3572.2017年2月22日(水) 冬季アジア大会5位入賞者に銅メダル

 いま冬季アジア大会が札幌で開催されているが、日本選手の活躍が目立っている。中でもスケート競技の女子500mで今シーズンのワールド・カップに6戦無敗の無敵・小平奈緒選手が、その強さを発揮してバンクーバー、ソチ五輪で2連覇している韓国の李相花選手に国内最高記録を出して競り勝った。小平選手は1000mでも勝ち2冠を獲得した。他にも高木美帆選手が3000m、1500mで金メダルを獲得した。

 ところが、この1500mで3位に入り、当然銅メダルをもらえる筈の美帆選手の姉高木菜那選手が、メダルをもらえないという珍事があった。それどころか1位から4位まで上位を独占したのが日本選手だったために、銅メダルは5位の中国選手が繰り上げで授与されることになった。どうしてこういう奇妙なことになったのだろうか。

 これはアジア・オリンピック評議会(OCA)が決めた大会規定により、1カ国・1地域で2人の選手しかメダルを獲得できないと決められているからである。そもそも暑い地域が多いアジア諸国では冬季スポーツが普及せず、その普及を目指す目的からこのようなスポーツ競技らしからぬ取り決めが順用されたという。記録上は実際の記録を残すので、昨日のレースの場合、3~4位の選手の順位はそのまま残り、逆に銅メダルを獲得した中国選手は5位として記録されるそうだ。

 しかし、これではメダルの価値が下がるのではないだろうか。3位の選手の勝ち得たメダルを5位の選手が受賞するわけである。実力勝負のスポーツの世界において随分おかしなルールを決めたものである。濡れ手に粟で銅メダルを獲得した選手だって、スケートが盛んな中国の選手なのだ。屋外に雪や氷がないタイや、フィリピン、インドネシア辺りの選手が繰り上げされるならOCAの狙いが当たり効果ありと言えるが、現状では曲げられたルールは「仏造って魂入れず」にならないだろうか。銅メダルを獲得した中国選手だって、果たして心底嬉しい気持ちになれるだろうか? むしろこそばゆい気持ちでいるのではないだろうか。

 なまじ下手な策は弄しない方が良いと思うのは、偏屈な私だけだろうか・・・・・。

2017年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3571.2017年2月21日(火) 豊洲市場移転中止で問題は解決するか。

 昨日本ブログに取り上げた豊洲市場移転問題だが、今朝の朝日世論調査によると移転を止めるべきだとの声が43%で、当初の予定通り移転すべきだとの29%を上回った。しかも昨年10月時点では前者39%に対して後者は40%だったから形勢逆転となった。これは衛生面がことさら大きく取り上げられたために、費用についてはあまり考えられていないのではないかと思う。しかし、そう簡単にヤーメタというわけには行かないところまで来てしまっている。すでに建設費として投資された金額は約6千億円と言われている。スウェーデンの国家予算の約半分である。これを無為にしようというのは、あまりに財政的な影響が大きすぎて、むしろ無駄ではないだろうか。問題をきちんと精査してそのうえで万全な安全対策を講じて、仮に更に建設関連費用がかかるとしても、それを無駄にするより合理的ではないだろうか。

 さて、先日詳らかにされた文部科学省の天下り問題であるが、今日新たに国家公務員法違反にあたる事案が17件あると松野大臣が公表した。文科省と官僚を引き取る大学の間には、魚心あれば水心があったようだ。どの私立も経営が苦しく、文部予算から大学への助成金が欲しいために断れるものでもないようだ。しかし、これは法律で禁止されていることでもあり、ただ経営的に苦しいからと安易に天下りを引き受ける大学にも問題がある。今回は、私立大学のみならず、筑波大学や岐阜大学のような国立大にまで及んでいることに天下りの刃がどんどん拡大していることを表している。

 学校絡みと言えば、いまある学校敷地払い下げが問題を提起している。国有地を超廉価で払い下げてもらった大阪府豊中市の森友学園に対する国交省の対応が問題視されている。この学校は戦前の愛国教育を行い、中国人・朝鮮人を差別視する超右翼的な教育を行っている。経営者は保守の日本会議会員で、自民党とも親しい関係にある。学園の名誉理事長が安倍首相の昭恵夫人だそうだから、官僚の親心があったのではないかと疑われても仕方あるまい。地元業者の評価額は9億5千万円の8770㎡の土地をその14%で譲渡したそうだから、儲けたのは学園ばかりでなく、これに絡んだ関係者の中にもいるのではないか。先日国会でこの点を追及された安倍首相は、夫人がその職に就いているのは承知しているが、もし疚しい点が明らかになれば、総理大臣も国会議員も辞めるとムキになって反論していたが、これだって考えてみるとちょっとおかしい。

2017年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3570.2017年2月20日(月) 国内外はもめごとだらけ

 北朝鮮の金正男暗殺に関わる動きが慌ただしくなってきた。すでに殺人容疑で女2人と北朝鮮国籍の男が拘束されたが、この他に北朝鮮の4人の男が関与していて、彼らは事件当日すでにマレーシアから出国し、それぞれ別のルートで北朝鮮へ帰国したようだ。その後北朝鮮は遺体を引き渡せと言ったり、そもそも事件を起こしたのが北朝鮮であるのにマレーシア側の常識的な対応を非難したり、まったく言いたい放題である。先日も北朝鮮はカン・チョル・マレーシア駐在大使が突然金正男の遺体が管理されている病院へやって来て門前で、周囲のメディア取材班に対して一方的に言い分を述べて立ち去ったが、今日も北朝鮮大使館前でマレーシア側の対応を強く非難した。流石にマレーシア政府も堪りかねて同大使を外務省に呼んで説明を求め抗議した。同時にマレーシアは、北朝鮮駐在のマレーシア大使を本国へ召還した。今後両国間の外交関係が悪化することが懸念される。北朝鮮のような特殊な国とは正常な外交関係を築くのは中々難しい。それにしても遺族が引き取るのが当然の遺体を、北朝鮮側は遺体は金正男ではないと言いながら遺体を引き渡せと言っている。

 一方、アメリカのお騒がせマン、トランプ大統領が相変わらず軽薄な言動を続けているが、とうとう事柄とは関係ない国を非難するようなことをやってしまった。フロリダ州で支持者を前に「ドイツで起きたことが、昨夜スウェーデンでも起きた」と言ったが、ドイツで起きたこととは、昨年12月チュニジア出身の男がクリスマスで賑わうベルリンのマーケットにトラックで突っ込んだテロのことであるが、それがスウェーデンでも起きたと証拠もなしに暴言を吐いた。実際にはスウェーデンではそれらしきテロは発生しておらず、スウェーデン外務省も当惑している。こういう他国を傷つけることを平気で発言する人物が大統領だというのだから、救いようがないと言える。

 わが国でもこのところ共謀罪で一般人の区分け方や、南スーダン派遣の自衛隊の日誌が一旦紛失したことなどで担当大臣の自信のなさそうな答弁があり、国会が紛糾している。何とも情けないこと夥しい。

 そうかと思うと、豊洲市場移転計画をめぐり、東京都は関係者から事情を聴き取るため、ついに百条委員会の設置が決まる見通しとなった。当然石原慎太郎元知事は証人として呼ばれることになりそうだ。

 このところ日本共産党が熱心にこの問題を取り上げて貴重な資料などを一般にも配布している。先日も里吉ゆみ共産党都議が訪れて来て、この問題を徹底的に追及すると力んで豊洲市場移転中止の署名を行っていると話されたが、中止ならこれまで豊洲建設のために注ぎ込んだ巨額の投資額が無駄になることをどう考えるのか、また中止の場合この出来上がった施設の他の用途をどう見つけるのかの答が出ないようでは、署名は出来ないと伝えた。里吉議員は決定ではなく、まだ精査する必要があるとは言っていたが、少々拙速で中途半端な進め方ではないか。いつも理詰めの共産党にしてはやり方がやや杜撰ではないかと疑問を抱いた。

 どこもかしこも問題を抱えているが、スカッとした方法は中々編み出せないようだ。

 今日は本州でも広い地域に亘って強風が吹いた。都内で秒速28m、房州では30mを超えたようだし、伊豆諸島に暴風警報が出された。この際暴風警報は、トランプ大統領や北朝鮮にも出してもらいたいものだ。

2017年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3569.2017年2月19日(日) 中国と北朝鮮の外交関係はどう変わるか。

 立春はとっくに過ぎたが、昨日に比べればやや寒く晩冬の趣が感じられる。わが家の庭を何気なしに見てみると地面の苔がところどころ割れている。水気がなくなっているのだ。午後庭の木々に30分ほど散水した。樹木や苔が息を吹き返してくれると嬉しい。それでも白梅は今が盛りと満開となった。水戸偕楽園では、昨日から梅まつりが始まった。わが家では野鳥もやって来るのではないかと心待ちにしていたが、今日も野鳩や雀が数羽やって来た程度で期待していた鶯や、メジロ、シジュウガラが飛んで来ない。近年は近くに緑樹が減ったせいかあまり野鳥が飛来しなくなったが、わが家もそのトバッチリを受けている。毎年この時期になると心地よく耳にしていた「ホーホケキョ」の声も最近はあまり聞かれなくなった。自然がだんだん遠くなっていくようで寂しく感じている。

 さて、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことに対して国連安保理事会は北朝鮮に対して改めて制裁を課した。各国はそれぞれ個別に制裁を行っているが、いつも北朝鮮に対して生ぬるい対応の中国は各国から批判されていた。北朝鮮のあまりにも身勝手で平和に反する行為に対して、ここへ来て漸く中国も思い腰を上げて他国と足並みを揃えて制裁することに同意した。具体的にどんな形で北朝鮮に対処するのかと注目されていた中で、中国は北朝鮮からの石炭輸入を今年末まで停止することを決めた。北朝鮮にとっては、全貿易額のうち対中貿易のシェアが9割を超え、輸出停止による経済的な影響は極めて大きい。

 一方、国内で石炭消費量が多い中国経済にとってもその反動は大きい。それ故北朝鮮が孤立する厳しい環境に追い込まれたのは、少なからずアメリカにも北朝鮮との交渉に応じようとしない責任があると言わんばかりの中国のメッセージである。中国は北朝鮮が非核化の具体的な措置を取らない限り、交渉には応じようとしない頑ななアメリカのオバマ・スタンスを変えさせようとのメッセージを送った狙いもある。

 金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男暗殺を実行したのは、北朝鮮政府と言われ、過日のミサイル打ち上げとともに世界中から非難され、自らを四面楚歌に追い込んだ挙句に、血迷ってなりふり構わなくなることが恐ろしい。

2017年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3568.2017年2月18日(土) 気になるトランプ・アメリカの先行き

 どうしてこうも荒っぽい事件や、所作を引き起こそうとするのだろうか。クアラルンプール空港で暗殺された北朝鮮の金正男については、2人の女性容疑者と北朝鮮籍の男が身柄を拘束された。他に3人の男が逃げているが、顔写真を撮られているので、いずれ捕まるだろう。今、北朝鮮とマレーシアの間で遺体の引き渡しについて駆け引きが交わされているが、いずれ外交問題に発展しそうである。

 一方政権発足以来政権人事で躓き、発令した大統領令が悉く否認されて、思うように行政を進められないトランプ大統領が、昨日誰も立ち会わずに単独記者会見を行った。その一部のやり取りをみているととても常識のある人物の会見とは思えない。かねてより対立しているメディアに対しては、自らの業績を自画自賛し、短期間に自分ほど成果を上げた大統領はいないなど何を以って自信過剰で「フェーク」な主張をするのか理解に苦しむ。フェークな情報を流すとしてメディアを批判したことに対しては、会見の場で記者から反論されると、逆にメディアは超フェークだと大声でやり返す。こんな無謀な手法を一国の大統領ともあろう者が外国でやったら、各国の首脳も呆れかえって嫌気がさすのではないだろうか。16日には全米各地で臨時休業するレストランや商店が相次いだ。大統領の移民政策に抗議するストで、「移民のいない日」をデモ化して移民労働者が仕事をボイコットしたからである。

 ここへ来てトランプ大統領の支持率は徐々に下がり出して、ギャラップ社の直近のアンケートでは、支持者が39%、非支持者が46%となった。これから支持者が下がることを期待したい。それでも投機筋では経済の伸びによる株価の上昇を期待したのか、ニューヨーク証券取引所では、ダウ平均株価が7日間連続で史上最高値を更新し続けているというから何とも言えない。

 個人的には私はこう思っている。これまでアメリカは、メディアを含めて世論は一般的に民主的で公正であり、軌道を外れると元へ戻る草の根バネが作用すると思っていた。ところが、意外にも当初泡沫候補と揶揄されていたトランプ氏が大統領に当選したことから様相が変わってきた。誰もがトランプ現象に首を傾げ、裁判所が待ったをかけるような事案でも権力者のトランプ大統領は、それを遮り押し通そうとしたことでそのバネがあまり効かなくなったことである。これはアメリカ的民主主義崩壊の始まりではないかと危機感を覚えている。強者意識が強く働いて、自分の思うように行動出来たこれまでのアメリカニズムは、大筋では大きな間違いは犯してこなかったと思う反面、それ故にこそ誰も気が付かない間に抜け出せない深い暗闇にはまり込んでしまったようだ。これから先トランプ大統領が、度々勇み足を犯してもそれをアメリカ国民が抑えきれないようなら、トランプ・アメリカはもう止めどもない地獄への道を歩み始めるのではないか。トランプ政権の行うことを一つひとつチェックして、唆されないように気をつけなければドえらい事態になることを恐れる。

2017年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3567.2017年2月17日(金) 懐かしいビルマの現状と課題

 昨年ビルマ(ミャンマー)ではテイン・セイン前大統領の軍政に幕を降ろし、民政へ移管された。今朝の朝日新聞「オピニオン&フォーラム」にテイン・セイン氏へのインタビュー記事が掲載されている。

 発展途上国の中でも経済発展が遅れて世界最貧国のひとつと揶揄されてきたが、今ではアジア最後のフロンティアと呼ばれ、外資の流入も多い。それに手を貸したのは日本である。わが国が対日債務の半分を免除し、その残りも日本の融資で返済出来るようにしてやったことが大きい。今では年7%の経済成長を達成し、1人当たりの所得も大きく伸びた。軍政時代には中国一辺倒だったが、いろいろトラブルがあり見直した。中国の電力会社がイラワジ川に建設していた大規模ダムが環境破壊と訴えられ凍結されたこともそのひとつである。

 しかし、現在のビルマには課題が多い。民政移行したとは言え、国会は軍政時代のまま国会議員には軍人枠が残り、全国会議員の1/4は軍人から選ばれる。これでは軍政時代と何ら変わらず軍の意向が幅を利かせることになる。ロヒンギャなど少数民族への人権侵害問題なども解決されていない。テイン・セイン氏は、国会議員の軍人枠については、インドネシアの例を挙げて案外楽観視しているようだ。インドネシアの場合、1997年の経済危機以前には国会議員の議席は4割が軍人によって占められていたが、以降は徐々に軍人枠がなくなったことを自国にも期待しているようだ。だが、そう簡単に行くだろうか。したたかな軍部が今抱えている大きな権限をそう簡単に手放すとはとても思えない。

 かつて23年間に亘って続けられた軍政時代の「負の遺産」はあまりにも大きい。道路などのインフラは取り残されたままで、民主化を訴えた大学生を弾圧し、大学も長期間閉鎖し、高等教育は崩壊してしまった。これからビルマはどうやって経済を発展させ、国家として独り立ちして行くのだろうか。ひたむきに前進して、世界のフロンティアと呼ばれるようになることを期待したい。

 さて。昨日偶々神田神保町を歩いていて喫茶店「エリカ」という看板が目に入った。かつて飛行第64戦隊(加藤隼戦闘隊)の人たちとともに戦没者の慰霊のため度々ビルマを訪れたが、その最初の慰霊団団員の中にこの近くで同じ名前の喫茶店「エリカ」を経営しておられた陸軍士官学校55期生の會澤輝男さんと仰る方がおられた。アポなしでぶしつけに訪問したところ、その「エリカ」は會澤さんの弟が経営しておられ、亡くなられた兄とともに同じ名前の喫茶店を近くで経営していると聞いてびっくりした。もう大分ご高齢で帰りに「エリカ」の前を通ったら消灯していたので、昼間だけの開店のようだった。また、近いうちに慰霊団について書いた拙著を持って懐かしいお話を伺いに訪れたいと思っている。

 それにしてもいつまで経ってもビルマは懐かしく心に残る国である。

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3566.2017年2月16日(木) トランプ大統領がまた問題発言

 またトランプ騒動発生である。トランプ大統領が訪米中のイスラエルのネタニャフ首相と会談して、1993年オスロ合意で決まったパレスチナ暫定自治国を否定するような考えを示した。翌94年ヨルダン川西岸とガザ地区の2つの地域に分かれている同自治国は「パレスチナ」という国名に変わった。ところが世界で136ヶ国がパレスチナを承認している中で、日本政府は未だに承認していないため、パレスチナとは呼ばずにパレスチナ暫定自治政府、或いはパレスチナ暫定自治区と呼んでいる。

 何が問題かと言えば、1993年以来承認していたイスラエルとパレスチナが平和的に共存するポリシーを、トランプ大統領は2国家共存、或いは1つの国家のどちらを選択するかを2つの当事国へ任せるとの考えを提案したのだ。仮にどちらかが1つの国家政策に固執すれば、現在の状態を維持することは出来ない。これはイスラエルの望むところであり、逆にパレスチナとしてはとても容認出来るものではない。両国の間の紛争を堰き止めていた垣根を取り払うことを意味し、下手をすると再び両国の利己的な考えで戦闘が起こりかねないということである。

 20年以上に亘り紛争を止めていた取り決めを、アメリカは軽はずみにもイスラエルとパレスチナ双方の考え次第では停止しても好いと、安易にお墨付きを与えたのである。これはアメリカ政府の中東政策の転換を物語るものであり、アメリカのイスラエル寄りと保守化を一層際立たせるものである。

 5年前にイスラエル、及びパレスチナを訪れたが、その時の境界線は普通の国の国境線とは些か違っていた。外見上は2つの国に大きな違いは見られない。車でエルサレムからパレスチナへ入国したが、その際車とドライバーが代わったことと、その周辺ではカメラ撮影が許されなかったことぐらいである。仮にトランプ大統領の言う通り推移すると、外見上違いが見られない現状が内的には大きな国境という障害物が生まれる。

 しかもトランプ大統領は一方的にアメリカ大使館を首都テルアビブからエルサレムに移転しようとまで考えている。敢えて問題を引き起こそうと考えているとしか思えない。これでは、アメリカが世界の安定と平和を壊すことに繋がりかねないのではないだろうか。やはりじゃじゃ馬トランプ大統領の言動をよほど注意深く見ていなければならない。残念ながら、トランプ大統領にすっかり丸め込まれたような安倍首相の言動からは、そういう危機感がまったく感じられない。これも気が抜けないことで要注意だ。

2017年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3565.2017年2月15日(水) 金正雲・朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男暗殺される。

 荒々しい世相のせいだろうか、今日も突然「暗殺」という衝撃的なニュースが入ってきた。何と北朝鮮の独裁者、金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄金正男がクアラルンプール空港出国時に2人の女らによって殺害されたというのである。仲間のうち1人の女が間もなく逮捕された。北朝鮮については、3日前に中距離弾道ミサイル発射に対して国連が制裁を宣告したばかりである。よくよく世間にショックを与えるお騒がせ国である。

 正確な情報が伝わり難いお国柄ではあるが、韓国情報機関によれば、金正男氏に対しては北朝鮮は5年前から暗殺を計画していたという。金正恩委員長は伯父を処刑し、今度は実の兄を殺害する行動に出たわけである。金正恩氏は、最近になって周囲から実力者を排除して、益々独裁権力を強めている。反分子を悉く捕らえては、追放、処刑によって抵抗勢力を排除している。4年前にも後ろ盾だった伯父張沢成氏を処刑しているほど非情な殺人鬼である。

 まだ殺人の動機や、死因は不明であるが、急激に国際社会に向かって反人道的なパフォーマンスをアピールするのは、北朝鮮独自のそれなりの理由があるとは思う。しかし、この国のやることは他からまったく理解されず、国際社会の中で益々孤立の傾向を深めるばかりである。最近の噂では、ミサイルを打ち上げるための経費は馬鹿にならないが、その一方で底辺の国民が生活に窮していると言われている。

 正確なことはまだはっきり分からないが、これから北朝鮮はどういう道を歩もうとしているのだろうか。

 さて、今日は日本ペンクラブ例会である。いつものパーティの前に石川達三の地元におけるペンの活動をビデオで見せてくれた。パーティでは、多くの人と話したが、初めて常務理事の松本侑子さんに話しかけられた。有難いことに私のホームページを見て旅行経験に驚いたと聞かされた。ジャーナリストの轡田隆史氏にキューバの社会主義、カストロやゲバラの人格などについて説明したところ、強い関心を持っていただき、4月にキューバについて講演をする案内をしたところ参加したいと言っていただいた。他にも元毎日の岸井成格氏もキューバについて関心を示された。

 金正男が暗殺された同じ日に、かつてのヒーローについて取り上げるのも憚られるが、水泳でオリンピック銀メダルを獲得した山中毅さんが亡くなられた。同じ年なので、彼がメルボルン、ローマでそれぞれ2個の銀メダルを獲ったことを何よりも嬉しく思った。ローマの後の全日本水泳選手権を神宮屋外プールに観戦に出かけたことがある。2度のオリンピックでどうしても勝てなかったオーストラリアのマレー・ローズとジョン・コンラッヅには、やはり勝てなかったことが強く印象に残っている。

 同年代の人が亡くなるとやはり寂しい気がする。山中さんのご冥福をお祈りしたい。

2017年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3564.2017年2月14日(火) トランプ政権、北朝鮮、東芝の不可思議な行動

 トランプ政権を支える国家安全保障担当のフリン大統領補佐官が辞任した。対ロシア制裁を巡る疑惑で責任を取った形である。政権発足後僅か3週間で閣僚級が辞任するのは異例と言える。その一方で、上院本会議で新財務長官にムニューチン氏が承認された。僅差の末賛成多数で承認されたが、主要閣僚が政権発足後3週間も経って今まで承認されなかったのも極めて異例である。

 しかし、何だかんだと言っても、トランプ政権への経済的な政策が期待されているからだろうか、ニューヨークの株式相場は値上がりする一方である。今年に入ってからダウ平均株価は、空前の2万㌦超ともてはやされていたところ、今日は前日比142㌦の20,412㌦まで上昇した。史上最高値である。そのアメリカにぴったり食いついた日本はその恩恵を受けるかと思いきや、逆に今日の日経平均株価は220円も下がった。更に良からぬ噂が流されていた大手電機企業の東芝が、今日予定していた2016年4~12月の連結決算の公表を直前になって見送る有様である。その衝撃は想像以上に大きく、テレビ各局はすべてトップ・ニュースとして伝えたほどである。

 結局夕方になって記者会見が開かれ、巨額欠損の責任を取り会長が辞任し、すべての役員給与を更にカットすると発表した。アメリカの原子力事業で7,125億円の巨額の損失が発生し、最終損益が4,999億円の大幅赤字になると予想され、前年度4794億円の赤字に続き今年度も最終的に赤字決算を計上する見通しである。数日前には、昨年末で債務超過の状態で、効果的な手当てをしなければこのまま債務超過が予想され、東証第2部への降格まで囁かれていた。この先東芝は会社をどう立て直していくのだろうか。東芝には友人もいるので、心配である。

 さて、今日は国連でも動きがあった。国連安保理事会は、北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射に対して、強く非難するとの声明を全会一致で採択した。これにロシアや中国も賛同した。かつては、北朝鮮がいかに卑劣な行為を犯しても両国は拒否権を発動して提案に賛成しなかった。それがロシアに次いで、中国も漸く常識的な対応を示すようになり、前回も提案に賛同した。問題は、中国が北朝鮮に対して経済制裁を課すことが出来るかどうかである。北朝鮮は中国との貿易が圧倒的に多く、北朝鮮を生かすも殺すも中国次第である。中国が北朝鮮に対して経済、生活に影響を与える貿易額を減少させて北朝鮮に効果的な打撃を与えることが出来るかによって国連制裁も効果を発揮することになる。北朝鮮の全貿易額の90%以上を占める中国が、現実に貿易額を減らさない以上国連制裁も実質的には意味のないものとなる。この辺りを中国はどの程度本気で対応するだろうか。

2017年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3563.2017年2月13日(月) 時代とともに変わる言葉の使い方

 言語学者の井上史雄氏が昨日の日経紙「現代ことば考」欄に「敬語の3分類は不変」というコラムを書いている。一般的に言葉は、大きく「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3通りに分けられるが、近年その境界線にある言葉が数多く使われるようになり、文化庁でどうするか検討を重ねていた。以上の3通りに加えて、「尊敬語」と「謙譲語」をIとⅡに分け、更に「美化語」というジャンルを加えて6種類ほどに再編成することを考えていたらしい。それが、元通り従来に3通りに落ち着きそうで井上氏はほっとしていると書いている。だが、「電車がまいります」の表現は謙譲語本来の使い方からずれていると指摘している。これは、私もおかしいと思い、「電車が来ます」と訂正すべきだとかねがね思っていた。

 言葉は時代が移ると流行も変わるように、言葉にも新しい流行語が入ってくる。偶々昨晩あるテレビ番組で間違った言葉遣いについて放送していたが、プロのアナウンサーも用法をよく間違えるらしい。実は、その中に言葉が重複する「重ね言葉」が紹介されていた。ひとつの例として「行って来ます」というのは、「行く」と「来る」が重なっているので、正確には間違っていると説明していた。確かに私の場合家を出る時、親に「行って参ります」と言って家を出た。それが、息子らは学校に出かける時「行って来ます」と言ったので、次第に慣れたが、最初は何となく違和感を覚えたものだ。それにしてもそのまま正しい言葉を使っていれば良さそうなものなのに、どうして間違った言葉を使うようになったのだろうか。

 さて、先日来小中陽太郎さんの近刊書「上海物語」について、中川隆介氏の同書への書評についても併せて感想を書くよう小中さんから依頼されていたが、何とかA4版3枚にまとめて小中さんに送ったところ、過分なお褒めの言葉をいただいたので、直ぐに「出版ニュース」社の清田義昭社長へ同じ原稿を送った。この結果がどうなるのかはまったく予想もつかない。

 また、「知的生産の技術研究会」(知研)の八木哲郎会長からお手紙をいただいていたので、今朝電話を差し上げたところ4月の知研セミナーでキューバについて話をして欲しいとの要請だったので、お引き受けするとお応えしたところである。

2017年2月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com