507.2008年10月2日(木) 山内昌之教授の中東論

 秋学期になって初めて多摩大学「現代世界解析講座」に出席した。今日の講師は山内昌之・東大大学院教授。前々から山内教授から中東に関する話を直接聴講できることを楽しみにしていた。テーマは「中東政治と国際関係の新しい構造-日本とイスラーム世界の構図」と題して専門家の立場から、アラブの現状とアラブ諸国に対する見方について一般的にはあまり知られていない実情とか、数値、アラブの実力、存在感、アメリカに対する影響力等について1時間半じっくり話された。

 山内教授は、「中東」について①日本が石油輸入の90%以上を依存している、②地勢的な重要性、③平和と対極にあるテロが恒常的に見られる地域、であることを認識することを示唆された。アメリカについては、戦費増加が社会問題を拡大させていると指摘、その一例として民間軍事会社(PNC)、数百社の売り上げが1,000億$を超えている。

 今民族が国家を形成し、同じようなやり方でことを成すという古典的なスタイルが姿を消しつつある。国家に対して、NGOとかテロリスト集団が影響力を発揮している。ルールを無視する集団の存在である。特に、NGO「グリーンピース」の反捕鯨集団の危険な不法行為に対して反捕鯨諸国が沈黙を守っているのは、それぞれの国内で反捕鯨団体の圧力があるからだ。その点で最近日本政府が日本の捕鯨調査船に対する狼藉行為を犯した「グリーンピース」の容疑者を刑事告発したのは、国家の側から見て国境を越えた「反極」現象への反撃であると、珍しく日本政府の対応を評価された。そして「極構造の多元化・重層化、あるいは無極化」について熱っぽく語られた。

 衝撃的な話は、膨大な米国債を購入している湾岸諸国、特に石油産油国(GCC)の外貨準備高が、06年末に7,170億$、08年末には1兆3,000億$に達し、資産総額は1京3,000兆円という途方もない額だという。山内教授はこの数値を財務省の役人に対する講演の中で話したところ、唸り声とうめき声が上がったという。しかし、いくら金があっても、それだけですべてがうまくいくかとなると、そうはいかない。中東諸国の悩みは食糧の輸入にあり、永続的な食糧の買い付けと確保に危機感を持っている。それに加えて失業、インフレ問題がある。大学を出ても思うように就職できない。失業率は20%にも上る。他人にサービスする職業は嫌われる。最初からマネージャーになりたいのだという。富の偏在も極端で、日本のような中流化や富の分散がない。日本には明治時代に、福沢諭吉、松方正義、渋沢栄一が商いのあり方と商業道徳をしっかり伝え、日本の経営者と労働者はその精神を粛々と受け入れ、今日まで継承していることが大きい。

 ざっと以上のような骨子だった。学生には、やや難しかったようで居眠りをしている学生が多かったが、一般受講者は真剣に聴いて中々緊張感もあり、アラブについて考えさせられる講義だった。

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506.2008年10月1日(水) 総理大臣の所信表明とは何だ?

 今日の小沢一郎・民主党党首による代表質問は、一昨日の麻生首相の異例の質問に対する所信表明演説というこれまた異例のスタイルになった。更に細田・自民党幹事長が興奮して小沢党首の自民党幹事長時代の共鳴されないやり方を批判し、民主党に質問した。これを鳩山由紀夫・民主党幹事長が自民党に反論する対応で、解散・総選挙ムードの中で自民・民主の対決姿勢が一層強まった。首相はその論調からニューヨーク・タイムス紙に「好戦的なナショナリスト」と評された。これからが両党の力の示しあいを演出する時である。非難中傷ばかりしていないで、もう少しましな政策論争をやってもらいたい。政治家が、自分のことしか考えず国民の気持ちを袖にするようなパフォーマンスばかりでは、どちらに転んでも大した影響はないと思う。しかし、閉塞状況の政治のマンネリ状態を抜け出すには、一度民主党に政権を担ってもらうのも良いかも知れない。

 今年度後半初日を期して、松下電器産業㈱がパナソニック㈱に社名を変えて第二のスタートを切った。創業者名を外すということに社内外でもいろいろ議論もあり、中には猛烈な反対もあったようである。しかし、いままで同じようなケースを見てみると社名を変更することにより、むしろ企業イメージが向上した例の方が多いようだ。商品名だった「パナソニック」は、海外ではそれほど高い知名度ではなかったが、これから「ナショナル」を併合してどれだけ知名度を向上させていくことができるだろうか。

 一方、小泉改革路線の延長線で新しい民間会社が生まれた。国の4つの金融機関を、統一して民間会社に衣替えしたのである。その名は「株式会社日本政策金融公庫」という。「国民生活金融公庫」「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」「国際協力銀行」の偉大なる(?)政府機関をひとつに統合したものである。トップに民間人を据えてはいるが、そう簡単に権力は手放さない役人根性で、ナンバー2とナンバー3にはしっかり官僚の天下りを認めさせている。

 役所にも新しい組織が生まれた。国交省にあった観光部が独立して観光庁が新たに発足した。外国人旅行者をもっと日本へ呼び込もうとの狙いである。小泉政権時に「VISIT JAPAN」プログラムを立ち上げ、外国人訪問客が増えるに連れて受け入れ態勢の整備が求められ、今漸く体制が整ってきたというところである。

 しかし、旅行というビジネスは本来主体的に民間ベースで自由競争の中で行われるべきものであり、役所の硬直的な行政指導を発揮しすぎると、反って逆効果で問題が噴出しかねない。初代長官に本保芳明・国土交通省総合観光政策審議官が任命されたが、技術系の人である。しかも初代長官には民間人の登用を考えていたのに、待遇の悪さに適任の人物が現れず、内部から登用したというのが楽屋裏の話である。役人的ではない、行動力、創造性、セールス体験、海外旅行の実情等をよく知っている人物でなければ、とても旅行業のような変化の激しい行政のリーダーシップは振るえない。最初の人事から推して、些か先行きが心配である。

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505.2008年9月30日(火) ニューヨーク株式市場最大幅の暴落

 期末の今朝起きてテレビのスイッチを入れた途端、ニューヨーク株式市場が対前日777$も暴落したことを知りびっくりした。同時に、アメリカ下院議会は金融機関からの不良資産買取制度を含む緊急経済安定化法案を否決したとも伝えていた。あれっ? 昨日の夜のニュースでは民主、共和両党の幹部の間でほぼ話し合いがついて、条件付きながら75兆円を支出する法案が議会を通過する予定だった。土壇場のどんでん返しは与党・共和党議員の造反だった。民主党が4割、共和党が7割もの議員が瀬戸際で反対した。まさに異例の事態である。

 ニュース解説では、国民が強く反対しているということと、任期満了のブッシュ大統領の求心力が弱まっていることが原因と論じている。777$は下げ幅としても史上最大の下落幅である。これに引っ張られた日本市場も東京終値が対前日483円の暴落ぶりだった。

 アメリカ国内に淀む金融不安が漂う中で、影響を受ける日本がこれから解散、総選挙など出来るのか。加えて、麻生首相は今年度の補正予算を何とか通そうと考えている。直ぐ解散するかどうかは、結局明日の小沢民主党党首の代表質問次第だろうか。それにしてもアメリカ市民の意思の強さと、結果的にはどうあれ、政府の行動を差し止める権利意識の強さには、感心するばかりである。はたしてアメリカの景気はこれからどうなるのだろうか。すでに、その影響はアジア、ヨーロッパばかりでなく、ロシアにも及んでいる。

 駒沢大学講座の菱山講師と片山講師の2つの講義で、昨日の首相の所信表明演説と中山前国交相の失言に対して厳しい指摘と批判があった。菱山講師は政治部に属して近くで取材していた経験上、首相の所信表明からは何のメッセージも伝わってこなかったと手厳しいコメントをされた。中山氏に対しては、話にならないとのコメントをされたが、私もまったく同感である。

 菱山講師が入室早々、学生たちがひとりもいないのにきょとんとされ、何か行事でもあるのかと気にされていた。結局1人2人と遅れて5人の学生が入ってきたが、菱山講師としては最初からいないのが腑に落ちないようだった。講師が最初から学生にいて欲しかった理由は、私の「自己紹介図」を学生に説明する(させる)ためで、引っ込み思案気味の学生たちにもっと積極的に行動して欲しいとのことであった。菱山講師には、大分ヨイショされてこそばゆい気持ちでもあった。

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504.2008年9月29日(月) 首相も大臣も少しピントがずれている。

 昨日辞任した中山成彬・前国交相が今日のテレビ出演で懲りもせず、反省というより持論を述べたそうだが、それを国民は理解してくれると言ったらしい。まだ、頑なに持論に拘っている。くどいようだが、大臣にしては自覚と常識がなさ過ぎる。野党からはもちろん自民党の内部からも厳しく批判されている。国交省の役人も困っている。当然である。東大から財務省のお役人になった人だが、まだ他にもこういう非常識な人間が財務省内には残っているのだろう。最近の財務省の庶民常識とはかけ離れた、ローレベルの役人の罪状は最近暴露されたばかりだが、そのOBも政治家になってまでこういう馬鹿騒ぎを起している。役人を何とか世間常識を備えた、人並みの人間にするためには、相当の苦労が強いられるが、ある程度国民運動にまで持っていく必要があるのではないかと思っている。

 その中山氏を大臣に任命して、任命責任を自認していた麻生首相は、就任後初めて国会で所信表明演説を行った。しかし、その演説内容と演説スタイルは、今までにないやり方だった。所信表明ではあるが、その中に総選挙で当面の相手となる民主党を強く意識し、かつ民主党への嫌味と質問を盛り込んだものだった。

 首相は自民党総裁就任前から民主党に対して露骨に対抗意識をむき出しにしている。ねじれ国会のせいで民主党と合意ができないことを強く批判し、補正予算案、消費者庁創設への賛否、日米同盟と国連ではどちらを優先か、インド洋補給活動継続への賛否、等について壇上で民主党へ逆質問する有様である。総理大臣として自分はどのような理念と哲学で、国家を導いていきたいとの高邁なスローガンがひとつもなかった。解散が近いと予想され、ほとんどの自民党議員が上の空で、これから真剣に国政について論議しようとの空気を感じない。今景気対策や、医療費問題で大変な時に、このていたらくである。

 政治家はダメ、役人もダメ。こうなるとわれわれ国民は国税をそんなに払う必要がないのではないかという気がしてくる。政治家と役人にそんなにお世話になっているわけではない。もう少し研究してみれば、国の金庫にはやり方ひとつでまだ余剰金が流れ込むような気がしてくる。徹底的にムダを省くことである。そのひとつが政治家と役人への好待遇を少しはがしてみることだ。

2008年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

503.2008年9月28日(日) 慶応アルペンクラブ創立50周年記念

 慶応義塾が今年創立150周年を迎えたが、慶応アルペンクラブも50年前に産声を上げた。今日午後銀座BRBで50周年記念OB会が開かれた。60名近いOBが出席した。卒業以来久しぶりに見る顔がいくつもあった。われわれの年代に近い参加者は、もう還暦を過ぎ定年を迎えている。中にはまだ仕事をしている仲間もいる。11月3日には、記念山行として上高地の五千尺ロッジ宿泊が用意されている。生憎韓国へ行くので、山行には参加できないが、同じ時代に一緒に厳しい登山をやった仲間がまだ元気でいるのは、やはり嬉しい。一口に同じ釜の飯を食った仲間というが、同じように汗をかいたからこそ分かり合えて気持ちも相通ずるものがある。登山に明け暮れたアルペンクラブの4年間は、ゼミとは異なるが同じように学生時代のグラフィティとして悔いなき思い出を残してくれた、素晴らしい青春だった。後年海外武者修行に出かけるようになったのも、あるいはその原点はアルペンクラブの4年間にあったのではないかとも思う。

 麻生政権が船出してまもない今日、中山成彬・国土交通大臣が度々の失言の責任をとって大臣を辞任した。中山大臣は、大臣という職を一体何と考えているのか。失言というより意図的なものを感じる。失言の連鎖もいささか幼稚である。特に、文科相時代の辛い思いでもあるのか、所轄でもない文科省に関係する不満や本音が噴出したようだ。以前から日教組の道徳教育反対に対して不快感を示していたが、なぜこれほどムキになっているのか、25日に「日教組の子どもなんて成績が悪くても先生になる」と言って、日教組の強い大分県教委の教員採用の不正は、日教組が原因であるかのごとき発言をして、指摘されるやすぐ撤回した。しかし、「日教組の強いところは学力が低い。だから大分県の学力は低い」と発言したがこれは撤回せず、昨日さらに追い討ちをかけるように「何とか日教組は解体しなければならない。日本の教育の『がん』である日教組をぶっ壊す」と激しい言葉で日教組を徹底的に非難した。失言では近来まれに見る、大立ち回りである。失言ではなく、持論を失言風?に見せかけただけである。この他にも成田空港建設反対運動に対して、「ごね得というが戦後教育が悪かった」と言って反対運動の活動家から猛烈な抗議を受け、撤回した。さらに、「日本は単一民族で内向きになりがち」と発言して、アイヌ民族から批判を浴び、これも撤回した。あまりにも連発される失言に対して野党は厳しい批判を浴びせ、自民党と国交省が対策を追われている間に本人の辞意、今日の麻生首相による解任となり、首相も任命責任を感じると認めざるを得なくなった。まあ大臣の辞任劇でも滅多にないお粗末である。こういうKY人は大臣になる資格もないし、国会議員になる資格もないと思う。

2008年9月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

502.2008年9月27日(土) 短大生相手に講義

 池袋にある東京交通短期大学で、特別教養講座のカリキュラムの一環として講義を担当した。「現場の大きな力と臨場感の大切さ」というテーマで、鉄道員としての経験と旅行会社社員としての仕事について、自分自身の海外ひとり旅から学んだ体験を話した。キーワードとして「自分の立ち位置」「現場と臨場感」「海外ひとり旅」について、持論を話し、受講生に若いうちにひとりで海外へ出かけることをけしかけた。受講生はほとんどが鉄道会社と旅行会社への就職を目指しているだけに、真剣に聴いてくれたと思う。ちょっと横道に逸れて、時間的に苦しくなり最後は端折って終わらざるを得なかった点がちょっと反省点である。久しぶりに若い学生を相手に、マイペースのまま話をすることができて楽しい講義だった。

 この講座をアレンジしてくれた助教の桑原賢二さんは、旅行会社時代の部下であるが、こうしてのびのびと教育分野で活躍してくれている姿を見ると嬉しくなる。

 先週小中陽太郎先生ご夫妻からご自宅へ食事に招かれていて今日7時前に妻と豪華なご自宅へお邪魔した。以前にもお訪ねしたことはあるが、今日はアルコールが入ることを念頭に車を諦め徒歩でお訪ねした。歩いてほんの15分程度だった。

 あまり知らない話から、「羞恥心」を描いた図解、小田実さんの話、東大で同級生だった大江健三郎さんの話、お孫さんの話、鵠沼周辺の話、父も一時検挙された参議院選挙違反、梅棹忠夫・梅原猛ら錚々たる血脈につながる奥様の家系等について大いに盛り上がり、11時近くまでお邪魔して楽しく話しこんでしまった。大江さんとご子息の光さん、お孫さんの闘病の話は特に興味深かった。高級ワインと奥様心尽くしのディナーをご馳走になりながら、楽しいひとときを過ごせた秋の一夜だった。

2008年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

501.2008年9月26日(金) アメリカの金融不安はどうなるのか?

 なんやかんやと七面倒臭い事件が後から後から起きる。アメリカの貯蓄貸付組合最大手の「ワシントン・ミューチュアル」が破綻した。JPモルガンが買収するらしいが、その値が約2千億円である。しかし、実際に破産時点のWM社の総資産は33兆円弱である。庶民の金銭感覚では天文学的な金額である。アメリカ経済も底をつき、金融不安が囁かれ出してから一向に回復の兆しが見られない。11月4日に行われる大統領選挙本選を前に、この金融危機に際して候補者討論を一時延期するようマケイン候補が持ちかけたり、ブッシュ大統領が2人の大統領候補者をホワイトハウスに呼んで救済対策に協力を求めたり、アメリカ政府、議会を挙げて、その対応にてんやわんやである。

 今日夜のNHKニュースで、仁徳天皇陵を世界遺産へ登録すると文化庁が発表した。仁徳天皇陵は、エジプトのクフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵墓と並んで世界3大陵墓と呼ばれているようだ。問題は、仁徳天皇陵が国の文化財産ではなく、宮内庁の管理下にあることである。「天皇家大事」に凝り固まっている宮内庁は、これまで歴代天皇陵の学術研究のための調査ですら一切認めてこなかった。従って現在の仁徳天皇陵が本当に仁徳天皇の陵墓であるかどうか、その信憑性についても確認はとれていない。学校教科書でも「仁徳天皇陵と言われている・・・」と一歩距離を置いた表現になっている。宮内庁が外部の調査を認めようとしないのには、それなりの理由はあるが、やはり天皇家代々の陵墓を民間人に踏み込まれたくないということと、天皇の祖先をあまり詳らかにされたくないということが大きい。

 しかし、世界遺産へ登録申請となると当然ユニセフの世界遺産事務局が調査をすることは確実である。果たして文化庁と宮内庁の間の話はついたのだろうか。

 今日26日は、ビルマで大規模な反政府デモが起きてちょうど1年になる。デモは徹底的に弾圧され、デモの中心となった僧侶は根こそぎ逮捕され、今僧院に対する監視は一段と厳しくなった。デモや反政府の火種は、根絶やしにされた。元々穏やかなビルマ人は諦めて、今ひとたびのデモ騒ぎは当分起こりそうもない。今年5月のサイクロン被害でも、軍政府は被災民に対して温かい援助の手を差し伸べることは、まったくやらなかった。国連や、諸外国も援助活動をビルマ軍政に頑なに拒絶され、成す術がなかった。国際社会もロシアと中国の賛同が得られず打つ手を欠いている。その一方で多くのビルマ国民が飢餓に苦しんでいる。哀れなのはビルマ国民である。

 昨25日には、カンボジアのフン・セン政権が24年目の長期政権をスタートさせた。WTOに加盟した2004年以降、4年連続で年率10%以上の経済成長を維持した開発政策での成果がフンセン体制を長期化させているようだが、この国もかつてポル・ポト政権時代に大量虐殺の「実績」がある国である。東南アジアの新しい紛争の根にならないことを願うばかりである。

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500.2008年9月25日(木) 安全な?米原子力空母横須賀入港

 今日から始まる多摩大学の「現代世界解析講座」秋季学期の第1回は、監修者の寺島実郎氏の講演で始まるので興味があったが、玉川青色申告会の第2回複式簿記講習会とダブったので、残念だが青色申告会の複式簿記講習会を優先した。複式簿記の何たるかがあまりよく判っていなかったが、振替伝票の記入、総勘定元帳の記入を実際に練習してみて、少しは分ったような気になってきた。やはりこういうものは、実際に演習を積んでマスターしていくことが重要だと思う。それでもやはり来年3月の個人事業者としての申告は初めてのことでもあり、これからも悩みが尽きないような気がする。

 今日横須賀港に米原子力空母「ジョージ・ワシントン」が入港した。横須賀市民の入港反対の声を押し切って、アメリカの都合のいい言い分に、唯々諾々と従った日本政府はまったく反対の意思表示をすることもなく要望を受け入れた。つい最近も唯一の核被爆国で、核拡散反対の先頭に立つべきわが国が、国民がまったく預かり知らぬ間に核不拡散反対の立場に立っていた事実を思い知らされたばかりである。元をただせば、自衛隊の前身である警察予備隊の設置に始まり、日米安保条約締結の流れの中でも、非核三原則を堅持するという強い覚悟をしてきたが、国連の強い要請によるPKO活動の一環であるとか、テロ撲滅とのこじつけによって強引に、イラク戦争に加担したり、アフガニスタン攻撃を後方支援したことである。日本政府が同盟国同士の約束によって行動すると言ってはいるが、このことは実は国民の安全をないがしろにして、国民を裏切ろうとする行為であり、不誠実さと狡さを露骨に曝け出している。

 今度の米空母の横須賀基地母港化の動きに対して、政府は日米同盟に基づくものだとアメリカ政府と同じことを言っている。アメリカ政府は、日本国民の放射能洩れを心配する反対の声に対して、事故はいままで起きていないから心配要らないと言って真剣に取り合わない。過去に事故がないから将来も事故はない、などと子供だましのような屁理屈を誰が信じるだろうか。現実に、安全と言われた原子力潜水艦が2年前には長崎で放射能漏れ事件を引き起こしている。今度の「ジョージ・ワシントン」だってハワイ沖で火災を起している。空母には軍事上の機密があるかも知れないが、日本側の立ち入りチェックも認めていない。これではとても信用なんか出来ないではないか。共産党からも、社民党からも今のところ空母入港に対して反対の動きがない。

 ダシに使われているのは、日本国と日本国民である。

 時も時、夕方になって、その横須賀地区を地盤とする小泉潤一郎・元首相が引退を公表した。麻生首相が決まったこの時期に、さっと身を引く辞め方も小泉流で鮮やかと思いきや、ちゃんと後釜を用意していた。何とその後継者が小泉氏の次男だという。またまた嫌な世襲ではないか。小泉氏らしからぬ禅譲だが、そのやり方は小泉氏が最も嫌った旧体質丸出しではないか。はっきり言って政治家なんて一皮剥けばどいつもこいつも腐りきっている。

2008年9月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

499.2008年9月24日(水) 麻生太郎氏、第92代総理大臣に!

 本当なら今日午後は駒沢大学講座があったのだが、松本整形外科に行き、「韓国隠退者協会」宛の資料作りをやっているうちに時間がなくなり、欠席することになってしまった。

 一昨日森内科で最近の血圧が上昇気味であることを話した。ずっと血圧降下剤なしに「上が120前後」と比較的安定していたが、先月末ごろから130を超えて、今月中旬から140を超えてしまった。森先生は松本医院でいただいているプレドリン錠を1mgから5mgに替えたことも影響しているかも知れないと診断されたが、当分血圧降下剤を服用しないでしばらく様子を見るということになった。今日その話の内容を改めて松本先生に伝えて、次回辺りに血液検査をやりましょうということになった。

 その後に何とか「韓国隠退者協会」から求められる資料を作成した。いくつかメール送信した資料の中で、定年後の生き方についてのレジュメ内容は即製ではあったが、何とか話したい主旨と例示をまとめた。定年退職者へ生きがいの話をするわけで、僭越だが身近な人間の例として、7年前93歳で亡くなった父を取り上げてみようかと考えている。八木会長も良いアイディアで、見知らぬ人より身近の人の方がよいと仰ってくれた。これからパワーポイントのスライドを分りやすいものに作成して、編集したいと考えている。力が入るところである。

 さて、今日麻生太郎が第92代総理大臣に決まった。衆議院では麻生氏を首班と決め、参議院では民主党の小沢一郎が首班と決定したが、規則により衆議院の決定が優先して麻生太郎が首相になった。予想通りである。新しい閣僚名簿には世襲議員がずらっと名を連ねている。大臣18人中11人が世襲議員である。中でも少子化担当大臣となった、元小淵元首相の次女、小淵優子氏のごときは高々34歳である。能力はあるのかも知れないが、どうも色眼鏡で見てしまう。与謝野馨・経済財政担当相は私と同じ年であるが、他の大臣はすべて年少者である。もうそういう時代になった。50歳代の大臣が多いが、そろそろ戦後不況を抜け出た時代に育った世代であり、あまり難問にぶち当たった経験も切り抜けた経験もない人たちが、国のリーダー役を務めるのだ。どうしても一抹の不安がある。安定した内閣と言っているが、麻生首相も公務員を押さえつけろと厳命を下していたが、本当に世襲議員の大臣に海千山千の役人どもをコントロールできるのか。実績を挙げられるかどうかは、一にかかって役人を真面目に国民のために働かせることが出来るかどうかである。相変わらずあまり当てには出来ないようだ。

2008年9月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

498.2008年9月23日(火) 王貞治監督今期限りで勇退

 プロ野球ソフトバンク・ホークスの王貞治監督が今シーズン限りで勇退することを発表した。ついに王さんも辞めるのかと考えると一抹の寂しさを禁じえない。突然の発表に地元福岡の人々は惜しむことしきりである。都内では読売が号外まで出している。一方、横綱・朝青龍は今日から休場となった。朝青龍の場合は日頃の行状、相撲態度からしてあまり同情はないようで、やる気がないのではないかと早や引退の噂まで流れている。日頃の精進、真面目さがどれだけ大切か、ということを教えてくれる。

 王さんには、7年前の暮れに母上の百賀のお祝いをお世話した時に、会場でドラフトで獲得したばかりの寺原投手(現横浜ベイスターズ)の話をしたことがある。昨夏お兄様の外科医王鐵城先生をお訪ねした時には、もう良いようだと仰っていたが、最近の監督の顔色を見ていれば、健康体でないのは明らかだった。もう辞められた方が本人のためにはよいと思っていた。私は監督の勇退に納得出来る。

 昨日舛添厚労相が発言した後期高齢者医療制度の改善がまた怪しくなってきた。昨日幻想だけ与えておいて、今日は良い制度にするとだけ言い、改善か現状維持とも言わない厚労相と麻生太郎次期首相は、医療制度とか高齢者の医療について一体何を考えているのか。相変わらず政治家は自分たちの都合しか考えない。発言に責任を持たない。選挙になるとペコペコするだけで、誠意や誠実さがまったく見られない。まあ、これが日本の政治家の実態だろう。

 11月に韓国で行う講演について、今日「知的生産の技術研究会」八木哲郎会長を通して、FAXが送られてきた。テーマについて概略を伺ったので、簡単なレジュメを考えてみた。主催者である「韓国隠退者協会」は政府と関係があるらしく、私の履歴、旅券、講演テーマ等について政府に申請するので資料を送付して欲しいということだった。ほぼテーマは「定年退職後いかに『生きがい』を持って、楽しく生きるか」と決め、明日にはペーパーに書き上げて早めに必要な資料を主催者に送ってしまいたいと考えている。さあまた忙しくなるぞ!

2008年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com