420.2008年7月7日(月)サミットG8に何を期待するか。

 今日から洞爺湖で先進国首脳会議、サミットG8が始まった。年々歳々サミットも図体が大きくなる。こうなると総身に知恵が回りかねる。確か当初は先進6カ国会議と言っていたと思うが、今や先進8カ国となり、今回は付随してアフリカ開発の拡大会合のアフリカ諸国7首脳、温暖化主要排出国会合7首脳の計22ヶ国の首脳が集まった。それぞれ実質的な結論を求めて世界の大物が額を寄せ合って相談する、1年に1度開催される国際的大イベントだが、各国の利害が絡みあう中で、あまり楽天的な見方はない。

 北海道は普通梅雨がないとされるが、今朝から雨が降っていて、いかにもサミットにとって象徴的である。折角好立地にあって世界中の人々に洞爺湖の素晴らしい景観も併せて伝えたいところだが、どんな風に世界のマス・メディアは伝えるのだろうか。

 日本テレビ系列の「ZERO」では、若い「嵐」の桜井翔が国際メディアセンターの様子をうまく紹介していた。サミット後には取り壊されるだろう建物だが、環境とか温室ガスに関してアッピールも狙った建物で、冷房施設のダクトが段ボールに銀紙をフォイルしてできていたり、冷房のAIRそれ自体は、建物の床下に貯蔵された雪を利用したり、とにかくアイディアが施されている。こういう事務レベルの隠れた努力も、結局福田首相がうまく活用しないとあまり役立たずということになりかねない。

 マス・メディアの報道も熱を帯びてきたが、会議の成果については、いずこも悲観的なコメントしか出していない。最大の課題は将来性から見れば、やはり地球温暖化傾向にどう歯止めをかけるかということだと思う。ここで温暖化の傾向を止めないと、いつまでもずるずると悪い方向へ進み、将来に大きな禍根を残し、子孫が現世代の排出した二酸化炭素ガスに苦しむことになる。足並みが揃わない最大の理由は、アメリカが二酸化炭素削減の数値目標の設定に反対しているからである。これは京都議定書にアメリカが数値目標を盛り込むことを拒否して以来G8にとっての懸案である。アメリカにも当然言い分はある。今や温室ガス排出国として目立ってきた中国とインドに、まったく削減のノルマがないのはおかしいと考えている。確かに、中国やインドにガス削減の要求が突きつけられることもなく、両国も地球汚染と温暖化の責任は先進諸国にありとして、温室ガス削減を一切しようとしない姿勢には地球は誰のものかと言ってやりたい。今や追い詰められた地球環境の汚染をこれ以上悪化させないという理念と、グローバル化した各国の協調性という点を考えると、そんな手前勝手な論法は許されない。アメリカも、ヨーロッパも日本も、中国やインドをどうして説得できないのか。中国やインドは、すでに情勢を察知して、今最大の課題は世界の食糧自給問題だと言い出している。

 テレビを見ていると温室ガス削減については、ほとんど絶望的である。もし昨年のサミットから一歩でも後退するようなら、もうサミット自体の存在意義はないと思う。世界の現象は漸進的に悪化の方向へ向かっている。この事態をもたらしたのは、まぎれもなく人間である。これを食い止めるのは、同じ人間の知恵と強調しかない。それが分っていながら、自分たちの強欲とわがままでその知恵が一向に産まれてこない。人間の限界か? まったく前途多難である。

2008年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com