2931.2015年5月23日(土) 母校慶応日吉キャンパスへ

 一昨年4月大学卒業50周年を記念してその年の大学入学式に母校慶大から招待され出席した。爾来昨年は連合三田会に招かれ、今日は大学から「卒業51年以上塾員招待会」と称する卒業51年以上の一卒業生として招かれ出席した。

 日吉の記念会堂には3千名のOBが集結した。午前中には、我々よりもっと年配のOBがやはり3千名招かれたというから、恒例になったとは言え、一日2度に亘る大学の塾員招待会開催に架けるエネルギーと費用は相当なものになるだろう。広い会場内に沢山のテーブルが置かれ、そこには飲み物や、寿司、サンドウィッチ、ケーキなどの軽食が用意され寛いだ雰囲気の中で清家篤塾長の歓迎スピーチと応援指導部、チアガールによる塾歌、応援歌が演奏され、久しぶりに蛮声張り上げ学生気分に戻って高唱した。

 幸い東急東横線日吉駅前のキャンパスと自由が丘駅に近いわが家は地理的に近いという点でも出席し易く有り難いと思っている。大学の友人より高校の親しい友人と気楽に話合うことになってしまい、これでは大学の期待には応えていないのかも知れない。記念品までいただいて帰って来た。まあ今日は気軽に出席することができて、楽しい半日を過ごすことができた。

 先月29日に小中陽太郎氏ら元ベ平連の人たちを中心に芝公園で行ったベトナム戦争終結40周年記念集会をThe Japan Timesに写真入りで大きく取り上げてもらった。その折同時に取材してくれたベトナム通信社ブイ・フー・タン東京支局長が、1967年1月戦時下のサイゴンに潜入した私の行動に強い関心を持たれインタビューされた画像が、30日のベトナム戦争終戦記念日にベトナム全土で国営テレビにより放映されたと聞いていた。そのビデオ画像か、写真を何とか入手することはできないだろうかと先日来支局長にお尋ねしていたところ、今日支局長から近いうちにDVDを送ってくれると嬉しい連絡があった。同時にベトナム通信社のHPにもその時の様子を掲載したと教えてくれた。早速HPを見てみると私の写真3枚がベトナム語で注釈が付されていて当然ではあるが、これではカラー写真は鮮明ではあるが記事は意味不明である。いつか支局長に尋ねてみようと思っている。テレビでは日本語による取材だったので、DVDならまったく問題ない。いずれにせよどんな映像になっているのか、今から楽しみにしている。

2015年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2930.2015年5月22日(金) 日本は貧富の差が大きい?

 経済協力開発機構(OECD)が、昨日加盟国34カ国の所得格差に関する報告書を発表した。それによると人口の上位10%の富裕層と、下位10%の貧困層の所得を比べると80年代の7倍程度から平均で9.6倍にまで広がりほとんどの国が過去30年間で最大になったという。

 意外だったのは、これまで日本は所得格差が少なくほとんどが中間層と見られていたが、この統計で見る限りOECD平均格差を上回り格差の大きい順位では10番目だということである。最も格差の大きい国はメキシコ、次いでアメリカ、イスラエルの順になっている。最も低いのはデンマークである。OECDによれば、原因はいろいろあるようだが、背景に世界的に非正規雇用者が増えていることが大きいようだ。その点で言えば、近年日本にも非正規雇用者が増加していることを示していると言えるようだ。

 それにしても34カ国という限られた国家数から示された数値とは言え、我々日本人は格差のない、経済的には平等に恵まれた国に住む幸せ人間ぐらいに思っていたが、必ずしもそうではないということを自分自身に言い聞かせる必要があるかも知れない。

 さて、昨日の本ブログに書き込んだ文章で、昨日志位共産党委員長が安倍首相に対して国会の党首討論で、ポツダム宣言に触れて先の戦争は間違っていたと認めるかと質問したことについて、首相は「詳らかに読んでいないので、論評は差し控えたい」と応えたことが注目されている。私もテレビ・ニュースを見ていて首相がどう応えるか興味を持っていた。結果的につまらない質疑になってしまったが、ポツダム宣言を国会で持ち出すなど次元の高いものになった。残念ながら首相の回答が次元の低いものに終わった。

 今朝の朝日「天声人語」の取り上げ方が興味を惹いた。首相の戦争観が論題だった。首相は実際にポツダム宣言を読んでいたのか。読まずに「戦後レジームからの脱却」を唱えてきたのかとやや批判的な質問だった。松井孝治慶大教授は質問した志位共産党委員長を「手だれ」だという。初めて知った言葉である。手慣れて熟練した人を表すそうだ。志位委員長の首相を惑わせるしたたかな質問者だと言っている。確かに志位委員長の質問は、よく考えて本音を聞き出すには上手な問いかけだったと思う。論客揃いの共産党員には、論点をずばっと衝く議論を行える人が他党より揃っている。自民党の世襲議員たちとは大分年期の入れ方が違うようだ。

 さて、今日ひとつ嬉しいことがあった。湘南高校ラグビー部、及び早稲田大OBで日ごろから親しい矢田健一さんという元大学教授からメールで、2カ月前の逗葉(逗子・葉山地区)稲門会の集まりで、森喜朗元首相と親しい早大同期生の方が森さんから「逗葉稲門会会員の中にも湘南高校OBの人がいるだろうから、この本を見せてやって欲しい」と拙著「南太平洋の剛腕投手」をいただき、現在他の湘南OB仲間の間で回覧されているという。彼はその方から「著者の近藤節夫さんはラグビー部らしいが知っているか?」と聞かれたから、よく知っているし、しばしば会うと話して彼も些か誇らしい気がしたと知らせてくれた。それにしても森元首相は拙著を大分気に入って下さり、方々へ紹介してくれる。本当にありがたいと思っている。

 「猿もおだてりゃ木に登る」のノホホン気分である。

2015年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2929.2015年5月21日(木) 首相の発言に危険が隠されていないか。

 いま安保法制関連法案が国会に提出され議論が行われているが、昨日今国会で初めて安倍首相と各野党党首との論戦が行われた。テレビ・ニュースで2度ばかり観たが、最近首相は少しずつ自らの言動に自信を抱いたのだろうか、答弁には慣れによるふてぶてしさが表れ、質問をはぐらかす狡さがしばしば見られるようになった。今朝の朝日社説でも、質問に対して真正面から応えずはぐらかすばかりだと厳しく批判している。

 懸念されていた点では、岡田克也・民主党代表が集団的自衛権の行使が他国の領土、領海、領空に及ぶ可能性を質問したことに対して、他国で武力行使は行わないと言いきった。また、自衛隊が戦闘に巻き込まれるリスクが高まるのではないかとの質問に対しては、「戦闘が起こった時は直ちに部隊の責任者の判断で一時休止し、退避をすることを定めた。戦闘に巻き込まれることがなるべくないような地域をしっかり選び、安全が確保されているところで活動する」と応えたが、そんなにうまく的確に処理できるものだろうか。

 日米防衛新ガイドラインで、アメリカはこの首相の発言をどれほど納得し了解しているのだろうか。首相の発言は、戦場最前線の厳しい臨場感や現場を知らない人の発想であり、想像の域を超えていない。どう考えても共同作戦を取っている米軍の要請が、日本の自衛隊の安全地域への派遣ばかりである筈がないではないか。アメリカ側から見れば、それではアメリカにとって、日米同盟新ガイドラインを結んだ意味がないと思う。「米艦に対する武力攻撃があっても日本は武力攻撃しない」とか、「今までと同様に海外派兵は一般に認められていない。外国の領土に上陸して戦闘行為を目的に武力行使することはない」「武力の行使、戦闘行為を目的として海外の領土や領海に入って行くことは許されない」などと、これまでの首相の話はあまりにも楽観的ではないだろうか。この度の安保法制案提案の主旨に関する先日の記者会見でも「日本はアメリカの戦争に‘絶対に’巻き込まれない」と軽々しく「絶対に」などと強調して強い思い込みを表明したことを考えると、果たしてどこまで本気でそう思っているのだろうかとの疑問を抱かざるを得ない。とにかく首相の言葉は、真剣味に欠け軽薄さが付きまとい、安心して政治を委ねる気持ちになれないからもどかしい。

 志位和夫・共産党委員長の「過去の日本の戦争は間違った戦争との認識はあるか」との単刀直入の質問に対しては、まともに応えず「アジアの多くの人々が戦争の惨禍に苦しんだ。2度と繰り返してはならない。村山談話、小泉談話を全体として引き継いでいる」と肩透かしを食わせたような狡い応え方をしている。また、日本が敗戦の折受諾したポツダム宣言では日本の戦争は間違った戦争だと明確に示したと言及すれば、それは詳らかに読んでいないと逃げる有様である。

 安倍首相には一強多弱の盤石な保守支持層に支えられ長期政権の目が生まれてきた。昨日その安倍首相は歴代首相の在職日数で尊敬する祖父岸信介を抜いて史上6番目となった。益々自信が強まり驕りが嵩じる心配がある。

 昨日の一連のやり取りを聞いていても、安倍首相は国民に何か隠し事があるのではないかと思えるように感じられた。それは、一昨日橋本明氏が首相の話し方が随分変わってきたし、時によってテンポが変わるとその不安定さについて話されていたが、情緒不安定の表れではないかと気にかかる。その時橋本氏は、首相がアメリカ製の目の玉が飛び出るような高価な特性の薬を服用していると話されたが、或いはそのマイナス面の影響がこのところの多忙による疲労でぶり返してきたのだろうか。あまりメディアでは取り上げないが、私には首相の発言がやや一貫性に欠けぶれるように感じている。このまま突き進むと岡田代表が危惧するように、日本軍最高司令官安倍総理大臣の命令により自衛隊が他国の領土へ進出し、一戦交えることも正夢となる恐れがあるのではないかと密かに心配している。

 それでも日本国民は民主主義のルールに則り安倍晋三氏を首相に選び、さらにこれからの日本をリードしていくことを無念にも任せたのである。我々国民はいつまでこの戦争好きな総理大臣に従っていかなければならないのだろうか。つい絶望的な気分に襲われる。

2015年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2928.2015年5月20日(水) 新国立競技場は屋根なしで出発

 2020年開催の東京オリンピックでは、現在取り壊し建築中の新国立競技場にオリンピック開催時には、開閉式屋根を取り付けないという杜撰な話がトップ会談の場で公になった。どうしてこういうお粗末な話になったのだろうか。

 当初イラク人女性デザイナーが提案した一風斬新なデザインが採用されたが、これまでの国立競技場の周辺環境との絡みから景観面で反対論も出て、そのデザインを若干変更し、コストも削減するとの狙いからデザイン変更、そして建築費も3千億円から半額に削減して、着々と準備が進んでいると思っていた。実際旧国立競技場はすでに取り壊され、厄介な問題を抱えた神宮野球場と秩父宮ラグビー場の解体、移転、新設を抱き合わせて計画が進んでいる。こともあろうにその最中において、計画変更、費用の一部である500億円を東京都に負担して欲しいと唐突に下村博文・文科相が舛添要一・東京都知事に求めた。知事には青天の霹靂だったようで、都民が負担する以上その理由を説明するよう要求した。いずれにせよ、無計画、無責任のそしりは免れない。 

 それにしても五輪関連施設の建設がどうして躓いたのか。これまで日本が計画するこの種のスケジュールはほとんど狂ったことがなかったと思う。むしろ、外国の施設の建築が間に合わなくなると嘲笑していたくらいである。1968年のメキシコ・オリンピックや昨年のリオのワールド・カップ開催前のメインスタジアムの完成もその遅れが揶揄され、心配され、ひやひやしていたものだ。然るにその日本で、建築その他の技術が飛躍的に進歩したにも拘わらず、油断からだろうか、考えの甘さのせいか、逆に予定より遅れるという思いがけない狂いが生じてしまった。

 私の見るところ、各分野の担当責任者に責任感が欠けていたのではないかということと、各担当部門の最終責任者が明確に決まっていなかったことが混乱に拍車をかけた大きな原因であると思っている。

 担当部署にもスポーツがよく分かっているスタッフが少ないようだ。屋根がなくともオリンピックの前年開催のラグビー・ワールド・カップでは問題ない。オリンピックだって真夏開催ということだから、暑くても冷房費のコスト削減などを考えれば当初から屋根なしでも問題がなかったのではないか。そうすれば、経費も大幅に節約できる。今になって考えてみると、どうして最初から屋根付き競技場に拘ったのか、これこそよく分からない。

 昨日から今年の駒澤大学公開講座が始まり、今日から受講している。毎週3時間を有益に楽しく気軽に受講したいと思っている。

2015年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2927.2015年5月19日(火) 天皇のご学友・橋本明氏から有益なお話を拝聴

 所属するNPO法人JAPAN NOWの講義が印象的だった。講師はジャーナリストの橋本明氏である。橋本氏は天皇陛下のお気持ちを忖度しつつ、ご自分の気持ちとしてリベラルなジャーナリストらしく安倍晋三首相の集団的自衛権の行使やその手法について厳しく批判されていた。氏は共同通信のジュネーブ、ロサンゼルス支局長などを歴任したが、兄は元日本鋼管常務、弟は元シンガポール、オーストラリア大使と優秀な家系に包まれている。氏が個人的な知遇を得られたという面では、サッチャー元英首相、チトー元ユーゴスラビア大統領、サマランチ元IOC会長、等々びっくりするような華やかで錚々たる経歴の方々の名前を知って驚く。初等科から大学まで学習院一筋に学び、その学習院で天皇陛下と机を並べたというご学友という関係は何者にも代えがたいものであると思う。橋本龍太郎元首相、橋本大二郎元高知県知事は従兄弟に当たられる。

 橋本氏とは5年前小中陽太郎氏にご案内をいただき、中目黒にあるカソリック教会でアメリカ在住の映画監督すずきじゅんいち氏が講演した時にお会いしている。奇遇にもすずき氏が湘南高の後輩で、すずき氏ともども講演会後の懇親会で橋本氏と同じテーブルでお話したことがある。

 今日のスピーチには格別強い印象を受けた。日ごろより天皇家と親しい関係にあるだけに昭和天皇、今上天皇、美智子皇后に関する身近な話を伺うことができた。

 特に心に留まったことは、

 ★日本は海外に対して天皇家はひとつのウリである。

 ★天皇の安倍首相に対する対応には、天皇が牽制球を送っているような様子が見て取れる。

 ★安倍首相は就任時から「戦後レジームからの脱却」を唱えているが、常に躁と鬱が交錯してその合間に出された言葉である。

 ★現行憲法は日本の憲法学者がGHQと充分話し合った末に作られたもので、アメリカから押し付けられたものではない。戦後アメリカの押し付けで制定されたと述べる安倍首相と天皇の考えはどんどん乖離している。

 ★安倍首相の狙いは、国連常任国入りである。

 ★日本には生存権があり、年金制度、国民健康保険が整備されているが、アメリカには生存権が認められておらず、それらの整備が充分ではない。その点では日本の方が進んでいる。

 ★天皇は現行憲法、特に第9条を守り抜くことを秘かに願っているが、改正されれば法律発効のための天皇印を押捺することに頭を痛めるであろう。

 天皇が憲法改正に反対の気持ちを持たれていることは、これまでの言動から推察していたが、今日橋本氏から天皇の本音と思える話を氏のスピーチから汲み取ることができたように思っている。

 先月天皇・皇后両陛下が窮屈な自衛艦内に宿泊されたご苦労にも拘わらず、ご自分の意思を通されパラオへ巡拝慰霊されたが、その際安倍首相が羽田空港でお見送りされた。その時の安倍首相の気持ちは両陛下の純粋なお気持ちとは正反対だと思っていたが、橋本氏の話を伺って納得するものがあった。

2015年5月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2926.2015年5月18日(月) 心配なイェメンへの空爆

 昨年に続き、会社同期入社の仲間と新宿のハイアット・リージェンシー東京でランチを共にした。1963年入社の我々も今では後期高齢者となりそれぞれ自由気ままに過ごし定職に就いている者はひとりもいない。今日集まったのは5人だが、同期生は13人いた。ひとりは早めに辞め、4人はすでに彼岸へ旅立った。別府に住むひとり、予定がつかなかった2人を除いて今日集まったのは5人である。

 8人に送った案内状は、昨年同様に今日この日の12時にホテル・ロビーに集まれというものだった。特に出欠を連絡しなくてもよいとしたので、何人集まるか分からなかったが、まあ来られる仲間が来てくれてありがたいと思っている。

 4人の話を聞いていると私とは趣味が違う。在職中から4人ともゴルフを楽しみ、今ではゴルフの他に釣りとか、畑仕事を楽しんでいるらしい。私自身は在職中ついにゴルフを嗜むことはなかった。そのおかげで浪費をせず、旅行に投資することができた。幸いそれが今日役立っている。

 こうして気楽に話ができるのも同期生の誼であろう。いつまで続けられるか分からないが、何となくやることになった幹事役として、こうして集まれるうちはこのまま引き受けようと思っている。

 昨日大阪市の都構想賛否を問う住民投票の結果、都構想賛成派が敗れたが、主導した橋下市長が公約通り任期終了後に政界を引退すると記者会見で話したが、あれだけの知名度と実行力、そして意欲のある人物がそうあっさりと引退できるだろうかと外野が煩い。実際今日のあるスポーツ夕刊紙には「橋下市長、引退撤回のシナリオ」などと書かれている。結局都構想は市民にその内容が充分理解されず、説得力を持たなかったということのようだ。特に高齢者の賛成者が少なかった。いずれにせよ当分の間橋下市長の動向に注目が集まる。

 さて、しばらくイスラム国IS関連ニュースが伝えられなかったが、ここへ来て中心都市のひとつイラクのラマディをISが奪回し、一時収まっていたISの力が再びぶり返したらしい。それと同時に、停戦期限が切れたイェメンのアデンをサウジアラビア軍が空爆し始めた。ここでも再び戦闘が再開される恐れが生まれてきた。

 アデンは何と言っても1968年1月に日本人として初めて入国した思い出深い都市である。先日実際に入国した時以来初めてアデンの映像を見た。私が訪れ滞在したホテル周辺の景色とは幾分印象が異なるが、歩いている人々は同じような民族衣装を着て歩いている姿を懐かしく思った。今晩のNHK・BS国際ニュースでも現地の様子を伝えていたが、本格的な戦闘が始まるのではないかと心配である。

2015年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2925.2015年5月17日(日) 大阪都構想、実現成らず。

 カイロ刑事裁判所はムルシ前エジプト大統領に極刑である死刑の判断を下した。随分荒っぽい判断を示したものである。ムルシ氏は、3年前に国民の民主的な選挙により初めてエジプトの大統領に選出された人物である。そのムルシ氏を軍部がクーデターによって追放し、あまつさえ選挙の前年刑務所から大勢の受刑者を脱獄させた首謀者として関与した「ムスリム同胞団」メンバーとともに刑事裁判に処したものである。ことの真相はどうあれ、民主的な方法で選ばれた大統領を武力で放逐し厳罰に処するというのは、民主主義社会ではとても理解されまい。現状ではイスラム国家宗教指導者の見解を聞いたうえで6月に最終的な判決が言い渡される見通しである。

 この報を受けて早くも国際人権団体アムネスティ・インターナショナルや、トルコのエルドアン大統領から非難する声が上がっている。いずれにせよ国際的に大きな問題となるであろう。

 この厳しい裁判と同じように情報非公開の北朝鮮でも、恐怖の粛清事件があった。一昨年金正恩国家主席は後ろ盾だった伯父の張成沢氏を突然粛清し、処刑した記憶も生々しい中で、今度も側近だった玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力相を国家反逆罪として処刑したと伝えられた。玄氏が粛清されたのは金主席の演説中に居眠りをしたとか、反抗的な態度を取ったとか、些細な理由で国家のトップ人材を葬ってしまっている。しかも処刑の仕方が機関銃で射殺したうえに火炎放射器のようなもので遺体を焼きつくしたなど、非道でヘドが出るような残虐な方法を執ったと言われている。

 だが、ここへ来て韓国の情報機関・国家情報院の報道に対して、その真偽につき疑念が浮上している。北朝鮮のニュースは眉つばものが多いが、南北朝鮮の情報合戦になると針小棒大もエスカレートするからここは一歩引いて冷静にニュースを注視することが肝要である。

 さて、今日は大阪市の大阪都構想に対する賛否を問う大阪210万有権者の住民投票が行われた。都構想は大阪維新の会のリーダーである橋下徹・大阪市長がい就任時から強く主張していたものであり、維新の会以外の自民、公明、民主、共産ほか各政党はほとんど都構想に反対を唱えている。維新の会がどれだけ無所属、或いは態度を決めかねている市民の票を掴み取ることができるかどうかに懸っている。言い出しっぺの橋下市長は、負けたら政界を引退すると発言し進退を賭けて必死になってようだ。しかし、その発言は市長を辞められたら困るという市民の同情票を集めることが狙いだと足元を見られている。

 開票当初は賛否互角ながらも僅かに都構想賛成が上回っていたが、次第に反対票が盛り返し、僅差ではあったが、最終的に賛成70万5千票(50.38%)に対して、反対69万4千票(49.62%)で、大阪都構想は否決された。終始接戦を繰り広げたが、結局のところ市民にもどうなるかの将来のビジョンがよく分からなかったというのが、大阪都構想が実現しなかった大きな原因ではないだろうか。これにより選挙前に負けたら引退との発言もあり、橋下市長は市長任期満了を待って政治の世界から身を退くと考えられている。

2015年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2924.2015年5月16日(土) いつの間にか日本史が変わっている。

 昼間見るとはなしにテレビを観ていたら、ある民放で歴史的事件の名称変更を説明するような興味深い番組をやっていた。興味を惹かれたことがいくつかあったが、最も驚いたのは現在の教科書では、「大化の改新」と呼ばれる645年中大兄皇子が藤原鎌足とともに蘇我入鹿父子を倒した争いは今では乙巳(いっし)の変と呼ばれ、その後の一連の改革を「大化の改新」と教えているという。その他には、1637年天草四郎時貞が戦った島原の乱は、歴史上最も激しかった一揆として「島原・天草一揆」と紹介されているという。新しい史実が明らかになれば、それを修正するのは当然ではある。しかし、過去に必ずしも確証がなくともそのように決められ、それが定着していたところ、最近になっていとも簡単に変更されるのは、昔教えられた者としてすんなり納得するには幾分抵抗がある。

 例えば、こういう話もあるそうだ。

 鎌倉幕府が開かれたのは日本人なら誰でも知っているように、源頼朝が朝廷から征夷大将軍に任じられた西暦1192年で、年代暗記の好例として「イイクニ作ろう鎌倉幕府」と我々が受験生だった頃は覚えたものである。ところが、その当時「幕府」という言葉もなく、鎌倉幕府が開かれたのは6つの説があるという紛らわしい話があり、その中では1185年説が今最も有力であるという。最近の教科書ではほとんどこの1185年を鎌倉幕府開府の年号として採り上げているらしい。因みにこの年は壇ノ浦で平家が滅亡し、頼朝が朝廷に日本全国へ守護・地頭の設置を認めさせたことから頼朝の実質的な支配が始まった年である。

 それにしても史実がこう頻繁に変えられると、変更の事実を知らされない昔の教育を受けた人たちは、間違った史実や名称のまま頭の中で想像を巡らせていることになる。

 世界の長い川の順位も10年も経つとナイル川とアマゾン川が入れ替っているようだし、面積も埋め立て工事などで変わっているようでもあり、今頭の中にインプットした事実・真実もいずれいつの日にか、変わってしまうものだろうか。それにしてもうっかりしていると日本人でありながら、日本史を間違えて覚えたままになっているケースに陥ってしまうわけである。あんまり気持ちの好いものではない。

 さて、本日でこのブログ書き込みも9年目に入った。我ながらよく続けて来られたと思っている。過去8年間毎日1日も欠かさず書いてきた。海外へ出かけてどんな状況下にあっても何とか書き続けてきたのは、やはり生来文を書くことが好きだからだと思う。どんなに疲れていてもこうしてパソコンに向ってタイプすることに何の抵抗もない。7月には連続3千回を数える。いつまで続くだろうと好意的に、或いは興味本位に見守ってくれている友人たちもいると思うとそう簡単にギブアップするわけには行かない。今の願いは10年を迎えたら、或いは連続5千回を数えたら、いくつか自分でも印象的な文を書いたブログをセレクトして私家版でも出して友人らに読んでもらおうと考えている。夢は実現できるかなぁ。

2015年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2923.2015年5月15日(金) 安保関連法案閣議決定に嫌な予感

 政府は昨日の臨時閣議で安全保障関連法案を閣議決定した。法案は今日国会に提出された。歴代の内閣が踏み込まなかったパンドラの扉を開け、危険な伏魔殿へ一歩踏み込んでしまった。政府・与党が一体となって憲法違反をやってしまおうということだ。しかも姑息な術を使って、憲法の周囲を回遊しながら憲法の解釈を変えるという言語道断な荒業を使って素知らぬ顔で安保法制案などという危険極まりない法律を作り上げてしまった。

 昨夕の記者会見で安倍首相は、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献していくと述べたが、むしろ逆行して世界の紛争と混乱のために法整備を施行しようとしているのではないか。

 関連法案は自衛隊法など10法案を束ねて改正し、新法案を併せて、国民の理解を得られないうちに拙速に法制化しようというものである。この法案はひとつひとつどれを取ってもすんなりとは分かりづらい。実際安保法制を作成した専門家が麻生派国会議員の夫人らに説明したが、一向に理解されなかったという代物である。議員だってどの程度分かっているのか。そんな難解な法案をどうやって国民に分かってもらおうというのか。しかも説明・解説の時間をほとんど取らず法制化してしまおうとの魂胆である。こんな実情と空気が分からないのが、理解力にやや欠ける安倍首相である。

 記者会見で首相はこれらの法案の重要なポイントを5つばかり述べた。すべて首を傾げるものである。これはひょっとすると安倍首相には誰か影武者がいて、首相は口をバクバクしているだけで実際には首相はその背後にいる影武者に言わされているのではないかとの疑念を抱いている。

 その安倍首相の主張する重要ポイントは、

①積極的平和主義を掲げ、世界の平和と安定に貢献⇒抽象的過ぎて矛盾している。海外へ軍隊を派遣し、参戦することがなぜ平和に貢献するのか。
②あらゆる事態を想定し切れ目のない備えを行う。⇒独善的に考え過ぎている。海外 派兵は反って切れ目が生まれるのではないか。
③抑止力がさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなる。⇒どうしてそんなことが言えるのか。攻撃を受ける可能性は高まるばかりである。
④厳格な歯止めを定めた。限定的に集団的自衛権を行使する。⇒米軍の要請によって日本独自の限定的な行動は取れなくなる恐れあり。
⑤アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対あり得ない。⇒考えが甘すぎる。日米同盟とは相互に助け合うことである以上アジアでの戦いにアメリカ軍から要請されればこれを助けることを求められ、自然にアメリカの戦争に巻き込まれることは必定である。

 安保関連法案の成立によって戦争に巻き込まれる可能性は一層高まり、自衛隊は国防軍となって前線で戦うことを求められる。生命を落とす隊員も多くなる。現在の自衛隊員は国家、国民を守るために任務を果たすことを言葉尻では知っているが、憲法を学んだ彼らは戦いのための武器を持たないと信じている。況してや戦うことなぞ頭の中にはない。朝日新聞が自衛隊員や、その家族に感想を尋ねているが、かん口令を敷かれているせいもあって中々本音を聞き取ることは難しいようだ。しかし、隊員のひとりは首相の「自衛隊員は自ら志願し、危険を顧みず、職務を完遂することを宣誓したプロフェッショナル」とのお世辞に対して、「現場を知らない官僚や政治家が作り上げた法案。隊員が殺し、殺される、血なまぐさい話がさけられている」と本音を告白している。

 何と言っても現場を知らない政治家がやることは、説得力も真実味も感じられない。安倍首相は犠牲者が溢れる戦争がお好みなのだろうか。ならば、自分が戦地へ言ったら良いのではないか。

 折も折今日は昭和初期のあの暗い混迷の時代に、海軍青年将校によって時の犬養毅首相が暗殺された5.15事件が勃発した。同じような時代が訪れないよう願うばかりである。

2015年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2922.2015年5月14日(木) 2014年度経常収支黒字を計上

 昨日財務省が発表した2014年度の国際収支統計によると経常収支が7兆8千億円の黒字となった。東日本大震災以来4年ぶりの増加である。増加したからと言っても、かつての右肩上がりの好況時に比べればまだまだ及ばない。10年前には経常収支の黒字は20兆円を超えていた。07年度までは右肩上がりで貿易収支も好調だった。それが08年度から下がり始め、一気に悪くなったのは東日本大震災からである。貿易収支はそれまでの黒字から赤字になり、それは今もって解消しきれていない。ただ、13年度を底にして14年度は赤字とは言え大分好転したので、そう悲観的になることもないと思う。

 14年度未だ肝心の貿易収支がマイナスではあるが、全般的に好景気を取り戻したのは円安に伴う輸出の好調であり、同時に原油価格が安くなったことが大きい。東日本大震災以降電力エネルギーを火力発電に頼るようになり、その結果原油の輸入量が増え、それが高値だった。安い原油価格体制がいつまで続くか分からないが、その間に収支構造の変革などを通じて安定的な国際収支システムを作り上げることを検討すべきであろう。

 今回の好決算は、思いがけない科目によるところも大きい。その最たるものは、新聞各紙にも取り上げられている「旅行収支」である。

 かつて旅行収支は真っ赤っかだった。実に55年ぶりの黒字だというからすべての旅行業者にとって初体験であろう。つい最近まで貴重な外貨を持ち出す日本人海外旅行者が増える一方で、日本に外貨を落としてくれる外国人旅行者の数が少なかった。それが巷間噂されるように近年外国人観光客が増え続け、かつては100万人単位でしか訪れなかった彼らが、毎年のように増え続け、今では15百万人近い外国人が日本を訪れ、外貨を使ってくれるようになった。これにより14年度旅行収支は前年度5千億円の赤字から、一転して2千億円の黒字となった。この他に日本資本の海外会社の稼ぎで日本に支払われた収益が全般的に大きく貢献している。更にあまり注目されていなかったが、知的財産権使用料が2兆円近い黒字だった。

 旅行業がこれほど持て囃されるようになるとは今昔の感に堪えない。長年旅行業に携わって来て、外国人旅行(インバウンド)用のパッケージツアーまで企画した厳しかった経験から申し述べれば、外国人旅行者が今になって急激に増えているのは、円安効果とか、日本の魅力が見直されたとか、周辺アジア諸国の経済成長とかの好要因はいろいろ考えられる。しかし、観光庁は時々恰も国家の力が大きな力となったような発言をするが、はっきり言えることは旅行業者と観光業者が一体となって、これまで地道に努力してきた努力とその成果が漸く実りつつあるということであり、国の公的機関がやってきたことはほんの僅かであると言いたい。ざっくり言えば、それより海外旅行者が増加していた頃は、わが国の外貨の準備高によって海外旅行者が持ち出す外貨が左右された苦い経験がある。

 まずは海外旅行者の持ち出し外貨枠を上げたり下げたり調整することによって外貨管理体制を厳しく締め付けたのである。当時はまるで海外旅行する人は悪者扱いされているのではないかと国の締め付けを恨んだ時期もあったくらいである。こうした苦労を乗り越えて今漸く観光収入が国家経済に貢献するようになった。これは上記のように旅行業者と観光業者の努力の賜物であると声を大にして言っておきたい。決して国の手柄なんかではない。この点では国の貢献度は大分低い。

2015年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com