1355.2011年1月28日(金) 知らなかったパリの地下世界

 今日届けられた「NATIONAL GEOGRAPHIC」2月号のいくつかの特集記事のひとつ、「ようこそ、パリの地下世界へ」という見出しに思わず引きつけられた。写真やイラストを含めて22頁からならトピックだが、内容が極めてミステリアスでパリの地勢的な特徴の説明が興味を惹く。

 これまで何十回となくパリを訪れ全体像をある程度知り、歴史的にも、芸術的にも、景観的にも大好きな都市のひとつであるが、実はパリの地下が上下水道や地下鉄以外に、これほどまでに深い歴史を孕み摩訶不思議な巣窟になっているとは寡聞にして知らなかった。

 そもそもその発端は地下の採石場から石灰岩を掘り出して地上の石造りの建築物の資材用に使用したことから、地下に大きな空間が出来たことが原因らしい。どうやらそれらの石灰岩でノートルダム寺院も建造されたようだ。12世紀ごろのことだというから驚きである。それらの地下空間は地下20m以上もあり、それが分ったのは1774年に土地が陥没して多数の死者が出たことからである。その原因究明と防止のためにフランス革命の当事者であるルイ16世がお触れを出して地下が整備されたというから、実にドラマチックな史実である。採石場跡の壁には、銘板が取り付けられていて、そこには「壁の番号」「G=調査を行ったギョモーのイニシアル」「年号(1783)」が書かれている。何とフランス革命の6年前である。

 断面図を見ると上下水道や古いメトロは、地下10m以内に敷設されているが、もっと深部には過密となった地上の墓地から掘り出され、移された多くの人骨が積み上げられて保管されていたり、第2次世界大戦時の掩蔽壕まである。狭いパリ市内の土地を当時の人々は効率的に活用したようだ。十数年前に開通した高速メトロは、更に深く地下36mを走行している。

 かつてジャン・ヴァル・ジャンがジャベール警視に追われながらパリの下水道伝いに逃げた「レ・ミゼラブル」のストーリーから、パリを歩くたびに巨大な下水道に通じる道路両端の側溝と道路の清掃作業に興味を持って眺めていたものだった。1度は下水道ツアーで実際に地下道を歩いてみたいと思いながら、その思いは叶わず、今日新たな地下情報を得たが、いつかはパリの下水道に潜ることが出来るだろうか。

 それにしてもこの月刊誌は、日本人の発想ではなく、われわれのあまり気がつかない視点から話題を取り上げてくれる。日本人とは異なる視点とそのアカデミックな切り口に強い関心を抱き、日本語版発刊以来17年間定期購読しているが、アメリカの学校図書館を訪れるとどこにも必ずこの雑誌が備えられているのもむべなるかなと思う。

 さて、昨日のニュース2件に関して、エジプトのデモと霧島噴火がただならぬ様相を帯びてきた。エジプト国内では集会が禁止されているが、金曜日のモスク礼拝後に礼拝者がデモ行動に移り、警戒している軍と対立してそれは益々激化している。政府は断固デモを許さず、デモ隊を武力で押さえつける方針のようだ。エルバラダイ・前IAEA事務局長も在住先のオーストリアから帰国して、民主化と自由を求めてムバラク大統領の退陣を迫り、抗議行動は一層加速している。

 一方で霧島・新燃岳が午後爆発噴火して周辺住民は降灰の影響で生活にも不自由し始めたようである。離れて住むわれわれとしては、こればかりははらはらしながら見守るより仕方がない。

2011年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1354.2011年1月27日(木) どうなる? エジプト国内の反政府デモ

 今月18日にチュニジアで起きた政変以降、サウジアラビアやイェメンでも長期独裁政権に反対するデモが起きているが、その動きは昨日中東最大、8千万人の人口を誇るエジプトの反政府デモへと波及した。これまで国民が国家権力に抑圧され、ほとんど反政府デモが起こらなかった中東諸国内にデモの雪崩現象が起きたのは、いうまでもなくインターネットによる情報の交換が大きい。中でも最近脚光を浴びているフェイス・ブックの影響が最も効果的だったようである。他の中東諸国では連鎖反応を恐れて情報統制を強化して反政府の動きを最小限に食い止める手段を講じているが、観光立国のエジプトでは、外国人の出入りが夥しくそうもいかず、2009年の大統領戦後にイラン政府が取ったような強引な情報統制強化はとても行うことは出来ない。

 長期独裁政権に一石を投じたチュニジア政変は、今や他の中東諸国を戦々恐々とさせている。とにかくこれらの国々は、サウジアラビアを始めとしてリビア、エジプト、アルジェリア等々長期独裁体制の国々の心胆を寒からしめている。特に、昨日勃発したエジプト国内のデモは多くの点で世界の注目を集めている。

 その理由のひとつに、国内的にもムバラク大統領が1981年に政権に就いてからすでに30年の長い歳月が経過したことである。ちょうど文部省の教員海外派遣団の添乗員として、アメリカ・インディアナ州インディアナポリスに滞在中に、当時のサダト大統領が軍事パレードを観閲中銃砲で暗殺され、その生々しいニュースを実際テレビで観てショックを受けた。同地の教育委員会でもしばし話題となったほどである。あの事件直後に国際的には無名と言ってもいい、副大統領だったムバラク氏が大統領に昇格して30年という長い時間が経った。よくもまあ有為転変の世に長らく国家の舵取りをやってこられたなぁとその巧みな手綱捌きに感嘆するほどである。そのムバラク大統領は9月の大統領選で6期目の大統領に意欲を見せるか、息子に継承させるのか、或いはノーベル平和賞受賞者でもあるエルバラダイ・前国際原子力機関(IAEA)事務局長に職を譲るか、判然としていない。その最大のライバル、エルバラダイ氏の大統領被選挙権を剥奪しているというから、火種は残されている。

 不思議なのは、あれだけ「民主化」を叫んでいるアメリカが、むしろムバラク政権を安定政権として支持するような声明を出していることである。その理由としてはエジプトがアラブ諸国の中では一番反イスラム原理主義的で、かつイスラエルとのパイプを持っていることがある。アメリカは中国政府に対してはあれほど民主化を迫りながら、エジプトのデモ弾圧に対してはトーンが落ちる。更に言えば、エジプト国内のデモはイスラム原理主義勢力に後押しされていて、根っ子でアルカィーダと通じているという理由から、反政府デモを支持する気がないようだ。

 これでは結局、どこの国も、どの人もその場では、自分に利する道しか選ばないということではないか。

 このままエジプトのデモを注目しつつ、同時にそれを支えるアメリカ政府の動きにも注視しなければならないということである。

 ところで今日午後鹿児島・宮崎県境の霧島連山・新燃岳が噴火して周辺地域は火山灰に見舞われた。数日前から予兆はあったが、農家の畑には多くの降灰があり、せっかく作った野菜が出荷出来そうもなくなり、農民はぼやいていた。どうして宮崎県ばかり災難が降りかかるのだろうか。昭和35年夏軽井沢でアルバイト中に、浅間山が噴火して降灰があり、しばらくしてにわか雨が降ってどろどろの灰がアルバイト先の屋根や庭を台無しにした思い出がある。

 さて、アメリカの大手格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ社が今日日本国債の格付けを、従来の「AA」 から「AA-」と8年9ヶ月ぶりに1段階引き下げた。日本は21のカテゴリーの内3番目にあったが、中国、サウジ・アラビア、クウェートと同じ4番目のカテゴリーに入った。

 S &P社はその理由をわが国の1,000兆円に達しようという累積財政赤字と、民主党政権がそれを解消するための明確な財政政策を打ち出せないからであると述べている。われわれが以前から強く懸念していたごく当たり前のことをズバリ専門家に指摘されたわけだ。ところが、これに対して野田佳彦・財務相は「民間会社の言うことにいちいちコメントする立場にない」とまるで他人事のようであり、経済政策の進め方を批判されたはずの菅首相にいたっては「そういうことには疎いので・・・」とまったくノー天気なのである。国のリーダーがこれでは救いようがない。

2011年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1353.2011年1月26日(水) 心配な鳥インフルエンザの感染拡大

 今年初めての「JAPAN NOW観光情報協会」企画会議で、3月の決算理事会と5月の総会日程が報告、承認された。報告事項終盤の雑談の中で協会副理事長でもある、JR東海の須田寛相談役からJR東海が名古屋市港区の金城埠頭に建設中の「JR東海博物館」(仮称)が開館されるに先立って、3月7、8日に内覧会が開かれるので、協会理事に招待状を送りたいとの報告があった。何もかも運営を丸投げした形の大宮の鉄道博物館に比べて、この博物館はJR東海が管理しながらより以上にしっかり運営されるはずとの話だった。オープン後はしばらく相当数の入場者が見込まれることでもあり、お言葉に甘えて他の理事とともに見学に行こうと考えている。

 さて、鹿児島県でナベヅルが感染した鳥インフルエンザ感染に続き、先日宮崎県に発生した鳥インフルエンザが大きな広がりを見せ、鹿児島県でもまた鶏の鳥インフルエンザ感染が確認された。それにしても宮崎県では昨夏の牛の口蹄疫騒ぎに続き、降って湧いたように今度は鶏である。それが今日になって今度は愛知県豊橋市の養鶏農家でも鳥インフルエンザが確認された。関係者は情報に慌てふためき、その真偽の確認にてんてこ舞いの騒ぎになった。これから解決までにまだ時間がかかることだろう。今度の鳥インフルエンザはどうしてあちらこちらに飛び火するのだろうか。いつもながら気の毒なのは、被害者である養鶏農家である。

 それにしてもその被害は当の養鶏農家ばかりでなく、鶏肉の加工食品製造業者、更には観光業にも及んでいる。ツルの越冬地として知られる鹿児島県出水平野では、毎年訪れるツルを見学に来る観光客のための「ツル観察センター」が、ナベヅルの感染以来休館が続いている。一刻も早く事態が解決されることを望んでいる。

2011年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1352.2011年1月25日(火) 竹原信一・前阿久根市長の話を聞く。

 やはり只者ではないと感じた。竹原信一・前阿久根市長の本音である。今日日本財団で開かれた構想日本のフォーラムはテーマが予告と少々変わり、「これからの地方議会のあり方」と題して、竹原氏のほかに穂坂邦夫・前志木市長、土井裕之・さいたま市議が出席し、いつも通り加藤秀樹・構想日本代表がコーディネーターを務めた。

 それぞれ地方自治に関して経験の深い方々ばかりで、実体験から深みのある話を聞かせてもらった。竹原氏の話を期待したのか、200名ぐらいであろうか、聴講者はいつもより大勢で熱心に聞いておられた。質問者5人のうち3人が地方議員・元市長だったが、いま話題の竹原氏の発言に注目したのだろう。

 地方政治に詳しい「NPO法人・地方自立政策研究所」理事長でもある穂坂氏を始め、皆さんが一様に同意していたのは、現在の地方政治が活性化せず、馴れ合い政治になっているのは、わが国の地方制度がすべて2元制に定められていることに原因があるという点だった。さらに言えば、わが国では自治省の元にすべての自治体が揃ってこの2元制を採り入れていることが問題だとも指摘していた。イギリスでは各自治体がそれぞれの自治体に合った制度、つまり1元制か、2元制のどちらを選択するかを住民が決めることも出来る。

 竹原氏はこういうことも発言された。日本には身分制度が厳然として存在するが住民が気付いていないと度々発言していたのが印象的だった。それは、公務員という身分階級であり、好待遇に甘え権力を揮い、住民のための行政を行わないことを厳しく糾弾していた。これがため市長になったと繰り返していた。例えば、阿久根市民の平均年収は約200万円だが、市役所職員は約700万円だとその高給ぶりを非難していた。職員は既得権益と誤解しているし、議会と職員が癒着してお互いに利益誘導を行っているので、お互いを庇いあっていると厳しい指摘をされた。

 メディアから流れてくる情報だけでは確かに分らない。竹原氏が市長選で敗れた直後に、敗れたのは市職員組合とメディアのせいだと語ったが、竹原氏のメディア観には相当深い不信がありそうだ。竹原氏は防衛大学校から自衛隊に入り正義感が強いせいだろうか、むきになって話していたが、今日の感じでは確かにメディアの責任もあるかも知れない。竹原氏の言うことはかなり筋が通っている。でも、やはり地方都市のやり方としては少々強引との印象は拭えない。例えば、市長就任直後になぜ副市長としてわざわざ県外から警察OBを連れてくる必要があるだろうか。これでは反って市民から反感を買うことになる。もう少し周辺事情を研究し、良き参謀を抱えてじっくり持論を構築してそれを訴え啓発していけば、市民から受け入れられる素地は育まれると思うし、再び世に出る機会はあると思う。このまま消え去るには惜しい人材だと思う。

 それにしても約2年ぶりのフォーラムだったが、相変わらず加藤氏の巧みなコーディネーターぶりには感心した。流石「事業仕分け」を生み出した智恵者である。

2011年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1351.2011年1月24日(月) 自己流を貫く政治手法と政治の停滞

 今日から衆議院で通常国会が始まった。菅内閣は沈没直前のドロ船と揶揄されていて進路はまったく見通しが立たない。しかし、溌剌さが感じられない菅内閣もそうだが、衆議院議会場全体に沈滞した空気が流れ、菅首相以下大臣の所信表明演説を居並ぶ大臣や議場の議員先生はただ黙って、或いは居眠りしながら生気のない顔つきでぼんやり聞いているだけの情けない雰囲気が漂っている。

 各大臣のスピーチの中でも前原外相が述べた日本外交の進むべき道について、ひとつひとつ話す内容は誰が考えたのか知らないが、抽象的で実現性がまったく感じられない。例えば北朝鮮外交について、6ヶ国協議と並行して日本独自に北へアプローチする所存とのことだが、一体何をどうするのか。中身を語らないでは分らないではないか。これまでやってきたつもりの実のない対北外交を、まだ繰り返すことを表明しているだけに過ぎないではないか。

 それにしても一言で言えば、国会開会初日なのにまったく迫力もなく、精彩も欠く議場風景である。こんなことで日本政治のガバナンスは大丈夫だろうか。

 中央政治が頼りにならなくなったが、一方で地方政治も民主主義の根幹に関わる茶番劇を演じている。昨日名古屋市長選が告示され4人が立候補した。河村たかし前市長と市議会の対立が原因で、前市長が任期途中で辞職して信を問うと改めて行われる市長選である。行政の停滞、無駄な費用支出に市民もしらけているのではないだろうか。

 更に在任中専決処分ばかり行って議会と真っ向対立してリコールを成立され、選挙で落選した鹿児島県の竹原信一・前阿久根市長、そしていずれマグマが噴き出すであろう橋下徹・大阪府知事の言動等々、話し合い拒否で力づくの政治手法の横行は、民主主義に逆行するものであり、問題点を白日の下に曝け出すだけである。

 例えば、名古屋では河村前市長の提案である市民税10%減税、阿久根では竹原前市長が提案した市議会議員を16人から6人へ減員、大阪府では橋下知事の大阪市をなくして二重行政の廃止、大阪府を大阪都とする構想、などはもう少し時間をかけて住民が選んだ地方議会で徹底的に議論すれば良さそうなものだが、権力者というのは自分の描いた図式通りに政治を牛耳りたいのだろうか。

 民意にもっと真剣に耳を傾ける気持がないと、似たような政治の停滞は今後も起るのではないかと些か気になる。

 流石に一般からもチクリと批判的な声があがっている。今朝の朝日「声」欄に相模原市の70歳の読者から「首長の方針に反対する議員を選んだのも、その自治体の住民である。この事実を直視せよ」と頷ける意見が載っていた。

 タイムリーにも明日会員である政策シンクタンク「構想日本」で、「統一地方選を前に、地方自治体の本質を考える」とのテーマでフォーラムが開催され、パネリストとして竹原信一・前阿久根市長が出席される。どの程度本音を話されるか、楽しみに久しぶりに参加したいと思っている。

2011年1月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1350.2011年1月23日(日) 情緒溢れるシンガポール駅が廃止になる。

 今朝のテレビ報道番組を観ていて胡錦濤・中国国家主席が今回の訪米で国賓待遇を受けたことにやっと納得がいった。つまり胡主席は5年前訪米してブッシュ大統領と首脳会談を行ったが、その時は中国政府の強い要請にも関わらず、アメリカ政府は国賓としての待遇を受け入れなかった。しかし、今回中国はアメリカ政府へ充分な根回しのうえ強く要請して胡主席は、初めて国賓待遇を受けることになった。アメリカは中国の強い存在感と経済力に敬意を表して、最高の儀礼で胡主席をもてなしたということになる。これで面子を重んじる中国の体面は保たれ、加えて世界に中国の存在感をPRすることが出来た。

 それにも拘わらず、これまでの米中関係の歴史から、アメリカ国内では胡主席を国賓として迎えることに対して政府部内の一部に強い反対があった。中でもオバマ大統領主催の歓迎夕食会に招待された、下院議長が出席を拒否したり、世界最悪の人権蹂躙者をホワイトハウスへ招待することに反対であると露骨に非難した議員もいた。また、両首脳の記者会見では劉暁波氏の身柄拘束やチベット問題など人権問題に対する質問を受けた胡主席が狼狽して率直に応えなかった場面があったが、これは同時通訳が訳さなかったとも説明された。胡主席は各国にはそれぞれの国情があると理解を求めた。どうも人権問題にかかわると急に不自然、無視、回避の姿勢が目立つのが相変わらずの中国の対応である。

 今日の朝日朝刊でマレー鉄道の記事が目についた。それによると今年7月1日に現在のシンガポール駅が廃止になるという。マレー鉄道シンガポール領内北端のジョホールバールとこの駅間の鉄道を撤去してシンガポール駅は国境のウッドランズに移転する。この駅から北上してバンコックへ向かう場合は始発駅でもあり、それほど印象に残ることはないと思うが、バンコックから南下して最後にマレー半島を縦断して最後に辿り着くシチュエーションだとついエモーショナルな気分に捉われる駅である。何でもこの線路用地はマレーシア領地だったが、今回シンガポールに返還されるのに伴い線路を撤去するようだ。それにしても惜しい。バンコックから約2,000㎞だが、この廃止により距離が1%分、約20㎞短縮されることになる。それにしても、観光的にも魅力のある鉄道遺産のような価値のある鉄道をこうも簡単に廃止してしまうのはもったいない気がする。私自身この鉄道には全線を6回も縦断したので強い思い込みと未練があり、人一倍残念だという気がする。実際ヒット企画商品「マレー半島縦断鉄道2,000㎞の旅」を何度も企画して、下見調査や添乗員としても、また個人的な旅でもしばしばこの駅を利用した。このツアーは大当たりで何度もリバイバル商品として販売し、会社の名を高からしめた。今もってWikipediaで会社紹介を観るとマレー鉄道のツアー企画で知られると絶賛してくれている。

 しかし、一部のオリエント急行が姿を消していったように、情緒のある鉄道の旅は採算的にも成り立たなくなってきたのか、駅ですら消えてしまうのが実に惜しい。私の海外旅行業務を大きく占めた、このマレー鉄道には殊更思い込みが強い。多少路線が削られたとはいえ鉄道がなくなるわけではないので、いつかまた乗ってみたいと思っている。

2011年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1349.2011年1月22日(土) 中国とアメリカにとって損得はどっち?

 昨日独立行政法人・国民生活センターへ送付した寄稿について、編集者からその内容を好意的に評価するメールをもらい、発行誌のプロフィールに拙著の1冊を紹介してくれることになったので、「停年オヤジの海外武者修行」を紹介してくれるようお願いした。同書は先日発行元編集長から近い内に電子書籍化を検討すると聞いた。拙稿の記事に沿った写真と表も掲載してくれることになった。

 さて、鳴り物入りで訪米して持論を展開していた中国の胡錦濤・国家主席が帰国の途についた。米中両国ともに相互依存を確認した。だが、これまで不満を抱いていた点については軽く触れるだけで追い詰めることまではしなかった。何か奥歯に物が挟まったような首脳会談だった。人権、軍事、北朝鮮問題等については懸念を表明するだけで解決へ向けた議論をするところまでは行かなかった。

 それに引き換え、経済、貿易問題に関する話し合いでは両国ともかなり積極的だった。中国はアメリカとの協調関係を強めるために、アメリカが中国に対して抱いている不満を解消すべくアメリカの対中貿易の赤字削減に協力することを約束した。直ちに航空旅客200機の購入を含む3兆7千億円の商談を成立させ、現在の対米輸入額を5年以内に現状の1千億ドルから2千億ドルに倍増すると表明した。オバマ政権の掲げる「雇用創出」と「貿易赤字の削減」に協力してオバマ大統領の顔を立てるジェスチャーを示したわけである。2009年にアメリカから中国への輸出は、690億ドルだったのに対して、輸入は何と2960億ドルで、アメリカの対中貿易赤字は2270億ドルに達していた。

 これで経済問題上残る課題は安過ぎる「人民元」の切り上げである。ともかく表面的には大きな問題は噴出すことはなかった。

 今日アメリカのみならず世界が中国に対して一番懸念しているのは、中国軍部の急速な勢力拡大だと思う。軍事力もアメリカに次いで世界第2位のポジションにある。強大化する中国軍は、文民統制どころか、益々その権力を強めているようだ。最近の中国海軍の東シナ海、南シナ海周辺海域への進出に伴う拡張主義・覇権主義は軍が自分たちの思い通りに動き出した表れではないかと心配される。今や党も軍に対しては言論抑圧を強制出来ない不安がある。このまま軍部が力を蓄え、党・政府の意見を聞かなくなったら一気に暴走し、強大な軍事国家となり、軍事力をバックに国際社会において無理難題を振り回しかねない心配がある。西太平洋で中国がその存在感を強めれば強めるだけ周辺諸国にとっては脅威であり、アメリカにとっても重大な脅威となる。中国国内で一番心配なのは、軍事クーデターによる胡錦濤・国家主席政権転覆による軍事国家の成立である。

 今回の胡錦濤・国家主席アメリカ訪問は、言いたいことを封印して経済面の摩擦だけを取り繕った印象が強い。多くの問題は積み残されたままだ。両国の対立が内部でマグマとなっていくのではないだろうか。

 それにしても5年ぶりのアメリカ訪問を国賓としての公式訪問と報道していたが、外国VIPの国賓扱いは1度だけのはずである。昔外務省の依頼でシンガポールのリー・クワン・ユー首相(現顧問相)の箱根旅行を手配した時、外務省担当者からそのことをはっきり聞いた。その時2度目だったリー首相の日本訪問は国賓待遇の準国賓だった。胡主席はその外交慣例まで、アメリカに打ち破らせてしまったのだろうか。

2011年1月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1348.2011年1月21日(金) 森ビル・森稔社長のご実家はわが実家の近くか?

 日経紙夕刊に「心の玉手箱」と題する連載エッセイがある。今週の書き手は森ビル社長の森稔氏である。森社長は湘南高校の4年先輩でノーベル化学賞受賞者の根岸英一博士と同級生だが、偶々一昨日の夕刊には「京都から湘南へ」の小見出しで父親の勤務先の変更(京都高等蚕糸学校<現・京都工芸繊維大学>⇒横浜市立経済専門学校<現・横浜市立大学>)により、小学生時代に京都から藤沢市鵠沼へ転居して遊んだ自宅周辺の自然や野鳥の生態の様子が描かれている。掲載された江ノ電鵠沼駅の写真を見ると、その遠望はわが実家周辺である。懐かしい松の大木も見える。片瀬川辺りと近くの松林のこともよく書かれている。まったくかつて住んでいたわが家の環境と似ているので、自宅がお互いに近くだったようだ。11月に森社長に六本木アークヒルズでお会いした時は、お話しなかったが、この次にお会いしたら半世紀前の鵠沼事情についてお話してみようと思う。

 それにしても、父親の転勤で京都の衣笠から鵠沼へ引っ越されたトレースと私が同じように父親が明治乳業㈱京都工場長から本社へ転勤となり、中学校卒業直後に京都・桂から鵠沼へ引っ越してきたルートが同じようなのはちょっとしたサプライズである。まったく似たような人生行路というものがあるものだ。尤もあちらさんは、高校から根岸さんと一緒にストレートで東大へ進学し、当方は2年浪人してとても東大には歯が立たないのだから、所詮勝負にはならないが、これも人生の綾ともいうべきものだろう。

 さて、先日来取り掛かっていた「月刊国民生活」の4月号の特集原稿を脱稿したので、今日写真と書類を併せて国民生活センターへメールと郵便で送付した。先日の編集者との話では完全にお互いの意図が一致したとも思えないが、大きな考え方の相違はないと思っているので、向こうの意にそぐわなければ何とか言ってくるのではないか。

 それとは関係ないが、不思議なこともあるもので、偶然にも国民生活センターへ原稿を送った後の今夕の日経夕刊社会面に国民生活センターと間違えそうな怪しげな「国民生活相談センター」と称する組織が、消費者に偽電話をかけて問題になっているという記事が載っていた。関係者らしい振る舞いで偽の訴訟告知確認ハガキで架空の未払い金請求をしようとした。国民生活センターもえらい迷惑を蒙ったものである。それにしても前項の記事といい、どうしてこうもタイミングが合うのだろう。

2011年1月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1347.2011年1月20日(木) 中国GDP、日本を抜いて世界第2位へ

 中国の胡錦濤・国家主席が訪米し、ワシントンで盛大な歓迎行事が行われている。すでに晩餐会やら歓迎式典で終始にこやかな胡主席の姿が見られた。その中で胡主席とオバマ大統領の笑顔の中に、相手への牽制球を投げる思惑も垣間見られたのではないかと思う。米中間には依然として大きな壁がある。今では抜き差しならないほど両国の貿易面の相互依存は強い。相互の関係がこじれると困るのは、米中ともに同じである。お互いに少しずつ歩み寄りの姿勢を見せているが、国家としてその頑なな立場を主張するとどうしても対立点が表面化してくる。国際的スタンダードからすると中国の言動は、ほかの民主義国とは異質で受け入れ難い。どうも中国の唯我独尊的な考えを一方的に押し通そうとする強引さには、アメリカですら手を焼きアメリカ政府筋でも中国と距離を置いて考えている議員が多い。 

 現在最大の対立は、北朝鮮問題の取り組み、中国軍の拡大化、人権抑圧、不公正な貿易取引などだろう。今回の訪米で相互理解と対立解消はどれだけ前進するだろうか。常に国民の目を意識する中国では、胡主席の行動がアメリカ国内のメディアでどう注目されるかに気を配っているようだ。歓迎式典の場には、最高級の歓迎の気持を表すために赤い絨毯を敷き詰めるよう中国政府からホワイトハウスへ事前注文があったと聞く。中国国内での不満を抑え、プライドを誇示するためのメディアと国民を意識したヤラセである。その影響で昨年菅首相との短い会談では、笑いを見せなかった胡主席が今回の訪中では終始にこやかである。そんな田舎芝居はとっくに見透かされているのに、非民主国家の親分、胡錦濤たるもの裸の王様になって茶番を演じている。

 胡主席は中国の名門大学として知られる清華大学の出身と聞くが、そもそもこの大学は100年前の辛亥革命が起きた年に、当時のアメリカ政府が知米派を育成するために創立されたものだという。胡主席はその点で知米派のはずである。 

 時恰も今日発表された2010年の国内総生産(GDP)は、まだ日本のGDPは発表されていないが、中国が経済大国で世界第2位の地位を築いたことは間違いないようだ。近年中国は日米欧とは対照的な高度経済成長を実現している。あくまで予測であるが、2015年には中国は日本を遥かに凌駕して、中国:日本=1:0.6くらいの成長比率になるらしい。どこまで中国は伸びるのか。人口比率が日本の10倍もある国でもあり、1人当たりに換算すれば、まだ日本の方が遥かに豊かだということは言える。しかし、日本だっていつまでも安閑として中国の後塵を拝してはいられない。ここは双方が本音を言わない米中会談の行方をしっかり見守りたいと思っている。

2011年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1346.2011年1月19日(水) 東大紛争から42年

 最近わが国の政治がまったく前へ進まないような印象を受ける。24日ごろ通常国会が開かれるということだが、1本釣りした与謝野馨・経済財政大臣へ党内外から猛烈な批判が上がり、仙石由人・前官房長官の後釜として政策全般の仕切り役を期待されていた与謝野氏が野党攻勢で動きが取れなくなっているからである。

 加えて相も変わらず、小沢一郎・元民主党代表の政治倫理審査会への出席が宙に浮いたままになっている。小沢氏は出席しないと言い、反小沢派議員は返事を明日までにと回答期限をつけ、自民党では小沢氏が起訴された場合、議員辞職勧告決議案を提出する方向で検討に入ったと報じられている。どちらにしろいつもながらの国会議員族のもめごとであり、国民としては呆れて見ているばかりである。

 経済面でも一向に明るい兆しが見られないが、今朝の日経紙の株式欄を見るとアジアの主要な株式市場でアジア各国株が低調なのに比べて、昨年末より日本株の堅調が目立っているという。どうも信じ難いが、実際主要株価指数騰落率では、香港に次いで2位になっている。以下韓国、シンガポール、台湾、タイの順であるが、理由として先進国の金融緩和による食品・エネルギーの国際価格高騰でインフレ懸念が急速に台頭してきたことが大きいようだ。それに反して日本企業はエネルギー効率が高く、資源・原材料価格上昇への抵抗力があると見られていることにある。嬉しいような気もするが、一過性の恐れなしとしない。消費が低迷し、全国の百貨店の売上高は、14年連続で対前年比減少だそうだから、当分明るい材料がない。大学生の就職市場もぱっとしない。

 政治も経済もまったくダメだ。いつになったら光が見えてくるのだろう。

 さて、チュニジアの政変がいろいろな意味で世界に大きな影響を与えている。特にアラブ諸国では明日はわが身となるのを避けるために、いろいろな手を打っているようだ。チュニス市内のデモが続いているが、イェメンの首都サヌアでもデモ騒ぎが起きた。今回のチュニス市内のデモのきっかけは路上の屋台商売を行っていた若者が警官から排除され、抗議の焼身自殺を行ったことが導火線になったが、インターネットで扇動した新しい機能として「フェイス・ブック」があったという。急に世界的に注目されるようになったこのFBがよく分らない。昨日の朝日紙上でスペースを割かれていたが、どうも分かり難い。数日前ある人からFB登録のメールを受け取った。朝日によれば、すべて個人的な情報を公開するようだから、それはご勘弁いただきたいと思っている。

 42年前の昨日と今日の2日間が、かの東大紛争が頂点に達した時だった。最早60年安保から時も経ち、外部から覗いていただけだったが、テレビで観たあの安田講堂に向けて放水していた光景をまざまざと覚えている。結局幹部がほとんど逮捕され、期待されていた翌年の70年安保反対デモは骨抜きになり、60年安保に比べてあまりにも力不足で竜頭蛇尾に終わってしまった。いずれにしろ昔日のセピア色の思い出である。

2011年1月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com