1345.2011年1月18日(火) 内向き志向の学生に厳しい試練

 経済が一向に回復の兆しを見せていない中で、大学生の就職内定率が昨年10月時点から好転せず、今日発表された12月の内定率は、大学生が68.8%で前年を4.3%も下回った。どうにもこうにもこればかりは、問題解決の秘策は景気回復しかない。この数字は同じ方法で統計を取り始めた1996年度以降で初めて70%を割り込み、最悪の水準でバブル崩壊の大学生就職氷河期を凌ぐ超氷河期に入っているという。

 それでも企業の学生に対する求人倍率は1.28倍で、会社の選り好みさえしなければ数字上は全員就職が可能である。だが、現代っ子は安定志向で大会社志望が強く、従業員1,000人以下の企業の求人倍率が2.16人もあるのに対して、1,000人以上の大企業の求人倍率が0.57倍だという。学生も考えを変えて、望まれる企業へ飛び込んで自分が小さな会社のリードオフマンとなって働くくらいの気概を持つようでないとこの状況は改善されそうもない。中小企業の会長がしきりに学生を口説いていたが、やりがいとか、海外勤務に関して最近の内向き志向の学生の反応が今ひとつらしい。高校生の就職状況も決して良くはないが、それでも昨年よりは良いという。高校生は贅沢も言わず、きっと選り好みをしないからだろう。

 学生の内向きで、安定志向の傾向は大学生の海外留学傾向にも表れている。中国や韓国からアメリカへ留学する学生が飛躍的に伸びているのに反して、日本人留学生は2004年をピークに下がる一方で、2008年まで5年連続で減少している。それだけ海外へ出ようとのチャレンジャー精神が今の学生には欠けている。

 それにしてもしばしばテレビ画面に写される就職活動中の学生たちの苦戦ぶりを見るにつけ、気の毒に思えて仕方がない。学生たちに罪があるわけでもないのに、いくつもの企業の試験をかけもちしながら、希望就職先を早く内定させたいとの真剣な顔を見るのはわれわれにとっても辛い。

 翻って自分の就職はどうだったかと考えてみると、こんな真剣な顔で就活なんてやっていなかった。景気が良かったということもあったが、いずれ決まるだろうぐらいの軽い気持だった。

 さて、今日は浅草で5、6、7月に各1回講義予定の「世界の都市を知る-ヨーロッパ編」の打ち合わせのため、台東区今戸社会教育館へ出かけ、担当者と話し合った。これは講師登録している「シニア大楽」の紹介・斡旋によるものだが、台東区の生涯学習プランのひとつで、ヨーロッパ旅行を計画している50歳以上の人たちを対象に6回開催される。6回のうち半分の3回を私が担当し、イギリス、フランス、その他のヨーロッパ諸国についてこれからどういう取り組みをするか気の利いた講義内容を考えなければいけない。せっかくのチャンスであるので、受講者にも楽しんでもらえるような講義をしたいと考えている。

 この今戸社会教育館について前以て電話で尋ねたが、アクセスが中々分かりにくい。そこで地番を頼りに地図を持って地下鉄浅草駅から隅田川に沿い歩いてみることにした。快晴で無風状態だったせいもあり、些か寒かったが爽やかなウォーキングとなった。いま話題の東京スカイツリーを横目に見ながら川べりの隅田公園を初めて歩いた。土手の散歩コースは中々良い。夏になれば多くの観光客がそぞろ歩きを楽しんでいるんだろう。講義は夏になるので、その時期を楽しみにしようと思う。

2011年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com