日曜日の参院選で自民単独で過半数、改憲勢力で2/3以上の議席を獲得した安倍首相は、アベノミクスをいっそう加速せよと国民から信頼をいただいたと得意の絶頂である。早速景気拡大のために、10兆円規模の財政出動を実施するようだ。JR東海が建設しているリニア中央新幹線の開業を8年前倒しするとか、年金受給のためにこれまで25年の加入期間を10年に短縮するとか、関係者にとっては嬉しいお年玉ではあるが、その原資をどうやって調達するのか。勝てば官軍で何でもできると思っているようだが、毎度のことながら日本の借金はとっくに1000兆円を超えている。財政投融資を活用してなどと軽薄な声が聴かれるが、財投とは借金ではないのか。
さて、昨日遅くなってから東京都知事選候補者の名前が入れ代わり立ち代わり表に出て来ている。俳優の石田純一氏のように金曜日に、野党統一候補に推してくれるのであれば出馬したいなどと突然名乗りを上げたが、現実味に乏しく昨夕辞退を発表した。
そして元岩手県知事・総務相の増田寛也氏が正式に出馬宣言を行い、自民党から後援を得た。自民党としては、増田氏と元防衛相・小池百合子氏が争う分裂選挙となってしまった。そこへ今日午後民進党推薦候補者としてジャーナリストの鳥越俊太郎氏が名乗りを上げた。癌を患いこれまで4度の手術を受け年齢的にも現在76歳で、健康面で不安はないのか。都政がぐじゃぐじゃになって立て直さなければいけないとの思いで、自ら志願して複数の野党勢力に声をかけたという。更に前2回出馬の弁護士・宇都宮健児氏が3度目の出馬意欲を見せている。その間昨日になって一旦民進党が推薦した元通産官僚・古賀茂明氏が出馬宣言するかと思いきや、今日になって鳥越氏の出馬に符牒を合わせるように出馬を辞退する目まぐるしい舞台回しとなった。14日が告示であり、明日13日には出揃うだろう。他に山口敏夫元労働相を含む11名の候補者が名乗りを上げている。
舛添要一・前知事の幻か、どうやら魑魅魍魎の世界になってきたようである。