民主党内の揉め事は、ついに党内分裂という最悪の局面に達した。消費税の値上げに反対を唱え、今国会で消費増税法案に反対票を投じた元代表・小沢一郎氏らグループ50名の仲間が離党届を提出した。小沢氏は近い内に新党を立ち上げることを示唆した。今後野田政権への批判を強めることになるだろう。
実は、小沢氏へ身柄を一任した民主党議員は、当初衆議院議員40人、参議院議員12名だった。つまり52名が離党する筈だった。それが、衆議院議員のうち二人がまったく説得力の乏しい屁理屈を述べて離党しないことになった。結束力の固い小沢グループも離散者が増え、ついにヤキが回ったのかと考えざるを得ないが、この二人の自己主張を聞いていると、弁護士出身とは言え代議士としての資質に問題があるような気がする。消費税値上げ反対を主張して、世論の味方のようなふりをするが、所詮自己本位なのだ。
当面三党合意が形成されているので、消費増税法案は参議院を通過して法案成立となるだろうが、問題は党内分裂となった民主党がこのまま政権を維持していけるのか疑問である。震災被災者らは、消費税値上げに加えて、大飯原発再稼動の動きに対して被災者の気持ちにまったく配慮していないと強い口調で野田政権を批難している。
今後綱渡りの政権運営を迫られる野田政権が、これから多くの課題を抱えたまま生き延びていけるだろうか。或いは、自民党との話し合いで衆議院を解散するのだろうか。しばらくは危なっかしい政局を見守りたいと思う。