3428.2016年10月1日(土) 変節と粗野な人物が君臨する世界

 もう10月になった。9月は1カ月間を通して天候が悪く、全国各地で台風による水害被害が頻発した。今日から新しい月がスタートしたが、今日も朝からどんよりと曇り、まるで東京都の事業のようである。

 一方で、今日来春の新入社員のための内定式を行った企業が数々ある。中でもパナソニックのように大学、大学院卒予定者だけで650人も採用するという景気のいい会社もある。

 さて、昨日東京都の小池百合子知事は豊洲市場問題の調査結果を、主要施設の下に盛り土がない問題で責任者を特定することは難しいと語った。だが、これまで誰が盛り土をしないことを決めたのか、またなぜ都議会や都民への説明責任が果たせなかったのか、と関係者を厳しく非難していた手前不意に腰砕けになったような印象を受ける。加えて、部門間の縦割りや形だけの決済で責任の所在があいまいだったことが原因だと分析しておきながら、いつ誰が地下空間設置を決めたということをはっきりさせることは難しいとまで述べた。結局これまで強気だった小池知事の追及のトーンが落ちているのだ。特にこれだけの重大な不始末を仕出かした犯人を見つけ出さないで、ウヤムヤにことを済ませようというのはどういう料簡だろうか。これで新都知事の責任を果たすことができるのだろうか。これでは一難去ってまた一難で、同じ過ちを繰り返すだろう。結局東京都のお役人は万事に甘く、組織の管理、運営の方法を知らないということになる。都知事選がらみで対立関係となった都議会の大勢である自民、公明党ら与党会派と撚りを戻す深謀策略、配慮で、事を荒立てない考えから自らの方針を変えたのではないかと勘繰りたくもなる。

 選挙戦の立ち回りは上手かったが、変節の小池知事は早くも尻尾を表したのか。そんな馬鹿なことでなければいいがとは思うが、政治の世界は「一寸先は闇」である。

 いずれにせよ、1日も早くすっきりさせて欲しいものである。

 ところで世界のリーダーにも酷い人間がいるものだと思ったのは、フィリピンのドゥテルテ大統領の行動についてである。今年6月大統領に就任したばかりのドゥテルテ氏だが、その過激な言動には国家のリーダーとしての資質が全く感じられず、国際社会からも不安視されている。アメリカ大統領選の2人の対立候補が相手を攻撃する激しさにも驚くが、まだ人権無視までには至っていない。ところが、ドゥテルテ大統領のケースは度々他国の要人を口撃するばかりでなく、自国内で人権無視とも取られるように裁判もせずに麻薬犯罪者や凶悪犯人を躊躇なく処刑して、治安を維持していることを誇示している有様である。そしてついに発言が行き着くところまで行ってしまったような印象を与える事実があった。

 昨日ドゥテルテ大統領は、「ヒトラーは300万人(実際には600万人)のユダヤ人を虐殺した。フィリピンには300万人の麻薬中毒者がいる。私も喜んで彼らを殺したい」と常識ある人間なら口にするのも憚られるような暴言を口にしたのだ。早速ホロコースト犠牲者の関係者から抗議の声が上がった。今後ドゥテルテ大統領は、国家の代表として良識を以って国際社会と付き合っていけるのだろうか。怪しげで不安な世の中になってきたものである。

2016年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3427.2016年9月30日(金) 東京都がらみの難題2つ

 このところ東京都庁にまつわる複数の事案が騒がしくなっている。ひとつは豊洲市場の闇であり、もうひとつは2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催経費に関わることである。昨日東京都の調査チームが小池知事に手渡した報告書によると、大会経費が何と3兆円を超えるというからびっくりである。当初の予想を大幅に上回ってしまった。2013年1月に7000億円強だったから実に4倍にも嵩んだことになる。どうしてこんな杜撰な計算をしていたのだろうか。精査したプロジェクト・リーダーが都は社長もいない、財務部長もいない会社のようなものだとこき下ろしていた。どうやらスキャンダルっぽくなってきた。そこで小池知事は経費削減のため建設予定の競技会場の変更、圧縮、既存施設利用などを検討することにいた。

 この点については本ブログでも度々指摘してきた。バレーボール会場は前回使用した駒沢室内球戯場を、水泳は同じく代々木室内プールか、毎年日本選手権が行われている東京辰巳国際水泳場プールを使用することができないものか。どうも無駄が多過ぎるような気がする。金を稼がない人は、金を使う側に回ると苦労知らずにジャブジャブ使う。これまでもドジばかり踏んできたオリンピック組織委員会と東京都は、これ以上無駄な責任のなすり合いを止めてオリンピック成功のために真剣に取り組んでもらいたいものだ。

 さて、私のキューバ旅行を肴に久しぶりに会おうということで大学ゼミ仲間から声がかかった。写真をまとめ、一応レジュメを作って銀座・ライオン・ビアホールへ出かけた。会場は予定のビアホールから同じビル内の飲み屋風の「かこい屋」へ変更された。キューバに関する私なりの持論を基にキューバの感想を述べた。具体的にキューバ、及びカストロ前議長、チェ・ゲバラの無私無欲の素晴らしい人間性、揺るぎない信念と弛まない行動力について話をしたので、僭越だが、ゼミ仲間の間でキューバに対する見方が少しは変わったのではないかと思っている。

 12人が寄り集まったのだが、その中で今日は特に小松隆二教授がこのほどニュージーランド政府から◎◎賞という名誉ある賞を授賞されたことが報告、披露された。同国にとっては極めて格式の高い賞のようだ。早速来年2月ごろにゼミの仲間で祝賀パーティを開いてお祝いしようということに決まった。また、ひとつ曲がりかかった骨を折る必要があるが、我々としても喜ばしく嬉しいことである。

2016年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3426.2016年9月29日(木) 寂しい常識に欠ける行為

 兄の高校時代の同級生、神沼克伊・国立極地研究所名誉教授と兄紀男とともに、ハイアット・リージェンシー東京で今年3度目の食事会をささやかに?行った。昨年家内を亡くした兄の辛い心中を慮って高校時代から仲の良かった神沼さんが誘ってくれて始まった。そこへ神沼さんを知っていた私もお相伴させてもらった次第である。

 神沼さんはつい最近までアフリカのマダガスカルに行っておられ、帰って来てから嘔吐と下痢がしばらく止まらなかったと言っておられた。私もキューバで頭と腰を打撲したので、ひとしきり病気、ケガ、母校、そしてキューバの話に花を咲かせた。

 神沼さんは前立腺の具合があまり良くないようだが、講演活動で忙しそうだ。現在創価学会の「聖教新聞」から依頼されて毎月1度南極について連載物を寄稿しておられるという。

 神沼さんは学校関係を含めて自著を寄付されることが多いようだが、すぐ受け取ったと知らせてくれる人は極めて少ないそうである。その点は最近私も強く感じている。手紙を書かないことが習い性となって受領証とか、礼状を書かないことが当たり前のようになっているような気がしている。これが今の若者の自然の対応というか、悪い意味の文化となっているような気がしている。人から品物をいただいて何の返事もしない。こんなことが当たり前というのは少しおかしいのではないだろうかと考えている。

 私も過去に度々高校ラグビー部後輩の卒業記念のほんの気持ちと激励のつもりで、僭越にも一人ひとりの部員に言葉を添えて拙著を贈ってきた。だが、これまで誰ひとりとして受け取ったとの返事を届けてくれた後輩はいない。礼状を期待しているわけではない。受け取ったことと、読んでくれたならどんな感想を持ったか教えてくれれば有り難いと思っているだけだ。私世代の一般的な考えからするとせめて受け取ったとの連絡ぐらいくれても好さそうなものではないかとつい考えてしまう。これは、後輩本人はもとより、受け取ったことを知ったであろう両親、家族、友人、部活動の顧問教師らにもいえることだと思う。同じように手紙を書けない、電話をかけない、或いはお礼を言わないことが普通だとの意識や常識が彼らの中にあるのかも知れない。しかし、これは勘違いした不遜な常識であり、文化だと寂しく感じている。

 神沼さんにも同じような経験が大分あるようで、後輩たちがそんな常識を有しているならもう著書を贈呈する必要はないのではないかと考えてしまうと仰っていた。妙なところで意気投合である。

 帰りがけに、昨日テレビで報道された「万里の長城」の手抜き・埋め立て工事について神沼さんとともに呆れてしまった。中国明代の世界遺産として、世界的にあまりにも名高い「万里の長城」の一部区間の城塞の壁と歩ける土台の上部を、歩くには危険との安易な理由だけでセメントを流し込んで固めコンクリート製のお粗末な城壁にしてしまった。ユネスコの許可を得ない世界遺産の無謀なリニューアルである。流石にネットで厳しく糾弾された当局は、責任者を処罰したそうだが、これで大山鳴動というわけにはいくまい。こんな無神経な改ざんは、工事前に考えてみれば誰が考えても認可を得られず理解を得られないことは明らかである。どうしてこんな無様なことになるのか。これでは世界遺産は皆姿を変えてしまうではないか。

 大なり小なり、どうしてごく普通の常識が働かないのだろうか。非常識が幅を利かす時代になったということだろうか。

2016年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3425.2016年9月28日(水) 旧オリンピック施設を再利用できないのか。

 昨日行われたアメリカ大統領選に向けたテレビ討論会が行われたが、今日の日経朝刊によると、クリントン氏、トランプ氏のどちらが勝ってもアメリカは内向き志向を強め、グローバリズムの後退を招きかねないと懸念している。かつては強気に世界の警察官を自認して各国と安全保障条約を締結し、経済面では自由貿易を積極的に展開していたが、今や条約締結国に対してより多くの費用分担を求め、TPPに反対を唱える有様である。朝日夕刊「素粒子」が「これほど米軍の負担をしても『払っていない』という。粗雑な論戦で選ばれそうな米大統領。日本人にも1票を」と皮肉たっぷりに書いている。トランプ氏には分からないのだろうか。

 はっきり言って次元の低い大統領選になった。誰しもが今年の大統領選には悩み、困っているのではないか。世界的人材不足の事象がトップ・レベルにも及んできたのだろうか。

 ついては、いま東京都の豊洲市場が難問に突き当たっているが、その中で今日小池新都知事就任後最初の都議会が開かれた。小池知事は所信表明演説で豊洲市場の安全性の検証や、情報公開などの都政改革を進めるとの意欲を示した。解せないのは都政改革本部が2020年東京オリンピック関係予算として当初予算を大きく上回りそうな、①水泳、②バレーボール、③ボート・カヌー会場の見直し提言をしていることである。これについては、以前の本ブログにも提言したが、①については1964年大会で使用した代々木プールを、②については同じく駒沢屋内競技場を使うわけにはいかないのか。ちょっと手を加えれば大してお金をかけずとも充分使用に耐えると思う。もう少し、国民の懐を考えて節約ということが考えられないものだろうか。

 さて、今夜のプロ野球パ・リーグのゲームで、北海道日本ハム・ファイターズが、西武ライオンズを1-0で破り4年ぶりにパ・リーグ優勝を決めた。6月末には2位に終わったソフトバンク・ホークスに11.5ゲーム差を付けられていたが、15連勝を含む追い込みで見事に逆転優勝をやってのけた。これでセ・リーグ優勝の広島カープと日本一を決める日本シリーズとなれば、力が入るのだが、これからクライマックス・シリーズという訳のわからない前哨戦があるので、最終的にプロ野球日本一の座は両リーグで優勝を逸したチームになる可能性がある。野球をつまらなくしているのは、勧進元の日本プロ野球機構自身なのである。今年引退した元中日の山本昌投手も疑問を漏らしていた。実際ちょっとふざけている。

2016年9月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3424.2016年9月27日(火) アメリカ大統領選TV討論開始、コロンビアで内戦終結

 11月8日アメリカ大統領選挙に向けた候補者2人による最初のテレビ討論が行われた。民主党ヒラリー・クリントン氏と共和党ドナルド・トランプ氏の論争は、自説を主張するというより相手のあら捜しと相手への攻撃だった。今日のテーマは、アメリカの進路、繁栄、安全保障の3点に絞った筈だったが、雇用、TPP、同盟国への軍事費負担、人種差別、私用メール、候補者の健康問題、等々で相手候補をやり込めようとしていた。

 早くから言われているように、ともに大統領選史上最も不人気な候補者で、選挙選自体も次元の低さを窺わせる。これは米国民自身が決めることであるが、かつてのケネディとニクソンのように若く、人気のあったアメリカを象徴するようなフレッシュな対決が懐かしい。

 2人の候補者は確かにあまり魅力的ではないが、減点法で決めるとするなら言いたい放題であまりにも不作法にして、海外から不評を買っている「トランプ大統領」はどうもいただけないような気がする。

 討論後CNNの調査では、クリントン氏の勝利と答えた人は62%、対するトランプ氏は27%だったという。他のメディアで異なる調査結果もあるようなので、何とも言えないが、やや魅力に欠けるが、このままクリントン氏に突っ走ってほしいと思っている。

 さて、中南米各地で度々紛争が起き、挙句にジャングル内で政府軍と反政府軍の間で熾烈なゲリラ戦が繰り返されていることはチェ・ゲバラのボリビア山中の活動と同じように知っていたが、今日唐突にコロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)の間で和平交渉が成立したとのニュースには正直驚かされた。サントス大統領とゲリラのコロンビア革命軍ロンドニョ最高司令官が内戦の終結と平和構築の最終合意文書に署名して52年間に亘る長い内戦にピリオドを打ったのである。

 寡聞にしてこのコロンビア内戦がこういう形で幕を降ろすとは思いも寄らなかった。コロンビアは他の発展途上国と同じように、大地主と大資本家に支えられた独裁政権下で国民はその圧政と貧困に苦しんでいた。その解放の大きなきっかけになったのは、半世紀以上も遡るキューバ革命の成功だった。最終合意文書の署名式には、仲介の労を取った潘基文・国連事務総長、アメリカのケリー国務長官、そしてキューバのラウル・カストロ国家評議会議長を主とする中南米各国首脳らが立ち会った。

 コロンビアではこれまで泥沼化した武装闘争のせいで半世紀間で22万人もの死者を出している。国内の避難民も実に5百万人(人口48百万人)に上がった。2012年からキューバなどの仲介により和平交渉が行われ、ここに漸く終戦を迎えることになった。但し、大統領は国の将来を左右する和平合意には国民が直接関与すべきだとして、来月初め賛否を問う国民投票が行われる。一部には否定する国民がいると思うが、「戦争」か、「平和」かと問われれば、国民の大多数は和平協定に賛同することだろう。この結果をキューバ革命成功後、同じ中南米のボリビアでゲリラ活動中に死亡した革命家チェ・ゲバラも天国で一安心していることだろう。この和平によりサントス大統領とロンドニョ最高司令官がともに、今年のノーベル平和賞の候補に挙がっているという噂がある。メデタシ!メデタシ!

 今日の朝日夕刊に新選組三番隊組長だった斎藤一の肖像写真が見つかったとの記事があった。斎藤と言えば、沖田総司らとともに最強の剣士と言われた人物である。偶々昨年4月調布市内仙川沿いへお花見に出かけた際、小中陽太郎さんから斎藤の子孫として美しい女性、斎藤わか奈さんを紹介していただいた。こちらは近藤勇の子孫だと好い加減な名乗りを上げたことがある。斎藤は戊辰戦争で幕府軍の一員として参戦しながら、敗戦後斗南藩の藩士となり、明治維新後は警察官となり西南戦争に従軍した。移り変わりの激しい時代に個人的にも盛衰の激しい人生を送った人だった。新選組応援団からすると評価の割れる人である。まぁ人生いろいろである。

2016年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3423.2016年9月26日(月) 豊洲市場は本当に大丈夫か?

 豊洲市場の地下空間問題が縦割り行政の弊害に加えて、当事者の無責任と責任逃れにより、地下空間を作らず盛り土を行うべしとする専門家会議のアドバイスがなぜ黙殺されたのか分からなくなっている。小池知事もリオ・パラリンピック閉会式から帰ったらその間の経緯と原因を調査すると述べていたが、どうやら今日までの発表によると都が工事設計業者との契約書面に地下空間を設けるよう指図があったという驚くべき事実が分かった。呆れかえって役人の職業倫理に二の句が出ない。だが、これにより実態がいち早く解明されることを期待したい。その一方でどうしてこうなったかという点については明確に説明されなかった。はっきり言って都民を舐めていると思った。役人というのは、どこでもこんなものだとつくづく思う。都民税を支払うのが馬鹿らしくなってくる。東京都は都民に今後どういう納得の行く説明をするのか。万が一ずるずる引き伸ばして挙句の果てに闇へ葬るようだったら、一都民として何らかの具体的行動を起こす必要があるのではないかと考えている。

 さて、キューバについて簡単で率直な感想を友人たちに伝えたところ、いろいろ多様な反応があった。一番多かったのは、安倍首相のキューバ行きに伴って、お坊ちゃん首相に対して、苦闘の末キューバ革命を成し遂げたカストロやゲバラの人間の格の問題だった。無私無欲の彼ら革命家に比べて世襲政治家で人間的にも包容力に欠け、12月のロシアのプーチン大統領来日の際には、会談場所を自らの地元・山口に設営するなど自己顕示欲と実績を選挙民に誇示する欲目が漲っている。いずれにせよ安倍首相の国民掌握力では、とても革命家たちの足元にも及ばない。

 今日は大学ゼミの後輩、秋田魁新報社の鈴木亨編集室長から同僚が10月にキューバを訪問するので、キューバの情報について知るところを教えて欲しいとメールをもらったので、レポート資料を送ったところである。それにしても現在全般的にキューバが熱いという気がする。私も12月発行予定の「知的生産の技術研究会」季刊誌にキューバ・レポートを寄稿する予定でいるが、やっと今日から原稿を書き始めた。

2016年9月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3422.2016年9月25日(日) 大関豪栄道、全勝で初優勝を飾る。

 このところ空模様がパッとしなかったが、今日何度か一時的に青空が顔を出した。やはり晴れ渡った秋空は気分的にすっきりする。台風16号は去ったが、また南方洋上に17号が発生したようだ。でも幸いにも今週は比較的すっきりした秋晴れが望めそうだ。

 今日大相撲秋場所は千秋楽を迎えたが、下馬評にも上がらなかった大関豪栄道が全勝で初優勝を飾った。大阪出身力士が優勝するのは86年ぶりというから大阪のファンにとっては堪らないだろう。この豪栄道は先場所負け越して今場所は大関陥落直前のカド番だった。大相撲も最近では白鵬、日馬富士、鶴竜ら3人のモンゴル出身横綱を始めとして外国人力士の活躍が目立つようになり、国技と言われる中で日本人力士存在の影がやや薄くなっていた。モンゴル出身横綱が年齢的にもそろそろ峠を迎えつつあるせいだろうか、今年に入ってからほんの少し日本人の活躍が目立つようになってきた。

 初場所に大関琴奨菊が初優勝して横綱への期待を抱かせるにいたったが、次の春場所では期待外れに終わり、代わって優勝したのが常連の白鵬であり、優勝戦線へ躍り出てきたのが大関の稀勢の里である。夏場所になって白鵬の連覇、稀勢の里もそれなりに頑張ったが、準優勝に終わった。名古屋場所もモンゴル出身の日馬富士が優勝し、稀勢の里はまたもや準優勝だった。3場所連続準優勝の稀勢の里は今度こそ優勝して横綱かと大いに期待を抱かせたが、残念ながら10勝5敗でまったく期待を裏切ってしまった。代わって一気に優勝賜杯を勝ち取ったのがあまり期待されていなかった豪栄道である。毎場所期待されながらもすでに30歳という年齢に達したが、来場所の成績次第では日本人として久しぶりに横綱昇進が期待される。ぜひとも頑張って日本人横綱の座を勝ち取ってもらいたいものである。

 さて、ネットで面白いことを知った。中国の「一点資訊」というメディアが、中国人旅行客が日本を訪れる前に知っておくべき日本人の「悪習」があると、ふざけたように紹介している。どう考えても悪習と思えるようなものではなく、むしろ真似すべきことであり、メディアの日本人に対するひねくれた思い込みとやっかみではないだろうかと思える。

 参考までに「悪習」を挙げると、

  • ①相手が悪くても自分から先に謝ること。
  • ②ゴミは必ず持ち帰り、街のゴミ箱には捨てないこと。
  • ③ハンカチを常に携帯して汗が出たら拭くこと。
  • ④お年寄りに席を譲ること。
  • ⑤公園に自由に飲むことのできる水道水があること。

 すべて見習うべきことだと思う。このメディアの常識とは真逆の紹介は、少々感覚や基準がおかしくまともに受け止めることはできないが、「所変われば品変わる」とか、「十人十色」と言われるように、日本人の感覚やモラルと中国人のそれとは大分異なる点があることは事実だ。「人のふり見て我がふり直せ」と言うではないか。戒めとしよう。

2016年9月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3421.2016年9月24日(土) 日本ペンクラブ会報議事録について

 池袋の淑徳大学エクステンション・センターで先週に次いで、日本ペンクラブの知人である保岡孝顕講師からバチカンについて最終講義を聞く。最終回だったので、講義を終えてから僅か3人の受講者だったので、順次自由に話をするよう促された。保岡さんからキューバについて話して欲しいと依頼されたので、思う存分キューバと昨日の安倍首相のキューバ訪問について自論をぶった。終わってから同じビルの地下にあるライオン・ビアホールでひとりの受講者を交えてランチを取りながら自由に思いついたことを長い間話し合った。保岡さんは26日からバチカンに行かれるということだった。バチカンに関してやはり中々難しく充分理解することはできなかったが、それでもカトリックやローマ教皇の行いに関して少しは理解できるようになったような気がする。

 さて、先日日本ペンクラブ会報最新号に今年の総会時に私が質問した際、本論とは無関係な「耳が遠い」と発言したことについて大きく会報に取り上げるのはおかしいし、実際に耳が遠くなり聞き取り難いと質問したことにつき、茶化していると会員から誤解される恐れがあるので納得できないと抗議を込めてペン事務局にメールを送った。返事がないので、催促したところ漸くメールによる回答が届いた。事務局は議事録については発言をありのままになるべく記載するとのことで、議事録そのものの訂正は行わないという編集者としては些か不穏当な回答だった。何でもかんでも記録し、会報に載せるというのでは編集権というのはどうなるのか。これでは質疑のやり取りを編集者の意見や考えがまったく反映されないということでもある。少し見識と良識に欠けるのではないかと思っている。改めて事務局の見解を質してみたいと考えている。

2016年9月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3420.2016年9月23日(金) 安倍首相、念願叶ってカストロ兄弟と会談

 9月になってから台風のせいもあるが、晴れた日がほとんどない。特に中旬になってから1日当たりの日照時間は、僅か1時間だそうである。今日も朝から曇り空で時々雨が降る空模様でどうも気分的にパッとしない。

 さて、国連総会出席の後日本時間の今朝未明、当初の予定通り安倍首相はハバナを訪れ、願っていたラウル・カストロ国家評議会議長と会談することができた。その前にすでに引退しているキューバ革命の象徴である兄のフィデロ・カストロ前国家評議会議長の私邸で約70分間話し合った。ラウル・カストロ氏との会談は、夕食を含めて3時間に及んだという。

 フィデルには、北朝鮮核問題と拉致問題について北朝鮮の歩み寄りで協力を求めた。キューバと日本は70年代にはお互いに大きな貿易相手国として強い絆で結ばれていたが、その後両国関係はそれほどではない。日本がアメリカとの緊密さを強調すればするほど、キューバはしらけるような印象を受ける。安倍首相が奇しくも今日62歳の誕生日を迎えたことを知った百戦練磨のラウルは、首相にこう言ったそうである。「あなたが生まれた時、兄のフィデルも私も収監されていた」と言ったそうだが、首相が幸せに生まれた中で自分たちは苦労の連続だと言わんばかりに皮肉っぽく聞こえるのは勘繰り過ぎだろうか。

 今夜NHK「ニュースウォッチ9」放送中にハバナで首相の記者会見が開かれた。その一部始終を観ていたが、内外記者会見であるのに日本の内政問題への質問が多かったのは解せなかった。折角キューバにいるのだから、もっと日本とキューバの外交、経済問題を突っ込んで聞いてもらいたかった。微妙な問題かも知れないが、首相は現役の首相として初めてキューバを訪れたと得意げに話す以上、懸案のキューバとの経済問題についてもっと触れるべきではなかったか。キューバの革命前夜に、首相の祖父・岸信介首相が政治生命を賭けて日米安保条約改定に血眼になっていたので、それが弱味となり彼らにそこを突かれることを懸念して、敢えて過去の両国関係について話が振られるのを避けたのだろうか。ちょっとがっかりした。

 旅行前フィデルは首相に会ってくれないのではないかと見ていたが、会ってはくれた。だが、最早両国間の難題については触れずに、昨日本欄に書いたように「キューバへの対日債務1200億円免除」が効いたのか顔見世興行をやってくれたとの印象だけが残った。

2016年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3419.2016年9月22日(木) 中国政府、チベット自治区へ監視強化

 懐かしいチベットの写真と記事を目にした。今朝の朝日新聞に掲載された、中国外務省が企画した海外メディア向けの取材ツアーに参加した朝日特派員のレポートである。私がチベットを訪れたのは、2007年12月だった。その前年1年間にチベットを訪れた観光客は約250万人だった。それが昨年2015年には2100万人が訪れたという。2020年には3500万人が訪れると些か楽観的過ぎる計画を立てているようだ。いくら魅力的な土地だとしても相当綿密に成算し、充分な受け入れ施設を準備し、魅力などを前広にPRするなどして計画を立てなければ、仮に観光客が大勢やって来ても対応できず、取らぬ狸に終わるのではないかと思う。それをいとも簡単に可能だと言い切るところに現代中国の成長と過剰な自信を窺える。

 チベット最大の観光地で、私のホームページ・トップの写真に掲げた世界遺産ポタラ宮殿から首都ラサ市内を見下ろした時に感じた感動と絶景が、いつまでこのまま保って行けるだろうかと、訪れた時に感じた不安が一部現実となったような気がしている。標高3650mの市内周囲にはそれほど高い建物がなく、見晴らしが良かった。しかし、中国の経済成長に連れて、いずれ市内に高層ビルが建築されてこのラサ市内も都市化、高層ビル化されるのではないかと要らぬ心配をしたものである。それが観光客の増加でホテル需要が増えたのは分かるとしても、外観写真を見る限り最近郊外に開業したインターコンチネンタル・ホテルなんか、あまりにもその突飛な近代的デザインの外装は不似合で、周囲の環境に溶け込んでいないように思える。今後どんどん近代的ホテルが建設されるに連れ、ラサ市内の都市景観がチベットらしい良さや自然の魅力をぶち壊すのではないかと心配で仕方がない。

 もうひとつ気がかりな点は、2008年3月に勃発したチベット騒擾事件以来、中国当局の監視が厳しくなり、チベット自治区内にはチベット族住民より漢民族の流入により、漢民族が支配するようになったことである。実際騒乱事件の起きた中心・ジョカン寺前広場をラマ僧とパトロール中の武装警察隊が隣り合わせに歩いている写真が載っていた。

 記事の大中小見出しはこうである。「チベット 繁栄とその陰」「08年騒乱後 観光開発急進」「漢族流入 高級ホテル続々」「現地民族 宗教抑圧に反感」「抗議の焼身自殺」等々、ざっとこんな感じの記事で情景が身に浮かんで中々興味深く感じると同時に、やはりチベットのチベットらしさが消えつつあるのが、何とも残念である。

 チベット騒擾事件では、その直前私がポタラ宮殿にいた時、本来そこにいる必要がないと思っていた軍隊が、不意に多数の装甲車でやってきて宮殿内に駐車し始めた異様な光景に驚き、何かあると予感した。そこに留まる理由がない軍隊が唐突に居座ったからである。そして、ラサで騒擾事件が起きたのは、正にその3ヶ月後だった。その時現場で異様な光景を目にして臨場感でおかしいなと感じれば、意外なことが起きる可能性があると確信するようになった。事件以来中国政府はチベットで神経質なほど厳戒体制を敷いているようだ。

 チベットの自然のままの美しさと素朴なチベット族が、中国政府の過剰な監視と干渉により、本来の良さが失われることを心から心配している。

2016年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com