3343.2016年7月8日(金) 問われたイギリスのイラク戦争参戦の意義

 昨日から引き続き、東京医療センターで受診した結果を近所の森内科へ伝えに行った。森先生は、基準数値が0.3以下であるべきところ12を超えたCRPの異常な高さにびっくりされ、できるだけ早く大病院で精密検査を受けた方が良いと判断されて昨朝わざわざ電話をしてこられた。先生はこのまま入院させられるのではないかと思っていて、今日挨拶した際入院するようなことがなくて良かったですねと慰めてくれた。ただ、11日(月)に再検査をした結果次第では入院しなければならないとお話すると、まだ決着がついていないですねと納得され、抗生物質服用と食事療法をしっかりやって当日少しでも良い結果を出すよう我慢してほしいと仰った。

 一部の知人に結果を知らせたら早速お見舞いのメールをいただいた。昨日からお粥で軽い食事を取っているが、森先生のアドバイスをいただいて、主食はお粥とうどんにすることに決めた。大好きな乳製品やサラダもダメなようなので中々食べるものが見つからない。当分の間窮屈な食事になりそうだ。このまま回復してくれればありがたいのだが・・・。

 さて、昨日の朝刊によると、イギリスのブレア政権がイラク戦争に参戦した経緯や、その後の占領政策について検証した独立調査委員会がその報告書を公表した。報告書の骨子は以下の4点に絞られている。

  1.イギリスは平和的な方策を尽くす前にイラク侵攻に踏み切った。

  2.開戦に法的根拠があると判断するにはほど遠かった。

  3.情報機関がブレア元首相に開戦すれば、イギリスへのテロの脅威が増し、イラクの兵器がテロリストに流出する恐れがあると警告していた。

  4.対イラク政策が不完全な情報と分析に基づいていた。

 結局アメリカのブッシュ大統領にお先棒をかつがされて参戦させられ、179名もの若い命を失わされ、今日ISがはびこる原因を作った。また、テロリストの暗躍を招いたことが反省として示された。アメリカに無条件に支持し、従うことはなかったというのが大凡の報告書の内容である。

 翻ってわが国もイラク戦争でイギリスほどの戦闘状況に巻き込まれたわけではなかったが、アメリカの意向に従い、初めて陸上自衛隊をイラクに派遣した。幸い日本人に犠牲者は出なかったが、この時防衛大臣を務めたのが、今都知事選に出馬を表明した小池百合子氏だった。彼女は防衛のトップでありながら、イラクへ派遣された自衛隊員を現地で激励することはなかった。口は達者だが、現場に立ち会うことから逃げる小賢しく狡いタイプの政治家である。

 日本の対応は終始アメリカ追従であり、アメリカには反対できないという日本人の弱点からなされた決断であり、その意味ではまったく日本に利することのない派遣だった。にも拘わらず、日本政府は未だかって検証することもなく、検証しようとの気持ちもなく、議論は公には伏せられたままである。

 今度の独立委員会の報告書は260万語からなり、「ハリー・ポッター全7作の2.4倍のボリューム」に匹敵すると噂になるくらいの分量だそうだ。その意気込みたるや並みではないと思う。因みに私の10年間の思いが詰まったこのブログは400万語もあり、日米語の違いはあれどボリュームでは負けない。報告書にはぎっしり問題が詰め込まれており、その姿勢は自国の汚点を敢えて暴露して毅然として反省するイギリス政府の勇断であると考えている。その点を考えると、いつもながら日本政府のやり方は生温い。

2016年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com