またやってくれた! 大相撲の八百長である。これまでも度々賭博に関与したとの疑惑が問題視され、その都度日本相撲協会は疑惑を否定してきた。だが、今度ばかりは相撲協会も言い逃れは出来そうもない。これまでのように外のスポーツへ賭けていたという次元ではなく、相撲界組織内部において内部の人間が起こした身内の不祥事だからである。警察は八百長だと想像される会話のやり取りを消去したメールを復元し、証拠品として相撲協会へ提供したのである。これまでのように、確たる証拠がないのを好いことに、八百長を無気力な相撲と言葉を誤魔化し、八百長自体の存在を否定し続けてきた協会も、いよいよ逃げ切れなくなったと言ってもいい。怪しいと見られた14人の関係者のうち、早くも3人の当事者が八百長をやっていたことを認めた。開会中の国会でも取り上げられ、高木文科相が事実関係を報告し、菅首相もあってはならないことだと憂慮する発言をした。
昔から相撲界にはとかく八百長の噂が挙がり、週刊誌でも元力士の暴露発言として大きく取り上げられたこともある。今回八百長を否定する相撲協会と週刊誌出版会社の間がこじれ裁判沙汰にもなっている。裁判では証拠不十分としてこれまでは相撲協会側の言い分が通っていたが、今度こそはれっきとした証拠を警察によって突きつけられたことにより、相撲協会の立場は極めて苦しくなった。
昨年野球賭博が世間を騒がせた時に、あるスポーツ新聞編集の関係者で相撲界の内部情報に詳しい人から八百長相撲は絶対あると聞いた。特に、横綱・千代の富士について回った噂は知る人ぞ知ると言われ、その筋ではごく当たり前の話と受け取られているとも聞いた。真偽のほどは定かではないが、かなり相撲界の事情通でもあり、その噂を聞いた時はひょっとするとあり得ることだと思ったくらいである。
これから相撲協会はこの八百長事件の対応に追われて大変な努力を強いられると思う。これまでは閉ざされた社会の中で自分たちの狭い世界の中で育ってきた人間だけでことを処理してきた。甘い庇護の中でぬくぬくと繁栄を享受してきた。こういう世間知らずの相撲協会役員は、世間に対してこの不祥事をどのように釈明するのだろうか。恐らくこれだけの大問題を相撲協会の理事長以下の役員が世間を納得させられるような説明が出来るとは、これまでの対応を見ていてとても考えられない。
さて、混乱のエジプトであるが、事態が変わった。タハリール広場で反ムバラク派の群集が集まっている中へ突然ムバラク支持派のラクダ、馬軍団がなだれ込んできた。軍隊は見て見ぬふりをしていて制御しないようだ。血で血を洗う騒動に発展している。ムバラク支持者がピラミッド周辺で手持ち無沙汰の観光ラクダ業者を買収して、反ムバラク集団へ突っ込ませたようだ。勿論死傷者が出たことは言うまでもない。ムバラク大統領がいかに否定しようとも、国際社会の非難を浴びることは間違いない。益々事態の予測が出来なくなってきた。