アメリカ大統領選サウス・カロライナ州予備選で、共和党は毒舌家のドナルド・トランプ氏が勝利を収めた。一方ネバダ州で行われた民主党党員集会では、クリントン前国務長官がサンダース上院議員を抑えて、トランプ、クリントン両氏とも2勝1敗となり選挙戦を一歩リードした。
それにしても当初は泡沫候補と考えられていたトランプ氏が3戦2勝とは、聊か意外である。普通は駆け引きするとか、言ってはいけないことを巧みにはぐらかす戦術を練るものだが、トランプ氏の場合はストレートに言いたい放題で、それが支持層に受けるというのが理解しにくい。その根っこには、口先だけではなく実行力があるという評価と、支持層の間に不法移民に対する不満があるということのようだ。加えて多くの党内立候補者が林立していてトランプ氏以外の立候補者に対する支持がまとまりきれていないことが効いているようだ。今日その一人であるブッシュ家のジェブ・ブッシュ前フロリダ州知事が選挙戦から撤退を表明した。
これからどういう道筋を辿って最終的にアメリカ大統領を選出することになるのか、極めて不透明であるが、あくの強さとアメリカ人らしからぬ差別を主張するトランプ氏には、大統領になってもらいたくないものである。
一方国内に目を向ければ、政局は大臣や議員の脱線発言や、議員の不倫等、政治家にとって芳しくない事象ばかり目につくが、それでも呑気なものである。
今日突然のように話題となったのは、プロ野球チーム数を4球団増やしてセ・パ両リーグとも8球団ずつに増やす案である。これを政府としても後押しするという。その発想の源は、地方創生について捗々しいアイディアが思うように生まれず、プロ野球本拠地がない北陸、四国、沖縄辺りにフランチャイズを置く球団が誕生すれば、地方の活性化につながるという声を受けたようである。
どこまで実現性があるのか分からないが、政治家がこんなことを本気で考えること自体おかしいと思う。
先日も老人ホームの上層階からホームの職員が3人の高齢者を投げ落とし死亡させた容疑で逮捕されたが、職員は給料も安く仕事もきつくストレスも溜まり、全体的に待遇を良くする必要は依然から言われていたことである。この根本的解決のためには、国がもっと福祉のための予算を増額しないといけない。こんな中で出来の悪い国会議員の数が多過ぎる。議員を減らし議員歳費を削減すれば、福祉予算へ回すことが出来る。
2012年国会で、当時の野田首相と自民党総裁だった安倍現首相との間で交わされた議員定数削減の約束はどうなったのか。2人は一昨日も同じ論争を交わしていたが、本気で議員数を減らす気持ちはあるのだろうか。