今朝になってまたまた驚くようなテロ事件を知ることになった。昨14日夜フランス革命記念日に花火などのイベントが行われていたフランス・プロヴァンス地方の南海岸ニースで、群衆の中へ1台のトラックが突っ込み、警官隊から銃撃され運転手は死亡した。同時に、悲惨にも84人もの多数の犠牲者を生んでしまった。まだ犠牲者の数は増えるのではないかと憂慮されている。
昨年フランスではパリ市内で2つの大きなテロ事件が発生し、治安対策上大きな課題を残した。昨年11月以来非常事態宣言を行って警戒体制を敷いていたが、漸くそれを今月中に解除しようとしていた矢先のことだっただけに警備当局もショックを隠し切れないでいるようだ。
ニースはこれまで何度となく訪れたことがあるが、洗練された華やかな海岸通りと立ち並ぶ店の佇まいは洒落ていてフランスで最も人気のあるリゾート地として、フランス内外から多くの観光客を呼び寄せている。イタリアに隣接し、リヴィエラとも、コート・ダジュールとも呼ばれている紺碧の海岸エリアである。まだバカンス・シーズンが始まったばかりで、これから夏の繁忙期に向かって観光客へ影響が出るのではないかと懸念される。
銃殺されたドライバ―は、31歳のチュニジア系男性で単独犯か、仲間がいたのかまだはっきりしないが、これだけの衝撃的テロをたった1人で実行できるとは考えられず、いずれ犯人像は浮かび上がってくるだろう。現時点では、イスラム国(IS)やアルカイーダ、他のテロ集団らから犯行声明は出されていないが、トラック内に武器や爆弾などを積み込んでいた手口から考えて極めて計画的と見られており、これもISの仕業ではないかと考えられている。このテロ事件に大きなショックを受けたオランド大統領は、直ちに非常事態宣言を延長し、シリアとイラクのIS支配地区を空爆するとの強い決意を表明した。相変わらず多国籍連合はISの殲滅作戦に効果的な手を打てず、IS側と反IS側のいたちごっこが繰り返されている。
いずれにせよ今や世界中どこにも安全な場所はなくなった。