最近わが国の政治がまったく前へ進まないような印象を受ける。24日ごろ通常国会が開かれるということだが、1本釣りした与謝野馨・経済財政大臣へ党内外から猛烈な批判が上がり、仙石由人・前官房長官の後釜として政策全般の仕切り役を期待されていた与謝野氏が野党攻勢で動きが取れなくなっているからである。
加えて相も変わらず、小沢一郎・元民主党代表の政治倫理審査会への出席が宙に浮いたままになっている。小沢氏は出席しないと言い、反小沢派議員は返事を明日までにと回答期限をつけ、自民党では小沢氏が起訴された場合、議員辞職勧告決議案を提出する方向で検討に入ったと報じられている。どちらにしろいつもながらの国会議員族のもめごとであり、国民としては呆れて見ているばかりである。
経済面でも一向に明るい兆しが見られないが、今朝の日経紙の株式欄を見るとアジアの主要な株式市場でアジア各国株が低調なのに比べて、昨年末より日本株の堅調が目立っているという。どうも信じ難いが、実際主要株価指数騰落率では、香港に次いで2位になっている。以下韓国、シンガポール、台湾、タイの順であるが、理由として先進国の金融緩和による食品・エネルギーの国際価格高騰でインフレ懸念が急速に台頭してきたことが大きいようだ。それに反して日本企業はエネルギー効率が高く、資源・原材料価格上昇への抵抗力があると見られていることにある。嬉しいような気もするが、一過性の恐れなしとしない。消費が低迷し、全国の百貨店の売上高は、14年連続で対前年比減少だそうだから、当分明るい材料がない。大学生の就職市場もぱっとしない。
政治も経済もまったくダメだ。いつになったら光が見えてくるのだろう。
さて、チュニジアの政変がいろいろな意味で世界に大きな影響を与えている。特にアラブ諸国では明日はわが身となるのを避けるために、いろいろな手を打っているようだ。チュニス市内のデモが続いているが、イェメンの首都サヌアでもデモ騒ぎが起きた。今回のチュニス市内のデモのきっかけは路上の屋台商売を行っていた若者が警官から排除され、抗議の焼身自殺を行ったことが導火線になったが、インターネットで扇動した新しい機能として「フェイス・ブック」があったという。急に世界的に注目されるようになったこのFBがよく分らない。昨日の朝日紙上でスペースを割かれていたが、どうも分かり難い。数日前ある人からFB登録のメールを受け取った。朝日によれば、すべて個人的な情報を公開するようだから、それはご勘弁いただきたいと思っている。
42年前の昨日と今日の2日間が、かの東大紛争が頂点に達した時だった。最早60年安保から時も経ち、外部から覗いていただけだったが、テレビで観たあの安田講堂に向けて放水していた光景をまざまざと覚えている。結局幹部がほとんど逮捕され、期待されていた翌年の70年安保反対デモは骨抜きになり、60年安保に比べてあまりにも力不足で竜頭蛇尾に終わってしまった。いずれにしろ昔日のセピア色の思い出である。