1878.2012年7月4日(水) 2012年登録世界遺産決定、されど詳細判明せず

 昨年5月に亡くなられた大学ゼミ恩師の追悼文集作成の作業に取り組んでいる。私が編集責任者として編集委員に助けてもらっているが、多士済々で意見を異にする若い委員もいて、全面的に任せてもらえるというわけにはいかない。まとめるのは中々難しいものだ。全体の枠組みや、頁の作り方でも、自分流の考えを主張されるので思うように前へ進められないことがある。印刷と組版については、自分のやり方で進めたいと思い、印刷会社の責任者と直接交渉しながら、モデルも漸く形らしいものができ上がった。これを改めて全編集委員に承認してもらい、ステップ・アップしたい。

 印刷会社の方と相談している内に、自分自身の文集作成にも参考になることがたくさんある。本文集を仕上げた後は、いずれ私家版やブログ集を自分の思うように編集、作成してみたいものだと思っている。

 さて、気になっている今年の登録世界遺産が発表されたが、新聞、テレビではほんの一部しか発表されない。先日本ブログに書き込んだようにパレスチナの聖誕教会の登録が世界遺産委員会の会議途中であるにも拘わらず、いち早く発表されたが、昨日今年26箇所の世界遺産の登録が決定したと伝えられたが、26箇所のリストはほんの噂程度にしか伝えられない。聖誕教会以外に過去私が訪れた場所では、①リオの景観、②パラオのロック・アイランドがあるようだが、他の23の世界遺産については、インターネットでも完全にはキャッチ・アップできない。

 昨年の小笠原諸島や平泉が登録された時に比べて、日本の世界遺産登録がないせいか、メディアもつれない。それでも私の個人記録としては、以上の3箇所を加えることによって、全訪問世界遺産は163箇所となった。

 世界遺産より今日のビッグニュースは、どうも新しい素粒子、ヒッグス粒子の発見のようだ。存在を予言したピーター・ヒッグス博士の名をつけたものである。夕方のニュースからずっとこのニュースでも持ちきりである。科学に関心がなければ、普通関心は持たないほど難しい研究であると思う。地上の17素粒子のうち最後に発見されたものだという。実生活ではまったく縁がないが、地上の素粒子の中で唯一重量を持つものだそうだ。世界で6000人以上の科学者がこれまでその解明に当たってきたそうだが、そのうち日本人が110人もいる。これから新たな進歩が期待されているが、素人にはいくら説明されても理解できない。残念である。

2012年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1877.2012年7月3日(火) 世界的な古代芸術品のデザイン

 先日NHK・BSプレミアム番組「知られざる大英博物館-古代ギリシャ」を観ていて考えさせられた。これまで抱いていた古代ギリシャ時代の芸術品のイメージと知識が覆されるようなストーリーが、抜き打ち的に紹介され、思わずう~んと唸ってしまったのである。古代美術史上、また建築学史上も思いがけない新説?の出現に関係者が戸惑っていることは間違いあるまい。

 その新説とは何か? ひとつは、古代ギリシャ建築は当たり前の如く「白色」が基調と考えられ、彫刻を始めとして建造物に飾られるファサードは「白色」と考えられていた。しかし、、実際には色彩豊かなデザインが施されていたという思いがけない話なのである。ギリシャ、特にエーゲ海は「白色」がイメージとしてぴったりである。ミコノス島のようにすべての家の外壁が白一色のようなところもある。アクロポリスのパルテノン神殿から持ち去られ、大英博物館に保存されているファサードは、従来「白色」と信じられていたが、カラーフルな色彩が塗りつけられていたという、大英博物館学芸員の解説を聴いて俄かには信じ難い思いである。

 その新説は科学的根拠に基づくものだとして、大英博物館が開発した特殊なカメラを古代ギリシャの白い彫刻物に当てたところ、色彩を感知したのだという。さらに驚くべきは、19世紀ヴィクトリア女王が結婚式で身につけた白色のウェディング・ドレスが素晴らしく憧れの的となった時代性に鑑みて、潔癖で純情、無垢な「白色」への無上の憧れが美化され、白色への場違いの思い込みが、価値ある物を別の色から白色へ変える誤った思想が蔓延ったようである。大英博物館では着色された芸術品はみな白色へ染め替えられたという。このこと自体が、今では大英博物館のスキャンダルとも言われている。

 こうなるとあの気高いパルテノン神殿も、実物よりも白色に変えられたファサードの方が反って、価値があるように思えるから不思議である。ギリシャ時代の芸術品の価値を頭の中でリセットしないといけない。今まで、大英博物館やギリシャで実物を見る度に、目の前の白い彫刻に頭を垂れ感慨深く受け止めていたが、これからは頭を切り替えないといけない。

 もうひとつは、古代ギリシャ人の円盤投げで知られる「ディスク・ボロス」の彫刻は、12体?ほど現存しているようだが、この頭の向きが間違っているという。頭部だけ後から付け足した結果だという。しかも、この彫刻は間違ったまま前回1948年開催のロンドン・オリンピックの宣伝ポスターにも使われていた。

 論語に「過ちては改むるに憚ること勿れ」という言葉があるが、これだけ世界的に著名で価値ある芸術品のイメージがいとも簡単に変えさせられるのは、真実とはいえ、些か抵抗を感じないわけにいかない。

 ギリシャとしては、自分たちの遺産である古代芸術品を、勝手に奪い取った国が一方的に価値の変更を行うことに内心穏やかではないのではないかと思う。

 イギリスは思い切った調査を行う前にギリシャに対してどれだけ説明し、了解を得たのだろうか。他人事ながら誰もが気になるところだ。

2012年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1876.2012年7月2日(月) 50名が離党して民主党は分裂へ

 民主党内の揉め事は、ついに党内分裂という最悪の局面に達した。消費税の値上げに反対を唱え、今国会で消費増税法案に反対票を投じた元代表・小沢一郎氏らグループ50名の仲間が離党届を提出した。小沢氏は近い内に新党を立ち上げることを示唆した。今後野田政権への批判を強めることになるだろう。

 実は、小沢氏へ身柄を一任した民主党議員は、当初衆議院議員40人、参議院議員12名だった。つまり52名が離党する筈だった。それが、衆議院議員のうち二人がまったく説得力の乏しい屁理屈を述べて離党しないことになった。結束力の固い小沢グループも離散者が増え、ついにヤキが回ったのかと考えざるを得ないが、この二人の自己主張を聞いていると、弁護士出身とは言え代議士としての資質に問題があるような気がする。消費税値上げ反対を主張して、世論の味方のようなふりをするが、所詮自己本位なのだ。

 当面三党合意が形成されているので、消費増税法案は参議院を通過して法案成立となるだろうが、問題は党内分裂となった民主党がこのまま政権を維持していけるのか疑問である。震災被災者らは、消費税値上げに加えて、大飯原発再稼動の動きに対して被災者の気持ちにまったく配慮していないと強い口調で野田政権を批難している。

 今後綱渡りの政権運営を迫られる野田政権が、これから多くの課題を抱えたまま生き延びていけるだろうか。或いは、自民党との話し合いで衆議院を解散するのだろうか。しばらくは危なっかしい政局を見守りたいと思う。

2012年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1875.2012年7月1日(日) 大飯原発3号機再稼動へ

 今夏東京ではあまり暑い日がなく、夜なぞは涼しい日も多くて、むしろ凌ぎやすいくらいである。ところが、異常気象のせいだろうか、ここ2,3日は北海道の気温が30℃を超して、沖縄より暑い日があるという異変ぶりである。

 東京でも雨が少ないと思っていたら、午後になって小降りだが、少し雨が降ったのでほっとしている。

 さて、このところ次々とロンドン五輪の出場選手が決まり、華やかに紹介されている。オリンピックは勝つことが目的ではなく出場することに意義があると、近代オリンピックの創始者・クーベルタン男爵は公言したが、そうは言っても今や出場するだけでは肩身が狭い。やはりメダルを獲得することが最大の目標に成っている。実際強豪選手の中には金メダルが取れなければ出場する意味がないと豪語する選手もいるほどである。

 そのオリンピックは、今月末ロンドン五輪が開催された後、4年後の2016年にブラジルのリオで開催される。開催地決定当時はブラジルの経済も上り調子で南米初めての開催を世界中から祝福されたものである。 だが、ヨーロッパ経済不況のあおりを受けて高成長率にも陰りが見え、少し雲行きが怪しくなってきた。予定の地下鉄工事が進まず、新たに建設予定の競技場や選手村の建設もまだ始まっていない。さてどうなることやら。

 その一方で、リオ五輪後の2020年の大会に立候補地として争っている都市が、今では3都市に絞られた。トルコのイスタンブール、スペインのマドリード、そしてわが東京である。この内、マドリードがスペインの財政危機を反映して開催地として大丈夫かとの不安の声が聞かれる。すでに、ローマがやはり経済不況のせいで早めに下りたこともマドリード危機説をあおっている。スペイン五輪委員会は、オリンピック開催により雇用情勢が向上すると強気を装っているが、実際にはどうだろうか。危ないような気もする。あまり明るい話題が聞かれない最近では、せめて各立候補地がしのぎを削る招聘合戦を戦い、賑やかに最終候補地決定としてもらいたいものである。

 ところで、6月末ごろから連日のように市民団体による原発再開反対のデモが霞ヶ関界隈を行進しているが、ついに今日大飯原発3号機が再稼動した。責任は私が取ると言った野田首相はこの責任という言葉の意味をどう解釈したのだろうか。今後次から次へと休止中の原発が再稼動を始めるだろう。それにしても、アンマンでもらった新聞に「大飯原発再稼動反対」のプラカードを掲げた反対派の人々の大きな写真が載っていたが、それほどアピールの強い原発再稼動について、いとも簡単に反対の声を押し切って再稼動へ舵を切るというのはどういう哲学に基づいているのだろうか。

2012年7月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1874.2012年6月30日(土) ベツレヘムの聖誕教会、パレスチナ初の世界遺産に

 2012年の世界遺産申請の登録採否を認定するユネスコ・世界遺産委員会が、25日から来月5日までロシアのサンクト・ペテルブルグで開催されている。

 最近訪れたイスラエルのエルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとって聖地であり、世界遺産に匹敵する価値ある遺跡や文化財がゴマンとある。だが、残念ながらそのエルサレムは現在世界遺産に登録されていない。イスラエルのガイド、シュタイン・朋子さんに尋ねると、すでにヨルダンから申請が出されているそうだが、今ではエルサレムはイスラエルに占領されていて、下手に動くと両国間、またアラブ諸国とイスラエルの紛争再発の火種となる恐れもあり、その点を憂慮したユネスコが登録を保留しているという。

 今朝NHKのテレビニュースを観ていて、‘あれっ’どこかで見たような気がした石造りの教会の映像が映った。正に先日訪れたばかりのエルサレム郊外のパレスチナ自治区ベツレヘムにある聖誕教会だったのである。イエス・キリストが生まれた、その聖誕教会がパレスチナ自治区初めての世界遺産として登録されたという歓迎すべきニュースだった。それでは他にも今年リストアップされる世界遺産が決まったのかと興味を持ったが、いくらインターネットで探しても今年の世界遺産リストを見つけ出すことができなかった。結局朝日夕刊に報道された解説を読んでやっと事情が飲み込めた。現在開催中のユネスコ世界遺産委員会の会議で聖誕教会の登録が決定し、いち早く発表されたのだ。

 なぜこの聖誕教会の世界遺産に拘るかというと、そこにはこの世界遺産がどの国に所属するかという国籍問題があるからである。聖誕教会は現在立地上イスラエル国内にある。問題は、聖誕教会があるパレスチナ自治区のベツレヘムがかつての母国ヨルダンに帰属するのか、或いは占領国イスラエルの土地なのかが、はっきりしないことである。

 ところで今日の登録で、ある程度ユニークな事情が分かった。新聞によるとこの聖誕教会はヨルダンでもなく、イスラエルに所属するものでもない。国連には加盟していないが、ユネスコの加盟国である「パレスチナ国家」が申請していたのだ。その登録は今後政治的には問題を残しそうで、すでにイスラエルが反発しているようだ。その一方で、個人的にはこれだけ価値のある遺産が世界遺産として登録され、世間に知らしめる機会が増えることはめでたい限りだと思っている。

2012年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1873.2012年6月29日(金) 健康のありがたみ

 少子高齢化が言われて久しい。最近では高齢化の特徴である、一人暮らしの老人の生活実態がしばしばニュースとして取り上げられるが、今夜NHK首都圏スペシャル「あなたの老後と死は?」で1時間15分に亘って、一人暮らしの老人の生活と孤独死の問題点をビデオ映像を紹介しながら評論家・内橋克人氏ら有識者が話し合っていた。わが国の今後にとって極めて深刻な問題である。

 さて、この2日間でかつて活躍していた歌手、映画俳優、タレントが相次いで亡くなっている。いずれも私よりちょっと若いが、同年輩である。

 今月15日に「ピーナッツ」の双子姉妹、姉のエミさんが亡くなったと報じられた。享年71歳である。そして、昨日タレントの小野ヤスシさんが癌のため72歳でこの世を去った。更に、今朝俳優・地井武男さんが心不全により亡くなられた。70歳である。みんなまだまだ若いし、活躍するチャンスはこれからもいくらもあったのではないかと思う。

 ピーナッツの場合は、そのヒット曲を耳にしながら人生をともに生きてきたような気がする。レコード、CDを合わせて1750万枚も売れたというからすごいものだと思う。結婚で引退した時もまだ若かったし、少々惜しい気がしたものだ。

 地井さんは、つい先日まで「ちい散歩」という番組を持ち、健康上の理由から一時的に番組を降りると伝えられ、時々観ていたが、それほど特徴があるとも思えない土地をさりげない語り口で興味深く紹介して視聴者を楽しませてくれていた。

 大なり小なり、それぞれに病気を抱えていたようだが、地井さんだけはほんのつかの間の療養だと思っていただけにニュースを聞いて驚いた。彼ら同年配者の健康を考えると私もあまり油断できない。

 今整形外科、内科、そして肛門科へ通院しているが、痔を悪化させたのは年甲斐もなく塩水湖「死海」で浮いたせいもある。飲酒を慎み、几帳面に毎日血圧を測り、医師の教えを忠実に守っているが、中々体内に入り込んだ疫病神は出て行ってくれない。それでも飽くことなくひたすら疫病神と戦っている。

 言い古されたことだが、やはり健康に勝る幸せはない。普段健康な時には気がつかなかったものだが、ちょっとでも身体に支障が出ると健康の有り難味が分かる。でも、疫病神なんかに負けてはいられない。何とか追い出して元の健康優良児だった健康体を取り戻したいと強く願っている。

2012年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1872.2012年6月28日(木) シリアは戦争状態に

 このところシリア国内の政治的、社会的混乱と迷走は留まるところを知らず、遂に独裁者・アサド大統領自身が戦争状態に入ったことを認める発言を国内外に対してはっきり行った。大統領はつい最近までは反政府勢力によるテロ行為だと国際社会の批難に対して開き直っていたが、現実にあまりにも凄惨な事態を前に戦争状態を認めざるを得なくなったようだ。このところデモやテロ騒ぎを通り越して、シリアはすでに内戦状態に突入して、国連ではアナン前事務総長を特使として現地へ派遣して内戦停止のために活動させていた。シリア国内では国連停戦監視団も常駐していたが、危険過ぎるとして退去を余儀なくされ、監視団はシリアの加熱する戦争状態を監視できるような状態ではなくなっていた。

 一方で、数日前トルコ空軍機がシリア洋上で撃墜され、シリア反体制派に同情的なトルコ政府は、シリア政府に対して強く非難している。この事件も欧米諸国のシリアに対する態度を硬化させている。本来北大西洋条約機構(NATO)に所属するトルコへの攻撃に対しては、同盟国が協力して反撃することができることになっており、NATO軍が連携してシリア国内を空爆してもおかしくないのだ。今回はNATO軍が自重して敢えて強硬策を取らなかったが、一触即発のムードである。下手をすると、いつ戦火が拡大して本格的な戦争にならないとも限らない。

 ここで問題にしなければならないのは、シリアの背後にいるロシアと中国の出方である。両国は早くから国連安保理事会でも、徒に他国に武力介入するのは内政干渉に当たると主張して、国連軍がシリアに介入することに強く反対していた。だが、両国の言い分を受け入れ、何らの手を尽くさない内に、戦争は一層悲惨な結果をもたらし、今も毎日多くの犠牲者を生んでいるのである。

 ロシアと中国の筋の通らない主張の背後には、ロシアはシリアからミサイル基地を提供され、中国もシリアに武器供与の支援を続けている後ろめたい事情がある。いつも利己主義を貫きながら、覇権主義を拡大させ、将来の権利獲得・擁護を企んでいるのだ。

 アサド大統領がはっきりと戦争だと公言した以上、国連は遅滞することなく今すぐにも緊急安保理事会を招集して果断的に結論を出すべきだと思う。

 幸い30日にジュネーブで開かれる安保常任理事国やシリア周辺国の外相級会合で、アナン前国連総長が「暫定統一政府」の設立を提案する。明言してはいないが、アナン氏はこの暫定統一政府には、アサド大統領らを排除する意向のようだ。ロシアや中国は決して横車を押すようなことがあってはならない。

2012年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1871.2012年6月27日(水) 東京電力株主総会で実質国有化を決定

 昨日の衆議院で可決された「社会保障と税の一体改革」関連法案について、今朝から各メディアは喧しい。テレビでは賛成票を投じた議員より、反対票を投じた、いわゆる造反議員の方がもてはやされている。離党して新党か、党内に留まるか、注目を集めている渦中の小沢一郎・元民主党代表は、今のところこの問題に関しては口を閉ざしているが、メディアの間では離党して新党を結成するだろうと噂されている。残念ながらこんな政界の有様に震災被災地周辺から強い不満の声が上がっている。

 6月下旬と言えば、恒例の民間企業・株主総会の時節である。今日も各企業の株主総会がそこかしこで開かれていた。問題の東京電力と関西電力についても株主総会の様子がいつになく細かく伝えられていた。東電は、昨年ホテルの総会会場に予想を遥かに超える株主が押しかけ、会場に入りきれず株主が騒ぎ出した事態に懲りて、何と国立代々木競技場第一体育館を会場に充てる用意周到さである。筆頭株主である東京都を代表して猪瀬直樹・副知事が出席して、いくつか提案を出したようだ。メディアも言うように経営悪化を理由に電力料金の値上げに対して、その前に自分たちの身を削れとも主張した。これも何やら民主党の造反議員が主張している、消費増税の前にやるべきことがあると述べているのと同じ科白には笑ってしまう。

 猪瀬副知事らが追求しているのは、保有不動産を売却することが昨年決まったが、未だに遅々として不動産売却は進んでいないし、人件費等経費の削減にも努力が欠けているという点に関してである。

 なお、東電は政府から1兆円の支援を受け入れることにより、議決権の過半数を国が持ち、事実上東電は国有化されることになった。

 他方、関西電力の筆頭株主である大阪市は、橋下徹市長が出席して、いくつか質問していたが、そのひとつに、東京都の東電に対する提案と同様、関西電力の定款に原発の可及的速やかな廃止を書き込むようにと提案があった。定款の変更には、出席株主議席権の2/3以上の賛成が必要で、それは否決された。

 しかし、二つの株式総会だけでもかなり世間の関心を引いたのではないか。投資家である株主は、震災のように国を揺るがすような事態でも起こらなければ、これまで株主総会なぞに目を向けることはあまりなかった。

 その他の東北、中部、中国、四国、九州各電力会社の株主提案にも、原発の運転停止、廃炉など脱原発に関わる議案が多かった。

 それだけでも震災の影響は大きいと感じると同時に、我々の周囲にはまだまだ目を背けていることはないだろうかと意外な死角に気づかされたように思う。

2012年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1870.2012年6月26日(火) 消費増税法案、衆議院で可決

 お中元品を買い求めるために妻と小田急百貨店へ出かけて帰ってみると、テレビでタイミング良く衆議院本会議の真最中で、「社会保障と税の一体改革」関連法案の採決が行われていた。

 ここ数日消費税値上げに関する本質的な議論から脱線して、民主党内でどれほど法案反対の造反議員が現れ、彼らに対するお仕置きをどの程度課すべきかという低次元で本末転倒の話題ばかりが先行して些かうんざりしていたところである。

 関連法案は8つばかりあって、それぞれ、投票、或いは起立による採決を行っていたが、本丸の「消費税率引き上げ法案」の採決の結果は、賛成363、反対96の大差で法案が可決された。反対票の内、いわゆる民主党員の反対投票者は57人で、16人が棄権した。

 しかし、造反者は73人の多数に上り、民主党員の約1/4が異を唱えたことになる。反対の先鋒・小沢元代表は離党をほのめかすようなニュアンスのコメントを述べていた。当分民主党内には激震が走りそうな気配である。

 衆議院で可決されたことにより法案は参議院に送られ、来月か、8月初めに参議院で可決なら法案成立となり、消費税は2014年4月に8%へ、15年10月に10%へ値上げされるというシナリオになる。

 今回の一連のドタバタ騒ぎについて、はっきり言って国民は呆れている。3年前の総選挙で民主党がマニフェストに掲げた肝心の約束はほとんど実行されていない。そして、この大騒ぎの消費増税だってマニフェストには書かれていなかったものだ。小沢元代表が言うように、約束していないことをやる前にやるべきことがあると声を大にして叫ぶ気持ちも分からないではない。どうも、未熟児民主党は自民党がガバナンスがまるで駄目だと指摘するように、政党の体を成していない。自民党も今回ばかりは消費増税賛成の立場から、与党案に同意したが、他の政策案で反対を言い出す可能性も大いにありで、野田首相の政権運営は前途多難である。

 民主党がふわふわして腰が落ち着かない体質になった最大の原因は、元々寄り合い所帯だったことに加えて、強いリーダーシップを持った人物が嫌われ者の小沢氏以外におらず、党内が小粒の政治屋でばらばらだったことにある。

 民主党最初の総理大臣になった、恥知らずの鳩山由紀夫氏が、在任中空手形を連発して選挙民に対しても実行できもしない約束を平気で口走る軽率さが、国民の信頼を失い大きな味噌をつけた。自分から引退を公言しながら、性懲りもなく恥の上塗りをやっている人物が今日もまた投票後に何ゆえ自分が反対票を投じたかの自論を軽佻浮薄にも語っている。こんな人物が党内にいるようでは、与党民主党も奈落の底へ落ちていくばかりだと思う。

 一段落したら、少数与党に転落しようとも民主党は一度身を削いだ方が、将来民主党が生き残っていくためにはより大切なことのように思えるのだが・・・。

2012年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1869.2012年6月25日(月) ロベール・ギラン著「ゾルゲの時代」を読む。

 先日セルビアの友人・山崎洋さんが「三田評論」6月号に書いた、ベオグラードで慶應塾歌が演奏されたエピソードに関するエッセイのコピーを慶應関係の友人らにメール送信したところ、早速ゼミの仲間・池田博充くんから連絡があった。山崎さんのご両親(ゾルゲ事件のブランコ・ド・ブケリッチ氏と山崎淑子さん)について、フランスの「ル・モンド」紙の名物編集長だったロベール・ギランが著した「ゾルゲの時代」が実に興味深いという。戦前・戦中時フランスの「アヴァス」通信社・東京支局長で、その当時ブケリッチ氏の上司としてプライベートな面を含めて、ブケリッチ氏を身近によく知るギランが、主役として山崎さん家族のことに大きく頁を割いて、その仕事ぶり、人柄、関係者の交流まで詳しく書いているので、ぜひ読んでみてはどうかと親切に知らせてくれた。

 新刊書ではないので、街の書店で買い求めることは中々難しい。彼がアマゾンで入手できるというので、早速インターネットでアマゾンから古書2冊を購入した。1冊は同じゼミの赤松晋さんに差し上げたところだ。山崎さんのエッセイには私の紹介同様に、赤松さんの名前も紹介していることもあるし、先日山崎さんが一時帰国の際にはともに食事をとったからでもある。

 読書家・池田くんお薦めの「ゾルゲの時代」を一気に読んだ。筆者はブケリッチ氏とオフィスで机を並べながら、敏腕ジャーナリストらしい筆致で冷静に生々しいドキュメントを描いている。あの戦前・戦中の軍国化が進む日本の首都・東京で、外国人記者として厳しい注目と監視の下に、ブケリッチ氏の仕事ぶりと人柄を高く評価し、ブケリッチ夫妻には公私に亘り温かい友情を持って好意的に接している。

 また、日独防共協定、日ソ不可侵条約、スターリンとヒットラーの駆け引き、険悪化する日米関係の経緯、等々について今まで知らなかった事実を含め、興味深い内容が盛りだくさんだった。これまでどうしてこのようにゾルゲ事件を間接的に描いた佳作を知らなかったのだろうかと、もう少し早く読んでおけばと少々残念な気がした。それにしても池田くんはよくこんな名著を見つけて教えてくれたものだとありがたい気持ちである。

 母上・山崎淑子さんは毅然とした教養溢れる女性だったが、いつか電話でお話した時、ブケリッチ氏が亡くなられて遺体を引き取りに網走刑務所へ行った際、遺体は座棺に納められていたので、多分酷い待遇を受けたのだろうと涙が止まらなかったと悔しそうに率直に話されたことと、山崎さんが生まれる前に「洋」という名前は二つの大陸を結び世界へ向かうことを意味する「洋」と名づけようとブケリッチ氏と話し合われたと仰っていた。また、ユーゴ紛争の時なぞ、NATO軍の空爆に対して欧米を厳しく批難されていた。

 しかし、これほどの好著がさして洛陽の紙価を高めたように思えなかったのは、何か原因があったのだろうか。

戦時中のスパイ事件について世界的なジャーナリストが書き下ろした、話題のテーマを取り扱った好著として、1980年中央公論社から上梓された経緯を考えてみてもどうも分からない。

 ともかく、友人を想い久しぶりに読み応えのある、考えさせられる本を読んだという感想である。改めて父上の旧ユーゴ日刊紙「ポリティカ」記事を山崎洋さんが編纂した「ブランコ・ヴケリッチ 日本からの手紙」(2007年「未知谷」社発行)を再読してみようかと思っている。

2012年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com