1362.2011年2月4日(金) 中国人とのビジネス・パートナーシップの要諦

 「JAPAN NOW観光情報協会」の定例観光立国セミナーが開かれ、山下巌・ラオックス顧問が「中国企業の傘下に入ったラオックス」というテーマで講師を務められた。大手家電量販店・ラオックスは山下氏が社長だった2009年6月、中国の蘇寧電気と資本提携した。まさに山下氏は提携ドラマ仕掛けの中心人物だったのである。1990年に現在47歳の張近東氏が設立した蘇寧電気は、今日ではその従業員数は12万人を数え、2009年の年商は1兆6千億円を売上げている成長著しい新興企業である。

 中国資本の受け入れ提携契約前、ラオックスの外部役員は、全員がこの資本提携に反対だったという。反対の理由は、上場会社だったラオックス株式の34%を獲得した蘇寧側に主導権を奪われるとの懸念があったからである。山下氏の話では、ラオックスはその当時7年間に亘って赤字決算が続き、金融機関からの融資も得られず、経営は破綻寸前だったという。このままでは資金がショートして破綻すると考えた山下氏は、敢えて周囲の反対を押し切り提携話を進めて中国企業の傘下に入った。

 この過程で湘南高同級生大塚武夫くんが関係する中文産業の紹介と斡旋により、蘇寧電気が融資を引き受けることになり、蘇寧とラオックス両社間に協力関係が築かれた。当初中国企業との資本提携の説明を金融庁が受け入れてくれず、納得して理解してもらうまで大分苦労したと話された。蘇寧側にも販売戦略上「ラオックス」のブランドに強い関心があり、結果的に中国市場にも店舗展開を図ることが出来て、日本国内のラオックスの経営状況も回復している。本社は日本に置いているが、ラオックス役員の7人のうち5人が中国人で、会議は中国語で行われ、社内も中国語が飛び交っている。それでも会社と社員にとって経営が安定したことにより、ハッピーだと感じられるようになったという。

 一般論として、日本人の間には中国企業のみならず、外国企業による企業買収、或いは資本提携に関しては些か抵抗感がある。国もそう考えているようだし、企業の当事者である役員もそうだ。

 しかし、山下氏はこの資本提携をやって良かったと述べておられた。実際行き詰まった企業が外国企業の資本融資によって立ち直り、経営が安定し、そのことを社員は幸せだと感じている。オーナーがどこの国の人であれ、会社が繁栄し、社員が恩恵を受け、幸せだと思うなら、あまり気にする必要がないとも山下氏は言っている。国際時代のビジネスというのは、そういうものなのだと思う。

 今日のセミナーでは、外国企業との資本提携の実務経験者が企業の国際業務提携話の内部事情を率直に話してくれた。その他にも「簡単には他人に頭を下げない」「メンツを重視する」「実利的である」と中国人の特徴、性癖について話してくれた。中国人をビジネス・パートナーと考えた場合の要諦を伺えたように思う。

2011年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1361.2011年2月3日(木) 大相撲の取り組みで八百長が・・・。

 またやってくれた! 大相撲の八百長である。これまでも度々賭博に関与したとの疑惑が問題視され、その都度日本相撲協会は疑惑を否定してきた。だが、今度ばかりは相撲協会も言い逃れは出来そうもない。これまでのように外のスポーツへ賭けていたという次元ではなく、相撲界組織内部において内部の人間が起こした身内の不祥事だからである。警察は八百長だと想像される会話のやり取りを消去したメールを復元し、証拠品として相撲協会へ提供したのである。これまでのように、確たる証拠がないのを好いことに、八百長を無気力な相撲と言葉を誤魔化し、八百長自体の存在を否定し続けてきた協会も、いよいよ逃げ切れなくなったと言ってもいい。怪しいと見られた14人の関係者のうち、早くも3人の当事者が八百長をやっていたことを認めた。開会中の国会でも取り上げられ、高木文科相が事実関係を報告し、菅首相もあってはならないことだと憂慮する発言をした。

 昔から相撲界にはとかく八百長の噂が挙がり、週刊誌でも元力士の暴露発言として大きく取り上げられたこともある。今回八百長を否定する相撲協会と週刊誌出版会社の間がこじれ裁判沙汰にもなっている。裁判では証拠不十分としてこれまでは相撲協会側の言い分が通っていたが、今度こそはれっきとした証拠を警察によって突きつけられたことにより、相撲協会の立場は極めて苦しくなった。

 昨年野球賭博が世間を騒がせた時に、あるスポーツ新聞編集の関係者で相撲界の内部情報に詳しい人から八百長相撲は絶対あると聞いた。特に、横綱・千代の富士について回った噂は知る人ぞ知ると言われ、その筋ではごく当たり前の話と受け取られているとも聞いた。真偽のほどは定かではないが、かなり相撲界の事情通でもあり、その噂を聞いた時はひょっとするとあり得ることだと思ったくらいである。

 これから相撲協会はこの八百長事件の対応に追われて大変な努力を強いられると思う。これまでは閉ざされた社会の中で自分たちの狭い世界の中で育ってきた人間だけでことを処理してきた。甘い庇護の中でぬくぬくと繁栄を享受してきた。こういう世間知らずの相撲協会役員は、世間に対してこの不祥事をどのように釈明するのだろうか。恐らくこれだけの大問題を相撲協会の理事長以下の役員が世間を納得させられるような説明が出来るとは、これまでの対応を見ていてとても考えられない。

 さて、混乱のエジプトであるが、事態が変わった。タハリール広場で反ムバラク派の群集が集まっている中へ突然ムバラク支持派のラクダ、馬軍団がなだれ込んできた。軍隊は見て見ぬふりをしていて制御しないようだ。血で血を洗う騒動に発展している。ムバラク支持者がピラミッド周辺で手持ち無沙汰の観光ラクダ業者を買収して、反ムバラク集団へ突っ込ませたようだ。勿論死傷者が出たことは言うまでもない。ムバラク大統領がいかに否定しようとも、国際社会の非難を浴びることは間違いない。益々事態の予測が出来なくなってきた。

2011年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1360.2011年2月2日(水) エジプトに隠れてビルマの民主化が怪しい。

 ついにムバラク・エジプト大統領が折れた。来る9月の大統領任期満了まで任務を全うし、大統領選に立候補せず引退するとテレビ演説を行った。国民の要求に屈したのである。しかし、これで問題が解決したわけではない。国民は9月まで待たずに、今すぐに辞職せよと強く要求し、デモの勢いが衰える気配はない。さあ、ムバラクどうする? アメリカ政府も現時点で民主的政府への移行を求めている。アメリカはムバラク大統領を完全に見限ったのである。明後日の金曜日がイスラム教徒の求める大統領辞任の期限である。

 さて、エジプトにばかり目が移っている間に、アジアの非民主化国家ビルマの政情が注目を集めている。国際社会の批判をかわすために見せかけだけの民主的な国選を行い、同時に民主化運動のリーダーであるアウン・サン・スー・チーさんを軟禁から解放し、国際社会の声に耳を傾けたようなジェスチャーを演出した。

 昨日新しい議会の下で初めて偽装民主化議会が開かれた。今度の議会で注目されるのは、軍人出身者が大多数を占める議員による3人の副大統領候補者の選出である。意外なのは、軍政のトップに君臨し、悪評高いタン・シュエ・国家平和発展評議会議長がその副大統領候補者に自ら名乗り出なかったことである。3人の候補者から大統領が選出される決まりになっており、このままではタン・シュエ氏は大統領の地位に就けない。ただ、国際的な評価を意識して敢えてトップの職に就かなくても、背後から政治を操ることが出来る軍政翼賛政党「連邦団結発展党(USDP)」名誉総裁の地位に就くのではないかとの見方もされている。いかに77歳の高齢とはいえ、したたかタン・シュエがこのまま消え去るとは思えない。

 スー・チーさんの静かな活動もやや気になるところである。厳しい自宅軟禁に懲りて正面から軍政を批判する行動には今のところ出ていない。そこまで軍政はスー・チーさんの気持をひるませてしまったのか。これでは当分の間ビルマの民主化は望むべくもない。

2011年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1359.2011年2月1日(火) いよいよムバラク政権も年貢の納め時か。

 エジプトが大きく揺れている。これまでアメリカは自国の中東政策の立場から、イスラム過激派と一定の距離を保ちながらイスラエルとも比較的友好的なムバラク政権を財政・軍事両面で支えてきた。この安定したムバラク政権が倒れることは、アメリカの中東政策の根幹を揺るがしかねない。何とかムバラク政権に命脈を保ってもらいたいというのがアメリカの本音である。そのため、ムバラク政権打倒を掲げるデモ隊に自重を促してきた。しかし、反ムバラクの声は日に日に勢いを増し、一触即発の様相を見せてきた。下手をするとエジプトがイスラム急進勢力に制圧されかねない。

 遂にアメリカも我慢しきれず、現状のムバラク政権を見放すことに腹を決めたようだ。「エジプト国民の願望に応じる政府への秩序ある移行を支持する」とクリントン国務長官が公式発表した。今日エジプトでは、タハリール広場を中心に100万人デモが計画されている。軍部が必ずしも政府の意向に沿わず、デモが平和的なら彼らに向けて発砲しないと発表したことが民衆を力づけることになった。

 この様子では一両日中にムバラク政権が崩壊することもあり得るのではないだろうか。奢れる者は久しからずというには30年はあまりにも長過ぎたが、流石に独裁を誇ったムバラク大統領も年貢の納め時を迎えようとしている。

 さて、国内では相変わらず霧島連山・新燃岳の噴火に住民は恐怖感を抱いている。昨日まで直径50m程度だった溶岩ドームが今日には500mほどに急速に広がり、このままだと火砕流が流出する恐れが出てきた。

 日本海側の積雪は過去2番目の積雪量と発表された。北陸では道路上に1,000台以上の車が立ち往生したり、JRも運行中止になるやら、最近では見られない市民生活への打撃である。

 いずれも自然現象であり、やむを得ないというところだが、自然の猛威は一体いつになったら矛を収めてくれることだろうか。

 例年通り確定申告の時期が迫ってきた。毎年申告書類が送られてくると気持が落ち着かない。何せ面倒な書類の書き込みと帳簿・領収証の整理があるからである。2年前から個人事業主として税務署へ申告しているが、すべて手作業で行っているので、書き込みだけでも時間がかかる。昨年も来年(つまり今年のこと)こそは、PCで申請出来るようソフトを買って研修を受けようと思いながら実行出来ずに、今年も申告の時期がやってきた。不味いことには、昨年折角揃えていたゴム印を紛失してしまい、手書きで記入せねばならず、その分余計に手間がかかる。今や手書きは時代遅れとなり、ゴム印を販売している文房具店もなくなってしまった。この事実は現代ではPCで申告せよと圧力をかけているようなものだ。これから申告書類を作成して、青色申告会でチェックしてもらい税務署へ提出するまで気が重い。反省を踏まえて来年こそはPCで申告出来るようにしたい。

2011年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1358.2011年1月31日(月) エジプトのデモが心配なら、日本の政治も心配だ。

 エジプトが今や機能不全に陥っている。街の治安を管理していた警察も、治安部隊も街頭から引き上げて一部には無政府状態になっているところもあるらしい。住民は自衛組織を造り暴徒から自主的に身を守っている。すでに死者も150人を超え、エジプト国内に留まっている日本人観光客は昨日までは搭乗機のフライト・キャンセルで出国出来なかったが、今日になって直行便でやっと帰ってきた。日本政府はまだ現地に留まっている人のために、カイロ・ローマ間の観光客救出用臨時便を運航することを発表した。

 一方国内では鳥インフルエンザによる被害が拡大し、同時に霧島連山・新燃岳の爆発噴火の降灰による被害も甚大である。更に日本海沿岸では例年にない積雪量に悩まされ、人出不足で除雪作業も思うに任せず、公共道路工事作業員を除雪に廻してやりくりをしている状態で現場では悲鳴を上げている。

 特に新燃岳の噴火では危険地域が拡大し、昨晩には山麓周辺では住民に対して避難勧告が出されて500世帯、1,100人以上の人々が避難した。また、噴火による影響で地形も変わり火砕流の危険も指摘され一層警戒の度合いが高まっている。

 これだけ国内外の各地で深刻な事態に直面し、民衆の身に危険が迫り真剣に危険を振り払おうとしている最中に、一番仕事をしなければならない人たちが、まったく動かず、他人の悪口を言いあい自己主張を繰り返している。正義はわれにありと言わんばかりの傲慢な顔をしている。一体自分を何様と思っているのか問い質してみたい。国の危機に際してまったく危機感もなく、問題解決のために動こうとせず、日頃から空理空論を操り、高待遇のうえに胡坐をかき、政策を実行する志のない人々の集団、それは政治家集団である。とりわけ国会議員は国民との約束を果たそうとの気持すらなく、向上心もなく、国民の気持を理解しようとの真摯な気持もなく、地元の支持者とつるんで遊びまわっている。国会議員は国民の僕と言われていることをご存知か。あなたたちは一体全体このまま何もやらずにいて、国が迷走しているのを放っておくつもりなのかと問いたい。詰問すれば、われに理ありとばかりに中身のない回答が返ってくる。民主党政権なんか、一昨年政権を取ってから、はっきり言って国民生活向上のために効果的な政策を何も実行していないではないか。

 通常国会では与野党がメンツと揚げ足取りに拘って、予算委員会もやっと開かれたばかりである。2ヶ月先に執行される新年度予算も未だに成立していないではないか。

 こんな折に小沢一郎・元民主党代表が政治資金規正法違反で今日強制起訴されることになった。すでに検察審査会で2度も起訴相当とされながら、何らやましいことはないの一点張りで逃げ回っていた小沢氏は、今後容疑者として裁判で黒白をつけることになった。この問題に関わり過ぎると他の案件がまた進まない。使命感を欠いたやる気のな政治家どもにわれわれ国民はまだ翻弄されなければならないのか。

 こんな状態がいつまで続いて良いものだろうか。この分では日本の政治はどんどん遅れ劣化していく。

2011年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1357.2011年1月30日(日) サッカー優勝に現代若者気質を思う。

 今朝午前2時過ぎにカタールのドーハで開催されていたサッカー・アジア選手権の王者が決まった。日本が優勝したのである。3日前の準決勝でライバル韓国に延長線の末PK戦で勝って以来、連日マス・メディアはあらゆる角度から、決勝戦の対オーストラリア戦について予想を立てていた。その加熱報道ぶりは些か食傷気味となっていた。個人的にはオーストラリア戦は日本にとって身長の差でやや不利かなと思っていた。昨夜はテレビ観戦することもなく寝てしまったが、今朝のニュースはすべて日本が2大会ぶり4度目のアジア・チャンピォンに輝いたとの大々的な報道で溢れている。日本にとっては大分危ないシーンもあったが、相手チームを無失点に抑え、ともかく強敵オーストラリアを延長線の末に1-0で撃破した実力は誉めてやりたいと思う。

 それにしてもFIFAの世界ランキングによると日本は29位だそうだが、近年の成長ぶりは著しい。チームが逞しくなったように思える。それは今までのように選手の言動にひ弱い印象が薄くなり、逆に普段通りの力を発揮出来る逞しさがチーム全体に身についてきたからだ。かつて日本サッカーはマイナースポーツの見本のように扱われ、世界に伍してとても戦えるような実力はなかった。それが、Jリーグが結成されてからメキメキ実力も向上して、ついにアジアの盟主に君臨することになった。とにかくメデタシ!メデタシ!である。

 選手たちをよく観察してみると、昔に比べて大分変わったように思える。選手の1人ひとりが個性的で逞しくなった反面、傍若無人な言動と傲慢な振舞いも目立つようになってきた。それがグラウンド内で納まっていれば、許容されるだろう。ところがスポーツ面での活躍が、残念ながら他の分野でも許されると誤解する未熟な選手が増えてきたのも事実である。時折鼻持ちならない小生意気な選手が顰蹙を買い、世間からつまはじきにされる。それも時代を反映しているのかも知れない。

 同じようなことは一般社会でも言える。素直でお行儀が良い若者が散見される一方で、エチケットを守れず、当たり前の常識すら身に付いていない若者が目につくようになったのも事実である。

 ごく最近大学体育会クラブから一流企業へ勤め始めた若者に、彼と彼の会社にとって役立つ資料を送ってやったが、その後何の音沙汰もなくしびれをきらしてメールで資料を受け取ったくら知らせてくれたらどうかと注意したところ、慌てて謝罪の返信があった。だが、遅れた言い訳ばかり言ってあまり反省の色がないように思えたので、一社会人としては行動が遅いし言い訳が多すぎると老婆心のつもりでメールで忠告したら、それっきりウンともスンとも言ってこなくなった。小うるさいオヤジと嫌われたのだろう。ちょっとがっかりした。最近こういう風に他人からのアドバイスや小さな親切心を無視する若者が増えた。表面的には笑顔で如才なく振舞っているスポーツマンに見えたが、本心が透けて見えた。いずれ仕事で壁に突き当たることもあるだろうが、果たして挫けずに壁を突き破ることができるだろうか。ちょっとした他人の好意や配慮に思いが至らない現代青年に失望した次第である。

 結局現代社会では年々人々の相互の交流が少なくなって、住みにくい環境となり、引き篭もり現象が見られるようになったのも、人々の利己的で相手を慮る気持が薄れたことが大きく影響していると思う。これも現代社会が忘れがちで、同時に大切なテーマであると思う。

 日本サッカーチームの優勝から話が外れてしまったが、自分の力を思い通りに発揮出来る肝っ玉を持てるようになった若者は頼もしい。それを自分のわがままな言動ばかりに使わないで、周りをよく見てもっと社会を深く知ってもらえれば、現代社会ももう少し爽やかで捨てたものではないと思うのだが・・・・。

2011年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1356.2011年1月29日(土) エジプトのデモの行方が心配だ。

 エジプト国内の反政府デモが尋常ならざる事態に追い込まれつつある。当局の指示により夜間外出禁止令が出され、ほとんどの都市でインターネットや携帯電話が接続出来ない状態が続いている。一連のデモにより多数の死傷者も出て、いよいよ容易なあぬ危機的な状況になってきた。この状態が続くと隣国チュニジアと同じように大統領の失脚、国外亡命という筋書きも考えられないわけではない。

 ところが30年間に亘る長期独裁政権と汚職を非難され、民衆から辞任を求められている82歳のムバラク大統領は、国軍の支持を得ていることと、アメリカから軍事支援を得てこれまで政権基盤が比較的安定していたこともあり、デモ隊に対して「言論の自由を尊重する」と言いながらも、内閣総辞職など小手先だけの奇手を弄して今のところ自身職を辞する気持は毛頭ないようだ。

 しかし、流石のアメリカも今回の民衆の反政府デモの対応に苦慮して、オバマ大統領はエジプト政府に対して政治、社会、経済で改革が必要だとの認識を示し、エジプトへの軍事・経済援助の見直しを検討すると警告した。

 週末で株式市場が開かれていたニューヨークでは、原油価格が高騰しダウ平均が大幅に下がった。このままの状態が続くようだと、週明けには世界の株式市場にどんな影響が生じるか気になるところだ。

 今日軍の装甲車がカイロ市内に入ってきた様子を見て驚いた50歳代のカイロ市民は装甲車が入って来るのを初めて見たと言っていたが、私が1968年1月初めてナセル政権下のカイロに入った時、数多くの戦車が走っているのをこの目で見ている。それくらい現実は想像も出来なかった事態が起きているということだろう。あの頃は第3次中東戦争直後で市内には観光気分なんか流れていなかったが、今回は日本人観光客も大分市内に滞在しているようだ。観光は平和へのパスポートと云われるが、チュニジア政変の際も多くの日本人観光客が旧カルタゴの同国内で観光を楽しんでいた。それまでは両国とも表面的には平和ムードだった。昔はほとんどこのような中東やマグレブ諸国には日本人観光客の姿はまったく見られなかったが、それがこのように今では世界のどこでも日本人の姿が見られるようになった。

 しかし、治安が安全になったから観光客が訪れるようになったのかというと、必ずしもそうではないと思う。それは訪問客の経済的、社会的事情が時を経て観光し易くなっただけのことであり、当事国の治安事情は別物で観光立国であったり、その逆である場合がある。所によっては、むしろ以前より治安は危うくなっているように思う。

 エジプト国内のデモがこれからどのような広がり方を見せるのか、或いは収束するのか、その場合現在の政治情勢はどう変わるのか、目が離せなくなってきた。

 エジプトのことを心配していたら、今日ブラジルの首都リオに住む古い友人、アーリンド・フルタードさんから手紙が届いた。しばらく私から連絡がないので心配していたが、X’mas Cardを受け取りほっとしたと書いてあった。彼は医者を引退してリゾート海岸・コパカバーナの近くに住む今年80歳になる明るくポジティブなオジサンである。1973年に2度目のアフリカひとり旅でカイロに滞在して、ピラミッドの幻想的なLIGHT & SOUNDオプショナルツアーに参加した時偶然知り合い意気投合したものだ。爾来ともに地球の反対側に住みながら、お互いの家庭を訪ねあい、40年近くに亘り親交を深めてきた。阪神・淡路大震災の時には、わざわざリオからわが家族の身を心配して国際電話をかけてくれたくらいおもいやりのある男である。今日もらったコパカバーナ上空の絵葉書に、私が訪れた彼のマンションと私が宿泊したオットン・パレスホテルを矢印で示してくれている。

 偶々今世界中から注視されているエジプトを介して、久しぶりに外国の旧友と相通じることが出来て、実に心が温まるようなさわやかな気持である。

2011年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1355.2011年1月28日(金) 知らなかったパリの地下世界

 今日届けられた「NATIONAL GEOGRAPHIC」2月号のいくつかの特集記事のひとつ、「ようこそ、パリの地下世界へ」という見出しに思わず引きつけられた。写真やイラストを含めて22頁からならトピックだが、内容が極めてミステリアスでパリの地勢的な特徴の説明が興味を惹く。

 これまで何十回となくパリを訪れ全体像をある程度知り、歴史的にも、芸術的にも、景観的にも大好きな都市のひとつであるが、実はパリの地下が上下水道や地下鉄以外に、これほどまでに深い歴史を孕み摩訶不思議な巣窟になっているとは寡聞にして知らなかった。

 そもそもその発端は地下の採石場から石灰岩を掘り出して地上の石造りの建築物の資材用に使用したことから、地下に大きな空間が出来たことが原因らしい。どうやらそれらの石灰岩でノートルダム寺院も建造されたようだ。12世紀ごろのことだというから驚きである。それらの地下空間は地下20m以上もあり、それが分ったのは1774年に土地が陥没して多数の死者が出たことからである。その原因究明と防止のためにフランス革命の当事者であるルイ16世がお触れを出して地下が整備されたというから、実にドラマチックな史実である。採石場跡の壁には、銘板が取り付けられていて、そこには「壁の番号」「G=調査を行ったギョモーのイニシアル」「年号(1783)」が書かれている。何とフランス革命の6年前である。

 断面図を見ると上下水道や古いメトロは、地下10m以内に敷設されているが、もっと深部には過密となった地上の墓地から掘り出され、移された多くの人骨が積み上げられて保管されていたり、第2次世界大戦時の掩蔽壕まである。狭いパリ市内の土地を当時の人々は効率的に活用したようだ。十数年前に開通した高速メトロは、更に深く地下36mを走行している。

 かつてジャン・ヴァル・ジャンがジャベール警視に追われながらパリの下水道伝いに逃げた「レ・ミゼラブル」のストーリーから、パリを歩くたびに巨大な下水道に通じる道路両端の側溝と道路の清掃作業に興味を持って眺めていたものだった。1度は下水道ツアーで実際に地下道を歩いてみたいと思いながら、その思いは叶わず、今日新たな地下情報を得たが、いつかはパリの下水道に潜ることが出来るだろうか。

 それにしてもこの月刊誌は、日本人の発想ではなく、われわれのあまり気がつかない視点から話題を取り上げてくれる。日本人とは異なる視点とそのアカデミックな切り口に強い関心を抱き、日本語版発刊以来17年間定期購読しているが、アメリカの学校図書館を訪れるとどこにも必ずこの雑誌が備えられているのもむべなるかなと思う。

 さて、昨日のニュース2件に関して、エジプトのデモと霧島噴火がただならぬ様相を帯びてきた。エジプト国内では集会が禁止されているが、金曜日のモスク礼拝後に礼拝者がデモ行動に移り、警戒している軍と対立してそれは益々激化している。政府は断固デモを許さず、デモ隊を武力で押さえつける方針のようだ。エルバラダイ・前IAEA事務局長も在住先のオーストリアから帰国して、民主化と自由を求めてムバラク大統領の退陣を迫り、抗議行動は一層加速している。

 一方で霧島・新燃岳が午後爆発噴火して周辺住民は降灰の影響で生活にも不自由し始めたようである。離れて住むわれわれとしては、こればかりははらはらしながら見守るより仕方がない。

2011年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1354.2011年1月27日(木) どうなる? エジプト国内の反政府デモ

 今月18日にチュニジアで起きた政変以降、サウジアラビアやイェメンでも長期独裁政権に反対するデモが起きているが、その動きは昨日中東最大、8千万人の人口を誇るエジプトの反政府デモへと波及した。これまで国民が国家権力に抑圧され、ほとんど反政府デモが起こらなかった中東諸国内にデモの雪崩現象が起きたのは、いうまでもなくインターネットによる情報の交換が大きい。中でも最近脚光を浴びているフェイス・ブックの影響が最も効果的だったようである。他の中東諸国では連鎖反応を恐れて情報統制を強化して反政府の動きを最小限に食い止める手段を講じているが、観光立国のエジプトでは、外国人の出入りが夥しくそうもいかず、2009年の大統領戦後にイラン政府が取ったような強引な情報統制強化はとても行うことは出来ない。

 長期独裁政権に一石を投じたチュニジア政変は、今や他の中東諸国を戦々恐々とさせている。とにかくこれらの国々は、サウジアラビアを始めとしてリビア、エジプト、アルジェリア等々長期独裁体制の国々の心胆を寒からしめている。特に、昨日勃発したエジプト国内のデモは多くの点で世界の注目を集めている。

 その理由のひとつに、国内的にもムバラク大統領が1981年に政権に就いてからすでに30年の長い歳月が経過したことである。ちょうど文部省の教員海外派遣団の添乗員として、アメリカ・インディアナ州インディアナポリスに滞在中に、当時のサダト大統領が軍事パレードを観閲中銃砲で暗殺され、その生々しいニュースを実際テレビで観てショックを受けた。同地の教育委員会でもしばし話題となったほどである。あの事件直後に国際的には無名と言ってもいい、副大統領だったムバラク氏が大統領に昇格して30年という長い時間が経った。よくもまあ有為転変の世に長らく国家の舵取りをやってこられたなぁとその巧みな手綱捌きに感嘆するほどである。そのムバラク大統領は9月の大統領選で6期目の大統領に意欲を見せるか、息子に継承させるのか、或いはノーベル平和賞受賞者でもあるエルバラダイ・前国際原子力機関(IAEA)事務局長に職を譲るか、判然としていない。その最大のライバル、エルバラダイ氏の大統領被選挙権を剥奪しているというから、火種は残されている。

 不思議なのは、あれだけ「民主化」を叫んでいるアメリカが、むしろムバラク政権を安定政権として支持するような声明を出していることである。その理由としてはエジプトがアラブ諸国の中では一番反イスラム原理主義的で、かつイスラエルとのパイプを持っていることがある。アメリカは中国政府に対してはあれほど民主化を迫りながら、エジプトのデモ弾圧に対してはトーンが落ちる。更に言えば、エジプト国内のデモはイスラム原理主義勢力に後押しされていて、根っ子でアルカィーダと通じているという理由から、反政府デモを支持する気がないようだ。

 これでは結局、どこの国も、どの人もその場では、自分に利する道しか選ばないということではないか。

 このままエジプトのデモを注目しつつ、同時にそれを支えるアメリカ政府の動きにも注視しなければならないということである。

 ところで今日午後鹿児島・宮崎県境の霧島連山・新燃岳が噴火して周辺地域は火山灰に見舞われた。数日前から予兆はあったが、農家の畑には多くの降灰があり、せっかく作った野菜が出荷出来そうもなくなり、農民はぼやいていた。どうして宮崎県ばかり災難が降りかかるのだろうか。昭和35年夏軽井沢でアルバイト中に、浅間山が噴火して降灰があり、しばらくしてにわか雨が降ってどろどろの灰がアルバイト先の屋根や庭を台無しにした思い出がある。

 さて、アメリカの大手格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ社が今日日本国債の格付けを、従来の「AA」 から「AA-」と8年9ヶ月ぶりに1段階引き下げた。日本は21のカテゴリーの内3番目にあったが、中国、サウジ・アラビア、クウェートと同じ4番目のカテゴリーに入った。

 S &P社はその理由をわが国の1,000兆円に達しようという累積財政赤字と、民主党政権がそれを解消するための明確な財政政策を打ち出せないからであると述べている。われわれが以前から強く懸念していたごく当たり前のことをズバリ専門家に指摘されたわけだ。ところが、これに対して野田佳彦・財務相は「民間会社の言うことにいちいちコメントする立場にない」とまるで他人事のようであり、経済政策の進め方を批判されたはずの菅首相にいたっては「そういうことには疎いので・・・」とまったくノー天気なのである。国のリーダーがこれでは救いようがない。

2011年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1353.2011年1月26日(水) 心配な鳥インフルエンザの感染拡大

 今年初めての「JAPAN NOW観光情報協会」企画会議で、3月の決算理事会と5月の総会日程が報告、承認された。報告事項終盤の雑談の中で協会副理事長でもある、JR東海の須田寛相談役からJR東海が名古屋市港区の金城埠頭に建設中の「JR東海博物館」(仮称)が開館されるに先立って、3月7、8日に内覧会が開かれるので、協会理事に招待状を送りたいとの報告があった。何もかも運営を丸投げした形の大宮の鉄道博物館に比べて、この博物館はJR東海が管理しながらより以上にしっかり運営されるはずとの話だった。オープン後はしばらく相当数の入場者が見込まれることでもあり、お言葉に甘えて他の理事とともに見学に行こうと考えている。

 さて、鹿児島県でナベヅルが感染した鳥インフルエンザ感染に続き、先日宮崎県に発生した鳥インフルエンザが大きな広がりを見せ、鹿児島県でもまた鶏の鳥インフルエンザ感染が確認された。それにしても宮崎県では昨夏の牛の口蹄疫騒ぎに続き、降って湧いたように今度は鶏である。それが今日になって今度は愛知県豊橋市の養鶏農家でも鳥インフルエンザが確認された。関係者は情報に慌てふためき、その真偽の確認にてんてこ舞いの騒ぎになった。これから解決までにまだ時間がかかることだろう。今度の鳥インフルエンザはどうしてあちらこちらに飛び火するのだろうか。いつもながら気の毒なのは、被害者である養鶏農家である。

 それにしてもその被害は当の養鶏農家ばかりでなく、鶏肉の加工食品製造業者、更には観光業にも及んでいる。ツルの越冬地として知られる鹿児島県出水平野では、毎年訪れるツルを見学に来る観光客のための「ツル観察センター」が、ナベヅルの感染以来休館が続いている。一刻も早く事態が解決されることを望んでいる。

2011年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com