もう10月になった。9月は1カ月間を通して天候が悪く、全国各地で台風による水害被害が頻発した。今日から新しい月がスタートしたが、今日も朝からどんよりと曇り、まるで東京都の事業のようである。
一方で、今日来春の新入社員のための内定式を行った企業が数々ある。中でもパナソニックのように大学、大学院卒予定者だけで650人も採用するという景気のいい会社もある。
さて、昨日東京都の小池百合子知事は豊洲市場問題の調査結果を、主要施設の下に盛り土がない問題で責任者を特定することは難しいと語った。だが、これまで誰が盛り土をしないことを決めたのか、またなぜ都議会や都民への説明責任が果たせなかったのか、と関係者を厳しく非難していた手前不意に腰砕けになったような印象を受ける。加えて、部門間の縦割りや形だけの決済で責任の所在があいまいだったことが原因だと分析しておきながら、いつ誰が地下空間設置を決めたということをはっきりさせることは難しいとまで述べた。結局これまで強気だった小池知事の追及のトーンが落ちているのだ。特にこれだけの重大な不始末を仕出かした犯人を見つけ出さないで、ウヤムヤにことを済ませようというのはどういう料簡だろうか。これで新都知事の責任を果たすことができるのだろうか。これでは一難去ってまた一難で、同じ過ちを繰り返すだろう。結局東京都のお役人は万事に甘く、組織の管理、運営の方法を知らないということになる。都知事選がらみで対立関係となった都議会の大勢である自民、公明党ら与党会派と撚りを戻す深謀策略、配慮で、事を荒立てない考えから自らの方針を変えたのではないかと勘繰りたくもなる。
選挙戦の立ち回りは上手かったが、変節の小池知事は早くも尻尾を表したのか。そんな馬鹿なことでなければいいがとは思うが、政治の世界は「一寸先は闇」である。
いずれにせよ、1日も早くすっきりさせて欲しいものである。
ところで世界のリーダーにも酷い人間がいるものだと思ったのは、フィリピンのドゥテルテ大統領の行動についてである。今年6月大統領に就任したばかりのドゥテルテ氏だが、その過激な言動には国家のリーダーとしての資質が全く感じられず、国際社会からも不安視されている。アメリカ大統領選の2人の対立候補が相手を攻撃する激しさにも驚くが、まだ人権無視までには至っていない。ところが、ドゥテルテ大統領のケースは度々他国の要人を口撃するばかりでなく、自国内で人権無視とも取られるように裁判もせずに麻薬犯罪者や凶悪犯人を躊躇なく処刑して、治安を維持していることを誇示している有様である。そしてついに発言が行き着くところまで行ってしまったような印象を与える事実があった。
昨日ドゥテルテ大統領は、「ヒトラーは300万人(実際には600万人)のユダヤ人を虐殺した。フィリピンには300万人の麻薬中毒者がいる。私も喜んで彼らを殺したい」と常識ある人間なら口にするのも憚られるような暴言を口にしたのだ。早速ホロコースト犠牲者の関係者から抗議の声が上がった。今後ドゥテルテ大統領は、国家の代表として良識を以って国際社会と付き合っていけるのだろうか。怪しげで不安な世の中になってきたものである。