6497.2025年2月25日(火) 大学入学試験シーズンに想う。

 12日に東京医療センターで胃カメラを撮ってもらい、今日その結果について担当医師から説明があるということで、妻とともに医療センターへ出かけた。胃カメラで映った画像をずっと見ながら説明を受けたが、胃、食道、十二指腸、小腸などはきれいで何の影もなく医師はこれという症状は見当たらず、お腹が痛むのは、ストレスとか、その時に別の原因で痛むと思うので、さほど心配することはない。もし、痛むような場合はそれに応じて痛み止めの薬を服用したら良いので、かかりつけの医師とよく相談して欲しいという結論で、大事にならず、ホッとしている。幸い一昨日辺りまで夜になるとお腹が痛んでいたが、昨日からは落ち着いている。明日早速報告がてらかかりつけの森内科へ行こうと思っている。

 さて、一昨日投開票されたドイツの総選挙の結果がはっきりした。メルケル前首相が所属した最大野党会派の中道右派「キリスト教民主・社会同盟」が第1党となり、反移民・難民を訴える右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」が前回の2倍票を獲得して第2党へ躍進した。1位の「キリスト教民主・社会同盟」は、政権復帰に向け連立交渉を進めるが、第2位となったAfD の参加は求めないようだ。 

 ショルツ首相が率いている中道左派「社会民主党(SPD)」は、これまでで最低の得票率で、歴史的な大敗を喫した。これからドイツが、右翼化の波に浚われることなく、アメリカなぞにとやかく言われない独自の政策を貫かれるよう期待している。

 この選挙でAfDの躍進以外にも驚いたことはある。 それは、投票率が随分高かったことである。何と82.5%というから俄かには信じられない。それほど国民の関心が高かったということになるのだろう。因みに日本では、8年前より投票権が18歳に引き下げられたが、あまり投票率の向上には役立っていないようだ。実際直近の国政選挙の投票率を見てみると、2021年の衆議院選では、55.93%、22年の参議院選では52.05%だった。ドイツ国民には随分差をつけられた。一気に向上させるのは、難しいにしても少しでもこの投票率を向上させるよう日本の国民は心しなければいけないと思う。特に、若い世代の政治的無関心が少々気がかりである。

 ところで、今や入学試験シーズンの真っ最中であるが、今日から国公立大学2次試験が実施されている。70年近くも昔の我々の時代を思うと感慨無量である。当時の国立大学受験では、3月1日に筆記試験が行われたと思う。それが入学試験制度の改正とともに、1月中旬に共通テストがあり、今日から前期日程として2次試験が始まった。自分自身の経験上、大学受験のような熾烈な試験と受験勉強は、経験すること自体に意義はあるとは言え、将来的にそれほど役立つことはないように思っている。大学で学生たちは、アカデミックな勉強はやるのだろうが、社会的な勉強にはあまり熱心なように思えない。社会的な問題に直面しても大学生たちの出番はほとんどないようだし、我々が熱中した60年安保闘争のような社会的にインパクトを与えるような活動とはかなり距離があるようだ。

 その大学生たちが、今関心を持っているのは、東大をはじめとする多くの大学の授業料の値上げである。国立の東大で来年度から授業料を年約11万円も値上げすることを決定した。中央大学では、来年度から学費を毎年2%(約2~3万円)値上げすると発表した。石破政権は「教育無償化」、「負担軽減」を謳っていて、今も高校までの無償化について与野党の話し合いを進めているが、大学の授業料については一切話がないようだ。この辺りの燻った教育予算の使い方について明確にして欲しい。今年度の教育予算(文教費)は、総額4.06兆円であるが、一方で国防のためと称する防衛費予算は、7.95兆円にまで膨らまされている。教育費のほぼ2倍である。まさか学生の教育より国の軍事防衛費の方が大事だとは言わないだろう。

2025年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6496.2025年2月24日(月) ウクライナ戦争開戦3年、右傾化傾向顕著

 今日は突然ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻を開始して、ちょうど3年になる。この間すでにウクライナでは兵士4万人、一般人1万3千人、ロシアでは兵士9万5千人、一般民間人の犠牲者は不明である。ただいずれにせよ両国合わせて15万人近い犠牲者が生まれている。近々一方の当事国ウクライナを除いて、ロシアとアメリカの間で停戦へ向けた話し合いが行われると考えられている。アメリカのトランプ大統領は、ウクライナの地下埋蔵鉱物資源の採掘権を獲得することを要求し、ロシアは占領した地域を返還しないままに停戦しようというウクライナの気持ちを配慮することなく、両国の欲望が露骨に表れている。ともかくお互いに納得したうえで1日も早く戦闘を停止するべきである。

 さて、昨日投開票されたドイツの総選挙の結果が、凡そ判明した。実際の得票率が事前の世論調査の結果とほぼ同じであることに少々驚いている。1位は、最大野党で中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」で得票率は28%、2位が移民や難民に排他的な姿勢を掲げている右派政党「ドイツのための選択(AfD)」で21%といずれも世論調査と同じ獲得票数である。そして3位にショルツ首相の与党で、中道左派の「社会民主党」16.5%だった。この結果により、再び連立政権が誕生することになろうが、第1党代表であるメルツ氏が首相候補としてクローズアップされている。

 右派が勝利したことに対して、早速アメリカのトランプ大統領はドイツ国民に祝示したその文言も「ドイツで保守的な政党が勝利を収めたようで、アメリカ同様にドイツ国民はエネルギーと移民に関して、長年に亘り優勢だった常識のない政策にうんざりしていた。今日はドイツにとって、そしてドナルド・トランプという紳士が率いるアメリカにとって、素晴らしい日だ。皆さん、おめでとう」という身勝手な中身である。トランプ大統領は、EUと対立しかかっているアメリカにとっては心強いドイツの保守政権の誕生になることをわがことのように喜び、心からの祝意を送っているのだ

 警戒しなければならないのは、第2次世界大戦へ導いたナチズムの素地のあるドイツに、またもや右翼、極右、ナチズムが芽生えてきたことである。これから心配なのは、仲間を得て大喜びのトランプ大統領が対EUで益々増長し力の拡大志向と、散々戦争には懲りたと反省していたドイツ人の間に問題解決のためには、戦争の怖さを知らない戦後派の政治家、国民が力を持ち始めて戦争も厭わない空気が現れ始めたことである。

 今後EU内でのドイツの行動を注視していく必要があると思う。

 ついては、国内における地方政治家の一連の行動の一部始終には呆気に取られる。兵庫県政のゴタゴタである。知事のパワハラ問題から、知事出直し再選挙実施、県局長及び議員の自死、その選挙に公職選挙法違反の陰が見え隠れする百条委員会と非公開資料の漏洩等々、不透明な事件が多発している。昨日斎藤知事の疑惑告発文書問題に絡んで、日本維新の会の3人の県議員が、立花孝志「NHKから国民を守る党」党首に真偽不明の文書や、音声データを手渡した問題について日本維新の会の3人は記者会見を行い、謝罪した。

 しかし、いかに反省し弁解しようとも県民から預託を受けた県会議員である以上、議員の資質、常識に欠けている3人は即刻議員を辞めるべきである。常識的に考えても、選挙で一方に有利な情報を流したら公平感が消える。しかも情報を得た立花氏は、知事選に立候補しながらも端から当選する気がなく、現職知事の当選に一役買うために立候補したというから公職選挙を舐めている。そういう2馬力選挙というそうだが、公職選挙法上違法ではないかと漸く公職選挙法をチェックするようになった。それはともかくとしても、こういうレベルの低い県議員がいるようでは、兵庫県も他府県に置いて行かれるのではないか。3議員には生き恥を晒すことなく、直ちに職を辞することを求めたい。

2025年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6495.2025年2月23日(日) 日本海側で大雪の今日、天皇誕生日を迎える。

 3連休の中日の今日も日本海側を中心に厳しい降雪で、各地でその対応に追われている。今日は天皇誕生日である。天皇は65歳になられた。大学の山岳クラブの仲間と群馬県新鹿沢温泉へスキーツアーに出かけ、ちょうど雪上を滑っている最中にラジオから今上天皇が誕生されたホットニュースを耳にしたことをよく覚えている。あれから65年が経ったとは、時の流れが速いことに驚くばかりである。天皇は誕生日に先立ち、昨日記者会見で、今年が戦後80年を迎えることに平和の時代が続いていることを有難いと仰った。更に戦争の記憶が未来に伝えられることの重要性を語り、ご家族と一緒に過ごす時間が重要で有難いと語られた。天皇はご両親の上皇、上皇后のお気持ちを受けて常に国民に寄り添うお気持ちを抱いておられる。例えば災害被災地へお見舞いにお出かけになられた際には、被災者と同じ目線で膝を交えて被災者の国民に慰めのお言葉をおかけになっておられる様子が窺え、多くの国民が感動している。それはご両親の上皇、上皇后のお姿を幼いころより間近にご覧になられたからであろう。昭和天皇が何となく国民にとって近寄りがたい怖いような存在だったのに比べて、時代も変わったせいもあるが、皇室と国民の距離が近づいたように思う。これからも天皇、皇后両陛下には国民一人一人にとって心の拠り所となられる存在であり続けて欲しいと願っている。

 さて、アメリカのトランプ大統領の唯我独尊の言動が世界中に不協和音を轟かせているが、極右思想にもつながりかねない自らの存在感を打ち出すために、他者を徹底的に攻撃し、非難する手法には些かうんざりしている。

 同じように今ヨーロッパでも右翼勢力が台頭し、特にドイツでは今秋に予定されていた選挙を前倒しして今日総選挙が行われたが、右翼が台頭しナチズムを生んだドイツであるだけに、これからのドイツは周辺諸国からも警戒されている。昨年11月にショルツ政権が崩壊したことを受け、極右派の進出が懸念されている。ショルツ政権は、中道左派の社会民主党、気候変動対策を重視する緑の党、そして企業寄りの政策を重視する自由民主党の3党からなる連立政権だった。しかし、考え方の相違が表面化して、昨年11月に自由民主党が離脱してしまった。

 最近の世論調査では中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」が、28%を占めトップの位置にいるが、日本の自民、公明の連立政権以上に少数与党となって今日の選挙の結果次第ではショルツ首相退任が予想される。更に、それに次いで、今ヨーロッパで問題となっている移民や難民に排他的な極右政党「ドイツのための選択(AfD)」が21%の支持率を確保して、第2党に躍進するのではと警戒感が高まっている。AfDは移民に厳しく、不法移民の即時強制送還を主張し、ウクライナへの軍事支援中止まで求めその資金を自国民のために使うべきだと主張し、自国第一主義をアピールしている。その点ではトランプ政権と一脈相通ずるところがある。

 果たして総選挙の結果はどう表れるだろうか。ドイツも戦前に帰ってナチズム的極右派が支配するのか、或いは良識派が抵抗して、ナチスの反省を訴えるのか、明日にでも結果が示されることだろう。

2025年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6494.2025年2月22日(土) 平均年齢83歳の高齢者兄妹5人の会食

 今日は久しぶりに兄弟妹に会えて楽しい1日だった。一昨年11月に会って以来だから、1年3カ月ぶりである。いくら高齢化社会になったとは言え、80歳前後の5人兄妹が揃って健康で一堂に会せるというのは、中々難しいことではないかと思う。今日も前回同様湘南鵠沼に住む78歳の妹宅へ87歳、86歳(私)、85歳、83歳の4兄弟が連れ合いともども訪れ、食事をしながら和気あいあいのムードの中で楽しい時を過ごすことが出来た。連れ合いを合わせて8人の平均年齢は 83歳である。私も今やや体調を崩していて、健康状態は必ずしも全員揃って良好というわけではないが、兄のやや認知症症状、義弟のALS症状を別にすれば、年齢的にも健康面ではまずまずだと思う。それにしても我々兄妹5人は、皆健康に過ごし今日まで大きな支障もなく生活していると思う。

 私は、高校入学以来結婚するまで15年間の青春時代をこの松林の中の祖父の時代に別荘だった実家で過ごしてきた。潮風の何とも言えない空気感が何とも言えず心に安らぎを与えてくれる。現在の妹宅は、昔住んでいた実家からは少々離れているが、藤沢駅からバスに乗って窓の外を見ていると、大豪邸はほとんど見られないが、小型ながら豪邸があちこちに見られ、高級別荘地だった名残を感じて懐かしい思いがする。ほとんどの住宅には庭があるのが、都内の住宅街と異なる点である。

 現在幸いにも皆お互いにそれぞれがそれほど離れた場所に住んでいるわけではないので、集まり易いという環境にあることも容易に揃って会食出来る要因である。

 やや認知症の症状が現れて来た兄も、当初は今回に限り欠席するとの知らせを受けていたが、突然姿を現したので、驚いた次第である。その兄からは帰途電車内でこれからも1年に1度は兄妹で会いたいということを言っていた。これだけの高齢者兄妹が会って食事をともにするということは、あまりないことだと思うし、我々も皆がそう願っているので、条件が許すなら来年以降もぜひどこかでこういう気の許せない兄妹会を開きたいものだと思う。

 この地で亡くなった両親が、我々を健康体に生み、育ててくれ、大学教育も授けてくれた。戦前、戦後にかけて5人の子どもを育て、大学まで進ませてくれたのは、両親の愛情だと思っている。

 それにしても今日から3連休で大寒波が襲ってくるという予報で、確かに今日は寒かった。2時半ごろだと思うが、偶々窓の外を見たら雪が降り始めたのにはびっくりである。その後雪は止み、青空が見えて来た。気候温暖のリゾート地として知られた鵠沼にも初雪のお出迎えである。良いことが起きそうな予感がする。今日は楽しかった。世話になった妹夫婦に感謝の気持ちを覚えている。

2025年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6493.2025年2月21日(金) ミヤンマー軍事政権の落日ぶり

 最近ミヤンマー情報がメディアであまり伝えられず、相も変わらず国軍による厳しい国家管理が行われているのかと思っていたところ、案に相違して国軍は辺境の地でその存在感を高めている少数民族武装勢力に足元を浚われ、勢力を後退させられているという。今では、各地で抵抗勢力の攻撃に見舞われ、戦力の分散を余儀なくされている状態である。軍部クーデターにより、圧倒的に国民に人気のあったアウンサンスーチー国家顧問らを拘束して、民主派勢力を追放し国軍が国を支配してから4年が経った。ミンアウンフライン国軍司令官らが支配する軍事政権は、中国政府の支援により多少息を吹き返したが、ミヤンマー全土を統率する力は最早見られないようだ。ミンアウンフライン国軍司令官の支持も低下しており、国軍の支配地域は、僅かに国土の32%程度と言われている。

 そんな折も折、ミヤンマーで世界を驚かすような低俗な事件が明かになった。それは、ミヤンマー側から伝えられて来たニュースではなく、日本人高校生がタイとの国境沿いのミヤンマー国内の特殊詐欺の拠点「KK園区(KKパーク)」で、「闇バイト」による特殊詐欺に関わっていた疑いによりタイ警察に取り調べられたことから発覚した。

 この数年高齢者、特に1人暮らしのお年寄りを騙して銀行口座から現金を引き出す詐欺行為が頻繁に起きてメディアでも大きく取り上げられ、社会的な問題となっている。「闇バイト」と言われSNSで知り合った人物から好条件の儲け話に誘われ、安易に口車に乗った若者が増えている。首謀者がフィリピンなど海外にいて、そこから指令を発しているという国際的な犯罪となっている。それが唐突に、日本人高校生がミヤンマーで身柄を拘束されたとは、日本国内でも些か衝撃を受けている。月刊「選択」2月号やネットなどにその詐欺グループの根城となった巨大な施設「KK園区(KKパーク)」に関する記事が見られるが、それはタイに近いミヤンマー国境地帯にひとつの街のような建物集団で中国の詐欺集団によって作られた施設だとは、驚きである。高額が稼げるとの甘い言葉に安易に疑問を抱かず海外へ出かける高校生の他にも、現地には日本人が何人もいるというから呆れるばかりである。ところが、他に外国人だけで1万人もいるというから、更に驚かされる。しかも日本人の方が多額の詐欺の可能性が高いということから、詐欺集団は日本人に狙いをつけているらしい。

 この大きな詐欺集団施設を作ったのは中国人詐欺グループで、中国から高額報酬に釣られてこのミヤンマーへ連れて来られた中国人が大勢いる。その中に偶々中国人俳優がいて、それが中国国内で連日報道されてセンセーショナルな話題となったことから、中国政府当局が動き出した。昨日中国人200人がタイへ引き渡され、彼らは直ちにチャーター機で中国へ帰国させられた。

 ミヤンマー国内にこれほど大きな建物群施設が作られ、ミヤンマー側は知ってか知らずか、中国人闇集団の成り行きに任せて放置していたミヤンマー政府には、大事とも思えず、こんな辺境の事象には目が届かなかったのだろう。それにしても国内の政治も安定せず、国民の間に軍部政府に対する不満も大分あるようだが、それに対応する余裕もないようだ。

 経済的には遅れていたが、あれほどお人好しのビルマ人が、焦らず黙々と働きながら生活を送っていた私の知るビルマは、今どこへ行ってしまったのだろうか?

2025年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6492.2025年2月20日(木) 半世紀近く通いなれた書店の店じまい

 昨日の朝日夕刊の社会面を開けてびっくりした。かなり広いスペースを使って書店の店じまいを知らせる記事が載っていた。関東大震災が起きた1923年に世田谷区内の奥沢に開業して以来100余年の間に、現在の東横線自由が丘駅前に移り、自由の女神像の真ん前に開いていた「不二家書店」が、今日を以て閉店するというニュースである。近々閉店になるという噂は聞いてはいたが、現実に今日店じまいとなるとちょっと寂しい。駅前で便利なので、私も半世紀近くに亘って立ち寄っては本を買っていた書店で、このまま消えてしまうのは実に惜しく残念である。そして今夕6時のNHKニュースでも「書店減る中・・・老舗閉店」と報道されたが、一介の本屋が閉店するだけのニュースをメジャーのメディアがここまで報道するとは、それほどこの書店の閉店は惜しまれ界隈の関心が高いのだろう。

 不二家書店店頭には、拙著を平積みに置いて販売してくれたこともあり、その意味ではお世話になった書店である。同じ夕刊の「素粒子」欄の作者がこんなことを書いている。「近所の本屋さんが明日で店じまい。最後に『ずっと手元に置く1冊を』と思い、辞書を買う」。作者は、購入した辞書を引き合いに「国を救う者は何をしても違法ではないと・・・わが辞書に」とトランプ大統領を皮肉っているのだ。作者もこの近くに住んでいて閉店に寂しさを感じたのかも知れない。

 最後の日でもあり、長い間お世話にもなったこともあり、お別れの挨拶代わりに書店へ出かけてみた。妻もクリニックへ行った帰りに立ち寄ってみたら、店外までお客の行列が続いていたそうだが、私が訪れた時は、さほどでもなかった。販売してもらった拙著「南太平洋の剛腕投手」と、4年前に上梓した「八十冒険爺の言いたい放題」にお礼の言葉と署名を添えて、店員に手渡した。そして、文芸春秋社が来月1日発行予定の「昭和100年の100人-文化人篇」を買い求めた。この3階建て建物の新しい入居者は決まっていないようだが、現在自由が丘駅前は再開発の最中にあり、来年には大きなビルが建つ。しかし、駅前の周囲を見ると現状はほとんど飲食店である。自由が丘は、住みたい街ランキングの常連だが、駅の反対側のビルの地下に書店はあるとは言え、少々足の便が悪い。自由が丘駅界隈から文化が段々遠ざかって行くように思えて寂しく思っている。

 日本出版インフラセンターによると今年1月現在、全国の書店数は10,521軒となり、19年前2006年3月の18,608軒に比べて、4割以上も減ったという。残念ではあるが、この傾向は益々拍車がかかるだろう。一昨日の本ブログに取り上げたように、小中高の学校教育の現場で、紙の教科書を使用することなく、デジタル教科書に代えていくような教育の傾向では、子どもたちが益々本を読む習慣と環境から遠ざかってしまう。

 さて、放言癖のあるトランプ大統領が、昨日またゼレンスキー・ウクライナ大統領に物議を醸す発言をしてゼレンスキー大統領に不愉快な思いをさせている。ゼレンスキー氏が国民の支持がなく、彼の主張は国民の声と隔離していると述べた。ゼレンスキー氏は戦争により国民投票の大統領選をスキップしており、今仮に選挙を実施しても支持率は4%程度だとトランプ大統領は酷評しているのだ。更に戦争を始めたのはウクライナだと虚偽の発言までした。トランプ大統領がなぜウソをついてまで、ウクライナよりロシアの立場に立ったのか。トランプ氏にどういう企みと意図があったのだろうか。開戦の原因は、あくまでロシア軍のウクライナ侵攻である。その事実を隠蔽してロシアの肩を持つのは、どうしてだろうか、相変わらず世界を煙に巻くフェイクマン・トランプ大統領らしいが、その悪質なフェイクで世界中に対立と疑心を募らせている。

 日本も対米輸出品に25%の関税を課せられるのを恐れて、戦々恐々としながらそれを回避してもらうために、来月武藤容治・経済産業大臣が訪米する予定である。

 今夕の朝日「素粒子」欄には、「選挙が盗まれたと支持者をあおって議会襲撃を招いた(トランプ)大統領が、批判的な候補を締め出した選挙で圧勝した(プーチン)大統領と意気投合し、国を侵され選挙どころではなかった(ゼレンスキー)大統領を非難する」とうまい表現で事実を報道している。酷い御仁である。最後の3つの(人名)は、素粒子ではなく、私自身が書き込んだ。

2025年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6491.2025年2月19日(水) ウクライナ戦争停戦の可能性は疑問

 5日後の2月24日は、ロシアがウクライナへ侵攻してからちょうどまる3年になるが、停戦にはあまり明るい展望がなく、停戦への確実な情報や動きが一向に見られない。そんな時に、アメリカのトランプ大統領がロシアのプーチン大統領と停戦交渉を始めるとしきりに前宣伝している。

 昨日サウジアラビアの仲介の下で、サウジの首都リヤドでアメリカからルビオ国務長官ら3人とロシアからラブロフ外相ら2人が出席して停戦交渉のテーブルに就いた。アメリカ国務省報道官によると、「すべての当事者が受け入れ可能な早期に戦争を終結させる」ために高官級を任命し取り組むとしているが、最初から当事者のウクライナを除外しておいてすべての当事者も受け入れ可能とは話が飛躍し過ぎている。トランプ大統領は、「早急にプーチン大統領と会談する」と強い意欲を異様に示して戦争終結に向け迅速な行動を望んでおり、公平で永続的かつ持続可能な合意を目指していると述べたが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、トルコの首都アンカラでロシアとウクライナの戦争終結を当事者のウクライナの頭越しに協議したと厳しく批判した。この雲行きでは、停戦交渉はとてもまとまらないだろう。

 それにしても、トランプ大統領は一方の当事者と交渉しながらも、もう一方の当事者を外すという交渉をして話をまとめられるなんて不可能だという常識的なことが分からないものだろうか。頭へ来たゼレンスキー大統領は、今日サウジアラビアを訪問する予定だったが、訪問を3月10日に一時延期するという。

 米ロ両首脳会談が実現されても悲しいことであるが、停戦は夢物語でウクライナ戦争は当分継続されることになるだろう。

 トランプ話の序でに、こんな馬鹿々々しいことを言うインテリ・タレントがいることを披露しておきたい。環境問題と動物保護の観点からバイデン前大統領が、プラスチック製ストローを禁止して紙製ストローに代えることを決めたことに対して、トランプ大統領が反対し紙製ストロー禁止の大統領令に署名したことを、政治タレント橋下徹氏が評価したのである。橋下氏は何を考えているのか、弁護士という職業を掲げて、言いたい放題の言いようである。海を泳ぐサメやクジラの口内からプラスチックが出て来たことを知っている筈である。彼は、プラスチックを良いと言っているわけではなく、紙製ストローが使い難いと言っているのだが、トランプ語録に便乗するような言い方は止めてもらいたい。こういう科学的根拠のない出まかせを言うような人間がテレビで減らず口を叩く図をあまり見たくない。テレビ局ももっと慎重、かつ公平にテレビ出演者の人選を進めて欲しいと思う。

 今日もまた寒い1日となった。日本上空は強い冬型の気圧配置となり、東北方面や関東北部も山沿いでは雪が降っている。東京都内の最高気温は7℃だったという。今日は外出しなかったが、テレビで映し出される大雪の情景には、現地に住む人々のご苦労が思いやられる。最高の積雪は青森県酸ヶ湯温泉の499㎜だった。これでは戸外では何もできないだろう。学生時代と社会人になってから山登りの帰りに1度訪れここの温泉に浸かったことがある。その時はいずれも夏だったので、今の光景とは大違いである。まぁ無理だろうが、また1度はここで温泉に浸かってみたいところではある。それにしても先月以来腹具合が悪く、何度か病院やクリニックで検査をして診てもらっているが、どうもすっきりしない。

2025年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6490.2025年2月18日(火) 小中高でデジタル教科書を使用?

 現在衆議院予算委員会で新年度予算案を巡り与野党が協議を続けているが、少数与党となった自民・公明両党が野党に歩み寄るケースが多く、特に今与野党とも注目している教育関連予算案では最後の詰めを行っている。この過程で大阪府の公私立高校までの授業料無償化の例に鑑み、日本維新の会は高校授業料支援に最大63万円への引き上げを主張したが、石破首相との会談で全国の私立高授業料の平均額である45万7千円引き上げで調整している。同時に910万円世帯の所得水準のハードルを撤廃することを強く要求している。この他にも小中学生の給食費の無料化を求めている。やや野党に押されっ放しの与党としては、どう決着をつけるだろうか。

 それにしても、教育関連費を支援するのは、いかに少子高齢化の時代とは言え、我々の世代から見ると羨ましいばかりである。多分両親が生きていたら、苦労して我々5人の息子、娘を育て上げ大学まで通わせたことが走馬灯のように思い出されることだろう。今の金額で換算するなら、概算で1年に相当な教育支援金の補助をいただいたことだろう。

 教育支援金については、子を持つ家庭にとっては経済的に大いに助かり有難いことである。ただ、現在進めつつある教育の根幹である教科書の取り扱い方には、問題があると思っている。

 2018年に「学校教育法等の一部を改正する法律」が実施されることにより、翌19年4月からこれまで当たり前と見られていた紙の教科書の一部を小中高でデジタル教科書に代えて使用することが、認められることになった。19年度から紙の教科書の「代替教材」としてデジタル教科書が小中高で使用を認められている。実際には学校現場での導入は一部の実験校を除いて実現されていないが、25年度から小学5年生から中学3年生を対象に英語や数学などで本格的に使用を始め、30年度には、正式な教科書として導入が検討されるようだ。

 だが、どうも素直に納得出来ないのは、教育に煩い中央教育審議会(中教審)がデジタル教科書を紙の教科書と同じように、「正式な教科書」と位置付けることを適当であるとして、「紙とデジタル」を組み合わせて形式も認めるべきだと答申したことである。本当にそう考えているのだろうか。

 というのは、このデジタル教科書には難題が目白押しである。モバイルモニターをひとり一人の小学生が持ち、担任教師からの指導をその画面を通じて受けるというのはどんなものだろうか。昨今小中高生が、スマホ、特にゲーム遊びに熱中して勉強も疎かになり、視力も減退したという声をしばしば耳にする。これに便乗?するようなことを文部科学省が容認するとは、そもそもおかしいのではないかと首を傾げざるを得ない。また、生徒たちは教室内でひたすらモバイルモニターを見つめて、教師やクラスメートの顔を見なくなってしまうのではないか。低学年生であればあるだけ、教師と生徒、生徒同士が顔を見て、目を見て会話をするというのが理想ではないだろうか。生徒用のデジタル教科書の他に、教師のための指導者用デジタル教科書、及び指導者用デジタルブックがあるようで、指導する教師に対しても指導が行き届くよう配慮はしているようだが、教育というものは対面で行うのが基本であり、最も効果的ではないだろうか。昔の寺子屋の考え方からするなら、吉田松陰にはとても考えられない教育方法だろう。

2025年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6489.2025年2月17日(月) デヴィ夫人が起ち上げた「ワンニャン平和党」

 デヴィ夫人こと、デヴィ・スカルノ元インドネシア大統領夫人が、去る12日に政治新党結成と、自身参議院選全国区比例代表として立候補することを公表して、少なからず世間を驚かせている。85歳高齢の今も相変わらず派手な立ち回りで、テレビ出演やCMなどでしばしば目にするほど活動している。時折大相撲の桟敷席で華やかなドレスで観戦している光景が、テレビ画面に映し出されることもある。その派手好きで目立ちたがりやの女性が、何を考えたのか、この期に及んで自ら政党「12平和党」を結成し、党首に収まり国会議員になろうとしている。政党のテーマは、犬、猫と人間が協調する社会を作るという童話のような政策であるが、読み方も「ワンニャン平和党」と呼ぶようで、猫の好きなデヴィ夫人らしい。しかし、名前もやや悪乗りしてふざけたような印象を与える。少々政治の世界を軽視しているようにも感じられる。

 近年政治的理念や確たる信念を抱いて政界へ出ようという人物が少なくなった。成り上がりものが、資金的に余裕があるのか、やたらと立候補する動きがある。NHK党党首の立花孝志氏や、つばさの党党首の黒川敦彦氏のように全国を飛び回って売名行為のように中央政界入りに限らず、地方自治体の選挙に度々立候補している。彼らの行動には、真剣さとか誠実さがあまり見られない。立花氏が別の候補者、斎藤元彦・兵庫県知事を当選させるために立候補したケースや、黒川氏が昨年4月衆議院東京15区補欠選挙における立候補と他候補への妨害行為で起訴処分を受けたような例もある。黒川氏に至っては、今年1月にも東京千代田区長選に出たが最下位だった。昨日行われた埼玉県朝霞市長選でも4人の立候補者の中で最下位、市長当選者より2桁も少ない獲得票だった。とても知名度を上げること以外にとてもその真意と目標は考えられない。

 しかい、デヴィ夫人にとってはいくつかクリアしなければならない大切なハードルがある。まず、日本を代表する日本の国会議員になるためには、当然ながら日本国籍を取得していなければならない。彼女はスカルノ元大統領の何人目かの夫人であり、正式に大統領と結婚しており、インドネシア国籍を有している。その際インドネシア国籍の取得と同時に、日本国籍を放棄した。先ずは、日本国籍を復活させなければいけない。そして、彼女が顔を出すテレビCMが問題視されるので、契約を解除し、その折スポンサーに違約金を支払わなければならないことである。

 それにしても、上記の例のように最近選挙に出ることだけを目標にしている政治家志望の人物が多く現れている。また、立花氏が。自分自身のためばかりでなく他の候補者を当選させるために立候補するケースである。これについては、昨日平井伸治・鳥取県知事ら19府県知事が、政府や国会に対策を求める緊急の声明を発表したほどである。

 最近選挙自体を軽視するのか、他の目的のために利用しようというのか、立候補者、その関係者、更に選挙そのもののレベルが劣化したように感じられる。彼らにはやや公徳心に欠けるところがあるのではないかと懸念している。更に言うなら、自身が立候補することによって公職選挙に余計な経費や負担をかけてはいないだろうかと真剣に考えたことがあるだろうか。

 いずれにせよ、デヴィ夫人の政党創設については断は下されたようだ。メディアも興味本位の取材と報告をするだろうが、新党の犬と猫との共生社会を目指すとの公約や政策方針を、国民が素直に受け入れるだろうか。

 国民及び国政に対する責任感や、真面目さが足りないように感じられてならない。

2025年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6488.2025年2月16日(日) トランプ大統領の売名と名誉欲の立ち回り

 ウクライナ戦争を終結させるためと公言してアメリカのトランプ大統領が、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行った。トランプ氏が停戦に前向きなのは、戦争を終わらせたという功績と、ノーベル平和賞を授与されたいからであり、強い功名心のせいであろう。そのためにウクライナへ侵攻したロシアと話し合うのは由しとしても、一方のウクライナの指導者を抜きにして話をまとめられるわけがない。案の定ウクライナのゼレンスキー大統領が、昨日ミュンヘンで開幕中の安全保障会議でトランプ氏の進めるロシアとの停戦案を巡って危険だと警戒感を示した。元々ウクライナは、ロシアが占領地域を返還するなら停戦を約束すると語っていたが、このウクライナ案については、プーチン大統領はもとより、トランプ氏の他にも米首脳らは非現実的と語っていた。これでは、ウクライナは停戦交渉の土俵にも上がらないだろう。

 トランプ大統領は、ウクライナが希望する北太平洋条約機構(NATO)加盟に反対し、軍事費の支援に非協力的である。交渉の場というのは、両者が台頭の立場に立って話し合いをするものであり、ややロシア向きのトランプ氏が肝心の当事者であるウクライナを蚊帳の外にして、プーチン大統領と交渉すること自体話がおかしい。

 更にトランプ大統領には、別の目論見があるようだ。それは、ウクライナ国内にはかなり貴重な鉱物資源が埋蔵されており、大統領はウクライナ支援の見返りにウクライナ産レアアース(希土類)の供給を求めていると言われている。ワシントン・ポスト紙はこう報道している。「アメリカは、将来的なウクライナの鉱物資源権益の50%をアメリカに与えるとする文書への署名を求めたが、ゼレンスキー大統領は丁重に拒否した」。当たり前だろう。

 主人公抜きの芝居を演じている三文役者のトランプ氏は、いずれどこかで躓き存在感を喪失するだろう。個人的にもトランプ氏の存在が疎ましいと思われるのではないかと思っている。

 さて、NPOの定期広報紙にエジプトが誇る世界遺産アブ・シンベル神殿が、川岸から丘の上へ移築することによって水没を免れた経緯と事実を書いているが、当時のナセル・エジプト大統領についてその影響力や人間性に触れた。トランプ大統領の実績に引き比べて革命によりファルーク王政を倒し、エジプトをイギリスから独立させ、スエズ運河の管理権を奪還して国民から絶大な支持と人気を得ていたその実績と人柄は圧倒的だった。日本でも知名度は抜群で一部では「ナセバナル ナセルハ アラブノ ダイトウリョウ」と持て囃されたくらいである。アブ・シンベル神殿を丘の上へ移す工事を完成させた1968年の2年後に、惜しまれながら52歳の若さで亡くなった。それに比べて、老醜を晒していると言っても好いトランプ大統領は、今78歳である。もう少し年の功を見せて欲しいものである。

2025年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com