昨日のニュースの中心は、当然東京都知事選だと思っていたところ夜になって国際ニュースが飛び込んで来た。
中国の周辺国が領有権を争う南シナ海問題で、オランダのハーグ常設仲裁裁判所が、中国が独自の権利を主張する境界線「9段線」に国際法上の根拠はないとの判決を出したのである。提訴したフィリピンの主張をほぼ全面的に認める判決となった。中国はこの判決に猛烈に反発し判決文を紙屑とまで言い捨て、この判決を受け入れないと表明し、今後も実行支配を強めることを力説した。
中国政府はかねがね南シナ海の領海は、中国が2千年以上の活動の歴史があると主張し、9段線には自国の権益が及ぶと一方的に吹聴している。しかし、過去の活動が仮に事実だとしても隣国領海の近くまで遠く離れた自国の領海だと主張できる権利はあるのだろうか。
近年経済成長とともに中国の横暴な言動はエスカレートし、各分野で我利我欲が露骨に発揮され、言いたい放題に自己権益を主張するようになった。今回の9段線にしても、地図を公平に見れば誰が見てもとても中国の領海には見えない。中国の侵略欲と征服欲を明確に表しているだけである。中国の言い分はとても国際社会を納得させるものではない。なぜこれほどまでに世界を敵に回してまでも自国の領海拡大に拘るのか理解できない。当然格別な援助を受けている国を除いて世界中の国々から非難されている。これでは国際法なんてあってもないが如きではないか。各国が紛争解決のために知恵を出し合い作り上げた国際法を、自分たちに都合が悪いからといって無視するというのは、とてもまともな国の取るべき態度ではあるまい。昨日のこの問題を報じたNHKニュースが中国国内で流れるや、画面は黒くなった。自分たちの意に叶わぬ情報は、国民に知らせたくなく、すべて抹殺してしまう言論弾圧国家なのだ。こんなルールも守れない国がなぜ世界の大国と呼ばれるのか。大国なら大国なりの立ち居振る舞いと言うものがある筈ではないのか。
こと中国に関しては、これまでも非常識なパフォーマンスが目立ったが、縦のものを横にしてしまう精神構造には、世界中がお灸をすえるぐらいのことをやらないと目が覚めないだろう。
中国には強い反省と謙虚さを改めて求めたいが、今の国家の中枢にいる人たちは、学校教育の場で漢民族の行う行為はすべて正しいと学んだようだが、世代を経て彼らの子孫たちがいずれ世界中でその国辱的な行為にきっと恥ずかしい気持ちに捉われることは間違いない。今の中国の支配層はそんなことも分からないのか。
さて、明日の都知事選告示を控えて、主たる候補者、小池百合子、増田寛也、宇都宮健児、鳥越俊太郎ら4氏による共同記者会見、討論会が各テレビ局を通して放映された。2代続けて金に絡む不祥事で辞めた後の選挙だけに、どうしても清潔なイメージを期待する候補者が出馬する。それが、夜になって突如弁護士の宇都宮健児氏が選挙戦から撤退すると降りてしまった。これで増田氏と鳥越氏の一騎打ちということになりそうだ。これから選挙戦はどういう経路を通って31日の投票日までたどり着くのだろうか。