1352.2011年1月25日(火) 竹原信一・前阿久根市長の話を聞く。

 やはり只者ではないと感じた。竹原信一・前阿久根市長の本音である。今日日本財団で開かれた構想日本のフォーラムはテーマが予告と少々変わり、「これからの地方議会のあり方」と題して、竹原氏のほかに穂坂邦夫・前志木市長、土井裕之・さいたま市議が出席し、いつも通り加藤秀樹・構想日本代表がコーディネーターを務めた。

 それぞれ地方自治に関して経験の深い方々ばかりで、実体験から深みのある話を聞かせてもらった。竹原氏の話を期待したのか、200名ぐらいであろうか、聴講者はいつもより大勢で熱心に聞いておられた。質問者5人のうち3人が地方議員・元市長だったが、いま話題の竹原氏の発言に注目したのだろう。

 地方政治に詳しい「NPO法人・地方自立政策研究所」理事長でもある穂坂氏を始め、皆さんが一様に同意していたのは、現在の地方政治が活性化せず、馴れ合い政治になっているのは、わが国の地方制度がすべて2元制に定められていることに原因があるという点だった。さらに言えば、わが国では自治省の元にすべての自治体が揃ってこの2元制を採り入れていることが問題だとも指摘していた。イギリスでは各自治体がそれぞれの自治体に合った制度、つまり1元制か、2元制のどちらを選択するかを住民が決めることも出来る。

 竹原氏はこういうことも発言された。日本には身分制度が厳然として存在するが住民が気付いていないと度々発言していたのが印象的だった。それは、公務員という身分階級であり、好待遇に甘え権力を揮い、住民のための行政を行わないことを厳しく糾弾していた。これがため市長になったと繰り返していた。例えば、阿久根市民の平均年収は約200万円だが、市役所職員は約700万円だとその高給ぶりを非難していた。職員は既得権益と誤解しているし、議会と職員が癒着してお互いに利益誘導を行っているので、お互いを庇いあっていると厳しい指摘をされた。

 メディアから流れてくる情報だけでは確かに分らない。竹原氏が市長選で敗れた直後に、敗れたのは市職員組合とメディアのせいだと語ったが、竹原氏のメディア観には相当深い不信がありそうだ。竹原氏は防衛大学校から自衛隊に入り正義感が強いせいだろうか、むきになって話していたが、今日の感じでは確かにメディアの責任もあるかも知れない。竹原氏の言うことはかなり筋が通っている。でも、やはり地方都市のやり方としては少々強引との印象は拭えない。例えば、市長就任直後になぜ副市長としてわざわざ県外から警察OBを連れてくる必要があるだろうか。これでは反って市民から反感を買うことになる。もう少し周辺事情を研究し、良き参謀を抱えてじっくり持論を構築してそれを訴え啓発していけば、市民から受け入れられる素地は育まれると思うし、再び世に出る機会はあると思う。このまま消え去るには惜しい人材だと思う。

 それにしても約2年ぶりのフォーラムだったが、相変わらず加藤氏の巧みなコーディネーターぶりには感心した。流石「事業仕分け」を生み出した智恵者である。

2011年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1351.2011年1月24日(月) 自己流を貫く政治手法と政治の停滞

 今日から衆議院で通常国会が始まった。菅内閣は沈没直前のドロ船と揶揄されていて進路はまったく見通しが立たない。しかし、溌剌さが感じられない菅内閣もそうだが、衆議院議会場全体に沈滞した空気が流れ、菅首相以下大臣の所信表明演説を居並ぶ大臣や議場の議員先生はただ黙って、或いは居眠りしながら生気のない顔つきでぼんやり聞いているだけの情けない雰囲気が漂っている。

 各大臣のスピーチの中でも前原外相が述べた日本外交の進むべき道について、ひとつひとつ話す内容は誰が考えたのか知らないが、抽象的で実現性がまったく感じられない。例えば北朝鮮外交について、6ヶ国協議と並行して日本独自に北へアプローチする所存とのことだが、一体何をどうするのか。中身を語らないでは分らないではないか。これまでやってきたつもりの実のない対北外交を、まだ繰り返すことを表明しているだけに過ぎないではないか。

 それにしても一言で言えば、国会開会初日なのにまったく迫力もなく、精彩も欠く議場風景である。こんなことで日本政治のガバナンスは大丈夫だろうか。

 中央政治が頼りにならなくなったが、一方で地方政治も民主主義の根幹に関わる茶番劇を演じている。昨日名古屋市長選が告示され4人が立候補した。河村たかし前市長と市議会の対立が原因で、前市長が任期途中で辞職して信を問うと改めて行われる市長選である。行政の停滞、無駄な費用支出に市民もしらけているのではないだろうか。

 更に在任中専決処分ばかり行って議会と真っ向対立してリコールを成立され、選挙で落選した鹿児島県の竹原信一・前阿久根市長、そしていずれマグマが噴き出すであろう橋下徹・大阪府知事の言動等々、話し合い拒否で力づくの政治手法の横行は、民主主義に逆行するものであり、問題点を白日の下に曝け出すだけである。

 例えば、名古屋では河村前市長の提案である市民税10%減税、阿久根では竹原前市長が提案した市議会議員を16人から6人へ減員、大阪府では橋下知事の大阪市をなくして二重行政の廃止、大阪府を大阪都とする構想、などはもう少し時間をかけて住民が選んだ地方議会で徹底的に議論すれば良さそうなものだが、権力者というのは自分の描いた図式通りに政治を牛耳りたいのだろうか。

 民意にもっと真剣に耳を傾ける気持がないと、似たような政治の停滞は今後も起るのではないかと些か気になる。

 流石に一般からもチクリと批判的な声があがっている。今朝の朝日「声」欄に相模原市の70歳の読者から「首長の方針に反対する議員を選んだのも、その自治体の住民である。この事実を直視せよ」と頷ける意見が載っていた。

 タイムリーにも明日会員である政策シンクタンク「構想日本」で、「統一地方選を前に、地方自治体の本質を考える」とのテーマでフォーラムが開催され、パネリストとして竹原信一・前阿久根市長が出席される。どの程度本音を話されるか、楽しみに久しぶりに参加したいと思っている。

2011年1月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1350.2011年1月23日(日) 情緒溢れるシンガポール駅が廃止になる。

 今朝のテレビ報道番組を観ていて胡錦濤・中国国家主席が今回の訪米で国賓待遇を受けたことにやっと納得がいった。つまり胡主席は5年前訪米してブッシュ大統領と首脳会談を行ったが、その時は中国政府の強い要請にも関わらず、アメリカ政府は国賓としての待遇を受け入れなかった。しかし、今回中国はアメリカ政府へ充分な根回しのうえ強く要請して胡主席は、初めて国賓待遇を受けることになった。アメリカは中国の強い存在感と経済力に敬意を表して、最高の儀礼で胡主席をもてなしたということになる。これで面子を重んじる中国の体面は保たれ、加えて世界に中国の存在感をPRすることが出来た。

 それにも拘わらず、これまでの米中関係の歴史から、アメリカ国内では胡主席を国賓として迎えることに対して政府部内の一部に強い反対があった。中でもオバマ大統領主催の歓迎夕食会に招待された、下院議長が出席を拒否したり、世界最悪の人権蹂躙者をホワイトハウスへ招待することに反対であると露骨に非難した議員もいた。また、両首脳の記者会見では劉暁波氏の身柄拘束やチベット問題など人権問題に対する質問を受けた胡主席が狼狽して率直に応えなかった場面があったが、これは同時通訳が訳さなかったとも説明された。胡主席は各国にはそれぞれの国情があると理解を求めた。どうも人権問題にかかわると急に不自然、無視、回避の姿勢が目立つのが相変わらずの中国の対応である。

 今日の朝日朝刊でマレー鉄道の記事が目についた。それによると今年7月1日に現在のシンガポール駅が廃止になるという。マレー鉄道シンガポール領内北端のジョホールバールとこの駅間の鉄道を撤去してシンガポール駅は国境のウッドランズに移転する。この駅から北上してバンコックへ向かう場合は始発駅でもあり、それほど印象に残ることはないと思うが、バンコックから南下して最後にマレー半島を縦断して最後に辿り着くシチュエーションだとついエモーショナルな気分に捉われる駅である。何でもこの線路用地はマレーシア領地だったが、今回シンガポールに返還されるのに伴い線路を撤去するようだ。それにしても惜しい。バンコックから約2,000㎞だが、この廃止により距離が1%分、約20㎞短縮されることになる。それにしても、観光的にも魅力のある鉄道遺産のような価値のある鉄道をこうも簡単に廃止してしまうのはもったいない気がする。私自身この鉄道には全線を6回も縦断したので強い思い込みと未練があり、人一倍残念だという気がする。実際ヒット企画商品「マレー半島縦断鉄道2,000㎞の旅」を何度も企画して、下見調査や添乗員としても、また個人的な旅でもしばしばこの駅を利用した。このツアーは大当たりで何度もリバイバル商品として販売し、会社の名を高からしめた。今もってWikipediaで会社紹介を観るとマレー鉄道のツアー企画で知られると絶賛してくれている。

 しかし、一部のオリエント急行が姿を消していったように、情緒のある鉄道の旅は採算的にも成り立たなくなってきたのか、駅ですら消えてしまうのが実に惜しい。私の海外旅行業務を大きく占めた、このマレー鉄道には殊更思い込みが強い。多少路線が削られたとはいえ鉄道がなくなるわけではないので、いつかまた乗ってみたいと思っている。

2011年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1349.2011年1月22日(土) 中国とアメリカにとって損得はどっち?

 昨日独立行政法人・国民生活センターへ送付した寄稿について、編集者からその内容を好意的に評価するメールをもらい、発行誌のプロフィールに拙著の1冊を紹介してくれることになったので、「停年オヤジの海外武者修行」を紹介してくれるようお願いした。同書は先日発行元編集長から近い内に電子書籍化を検討すると聞いた。拙稿の記事に沿った写真と表も掲載してくれることになった。

 さて、鳴り物入りで訪米して持論を展開していた中国の胡錦濤・国家主席が帰国の途についた。米中両国ともに相互依存を確認した。だが、これまで不満を抱いていた点については軽く触れるだけで追い詰めることまではしなかった。何か奥歯に物が挟まったような首脳会談だった。人権、軍事、北朝鮮問題等については懸念を表明するだけで解決へ向けた議論をするところまでは行かなかった。

 それに引き換え、経済、貿易問題に関する話し合いでは両国ともかなり積極的だった。中国はアメリカとの協調関係を強めるために、アメリカが中国に対して抱いている不満を解消すべくアメリカの対中貿易の赤字削減に協力することを約束した。直ちに航空旅客200機の購入を含む3兆7千億円の商談を成立させ、現在の対米輸入額を5年以内に現状の1千億ドルから2千億ドルに倍増すると表明した。オバマ政権の掲げる「雇用創出」と「貿易赤字の削減」に協力してオバマ大統領の顔を立てるジェスチャーを示したわけである。2009年にアメリカから中国への輸出は、690億ドルだったのに対して、輸入は何と2960億ドルで、アメリカの対中貿易赤字は2270億ドルに達していた。

 これで経済問題上残る課題は安過ぎる「人民元」の切り上げである。ともかく表面的には大きな問題は噴出すことはなかった。

 今日アメリカのみならず世界が中国に対して一番懸念しているのは、中国軍部の急速な勢力拡大だと思う。軍事力もアメリカに次いで世界第2位のポジションにある。強大化する中国軍は、文民統制どころか、益々その権力を強めているようだ。最近の中国海軍の東シナ海、南シナ海周辺海域への進出に伴う拡張主義・覇権主義は軍が自分たちの思い通りに動き出した表れではないかと心配される。今や党も軍に対しては言論抑圧を強制出来ない不安がある。このまま軍部が力を蓄え、党・政府の意見を聞かなくなったら一気に暴走し、強大な軍事国家となり、軍事力をバックに国際社会において無理難題を振り回しかねない心配がある。西太平洋で中国がその存在感を強めれば強めるだけ周辺諸国にとっては脅威であり、アメリカにとっても重大な脅威となる。中国国内で一番心配なのは、軍事クーデターによる胡錦濤・国家主席政権転覆による軍事国家の成立である。

 今回の胡錦濤・国家主席アメリカ訪問は、言いたいことを封印して経済面の摩擦だけを取り繕った印象が強い。多くの問題は積み残されたままだ。両国の対立が内部でマグマとなっていくのではないだろうか。

 それにしても5年ぶりのアメリカ訪問を国賓としての公式訪問と報道していたが、外国VIPの国賓扱いは1度だけのはずである。昔外務省の依頼でシンガポールのリー・クワン・ユー首相(現顧問相)の箱根旅行を手配した時、外務省担当者からそのことをはっきり聞いた。その時2度目だったリー首相の日本訪問は国賓待遇の準国賓だった。胡主席はその外交慣例まで、アメリカに打ち破らせてしまったのだろうか。

2011年1月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1348.2011年1月21日(金) 森ビル・森稔社長のご実家はわが実家の近くか?

 日経紙夕刊に「心の玉手箱」と題する連載エッセイがある。今週の書き手は森ビル社長の森稔氏である。森社長は湘南高校の4年先輩でノーベル化学賞受賞者の根岸英一博士と同級生だが、偶々一昨日の夕刊には「京都から湘南へ」の小見出しで父親の勤務先の変更(京都高等蚕糸学校<現・京都工芸繊維大学>⇒横浜市立経済専門学校<現・横浜市立大学>)により、小学生時代に京都から藤沢市鵠沼へ転居して遊んだ自宅周辺の自然や野鳥の生態の様子が描かれている。掲載された江ノ電鵠沼駅の写真を見ると、その遠望はわが実家周辺である。懐かしい松の大木も見える。片瀬川辺りと近くの松林のこともよく書かれている。まったくかつて住んでいたわが家の環境と似ているので、自宅がお互いに近くだったようだ。11月に森社長に六本木アークヒルズでお会いした時は、お話しなかったが、この次にお会いしたら半世紀前の鵠沼事情についてお話してみようと思う。

 それにしても、父親の転勤で京都の衣笠から鵠沼へ引っ越されたトレースと私が同じように父親が明治乳業㈱京都工場長から本社へ転勤となり、中学校卒業直後に京都・桂から鵠沼へ引っ越してきたルートが同じようなのはちょっとしたサプライズである。まったく似たような人生行路というものがあるものだ。尤もあちらさんは、高校から根岸さんと一緒にストレートで東大へ進学し、当方は2年浪人してとても東大には歯が立たないのだから、所詮勝負にはならないが、これも人生の綾ともいうべきものだろう。

 さて、先日来取り掛かっていた「月刊国民生活」の4月号の特集原稿を脱稿したので、今日写真と書類を併せて国民生活センターへメールと郵便で送付した。先日の編集者との話では完全にお互いの意図が一致したとも思えないが、大きな考え方の相違はないと思っているので、向こうの意にそぐわなければ何とか言ってくるのではないか。

 それとは関係ないが、不思議なこともあるもので、偶然にも国民生活センターへ原稿を送った後の今夕の日経夕刊社会面に国民生活センターと間違えそうな怪しげな「国民生活相談センター」と称する組織が、消費者に偽電話をかけて問題になっているという記事が載っていた。関係者らしい振る舞いで偽の訴訟告知確認ハガキで架空の未払い金請求をしようとした。国民生活センターもえらい迷惑を蒙ったものである。それにしても前項の記事といい、どうしてこうもタイミングが合うのだろう。

2011年1月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1347.2011年1月20日(木) 中国GDP、日本を抜いて世界第2位へ

 中国の胡錦濤・国家主席が訪米し、ワシントンで盛大な歓迎行事が行われている。すでに晩餐会やら歓迎式典で終始にこやかな胡主席の姿が見られた。その中で胡主席とオバマ大統領の笑顔の中に、相手への牽制球を投げる思惑も垣間見られたのではないかと思う。米中間には依然として大きな壁がある。今では抜き差しならないほど両国の貿易面の相互依存は強い。相互の関係がこじれると困るのは、米中ともに同じである。お互いに少しずつ歩み寄りの姿勢を見せているが、国家としてその頑なな立場を主張するとどうしても対立点が表面化してくる。国際的スタンダードからすると中国の言動は、ほかの民主義国とは異質で受け入れ難い。どうも中国の唯我独尊的な考えを一方的に押し通そうとする強引さには、アメリカですら手を焼きアメリカ政府筋でも中国と距離を置いて考えている議員が多い。 

 現在最大の対立は、北朝鮮問題の取り組み、中国軍の拡大化、人権抑圧、不公正な貿易取引などだろう。今回の訪米で相互理解と対立解消はどれだけ前進するだろうか。常に国民の目を意識する中国では、胡主席の行動がアメリカ国内のメディアでどう注目されるかに気を配っているようだ。歓迎式典の場には、最高級の歓迎の気持を表すために赤い絨毯を敷き詰めるよう中国政府からホワイトハウスへ事前注文があったと聞く。中国国内での不満を抑え、プライドを誇示するためのメディアと国民を意識したヤラセである。その影響で昨年菅首相との短い会談では、笑いを見せなかった胡主席が今回の訪中では終始にこやかである。そんな田舎芝居はとっくに見透かされているのに、非民主国家の親分、胡錦濤たるもの裸の王様になって茶番を演じている。

 胡主席は中国の名門大学として知られる清華大学の出身と聞くが、そもそもこの大学は100年前の辛亥革命が起きた年に、当時のアメリカ政府が知米派を育成するために創立されたものだという。胡主席はその点で知米派のはずである。 

 時恰も今日発表された2010年の国内総生産(GDP)は、まだ日本のGDPは発表されていないが、中国が経済大国で世界第2位の地位を築いたことは間違いないようだ。近年中国は日米欧とは対照的な高度経済成長を実現している。あくまで予測であるが、2015年には中国は日本を遥かに凌駕して、中国:日本=1:0.6くらいの成長比率になるらしい。どこまで中国は伸びるのか。人口比率が日本の10倍もある国でもあり、1人当たりに換算すれば、まだ日本の方が遥かに豊かだということは言える。しかし、日本だっていつまでも安閑として中国の後塵を拝してはいられない。ここは双方が本音を言わない米中会談の行方をしっかり見守りたいと思っている。

2011年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1346.2011年1月19日(水) 東大紛争から42年

 最近わが国の政治がまったく前へ進まないような印象を受ける。24日ごろ通常国会が開かれるということだが、1本釣りした与謝野馨・経済財政大臣へ党内外から猛烈な批判が上がり、仙石由人・前官房長官の後釜として政策全般の仕切り役を期待されていた与謝野氏が野党攻勢で動きが取れなくなっているからである。

 加えて相も変わらず、小沢一郎・元民主党代表の政治倫理審査会への出席が宙に浮いたままになっている。小沢氏は出席しないと言い、反小沢派議員は返事を明日までにと回答期限をつけ、自民党では小沢氏が起訴された場合、議員辞職勧告決議案を提出する方向で検討に入ったと報じられている。どちらにしろいつもながらの国会議員族のもめごとであり、国民としては呆れて見ているばかりである。

 経済面でも一向に明るい兆しが見られないが、今朝の日経紙の株式欄を見るとアジアの主要な株式市場でアジア各国株が低調なのに比べて、昨年末より日本株の堅調が目立っているという。どうも信じ難いが、実際主要株価指数騰落率では、香港に次いで2位になっている。以下韓国、シンガポール、台湾、タイの順であるが、理由として先進国の金融緩和による食品・エネルギーの国際価格高騰でインフレ懸念が急速に台頭してきたことが大きいようだ。それに反して日本企業はエネルギー効率が高く、資源・原材料価格上昇への抵抗力があると見られていることにある。嬉しいような気もするが、一過性の恐れなしとしない。消費が低迷し、全国の百貨店の売上高は、14年連続で対前年比減少だそうだから、当分明るい材料がない。大学生の就職市場もぱっとしない。

 政治も経済もまったくダメだ。いつになったら光が見えてくるのだろう。

 さて、チュニジアの政変がいろいろな意味で世界に大きな影響を与えている。特にアラブ諸国では明日はわが身となるのを避けるために、いろいろな手を打っているようだ。チュニス市内のデモが続いているが、イェメンの首都サヌアでもデモ騒ぎが起きた。今回のチュニス市内のデモのきっかけは路上の屋台商売を行っていた若者が警官から排除され、抗議の焼身自殺を行ったことが導火線になったが、インターネットで扇動した新しい機能として「フェイス・ブック」があったという。急に世界的に注目されるようになったこのFBがよく分らない。昨日の朝日紙上でスペースを割かれていたが、どうも分かり難い。数日前ある人からFB登録のメールを受け取った。朝日によれば、すべて個人的な情報を公開するようだから、それはご勘弁いただきたいと思っている。

 42年前の昨日と今日の2日間が、かの東大紛争が頂点に達した時だった。最早60年安保から時も経ち、外部から覗いていただけだったが、テレビで観たあの安田講堂に向けて放水していた光景をまざまざと覚えている。結局幹部がほとんど逮捕され、期待されていた翌年の70年安保反対デモは骨抜きになり、60年安保に比べてあまりにも力不足で竜頭蛇尾に終わってしまった。いずれにしろ昔日のセピア色の思い出である。

2011年1月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1345.2011年1月18日(火) 内向き志向の学生に厳しい試練

 経済が一向に回復の兆しを見せていない中で、大学生の就職内定率が昨年10月時点から好転せず、今日発表された12月の内定率は、大学生が68.8%で前年を4.3%も下回った。どうにもこうにもこればかりは、問題解決の秘策は景気回復しかない。この数字は同じ方法で統計を取り始めた1996年度以降で初めて70%を割り込み、最悪の水準でバブル崩壊の大学生就職氷河期を凌ぐ超氷河期に入っているという。

 それでも企業の学生に対する求人倍率は1.28倍で、会社の選り好みさえしなければ数字上は全員就職が可能である。だが、現代っ子は安定志向で大会社志望が強く、従業員1,000人以下の企業の求人倍率が2.16人もあるのに対して、1,000人以上の大企業の求人倍率が0.57倍だという。学生も考えを変えて、望まれる企業へ飛び込んで自分が小さな会社のリードオフマンとなって働くくらいの気概を持つようでないとこの状況は改善されそうもない。中小企業の会長がしきりに学生を口説いていたが、やりがいとか、海外勤務に関して最近の内向き志向の学生の反応が今ひとつらしい。高校生の就職状況も決して良くはないが、それでも昨年よりは良いという。高校生は贅沢も言わず、きっと選り好みをしないからだろう。

 学生の内向きで、安定志向の傾向は大学生の海外留学傾向にも表れている。中国や韓国からアメリカへ留学する学生が飛躍的に伸びているのに反して、日本人留学生は2004年をピークに下がる一方で、2008年まで5年連続で減少している。それだけ海外へ出ようとのチャレンジャー精神が今の学生には欠けている。

 それにしてもしばしばテレビ画面に写される就職活動中の学生たちの苦戦ぶりを見るにつけ、気の毒に思えて仕方がない。学生たちに罪があるわけでもないのに、いくつもの企業の試験をかけもちしながら、希望就職先を早く内定させたいとの真剣な顔を見るのはわれわれにとっても辛い。

 翻って自分の就職はどうだったかと考えてみると、こんな真剣な顔で就活なんてやっていなかった。景気が良かったということもあったが、いずれ決まるだろうぐらいの軽い気持だった。

 さて、今日は浅草で5、6、7月に各1回講義予定の「世界の都市を知る-ヨーロッパ編」の打ち合わせのため、台東区今戸社会教育館へ出かけ、担当者と話し合った。これは講師登録している「シニア大楽」の紹介・斡旋によるものだが、台東区の生涯学習プランのひとつで、ヨーロッパ旅行を計画している50歳以上の人たちを対象に6回開催される。6回のうち半分の3回を私が担当し、イギリス、フランス、その他のヨーロッパ諸国についてこれからどういう取り組みをするか気の利いた講義内容を考えなければいけない。せっかくのチャンスであるので、受講者にも楽しんでもらえるような講義をしたいと考えている。

 この今戸社会教育館について前以て電話で尋ねたが、アクセスが中々分かりにくい。そこで地番を頼りに地図を持って地下鉄浅草駅から隅田川に沿い歩いてみることにした。快晴で無風状態だったせいもあり、些か寒かったが爽やかなウォーキングとなった。いま話題の東京スカイツリーを横目に見ながら川べりの隅田公園を初めて歩いた。土手の散歩コースは中々良い。夏になれば多くの観光客がそぞろ歩きを楽しんでいるんだろう。講義は夏になるので、その時期を楽しみにしようと思う。

2011年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1344.2011年1月17日(月) 竹原信一・前阿久根市長敗れる。

 神戸・淡路大震災から今日で16年である。神戸を始めとして、日本各地で大地震に備えたシミュレーションを行っている。サンフランシスコやトルコで大きな地震に遭ったことがあるが、こればかりは2度と味わいたくない恐怖である。だが、地震は突然襲ってくるので、逃げようがない。せめて被害を少なくすることしか考えられない。

 さて、地方政治の中で全国的な話題を集めていた鹿児島県阿久根市の出直し市長選挙が昨日行われ、竹原信一・前市長が新人で前市長のリコール運動を進めた市民団体の役員だった、37歳の西平良将氏に敗れた。

 中央から離れた1地方の市長選が全国的にこれだけ注目されたのも、過去2年半で3度も行われた市長選のせいである。狂気の沙汰と呼んでもおかしくない。これだけ世間離れなことをやっていれば、辛らつに言って日本中の恥晒しになる。世間常識では計り知れない地方政治の不透明さが、噴出したような印象を受ける。

 自衛隊出身者らしくある面で正義感の塊のような前市長の目指す方向性は、ある程度受け入れられていた。しかし、その手法があまりにも独断的で、議会や職員を無視した性急なやり方が批判されたのだ。過去に議会と対立して2度も不信任を決議され、それでも前回の市長選では再選されている。この時点ではまだ多くの支持者がいた。にも拘わらず、ここへ来てあまりにも議会無視が目立ち出し、昨日の3度目の市長選で遂に敗軍の将となった。

 近年東国原英夫・宮崎県知事、橋下徹・大阪府知事、河村たかし・名古屋市長、そしてこの竹原信一・前阿久根市長のように個性的な首長が進出するようになった。地元の実情を日本中に広く訴える点では大いに効果的であり、決してその行動を否定するものではない。問題は彼ら首長の主張や行動が、個人的なパフォーマンスに終始していないかどうかと言う点にある。選挙前にはあれだけ支持を懇請しておいて中央政界へ進出しようとしている宮崎県知事や、色気満々の大阪府知事と名古屋市長らに対しても、最初に将来ビジョンや方向性、本心をすべて曝け出せと言いたい。

 今回の阿久根市長選では、竹原氏の考え方に賛同する市民もかなりいた。竹原氏の読み違いは議会と市職員を完全に無視したことだろう。市民に直接訴えると言い、街頭で理念とビジョン、政策を訴えた。それは良い。だが、自分の考えを議会にも諮らず、一方的に決定しようとする専決行動では、大方の理解は得られまい。議会議員だって市民から選出されているわけで、その意味では前市長は市民の意見をネグっていたということになる。往生際もあまり良くない。反省の言葉はなく、敗戦の弁は「職員組合と報道に負けた」というものだった。

 新市長もこれからが正念場である。前市長の方向性は間違っていないと述べている。ここは、今後どうやって話し合いの中で行政を進めるかということであり、若手市長の手腕が問われるところだろう。しばらく注目して見てみたい。

2011年1月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1343.2011年1月16日(日) アメリカ大陸に新たな石油埋蔵地

 「選択」1月号によると今後世界の石油市場が変わるかもしれないという。それを象徴するエポックメークな現象がアメリカで現実化しつつあるようだ。北米大陸の砂岩からタイト・オイルが採掘出来そうだという。これまで石油と言えば、中東地域の砂漠における掘削や、昨年メキシコ湾で火災が発生した海底油田に象徴される。だが、海底油田の開発には巨額の費用と長い年月がかかるうえに事故の心配が大きくなった。砂漠から得られる石油については、カタールが「世界に天然ガスを安定供給できる国はカタールしかない」と胸を張り、売り手市場をよいことに国際石油価格を手玉に取るほど中東諸国の独壇場だった。ところがアメリカで新たにタイト・オイルの実用化が現実味を増してきたことにより、産油国である中東諸国とロシア国内では、今までのように売り手市場を有利に利用出来る機会が減少するのではないかと胸の内は穏やかではない。

 では、このタイト・オイルとは一体何だ?日本人でもあまり気付いている人はいないらしいが、硬く固まった砂岩(タイト・サンド)の中から石油を取り出すらしい。そして、その埋蔵量は在来型石油の5倍以上もあり、その埋蔵場所も北米大陸に偏在しているというから、アメリカにとっては願ったり叶ったりだ。また、この非在来型石油の台頭が世界の産油国勢力図を一変させようとしていることで、これまでの産油金満国や、アフリカに広く資源獲得外交を行い石油掘削工事に熱心な中国をドキリとさせている。

 現在石油の消費は毎年着実に増え、その供給は産油国の外交カードにも使われているほどである。世界最大の石油消費国であるアメリカに、新たな石油資源が発見されたとするなら、アメリカは追い縋ろうとする中国を始め、ロシアや石油産油国をぶっちぎってダントツで世界に君臨するようになるだろう。

 中国を始めとする各国のガソリン車の販売台数の伸びを見ると、石油市場の活性化は疑問の余地もなく、日量の消費は1億バレルに達するが、一方で地球温暖化や再生可能エネルギーの普及によって脱石油政策が進み、日量9千万バレルに抑えられるとの声もある。

 タイト・オイルは、アメリカが2011年を世界最大の産油国として復活する年になるテコになるだろうとも推測されている。

 大きなお世話かもしれないが、働かずとも現金が手に入り「濡れ手に粟」でがめつい中東産油国や、アフリカ大地を石油の採掘権獲得により引っ掻き回している中国、など成金国家にきついお灸を据える意味ではアメリカのこの新しい石油開発は効果的だと思う。そもそも石油消費自体があまり地球生存のためには好ましくない観点から考えれば、とりあえず豊かなアメリカに石油が採れるメドが立ったということは、無秩序な石油開発に警鐘を与えてくれるのではないかと、むしろ喜ばしいことだと思考するがいかがなものだろうか。

2011年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com