から両膝の炎症治療のため松本医院に通院して、治療を受け少しずつ回復し、昨年春ごろからかなり順調な回復軌道に乗ってきていた。数値的にも、0.3以下を要求されるCRP定量が、0.47(07.6)、0.39(07.8)、1.24(07.10)、1.27(07.11)、1.23(08.1)、2.22(08.3)、4.49(08.5)を示し、そして今日知らされた数値は6.14だった。昨年8月から急に数値が悪化しだした。

 完全に見放されたような感じだが、先生も私自身も不思議でならないのは、自覚症状がないことで、その点では体調としては良いのでよく分らない。松本先生の見方は、胆嚢のような他の内臓に何か症状を抱えている可能性があるかもしれないとのことで、森内科で近日改めて相談してみてはどうかという結論だった。あ~憂鬱になってきた。ただ、何の自覚症状もなく昨年の2度にわたる人間ドック検査でもそれらしき痕跡も見つからなかったので、何とも言いようがない。まあ、来週森内科で診てもらおうとは思っている。

2008年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

423.2008年7月10日(木) 多摩大学公開講座春季講座終了

 多摩大の寺島実郎監修リレー講座「現代世界解析講座」も、今日がいよいよ最終第12回となって寺島氏が3回目の講座で締めた。前回5月29日以来僅かな間にヨーロッパとアメリカ東海岸を歩いた感覚的な視点と、いつも通り14頁にわたる分厚い三井物産戦略研究所の数値資料を基に、明快な分析と説得力のある解説をされた。いつも新しい数値資料で説明されるので、分りやすくとにかく感心するばかりである。寺島氏の講義を聞くのは、今年に入ってから5回目だが、毎度目から鱗が落ちる話ばかりだ。

 今日のポイントは、鈴木大拙師の「外は広く内は深い」の言葉から始まり、欧米を回ってアメリカが疲弊していることを強く感じたと言われた。「$」の価値が低下して、国によってはこれまで外貨準備高を「$」で持っていたが、より価値の高い「€」に切り替えることを検討している。

 今日は世界的な食糧不足問題に触れ、日本の食糧自給率39%をどう考えるか、と問題提起をされた。

 1981年にはわが国の第1次産業従事者は、全就業者の10%だったが、今では4%しかいない。食糧自給率を高めるために、一気に農業を復活させようとしても田畑は荒れて難しいし、農業人口は減り高齢者ばかりになっている。都市生活者が新たに農業を始めようとしても容易にはできない。最近農民にとって代わり、農業生産法人が活動して、食糧輸入は増加して6兆円もありながら、輸出も4千億円に増えた。農業のブランド品や果物が中国をはじめとして海外の富裕層に人気があるそうである。主力輸入品目の第4位に衣類があるが、これは衣類、バッグ、靴、貴金属等のぜいたく品だそうで、確かに一部には金あまり現象が見られる。

 また、日本の政治改革や行政改革等の「改革」は小手先だけで、中選挙区制度を小選挙区制度に代えるだけだったり、役所を統合し省庁の数を減らすだけで、役人の数は減っていないような、名前だけの改革で、実際に政治改革をやるのなら、「議員数を減らす」とか、「議員在任期間の短縮(多選禁止)」のように実質的な変更を挙げられた。ごもっともである。

 最後の講座になったが、やはりアカデミックな環境でじっくり授業を受けるということは、気持ちが洗われ、リフレッシュしたような気持ちである。12回のうち、一度だけ福島県の研修講師を務めたために欠席したが、改めて秋から始まる第2学期で新しい講師のもとに、斬新な講義を聞けることを楽しみにしている。

2008年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

422.2008年7月9日(水) 中国のメディア報道は今後どうなるのか。

 昨晩「報道ステーション」で、騒乱事件後初めてチベット・ラサ市内の画像を映し出した。中国政府が特別に許可を与え、治安の安定している今のチベットの状況を世界へ向けてPRしているのだ。実は、この中国の特別許可というのが曲者で、傍にはいつも中国人監視役が見張っている。自由に取材しているわけではない。ラサ市内にも自由な空気が見られなかった。随分お行儀の良い市内風景と雰囲気に見えた。それに市内各所で多数の武装警官が行進したり歩き回っていたり、こんな窮屈な市内のインタビューでは、取材相手から本音が出てくるわけはない。カメラマンに密着している監視役が陰であれこれ指図していることは論を俟たない。こういうヤラセ的取材方法は、現在の中国政府に特有であり、一種の報道管制である。中国は民主国家を目指しているが、昔の国家管理的な翼賛体制とあまり変わっていないのではないだろうか。

 天安門事件の際、政府の行動に抗議した若者の正義感に溢れたエネルギーや動きは、世界中の喝采を浴びたが、今やまったくと言ってもいいくらい若者の正義の気概が見られない。完全に政府の思うままである。中国の若者は今や牙を抜かれ、飼いならされた子羊に成り下がってしまった。

 今日駒沢大学講座の春季最後の講義があった。講師の講義内容は前回に続き、これまで取材に関わったオリンピックを主に、政治とオリンピックの関係について話された。その際、興味深い話を伺った。中国は1ヶ月後の北京オリンピック開催を前に、中国内TV放送は全番組を生放送から、10秒遅らせて放送することに決めたそうである。専門的なことはよく分らないが、中国にとって不都合なことが写ったり、放送された場合は、直後の10秒以内に修正するということだそうである。まさに中国の隠蔽、ヤラセの体質丸出しが見てとれる。まあそれにしてもよくやるなぁというのが実感である。

 今日でサミットG8は閉幕した。昨日の会議の様子から、また各メディアの話から考えてもあまり大きな期待はできそうもないとみていたが、やはり期待外れだった。

 もちろん議長福田首相は自画自賛して成功と言っている。多少自国の主張が通ったブッシュ・米大統領も機嫌よく議長国でもないのに勝手に記者会見を開いていた。排出国のシン・インド首相のごときは会議終了後、これまでのサミットに比べて大きな成果を上げたと福田首相をヨイショしておきながら、ブッシュ大統領と福田首相へ宛てて妥協のために署名したなどととんでもない文書を送っている。サルコジ仏大統領の如きは、どこの首脳とも会談せず、会議が終わるや午後一番でさっさと札幌を後にした。

 そんなこんなで各国取材陣の評判もあまり芳しくないようだ。昨日G8が決めたのは、「排出量削減の世界全体の長期目標を含む長期的な協力行動のためのビジョンの共有を支持する」である。これを「(国連交渉で)長期目標を採択することが望ましいと信じる」と付け加えた。こんな文言をすんなり理解できると思っているのだろうか。あいまいな表現に屋上屋を重ねていて、真意を汲み取るにも時間がかかる。

 来年イタリアで開かれるそうだが、こんな調子ではG8を開催してもあまり意味がない。

2008年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

421.2008年7月8日(火)駒沢大公開講座の懇親ランチ

 駒沢大の公開講座も火曜日の2つの春季講座は、今日が最終授業である。テレビジャーナリズム論を担当する菱山郁朗講師から、先週社会人受講者と食事を一緒にしたいという申し出があって講義前に、同じキャンパス内の小ホールで6人の受講者と食事会を持ち、受講者が自己紹介を兼ねて日ごろ考えていることや実行していることを披瀝した。

 初めて足を踏み入れた会場は、素晴らしいホールで、設備といい目の前の庭園といい、まさに洞爺湖のG8並み?である。

 皆さんそれぞれに大手会社勤務を経て、余裕のある中で新しい生活を創り上げているというように感じた。向上心と積極性のある方ばかりである。62歳~69歳でまだまだ若い。昭和13年生まれがほかにも1人おられた。女性も1人おられた。

 「自己紹介図解」を全員に配布して自分なりに自己紹介を行った。少々カラーフルな図解に驚いたようだが、いつもながらまあまあの受けだったと思う。図解に関心を持ってくれたようで、菱山講師から学生が集まるときに、活用してもよいかとのお尋ねがあったので、もちろん結構ですとお応えした。今の学生はおとなし過ぎると言っておられたが、確かに今の学生は1人で何もできない。学生が自分1人で海外へ出るように勧めてみてはどうかと提言した。

 さて、今日のサミットG8は、G8宣言案が幻のように公表されただけだ。あれだけアメリカが温室効果ガス排出の目標数値設定に反対しているにも拘らず、「2050年までに世界全体の排出量を半減する長期目標を共有することを求める」ということで、アメリカとも一応「合意」できたと福田首相は考えている。

 しかし、アメリカは近年国際社会で必ずしも協力的ではない、国連で話し合うことを求めるという「合意」である。こういう遠回しの条件を付加して話し合うのも、それを理解するのも国民としては少々疲れる。もう少しズバッと決められないのか。実際には焦点がどんどんずれていくような気がする。いずれにせよ、今年のサミットG8は昨年に比べて前進なのか、後退なのか、最終日の明日になればある程度はっきりするだろうか。

2008年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

420.2008年7月7日(月)サミットG8に何を期待するか。

 今日から洞爺湖で先進国首脳会議、サミットG8が始まった。年々歳々サミットも図体が大きくなる。こうなると総身に知恵が回りかねる。確か当初は先進6カ国会議と言っていたと思うが、今や先進8カ国となり、今回は付随してアフリカ開発の拡大会合のアフリカ諸国7首脳、温暖化主要排出国会合7首脳の計22ヶ国の首脳が集まった。それぞれ実質的な結論を求めて世界の大物が額を寄せ合って相談する、1年に1度開催される国際的大イベントだが、各国の利害が絡みあう中で、あまり楽天的な見方はない。

 北海道は普通梅雨がないとされるが、今朝から雨が降っていて、いかにもサミットにとって象徴的である。折角好立地にあって世界中の人々に洞爺湖の素晴らしい景観も併せて伝えたいところだが、どんな風に世界のマス・メディアは伝えるのだろうか。

 日本テレビ系列の「ZERO」では、若い「嵐」の桜井翔が国際メディアセンターの様子をうまく紹介していた。サミット後には取り壊されるだろう建物だが、環境とか温室ガスに関してアッピールも狙った建物で、冷房施設のダクトが段ボールに銀紙をフォイルしてできていたり、冷房のAIRそれ自体は、建物の床下に貯蔵された雪を利用したり、とにかくアイディアが施されている。こういう事務レベルの隠れた努力も、結局福田首相がうまく活用しないとあまり役立たずということになりかねない。

 マス・メディアの報道も熱を帯びてきたが、会議の成果については、いずこも悲観的なコメントしか出していない。最大の課題は将来性から見れば、やはり地球温暖化傾向にどう歯止めをかけるかということだと思う。ここで温暖化の傾向を止めないと、いつまでもずるずると悪い方向へ進み、将来に大きな禍根を残し、子孫が現世代の排出した二酸化炭素ガスに苦しむことになる。足並みが揃わない最大の理由は、アメリカが二酸化炭素削減の数値目標の設定に反対しているからである。これは京都議定書にアメリカが数値目標を盛り込むことを拒否して以来G8にとっての懸案である。アメリカにも当然言い分はある。今や温室ガス排出国として目立ってきた中国とインドに、まったく削減のノルマがないのはおかしいと考えている。確かに、中国やインドにガス削減の要求が突きつけられることもなく、両国も地球汚染と温暖化の責任は先進諸国にありとして、温室ガス削減を一切しようとしない姿勢には地球は誰のものかと言ってやりたい。今や追い詰められた地球環境の汚染をこれ以上悪化させないという理念と、グローバル化した各国の協調性という点を考えると、そんな手前勝手な論法は許されない。アメリカも、ヨーロッパも日本も、中国やインドをどうして説得できないのか。中国やインドは、すでに情勢を察知して、今最大の課題は世界の食糧自給問題だと言い出している。

 テレビを見ていると温室ガス削減については、ほとんど絶望的である。もし昨年のサミットから一歩でも後退するようなら、もうサミット自体の存在意義はないと思う。世界の現象は漸進的に悪化の方向へ向かっている。この事態をもたらしたのは、まぎれもなく人間である。これを食い止めるのは、同じ人間の知恵と強調しかない。それが分っていながら、自分たちの強欲とわがままでその知恵が一向に産まれてこない。人間の限界か? まったく前途多難である。

2008年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

419.2008年7月6日(日) チベットについて話をする。

 NPO法人・吉祥寺村立雑学大学で「チベットの旅とデモ騒乱事件」と題して1時間半程度、パワーポイントを使いながらお話をした。テーマは後になってデモ事件を加えたのだが、あまりそちらに傾くと時間的に本来の狙いである旅行へ深く入れないので、力点はチベットの旅に置いた。印象としては、受講者の皆さんがかなりチベットに関心を抱いているように見受けられた。しかし、いま外国人がチベットへの立ち入りを制限されていることは事実であり、チベットの旅は、異色の旅で中々興味のあるツアーだと話しても、現状で入国出来ないチベットへの旅を推薦することは何となく心苦しい。だが、そうは言ってもチベットの自然や国民性の素朴な良さという点について、あるがままのチベットの素晴らしさを話したつもりである。パワーポイントのスライド作成について、何人かの受講者からお褒めの言葉をいただいたが、思いもよらないことだった。それでもやはり嬉しい。これでパワーポイントの画面作成について一層モチベーションが高まる。

 さて、明日から洞爺湖サミットG8が開催される。東京でもここ数日来鉄道駅周辺の警戒がかなり厳しいが、いよいよ成田空港や札幌へ各国の首脳がやって来た。主要議題がいくつかあるが、今年は特に地球温暖化、原油高騰による物価の値上げと貧富の格差問題が最重要議題と見られている。直ぐに方向性とか解決の糸口を見出さなければならないのは、やはり環境問題だろう。これを日本の福田首相が議長国として仕切るわけだが、こういう場面に最も不得手とみられる日本人にとって果たして福田首相が面目を施すことができるか。

 かつて東京で開かれたサミットで、当時の大平首相が「自分は議長としてあまり得意でないが」と言った途端西独のブラント首相が、「それは分かったから早く議事を進行してくれ」とまぜっかえしたことが強く印象に残っている。そのくらい世界の首脳から日本のトップは話や議事進行が下手くそだと見られている。

 福田首相には、どうか恥を晒さないように、そしてかつての官房長官時代のしたたかで日本の主張をしてもらいたいと願うだけだ。

 国際通貨基金(IMF)による2007年の一人当たりGDPは、シンガポールが日本を追い抜いたことが確実という。シンガポールの35,162$に比べ、日本は34,312$なので、その差は僅か800$程度ではある。この程度の差は為替レートによって変わりうるので、実態と実感はどうなのか分からないが、シンガポールが日本に追いつこうとしているのは事実だと思う。ただ、シンガポールが経済的に発展した理由のひとつは、外資導入と外国人の誘致によるものである。実際シンガポール人の人口も前年に比べ1.6%増えているが、他方で外国人が15%も増加したことは、確かにGDP増加に大きく貢献した。これを以て同じように資源が不足している日本も外国資本や外国人の導入にもっと積極的に取り組むべきであるというのとは少し事情が違うと思う。

 まあそれにしても日本にとってシンガポールの行き方は良い指針となる。

2008年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

418.2008年7月5日(土) 小中陽太郎さんを囲む会

 赤坂にある中華の老舗、楼外楼飯店で小中陽太郎さんを囲む「知的生産の技術研究会」の懇親会があった。この飯店を紹介されたのは、小中さんである。出席者は、主賓の小中さんのほかに、知研理事長・久恒啓一多摩大教授、知研・八木哲郎会長、「小論文の神様」と言われているベストセラー作家・樋口裕一多摩大教授、浅沼ひろしさん、和泉育子さん、三輪敏子さん、知研・秋田英澪子事務局長に私を含めて9名。皆さんそれぞれ個性的にそれぞれの分野で実力を発揮されている。大体著書をお持ちである。樋口教授は、「小論文の神様」のように「頭がいい人、悪い人の話し方」(PHP新書)が250万部も売れたというから、とても人間業とは思えない。神様と言われる所以であろう。

 小中さんのお話を聞くことを中心に各人が自己紹介をした。小中さんもPCを持参して説明する予定だったが、うまく画面を呼び込めず、楼外楼のPCを拝借しても駄目で、どうもPC自体よりもCDに問題があるのではないかということになった。結局PCを使用せずに語り部に徹していただいた。「テレビは記録より記憶として残る」ことをご自身のNHKを辞めたいきさつをからめて話された。そのほかにも梨元勝氏の文章を書いていた話、キリスト教等々、幅広いジャンルについて話された。初めてお会いした樋口教授が高校時代に哲学へのめりこんでいた話とか、クラシック音楽に詳しい話、浅野さんが昭和30年代に過ごされた北海道のランプ生活、久恒教授の梅棹忠夫先生とのやりとり話等、大変参考になる内容だった。

 結論的にまた改めてこのような集まりを持ち、これからは「知的」ではなく、「非知的」を目指そうということになった。

 帰途は小中さんといつも通り都立大学駅で降り、行きつけの「コーナーポケット」のママさんに挨拶を兼ねて立ち寄り、ビールを一杯いただいてタクシーで帰った。

2008年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com