3197.2016年2月13日(土) カトリック教会とロシア正教会が仲直りか。

 先日話題にはなっていたが、俄かには信じがたかったのは、フランシスコ・ローマ法王とロシア正教最高位のキリル総主教が、昨日キューバの首都ハバナで会談したことである。カトリックが東方正教会のトップ同士が会って話し合うのは、実に分裂した1054年以来の大事件である。我が国では平安時代のことである。

 イスラム過激派が台頭する中東でのキリスト教徒の保護で結束するため、対立から融和へ一歩踏み出すため会談が行われたと言われているが、額面通りに受け取れない側面もある。1千年以上の対立と空白を経て両首脳が顔を合わせたというには、どのくらいの会談時間だったのか明らかにされていないうえに、会った場所がキリル総主教のキューバ訪問とローマ法王のメキシコ訪問の合間にハバナ国際空港という場違いな場所だったというのが少々異常である。国賓級の大物同士の会談には事前に綿密な計画を立て、じっくり時間を取るのが通常だと思う。どうもそこにはシリア内戦問題で、欧米諸国の不興を買っているロシアのプーチン大統領の差し金があるとの影の声もある。憶測すると、千年の空白を経て大事な課題について話し合うには聊か片手間でこっそりとの印象が拭えない。

 今や世界でイスラム教のシーア派とスンニ派の激しい抗争が世界中から危険視されているが、キリスト教内には武力で対立するような事態は、現時点ではあまり考えられない。しかし、表面的には表れなくても日常生活や実際の宗教活動において微妙な違いがあることは、海外でしばしば行き当たる。その点では、日本人のほとんどが仏教徒で大きな宗教対立が見られないことは、日本人としてホッとするところだ。

2016年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com