お中元品を買い求めるために妻と小田急百貨店へ出かけて帰ってみると、テレビでタイミング良く衆議院本会議の真最中で、「社会保障と税の一体改革」関連法案の採決が行われていた。
ここ数日消費税値上げに関する本質的な議論から脱線して、民主党内でどれほど法案反対の造反議員が現れ、彼らに対するお仕置きをどの程度課すべきかという低次元で本末転倒の話題ばかりが先行して些かうんざりしていたところである。
関連法案は8つばかりあって、それぞれ、投票、或いは起立による採決を行っていたが、本丸の「消費税率引き上げ法案」の採決の結果は、賛成363、反対96の大差で法案が可決された。反対票の内、いわゆる民主党員の反対投票者は57人で、16人が棄権した。
しかし、造反者は73人の多数に上り、民主党員の約1/4が異を唱えたことになる。反対の先鋒・小沢元代表は離党をほのめかすようなニュアンスのコメントを述べていた。当分民主党内には激震が走りそうな気配である。
衆議院で可決されたことにより法案は参議院に送られ、来月か、8月初めに参議院で可決なら法案成立となり、消費税は2014年4月に8%へ、15年10月に10%へ値上げされるというシナリオになる。
今回の一連のドタバタ騒ぎについて、はっきり言って国民は呆れている。3年前の総選挙で民主党がマニフェストに掲げた肝心の約束はほとんど実行されていない。そして、この大騒ぎの消費増税だってマニフェストには書かれていなかったものだ。小沢元代表が言うように、約束していないことをやる前にやるべきことがあると声を大にして叫ぶ気持ちも分からないではない。どうも、未熟児民主党は自民党がガバナンスがまるで駄目だと指摘するように、政党の体を成していない。自民党も今回ばかりは消費増税賛成の立場から、与党案に同意したが、他の政策案で反対を言い出す可能性も大いにありで、野田首相の政権運営は前途多難である。
民主党がふわふわして腰が落ち着かない体質になった最大の原因は、元々寄り合い所帯だったことに加えて、強いリーダーシップを持った人物が嫌われ者の小沢氏以外におらず、党内が小粒の政治屋でばらばらだったことにある。
民主党最初の総理大臣になった、恥知らずの鳩山由紀夫氏が、在任中空手形を連発して選挙民に対しても実行できもしない約束を平気で口走る軽率さが、国民の信頼を失い大きな味噌をつけた。自分から引退を公言しながら、性懲りもなく恥の上塗りをやっている人物が今日もまた投票後に何ゆえ自分が反対票を投じたかの自論を軽佻浮薄にも語っている。こんな人物が党内にいるようでは、与党民主党も奈落の底へ落ちていくばかりだと思う。
一段落したら、少数与党に転落しようとも民主党は一度身を削いだ方が、将来民主党が生き残っていくためにはより大切なことのように思えるのだが・・・。