3424.2016年9月27日(火) アメリカ大統領選TV討論開始、コロンビアで内戦終結

 11月8日アメリカ大統領選挙に向けた候補者2人による最初のテレビ討論が行われた。民主党ヒラリー・クリントン氏と共和党ドナルド・トランプ氏の論争は、自説を主張するというより相手のあら捜しと相手への攻撃だった。今日のテーマは、アメリカの進路、繁栄、安全保障の3点に絞った筈だったが、雇用、TPP、同盟国への軍事費負担、人種差別、私用メール、候補者の健康問題、等々で相手候補をやり込めようとしていた。

 早くから言われているように、ともに大統領選史上最も不人気な候補者で、選挙選自体も次元の低さを窺わせる。これは米国民自身が決めることであるが、かつてのケネディとニクソンのように若く、人気のあったアメリカを象徴するようなフレッシュな対決が懐かしい。

 2人の候補者は確かにあまり魅力的ではないが、減点法で決めるとするなら言いたい放題であまりにも不作法にして、海外から不評を買っている「トランプ大統領」はどうもいただけないような気がする。

 討論後CNNの調査では、クリントン氏の勝利と答えた人は62%、対するトランプ氏は27%だったという。他のメディアで異なる調査結果もあるようなので、何とも言えないが、やや魅力に欠けるが、このままクリントン氏に突っ走ってほしいと思っている。

 さて、中南米各地で度々紛争が起き、挙句にジャングル内で政府軍と反政府軍の間で熾烈なゲリラ戦が繰り返されていることはチェ・ゲバラのボリビア山中の活動と同じように知っていたが、今日唐突にコロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)の間で和平交渉が成立したとのニュースには正直驚かされた。サントス大統領とゲリラのコロンビア革命軍ロンドニョ最高司令官が内戦の終結と平和構築の最終合意文書に署名して52年間に亘る長い内戦にピリオドを打ったのである。

 寡聞にしてこのコロンビア内戦がこういう形で幕を降ろすとは思いも寄らなかった。コロンビアは他の発展途上国と同じように、大地主と大資本家に支えられた独裁政権下で国民はその圧政と貧困に苦しんでいた。その解放の大きなきっかけになったのは、半世紀以上も遡るキューバ革命の成功だった。最終合意文書の署名式には、仲介の労を取った潘基文・国連事務総長、アメリカのケリー国務長官、そしてキューバのラウル・カストロ国家評議会議長を主とする中南米各国首脳らが立ち会った。

 コロンビアではこれまで泥沼化した武装闘争のせいで半世紀間で22万人もの死者を出している。国内の避難民も実に5百万人(人口48百万人)に上がった。2012年からキューバなどの仲介により和平交渉が行われ、ここに漸く終戦を迎えることになった。但し、大統領は国の将来を左右する和平合意には国民が直接関与すべきだとして、来月初め賛否を問う国民投票が行われる。一部には否定する国民がいると思うが、「戦争」か、「平和」かと問われれば、国民の大多数は和平協定に賛同することだろう。この結果をキューバ革命成功後、同じ中南米のボリビアでゲリラ活動中に死亡した革命家チェ・ゲバラも天国で一安心していることだろう。この和平によりサントス大統領とロンドニョ最高司令官がともに、今年のノーベル平和賞の候補に挙がっているという噂がある。メデタシ!メデタシ!

 今日の朝日夕刊に新選組三番隊組長だった斎藤一の肖像写真が見つかったとの記事があった。斎藤と言えば、沖田総司らとともに最強の剣士と言われた人物である。偶々昨年4月調布市内仙川沿いへお花見に出かけた際、小中陽太郎さんから斎藤の子孫として美しい女性、斎藤わか奈さんを紹介していただいた。こちらは近藤勇の子孫だと好い加減な名乗りを上げたことがある。斎藤は戊辰戦争で幕府軍の一員として参戦しながら、敗戦後斗南藩の藩士となり、明治維新後は警察官となり西南戦争に従軍した。移り変わりの激しい時代に個人的にも盛衰の激しい人生を送った人だった。新選組応援団からすると評価の割れる人である。まぁ人生いろいろである。

2016年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com