3564.2017年2月14日(火) トランプ政権、北朝鮮、東芝の不可思議な行動

 トランプ政権を支える国家安全保障担当のフリン大統領補佐官が辞任した。対ロシア制裁を巡る疑惑で責任を取った形である。政権発足後僅か3週間で閣僚級が辞任するのは異例と言える。その一方で、上院本会議で新財務長官にムニューチン氏が承認された。僅差の末賛成多数で承認されたが、主要閣僚が政権発足後3週間も経って今まで承認されなかったのも極めて異例である。

 しかし、何だかんだと言っても、トランプ政権への経済的な政策が期待されているからだろうか、ニューヨークの株式相場は値上がりする一方である。今年に入ってからダウ平均株価は、空前の2万㌦超ともてはやされていたところ、今日は前日比142㌦の20,412㌦まで上昇した。史上最高値である。そのアメリカにぴったり食いついた日本はその恩恵を受けるかと思いきや、逆に今日の日経平均株価は220円も下がった。更に良からぬ噂が流されていた大手電機企業の東芝が、今日予定していた2016年4~12月の連結決算の公表を直前になって見送る有様である。その衝撃は想像以上に大きく、テレビ各局はすべてトップ・ニュースとして伝えたほどである。

 結局夕方になって記者会見が開かれ、巨額欠損の責任を取り会長が辞任し、すべての役員給与を更にカットすると発表した。アメリカの原子力事業で7,125億円の巨額の損失が発生し、最終損益が4,999億円の大幅赤字になると予想され、前年度4794億円の赤字に続き今年度も最終的に赤字決算を計上する見通しである。数日前には、昨年末で債務超過の状態で、効果的な手当てをしなければこのまま債務超過が予想され、東証第2部への降格まで囁かれていた。この先東芝は会社をどう立て直していくのだろうか。東芝には友人もいるので、心配である。

 さて、今日は国連でも動きがあった。国連安保理事会は、北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射に対して、強く非難するとの声明を全会一致で採択した。これにロシアや中国も賛同した。かつては、北朝鮮がいかに卑劣な行為を犯しても両国は拒否権を発動して提案に賛成しなかった。それがロシアに次いで、中国も漸く常識的な対応を示すようになり、前回も提案に賛同した。問題は、中国が北朝鮮に対して経済制裁を課すことが出来るかどうかである。北朝鮮は中国との貿易が圧倒的に多く、北朝鮮を生かすも殺すも中国次第である。中国が北朝鮮に対して経済、生活に影響を与える貿易額を減少させて北朝鮮に効果的な打撃を与えることが出来るかによって国連制裁も効果を発揮することになる。北朝鮮の全貿易額の90%以上を占める中国が、現実に貿易額を減らさない以上国連制裁も実質的には意味のないものとなる。この辺りを中国はどの程度本気で対応するだろうか。

2017年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com