3568.2017年2月18日(土) 気になるトランプ・アメリカの先行き

 どうしてこうも荒っぽい事件や、所作を引き起こそうとするのだろうか。クアラルンプール空港で暗殺された北朝鮮の金正男については、2人の女性容疑者と北朝鮮籍の男が身柄を拘束された。他に3人の男が逃げているが、顔写真を撮られているので、いずれ捕まるだろう。今、北朝鮮とマレーシアの間で遺体の引き渡しについて駆け引きが交わされているが、いずれ外交問題に発展しそうである。

 一方政権発足以来政権人事で躓き、発令した大統領令が悉く否認されて、思うように行政を進められないトランプ大統領が、昨日誰も立ち会わずに単独記者会見を行った。その一部のやり取りをみているととても常識のある人物の会見とは思えない。かねてより対立しているメディアに対しては、自らの業績を自画自賛し、短期間に自分ほど成果を上げた大統領はいないなど何を以って自信過剰で「フェーク」な主張をするのか理解に苦しむ。フェークな情報を流すとしてメディアを批判したことに対しては、会見の場で記者から反論されると、逆にメディアは超フェークだと大声でやり返す。こんな無謀な手法を一国の大統領ともあろう者が外国でやったら、各国の首脳も呆れかえって嫌気がさすのではないだろうか。16日には全米各地で臨時休業するレストランや商店が相次いだ。大統領の移民政策に抗議するストで、「移民のいない日」をデモ化して移民労働者が仕事をボイコットしたからである。

 ここへ来てトランプ大統領の支持率は徐々に下がり出して、ギャラップ社の直近のアンケートでは、支持者が39%、非支持者が46%となった。これから支持者が下がることを期待したい。それでも投機筋では経済の伸びによる株価の上昇を期待したのか、ニューヨーク証券取引所では、ダウ平均株価が7日間連続で史上最高値を更新し続けているというから何とも言えない。

 個人的には私はこう思っている。これまでアメリカは、メディアを含めて世論は一般的に民主的で公正であり、軌道を外れると元へ戻る草の根バネが作用すると思っていた。ところが、意外にも当初泡沫候補と揶揄されていたトランプ氏が大統領に当選したことから様相が変わってきた。誰もがトランプ現象に首を傾げ、裁判所が待ったをかけるような事案でも権力者のトランプ大統領は、それを遮り押し通そうとしたことでそのバネがあまり効かなくなったことである。これはアメリカ的民主主義崩壊の始まりではないかと危機感を覚えている。強者意識が強く働いて、自分の思うように行動出来たこれまでのアメリカニズムは、大筋では大きな間違いは犯してこなかったと思う反面、それ故にこそ誰も気が付かない間に抜け出せない深い暗闇にはまり込んでしまったようだ。これから先トランプ大統領が、度々勇み足を犯してもそれをアメリカ国民が抑えきれないようなら、トランプ・アメリカはもう止めどもない地獄への道を歩み始めるのではないか。トランプ政権の行うことを一つひとつチェックして、唆されないように気をつけなければドえらい事態になることを恐れる。

2017年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com