3420.2016年9月23日(金) 安倍首相、念願叶ってカストロ兄弟と会談

 9月になってから台風のせいもあるが、晴れた日がほとんどない。特に中旬になってから1日当たりの日照時間は、僅か1時間だそうである。今日も朝から曇り空で時々雨が降る空模様でどうも気分的にパッとしない。

 さて、国連総会出席の後日本時間の今朝未明、当初の予定通り安倍首相はハバナを訪れ、願っていたラウル・カストロ国家評議会議長と会談することができた。その前にすでに引退しているキューバ革命の象徴である兄のフィデロ・カストロ前国家評議会議長の私邸で約70分間話し合った。ラウル・カストロ氏との会談は、夕食を含めて3時間に及んだという。

 フィデルには、北朝鮮核問題と拉致問題について北朝鮮の歩み寄りで協力を求めた。キューバと日本は70年代にはお互いに大きな貿易相手国として強い絆で結ばれていたが、その後両国関係はそれほどではない。日本がアメリカとの緊密さを強調すればするほど、キューバはしらけるような印象を受ける。安倍首相が奇しくも今日62歳の誕生日を迎えたことを知った百戦練磨のラウルは、首相にこう言ったそうである。「あなたが生まれた時、兄のフィデルも私も収監されていた」と言ったそうだが、首相が幸せに生まれた中で自分たちは苦労の連続だと言わんばかりに皮肉っぽく聞こえるのは勘繰り過ぎだろうか。

 今夜NHK「ニュースウォッチ9」放送中にハバナで首相の記者会見が開かれた。その一部始終を観ていたが、内外記者会見であるのに日本の内政問題への質問が多かったのは解せなかった。折角キューバにいるのだから、もっと日本とキューバの外交、経済問題を突っ込んで聞いてもらいたかった。微妙な問題かも知れないが、首相は現役の首相として初めてキューバを訪れたと得意げに話す以上、懸案のキューバとの経済問題についてもっと触れるべきではなかったか。キューバの革命前夜に、首相の祖父・岸信介首相が政治生命を賭けて日米安保条約改定に血眼になっていたので、それが弱味となり彼らにそこを突かれることを懸念して、敢えて過去の両国関係について話が振られるのを避けたのだろうか。ちょっとがっかりした。

 旅行前フィデルは首相に会ってくれないのではないかと見ていたが、会ってはくれた。だが、最早両国間の難題については触れずに、昨日本欄に書いたように「キューバへの対日債務1200億円免除」が効いたのか顔見世興行をやってくれたとの印象だけが残った。

2016年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com