3204.2016年2月20日(土) トランプ氏、ローマ教皇とも衝突

 アメリカ大統領予備選で過激発言を繰り返している共和党候補者ドナルド・トランプ氏が、こともあろうにカトリック教会総本山ヴァチカンの最高指導者ローマ教皇の言葉にイチャモンをつけた。きっかけはトランプ氏がメキシコからの移民防止のためにアメリカ・メキシコ国境に、メキシコの費用で塀を作ると言ったことに対して、教皇が橋を架けるのではなく、塀を作って交流を断ち切るというのはキリスト教徒ではないと、クリスチャンであるトランプ氏をやんわりと非難したことである。普段宗教界の大立者が、俗界の出来事に首を突っ込んで他人をとやかく非難することはあまりない。よほどトランプ氏のイスラム系難民受け入れ拒否の発言に腹を据えかねたかのような警告である。だが、常人とはかけ離れた常識を有するトランプ氏は即座に反応した。トランプ氏も只者ではない。「もしヴァチカンがISに攻撃されれば、トランプがアメリカ大統領になっていれば良かったと言うだろう」と言葉を返した。

 それが予備選指名争いの第3戦を迎えた今日になって一気にトーンダウンした。「教皇と争いたくない」と釈明したのである。そのうえ教皇を尊敬しているとまで話した。カトリック教徒を敵に回すことは自らの陣営にとって明らかに不利だと考え教皇との論争を避けようと考えたのであろう。

 それにしてもトランプ氏はいつまで過激な発言を繰り返すつもりだろう。

 冷静に考えてこれだけ過激というより、非常識な発言をする候補者が、依然として共和党内で最有力候補者の道を歩んでいることは不思議なくらいである。なぜ非常識候補者がトップランナーになり得るのか。アメリカ人は民主主義国家の一員として、多くの意見を広範に取り入れ、フェアに事を決する人たちである。それが、今回の共和党の予備選挙の様子を仄聞するに、必ずしもそうとは考えられない。はしなくもアメリカ人の知られざる一面を知ったとの思いとともに、それはアメリカ国内なら他国民にとっては、さほど気にすることではないかも知れないが、国際社会で強引なトランプ的思考と手段がトラブルの火種になるのではないかと心配になる。

2016年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com